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World Creature Online~私はイノシシになって全てのモンスターをぶっ飛ばす~  作者: 土偶の友@転生幼女3巻12/18発売中!


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31話 海

 私がその宝箱を開けると中には……。


『ハルは物凄く大きくて美味しいさつま芋を入手しました』


護石(ごせき)じゃない!?」

「しかもさつま芋って……これってレアアイテムなのー?」

「どこで使うんだろうねー」

「護石……」


 ナツキが分かりやすくがっかりしている。


「ナツキ元気出して」

「そうだよー。もしここで護石が見つかってても、シールド強化の護石じゃなかったと思うよー」

「え?」

「だって、店の人は海にあるって言ってたし、ここは荒野でしょ? だから出てくることは無かったと思うよー」

「なるほど」

「そっか……。そうよね! そんなに直ぐに都合よく見つけられる訳ないわよね!」

「うん! 流石に次の街までそろそろだろうし、ちゃっちゃと行こうよ!」


 私は一応アイテムを回収して次に行こうとするけど、アキに止められた。


「ハル、折角だから宝箱の匂いって覚えて置いた方がいいんじゃない?」

「あ! そっか!」


 クンクン


 私は匂いを嗅いで、頭の中にこの匂いを記憶する。うん。確かに、おばあちゃんが言っていたような古びた匂いだ。


「覚えたよ!」

「それじゃあ行きましょうか」

「うん」


 私たちはその洞穴から出る。その時、塩の匂いが鼻をくすぐった。


「ん?」

「どうしたの?」

「いい匂いでもしたー?」

「海の匂いがする!」

「え!?」

「もう!?」

「うん! さっきまではボードに集中してたから気付かなかったけど、今はハッキリわかる! こっちだよ!」

「え? もう行くのー?」

「いいじゃない! 早速海に入りましょう!」


 私は海の方に真っすぐ足を向けて駆ける。


 それから自身の鼻を頼りに走ること10分。波が打ち寄せる音が聞えて来た。


「聞えるわね!」


 ナツキのテンションが上がっている。


「ここで寝るのもいいかもねー」


 アキの声もどことなく楽しそうだ。


 それから1分もしない内に、綺麗な砂浜に出る。どこまでも続く砂浜に、その奥にはゴミ一つ落ちていない海。


「すごーい! こんなに綺麗な海初めて!」


 私は飛び込むために駆け出す。


「きしゃああ あば!」


 パン!


