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World Creature Online~私はイノシシになって全てのモンスターをぶっ飛ばす~  作者: 土偶の友@転生幼女3巻12/18発売中!


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42話 アリジゴク

『ハルはログインしました』


 ふふん。今日は少し早めの8時55分にはログインしてみた。


 これで待たせずにす……。


「やっと来たわね」

「今日は早いねー」

「お、お疲れ様です」

「あれー? 私結構早めに来たと思ったんだけどなー」


 私が時間を確認すると8時55分。結構全力を出したのに……。


「それだけ皆が楽しみにしてるってことだよー。ナツキなんか」

「『胞子シールド』」

「むぐ!」

「それ以上しゃべったら許さないわよ」

「むぐぐむぐー!」

「分かればいいのよ」

「あはは」


 なんだか私がいない間に楽しくやっていたらしい。


「何時の間にそんなに仲良く……」

「ハルさんと一緒に遊びたいからですよ。張り付いてもいいですか?」

「そうなの? いいよ」

「では」


 フユカは私のお腹に張り付き、アキはバサバサと背中に乗ってくる。ナツキはいつものように頭の上に放り投げた。


「それじゃあ早速行こうか!」

「ええ!」

「レッツゴー!」

「宝箱は任せてください!」


 私は走り出す。


******


 それからの一週間はずっと走り回っていた。荒野から草原から森から山から雪山等様々な場所を走り回った。護石もかなりの量が集まった。


 しかし、これでいいだろう。っていう護石装備までもう少しだった。


「うーん。なんかこれっていう感じでは揃わないわねぇ」

「そうだね。やっぱりもっと先に行かないとダメなのかな?」

「どうだろうねー。でも、あれ以上はレベルが上がってないと厳しいと思うんだー」

「流石にこっちの攻撃でダメージが通らない敵は無理ですよね……」


 今思い返してもやっぱり無理な気がする。そもそも、そこのダンジョンに入る前に警告が出ていたのだ。ステータスが足りていませんと。でも私たちならいける! と突っ込んでみたものの、確かに走り抜ける事、というか躱すことなどは出来たのだけど、攻撃が一切通らなくて泣く泣く諦めた。


「でも、私の本気の『突進』まで防がれるとは思わなかったよ」

「『ぶちかまし』も全部効かなかったからね……」

「あたしも弱点突いた攻撃が全く効かなかったからねー。あれは流石に無理だよー」

「でも、あれでいけるって事が分かりましたね」

「うん」


 そうなのだ。もしも無理な場合であれば、無理と警告が出るのだ。つまり、今回のトカゲサルを倒すイベント『最後の挑戦状』も無理なら出るんじゃないのか? というのが私たちの考えだった。


 でも、そんなものは出ていない。ということであれば、実際に攻略出来ると私たちは結論付けた。


「それじゃあ今行ける範囲でもうちょっと探す?」

「この砂漠エリアでダメだったら考え直しね」

「そうだねー。あと技術の実(スキルフルーツ)も限界まで集めたいかなー」

「ハルさんの速度のお陰で予想以上に宝箱を回れてますもんね。この調子で行けば明日にはいけそうじゃないですか?」

「うんうん。いい宝箱があったら集めに行きたいよね!」

「にしても熱いわね……。私の柔肌が(あぶ)られちゃうわ」

「(じゅるり)」

「ちょっと、今よだれを拭いたのは誰よ」

「「「私(僕)(あたし)じゃないよ」」」

「皆じゃないの!」

「あはは」


 私たちは軽口を言いながら走り続ける。


「んー。おかしいなぁ」

「どうしたの? フユカ」

「えっと、今までのフィールドだともう少し宝箱にヒットしたと思うんですけど、ここは中々反応が無くって……」

「もう少し奥の方とか行ってみる?」

「そうですね……お願いできますか?」

「オッケー」

「すいません……。僕がもう少ししっかり出来ればいいんですが……」

「気にしないで。私の上には何もしてないのに堂々と胸を張ってる2人がいるんだから」

「当然よ! 私はいるだけで価値があるのよ!」

「あたしはそこまで言わないけど必要な時には頑張るからねー」

「って言ってるから。ね? 気にしないで」

「は、はい……」


 私は進路をよりこのフィールドの奥の方に向けた時に、アクシデントが起きた。


「何これ!」


 私の足が砂に埋まって行き、前に進めなくなってしまったのだ。


「アリジゴク!?」

「ハル! 頑張ってー!」

「『ソナー』! ダメです! 僕に出来ることはなさそうです!」

「ぬおおおおおおおおお!!! 吠えろ! 私の4WD!」


 私は必死に足を動かして、何とか砂から足を持ち上げる。が、1足を持ち上げている間に他の足がもっと深くに沈んでいく。


「私も何か……そうだ! 『胞子シールド』! ハル! これに乗って!」


 ナツキが私の目の前に板状にしたシールドを展開してくれる。これに乗れれば……!


「うん!」

「私も手伝うよ! 『風よ吹け(ウインドブロー)』!」


 私の後ろから風が吹き体が少し軽くなった気がする。


もう少しでいける。そんな時に。


「うほおおおおおおおおおお!!!!」

「トカゲサル!?」

「何でこんなところに!?」

「『炎の槍よ(ファイアジャベリン)』!」

「『ピンポイントショット』!」

「うほおおおおおおお!!!??? 少し位いいではないか! 挨拶に来ただけだぞ!!??」


 トカゲサルはアキとフユカの攻撃をギリギリで躱し、怒ったように言ってくる。


 でも、怒りたいのはこっちだ。このクソ忙しい時に。


「うるさい! こっちは今立て込んでるの!」

「そうよ! あんたと戦ってる暇はないの! 大人しく最初の台地で待ってなさい!」

「『風の槍よ(ウインドジャベリン)!』

「『ピンポイントショット!』」

「お前らは攻撃を止めんか! っというか何時まで待たせるのだ!」

「走ってる時に先に攻撃してきたくせによく言うねー!」

「近いです! 離れてください! 警察呼びますよ!」

「最初の2人がまだ優しく感じるとはのう……」


 そう言ってしょんぼりしているトカゲサルを見ると、少し、ほんの少しだけ可愛そうになる。ミジンコ程度だけど。


「だったら助ける位してよ!」

「そうよ! 今こっちはヤバい状況なんだから!」

「ふん。断る」


 やっぱこいつ絶対にぶっ飛ばす。あ、でも足が……。


「もう……無理……」


 私はどうすることも出来ずに砂に沈んでいく。


「ハル! 何とか頑張ってよ!」

「そうだよー! ハルなら何とか出来るよー!」

「ブクブクブクブク」

「ああ! フユカは下にいるからもう沈んでる!」

「あ、ごめん。やっぱ無理……」

「アキ、アンタは生きなさい。私たちの分も生きるのよ」

「ダメだよ。生きる時も、死ぬ時も一緒だよー」

「全く。アンタってやつは……飛ぶのが面倒なんでしょ?」

「バレたー?」


 私たちはそのまま砂のそこに沈んだ。


「ふん。こうでもせねば勝負にならんからな。一人でも出来る様になる(・・・・・・・)と良いが」


 マウンテンドラゴンコングはぽつりと呟いて飛んでいった。

少し投稿頻度が増えるかもしれません。


よろしくお願いします。

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