モザイクな冒険者
冒険者編突入
いつも通りオチは考えていません。
とぼとぼ…どよして僕お外歩いてるの…
ま⭐︎何とかなるよね!
冒険者になればお城に戻れるんだろ? 楽勝よ
俺は石橋すらも真ん中を渡る慎重な男
ポクポクチーン!
まずは武器! 冒険するなら武器はいるやろ!
とりま武器屋に突撃だぜ!
・・・・・・・・・
「客だ! 俺が来たぞ! 武器を寄越せ」
「!? へい、いらっしゃいませー!」
うんうん、命を刈り取る形の物ばかりじゃない!
しかし、俺の趣味に合う物が…
「おお。これいい!! これちょうだいよ! 」
全身フルプレートの鎧が目についた
「それは鎧ですが、武器をお探しでは? 」
「知らねーよ。これ気に入ったの!我が宝物庫に加えてやろう! 」
「…わかりました。 値段はこの辺りでいかがでしょう? 」
ゼロが何個よソレ。じゃじゃ丸から貰った餞別じゃ到底足らん。
ジャラ
「これでなんとかなんない? 」
「とてもではありませんが無理です。お引き取りください」
くそっ。夜に忍び込むか?
いやここで騒ぎを起こすと城から永久追放されそうだ。
腕の部分がカッコいいんだけどな
欲しい…!
「じゃあこの金で腕だけ売ってぇ!売ってぇ! 」
「う、腕だけですか…うーん、そうですね。では片腕だけでしたら…」
「うんうん! それでいいよ! 毎度ありぃ! 」
「はぁ、毎度ありがとうございました。」
早速腕に装着する
おお、しっくりくるな! これなら魔王もワンパン圏内か?
良い買い物をしたと、俺は満面の笑みを浮かべながらギルドへの道を歩く。
ガチャガチャ…ガチャガチャ
ガチャガチャとガントレットが腰に当たって痛い
血が滲んでるぞ! くそっ不良品掴ませやがってあの店員
手の角度を少し変え、腰に当たらないようにすることにした。
歩きにくい…!
「うん、ここがギルドか! まずは登録しろってポンコツが言ってたな…しかし、冒険者はメンツで生きてるって話だから舐められんようにするか。」
・・・・・・・・・・その時のギルド
(最近張り合いのある冒険者がいねぇなぁ…
まあ就職して2ヶ月だがな俺は。はっは 笑
冒険者には威張れるし中々良い職に着いたもんだぜ)
「 …シーさん!カタ…さん!……!!
…カタシーさん!! 黄昏てないで仕事してくださいよ!! 」
(コソコソ)
「あいつまたさぼってやがるぜ」
「仕事しねぇくせに文句ばっか言ってるよな」
「しかも、モンスターの知識全然無いんだぜ 笑」
(コソコソ)
バターン!!
ドアが勢い良く開き1人の男が中に入ってくる
そう。ツトムである
視線が一気に集まるが無視しカウンターへと向かう
「西の魔王キングビオレを倒したと思ったら急にこっちに来いとか人使い荒いよなー? また一からやり直しだよ。 ハァ、、とりま登録お願いするわ 」
ざわざわ…ざわざわ
(きんぐびおれ? 何だかわからんがこいつ、、できる…!)
「えーと、、きんぐびおれをお倒しとは凄いですね! それで冒険者登録したいということですか。では簡単な質問をいくつかさせて貰います。」
「あーいつものやつね! はいはい、恒例行事恒例行事」
「年齢は?」
「20から数えてない」
「はぁ?…では約30歳と…」
「次に、職業は?」
「昼はテクニカルハンドマスター」
「え?…え?、なにソレ(ボソ)
おおお!? かの有名な!…」
(てくにかる?…あったか?、、、とりあえずモンクと…でも昼?、夜は? )
「えー戦闘経験の参考として、サンチューを討伐したことはありますか? 」
「サンチュー? ああ強いよね。序盤しゅうばん終盤隙が無いよね。
昔500体に囲まれた時は俺も覚悟したな。 まぁ何とかなったがね…」
(結局どっち!? こんな自信があるんだし…有りと…しかしサンチューは単独での目撃例しかなかったような …)
「最後にこの水晶にお願いします…」
何を?笑 この水晶にどうしろと?
舐めたらええの? くそっここまで調子良かったのに…
「? すみません、早くお願いします。次の冒険者が待っていますので」
「まぁ待て準備がいるだろがこいつをやるにはよ」
(準備? 手で触れるだけのはず。。。でも今までよく見てなかったし、何かあるのか…?)
呼吸を落ち着け中腰の体勢になる
ガントレットの着いた右腕を腰を持っていき…
カッ!!