 今のはヤドカリかな? でもどうでもいいや。


「海ってこんなに綺麗なのね! びっくりだわ!」

「流石に本物はもうちょっと汚れてたりするけどねー。それでもこれはいいねー」


 2人も気にしてないし大丈夫だろう。


「ナツキの欲しい護石って砂浜? 海の中?」

「海中の護石を売って来たんだし、海の中じゃないの?」

「あたしもそうだと思うー」

「分かった! それじゃあいっくよー!」

「いええええいい!!!」

「やほおおおおい!!!」


 私たちは海に飛び込んだ。


 ざっばあああああああああん!!! ブクブクブクブク


 私たちは海の中に沈んでいく。海の中は、色とりどりの海藻やサンゴ礁が所狭しと敷き詰められていて、とても幻想的な雰囲気だった。


「すごーい! 水ってこんなに綺麗なんだね!」

「本当! これなら人魚になってもいいかもしれないわ!」

「こんな場所を自由に泳ぐって言うのも楽しいかもしれないねー」


 私達はそんな事を話しながら海の中を散策する。


 それから5分後。


「流石にずっと見てると慣れるね」

「早く護石を見つけなくっちゃ!」

「遠くを見てるんだけど、中々ないよー」


 さっきの荒野で出会った宝箱はまぐれだったんです。とでも言うかのように宝箱の影も形もない。


「うーん。鼻も効かないのか分かりにくいよ」

「海の中だからね……。仕方ないのかしら?」

「目は常に潤ってるから私はずっと見てられるよー」

「じゃあ後3時間位走るから、アキは目を凝らしててね?」

「……ごめんやっぱり疲れて来たかもー」

「ハル。嬉しいけど、そんなに探してくれるのは悪いわ」

「そんなことないよ。ナツキ」

「そうだよー。それくらいやるよー。こうやって話しながら探すのも楽しいしねー」

「ハル……。アキ……。ありがとう! それなら朝までずっとやるわよ!」


 ナツキが笑顔になったのは嬉しい。嬉しいけど……。


「ナツキ……それは無理」


 明日の朝のランニングにいけなくなりそうだから。


「あたしも学校でやることがあるからそこまでは付き合えないかなー」

「むー」


 ナツキが膨れている。まるで焼かれて丁度いい感じに膨れ上がった焼きキノコの様だ。


「なんてね。流石に私もうるさいのが止めに来るから出来ないわ」

「そうだよ。沢山やるのもいいけど、一気にやる必要なんてないよ!」

「そうだねー。何日もかけてゆっくりやってこうよ」


 私も母さんが来るかもしれないし、ずっとは出来ない。


 話しながら30分ほど歩き回っていると、ふと、さっき嗅いだような匂いを感じる。


「ん?」

「ハル? どうかした?」

「お腹減ったとかー?」

「そんなことないよ! 宝の匂いがする」

「本当!?」

「流石ハル!」

「フンフンフンフン。こっち……かな?」


 水の中だから何となくとしか言えないけど、こっちから匂いがするような気がする。匂いをしっかりと嗅ぐためにゆっくり歩く。


「フンフンフンフン」


 私は微かな匂いを頼りに何とか宝物の方に向かう。すると、


「あったー! あそこにあったよー!」


 アキの嬉しそうな声がする。


「ほんとに!」

「え? どこ……?」


 私とナツキはアキが指し示す方を探すけど、全く見えない。


「あっちの方だよー! ほら、岩陰の裏にそれっぽいのが見えるよー!」

「み、見えない……」

「もういいよ! 走っていこう! こっちなんだよね!」


 私はアキが指し示す方に走り出す。


「あれー? あのサカナ……」

「どうしたの?」

「なんか他のプレイヤーがすごい速さで泳いできてるー」

「え? どこに向かって?」

「宝かなー?」

「嘘!」

「負けられないよね! 『疾走』!」


 私は出来る限りの速度で走り出す。しかし、水の中だからいつものように速度は出せない。


「あ! 相手も速度を上げ始めたよ!」

「負けるかぁぁぁぁぁぁ!!!」

「頑張れハルー!」

「このままならいけるよー! フレフレハールー!」


 2人の応援してくれるんだ。負ける訳にはいかない!


「うおおおおおお!!! 唸れ! 私の4WD!」

「ハルにはモーターついてないでしょう!」

「でもついてるくらい走ってるから実はー?」

「そんな!? ……ハル。貴方がどんな姿でも私、気にしないからね?」

「何を考えてるか分からないけど普通の人だよ!」


 ちょっと走るのが好きなだけだ。


「あれかな!? 見えた!」

「そうだよー! もうすぐだよー!」

「あれね! 私のシールドで妨害するわ!」

「ナツキ! それはダメだよ! 正々堂々と正面から勝ちたいんだから!」

「ハル! 分かったわ! だったら絶対に勝ってよね!」

「もっちろん! 私の足を信じてよね!」

「当然でしょう!」


 話している間に後数ⅿ。横目で見るとかなりの速度で泳いでくるサカナがいる。小さい。頭には小判が載っているような形をしていた。


 でも、そんなのは関係ない! 


「届けえええええ!!!」


 後少し! 私が先に届く! そんな時に、耳に声が入った。


「あの! 待ってください!」

「ふえ?」


 私が声がした方を見ると、ふよふよと泳いでくるサカナがいた。

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