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鬼隠し  作者: 七十たん
3/14

鬼隠し 1日目の始まり

鬼隠し当日がやってきた。

祭りとはいっても盛大ではない。

簡単にいうとまるで文化祭のようでもあった。

学校の大半が屋台なとで埋め尽くされる。

だがこれはこの祭りの予兆でしかない。

本当の祭りは・・・日が暮れた頃に始まる。

太陽は沈みかかり全校生徒は運動場に集められた。

もちろん1−1もそれと同様。

運動場へ集まり校長が出てくるのを話しながら待つ。

そんなことが続いていた。

だが校長はなかなか現れなかった。

そしてとうとう日がおちる時間帯となった。

校長はギリギリになって指令台に上がってきた。

えらく長ったるい話が続く。

だが校長の話も日がおちる前に終わった。

そして楓の名前が呼ばれる。

楓は指令台に上がり小さめのナイフをもらうと指令台に1人残された。

ほとんどの生徒の視線は今年の鬼。

楓に向けられていた。

楓は自身あり気に笑っている。

一瞬雄一郎と楓が視線があう。

2人ともおもしろそうに笑っていた。

今年こそは誰も被害にあわせたくないという思い。

それは2人とも変わらなかった。

キーンコーンカーンコーン

日が落ちると共に鐘の音が鳴り響く。

それが・・・鬼隠しの始まりの合図だった。

ワァーーーっとなって全員が学校の建物めがけて走っていく。

雄一郎は楓を若干気にしながら明美と一緒に逃げていた。

楓はまだ指令台から下りてすらいない。

よほどの余裕なのだろうか。

雄一郎はそれを気にしてはいながら建物の中へ入った。

どこもかしこも電気がついておらず、真っ暗だった。

急いで逃げればどこかにあたるかもしれない。

そう思いながら色々なところを走り回っていた。

「9.......10........っと・・・そろそろか・・・」

楓はそう言って指令台から下りる。

そしてニヤリと笑うと建物めがけて一直線に走っていくのだった。

その姿はまるで獲物を追う狩人のように鋭かった。

「うわぁぁぁぁぁ!!!」

早くも楓に捕らえられた生徒が1人、また1人と増えていく・・・。

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