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実話怪談のような思い出「ドラキュラのMくん」

作者: ローペン

 あらかじめ言っておきますが、この話には不思議なことは何一つ起きていません。「実話怪談」ならぬ「実話怪談のような思い出」です。

しかし、私にとってはなんかモヤモヤする思い出であり、ちょうど夏のホラー2021のテーマが「かくれんぼ」だったのでここに記しました。


 あれは確か私が小学生だった頃のことだったように思います。あまり親しくなかったMくんという男の子と、名前を忘れましたがもう一人の男の子が、うちに遊びに来たのです。

それで、どういう流れだったのか忘れたのですが、近所の神社に遊びに行くことになりましたが、鳥居の前でMくんはこう言いました。「実は、俺たちは、ドラキュラなんや!」と。


「俺たちはな。暗いところに行くとキバが伸びるんや! それで血を吸うんや!」


「太陽なんか平気やから、こうやって遊びにも行けるんや!」


Mくんともう一人の男の子は何だか得意げにそんなことをいきなり言い出して、今、思い返すと、小学生の低学年で厨二病かとも思えます。

当時、小学生の低学年の私も内心では「こいつら、なにをいってんだろう……」と思っていましたが、口には出しませんでしたよ。ええ……。

まあ、それはそれとして、「さあ、かくれんぼするぞ!」とMくんは言って、私たちは鳥居をくぐって……。ここで記憶は終わりです。


 この後、神社でかくれんぼをしたかどうかの記憶がありません。話としてはこれで終わりですが、親しくもない彼らがどうして遊びに来たのかは謎です。

ちなみにMくんは卒業アルバムで確認できますがもう一人が今も誰だったのか不明です。そして、大人になってから彼らとは一度も再会していないのです。

成人式でも、同窓会でも。卒業アルバムにはMくんの自宅の住所や電話番号は載ってはいますが、さすがにあまり親しくないので連絡は取りたくないです。

まあ、小学生の低学年で厨二病が二人いたという話ですが、やはり、モヤモヤするのです。鳥居をくぐった後、何があったのが、そして、もう一人は……?

そんなことはあるはずが無いと思ってはいるのですが、ふと彼らのことを思い出すと、思ってしまいます。彼らは今も、闇の中でキバが伸びるのかと……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小説、でいいのかな?読ませていただきました! 体験談なだけあって、最後が意味深な終わり方をするのがゾッとします。 短編なのでサクッと読めるのも有難かったです。
2021/07/11 21:59 退会済み
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