お祖母様は性格が悪いです
メルデル様と出会ったとき、私はまだ7歳だった。
その頃はお母様もまだマクレル伯爵家にいた。
その日はお母様の実家である侯爵家主催のお茶会があった。
お祖母様が私に会いたいと言ってくださり、特別に連れて行ってもらえることになった。
侯爵家に行きお祖母様に会うと庭園にある迷路で遊んでおいでと言われた。
なんでもお祖母様が監修したらしい。
裏庭にあるのでお茶会の招待客は来ないだろうと言うことだった。
今考えれば7歳の子供を1人で庭園に投げ込むと言う謎の行為。
案の定私は迷子になった。
後から聞いた話だが、お祖母様の部屋から庭園を見ることができるらしい。
紅茶を片手に優雅に私が泣きながら庭園をうろつくのを見ていたらしい。
さすがお母様のお母様。
性格が悪い。
その迷子になっていたのを助けてくれたのが侯爵家の従兄の友人で当時13歳のメルデル様だった。
「お嬢さん、こんなとこでどうした?」
私に目線を合わせて服が汚れることも気にせず、しゃがみこむメルデル様。
「だれですか?」
私の顔には涙が頬を伝う。
身分が上の公爵家の方に名前を聞くなど今考えればだいぶ失礼だ。
「失礼した、メルだ。お前は?」
彼は幼い少女の失礼な態度も気にせず、愛称ではあるが名前を教えてくれた。
「ソフィアです」
彼は持っていたハンカチで私の目に溜まった涙を拭き取ってくれる。
「ソフィアか、よろしくな」
今度は頭を撫でてくれる。
「よろしくお願いします」
「それでお前は何してた?」
改めて質問してくるメルデル様。
「迷ってました」
私は素直に答える。
「迷ってた?」
なぜ迷うのか分からないと言うように首をかしげるメルデル様。
「周りに木しかありません」
私がそう言うとなったしたようで
「ソフィアの身長からだと確かに木しか見えないかもな」
うんうんと納得している。
「帰れなかったらどうしましょう」
また目に涙が溜まってくる幼い私。
「ソフィア、おいで」
メルデル様はそう言って両手を広げて私の方へと伸ばしてくる。
「?」
疑問に思いながらもその腕の中に入った。
すると彼は私を持ち上げる。
「わっ!」
「ソフィア、俺の首に手を回して」
彼の言うこと素直に聞き、首に手を回す。
急に高くなった目線が怖く、ぎゅっと少し強めに抱きつく。
「ソフィア、周りを見てごらん」
メルデル様にそう言われて周りを見るとあんなに高く感じた木が自分より下にあり、目線を遮るものは何も無くなったていた。
「ソフィア、俺と一緒にこの迷路抜け出そうか」
メルデル様の提案は1人で寂しかった私にとって、かなり素敵な提案だった。
「はい!」
私が元気よく笑顔で返事をするとメルデル様は笑いながら庭園の迷路を抜けるために歩き出した。
以上が私とメルデル様の出会い。
この後、最初から最後まで見ていたお祖母様がかなり盛り上がり、運命の出会いねなんて言いながらその後も私とメルデル様が会えるように用意周到に準備していたりする。
どうやら私の血筋は年上の人が好きらしく、お祖母様もお母様の従姉妹たちもみんな年上の旦那様に嫁いでいる。
お祖母様→元侯爵夫人 (話の時点ではまだ元ではない)