「死に晒せー!!! 」
ドゴォッ! ガシャーンッ!!!
粉々になった水晶を前に
「ちっ、またやっちまった。魔力が強すぎるとあんなに注意されたのによ。ふっ俺もまだまだ青いぜ…」
腕が痛い。これ絶対青くなってるよぉ
しかしそんなことはおくびにも出さない。
「…壊れた… はい、壊れましたね…いやー気をつけてくださいよ。まあ壊して一人前と言われますからね (壊してもいいんでしたっけ? 測定が不明の場合はどうすれば…ええい!)
ツトムさんにはB級からの登録となります。これがギルドカードです」
他の冒険者達
(魔力? あいつ普通に殴らなかったか…)
(冒険者は特例なくF級からのはず? 水晶での測定はあくまで確認のみのはずだが…)
「たっはぁ!(笑) クッソ、今回もBチクからかー…
Aスタートはあの時以来出せてないし、鈍ったか俺? あー反省反省」
「ギルドカードの説明ですが、ご存知の通り『ステータス』と言えばあなたの情報が表示されます」
ほう。『ステータス!』
ギルドカードから情報が表示される。
どうやら本人にしか見えないようだ。
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名前:ツトム
性別:男
職業:テクニカルハンドマスター
称号:無し
能力:
HP :10/12
MP :不明
力 :不明
魔 :不明
スキル:
・モザイク魔法
ー レベル1:小さなモザイクを生み出す。
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…不明が多いな。壊したのは不味かったか?
だがモザイク魔法にレベルがあることがわかったのは大きい。今は正直奇襲にしか使えないからな
今より強力になるなら、用途はかなり増えるだろう。
「それで早速討伐クエストでも受けられますか?」
「討伐? そうだな、とりあえずメタル系のやつを2ダース程倒すか。」
「メタル系? …すみません、そういったモンスターのクエストは無いですね…」
「ああん? じゃあゾーマでいいよゾーマ」
「すみません…そのモンスターを知りません…」
「はあ? あのメジャー級モンスターも知らねえの?」
(ぐぬぬ…)
「申し訳ございません…」
そろそろ飽きてきたな。次で最後にするか
「品揃えの悪いギルドでちゅこと。 もうスライムで我慢するか。まっいないんでしょうけど? 笑」
「!! あります! それでしたらあります!」
あるのか…まあ試しにはもってこいだろ
「流石にあるか。帰ろうと思ってたところだったぞ君」
「では受注ということで、生息地は北の森になります。」
ほいほい、じゃあ一匹残らず潰してきますかね
(あいつ、スライムを受注したぞ…)
(スライムってあのS級パーティー、風のビュンがズタボロになって帰ってきたやつだよな…?)
(S級が徒党を組まないと厳しいクエストのはず…B級程度では返り討ちにあうぞ)
そんなことは知らず、ツトムはすでに倒した後の晩御飯のメニューを考えていた。
スライム見た後は餡掛けタイプの飯がいいな。この辺に中華があるか後で探すか。
ツトムがもう用はないとギルドを出ようとした時
「ちょっと待ってください! パーティーは組まないのですか?」
(流石にソロでのクエストは聞いたことがない…死なれて、後でギルド長に怒られるのも困る…!)
「パンティ? パンティならいくらでも城で見たぜ? まあ俺は中身にしか興味ないタイプなんでな。いらねーよ」
「パンティ? (パーティーのことか…?)
しかし、パーティーを組むと安全性が段違いです!」
うるさいなぁ。パンティに助けられる冒険者って、もう引退しろよそいつ。
「いらねーての! スライムなんか ザクっといてズバッ で終わりだろうが。目を狙うのもいいな」
ざわざわ
「スライムに目なんかあったか?(コソコソ)」
「甲殻類最強で、まともな斬撃は通らず。特殊なピット器官が目の役割をしているモンスターだったはずだ(コソコソ)」
「そ、そうなのですね…流石一流の冒険者様…分かりました! ではお気をつけて…」
スライムで怪我すると思ってんのか?あいつ。帰ってきたらスライムの残骸を投げてやろうか。
今度こそ用はないとツトムはギルドから出る。
「あ、あの人死相が見えます。」
「あんたまた知らない人占ったの? 趣味が悪いんだから…で、死相ってヤバイってこと?」
(コクコク)
「そう…助けたことにして報酬を山分けまで持っていければ、うちらもランクアップ間違いなしね! 腕は立つ様だし、みんな尾行するわよ!」
ツトムの勘違いと無名の冒険者パーティーの暗躍が動きだす…!
次は早めに出せればいいですが、遅くとも土日で頑張ります