取り敢えず
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ありがとうございます!
「まず何からしましょうか?」
マリエ様は遊ぶ前の子どもみたいだ。
「後々面倒くさくなることがないように各家に警告文でも送りましょうか」
貴族社会だ守らなくてはいけないルールがある。
こちらまでそれを破ったら意味がない。
「それならマクレル伯爵家だけではなく、我が家からも出しましょう」
ウキウキしているマリエ様。
「そういえばマクレル伯爵家と折り合いがよろしくないと噂で聞いていたのですが、その様子を見ると嘘ですね」
予想外のことを言われた。
「えっ、私、家と仲悪いと思われているんですか?」
「そうみたいね。だからこそ馬鹿な女たちはサラ様を攻撃してもマクレル家から何にもないと思っているみたいよ」
なんでそんなことになっているのだろう。
グレイ兄様やフィー姉様、ルカにセドリックとは仲良しだ。
それに父とも仲が悪いわけではない。
「馬鹿女たちは自覚がないみたいだから驚くでしょうね。彼女たちの家ぐらい私たちには簡単に潰せるのだから」
マリエ様はそう言いながら自分の脇腹を撫でる。
きっとそこにタランタ侯爵家の蓮の模様があるのだろう。
花の模様を持つ家は公爵家2つと侯爵家3つ、伯爵家1つだ。
「そうだ!サラ様明日からエリック様とディナー一緒になさったらいいわ」
私が少しでも別のことを考えているとどんどん進んでいくマリエ様のお話。
「急にどうしてそうなるんですか?」
いや、なんとなくわかるけど
「エリック様も花の模様を持つ貴族だからです!」
エリック様のご実家であるサンデル公爵家は、メルデルお義兄様のご実家であるスヘレット公爵家と同じ花の模様を持つ公爵家である。
サンダル公爵家の花の模様は桔梗だ。
「花の模様を持つ貴族同士が仲良くしているのを邪魔できる存在はいないですから」
そうだとしてもエリック様を巻き込んでいい理由にはならない。
相手は公爵家だ。
「サラ様!早速エリック様の元へ行きましょう!」
そう言い私を立たせると今に走り出しそうな勢いで歩いていくマリエ様。
私の手首もしっかりと掴まれているため、私を当然ついていくしかない。
「男子寮には入れませんよ!」
もう授業も終わっている。
今からエリック様を呼び出すのは不可能だ。
「ふふっ、サラ様、私とスチュアート様は婚約者ですよ?それぐらいどうとでもできます」
そう言ってと男子寮の受付に乗り込む。
「タランタ侯爵令嬢どうかなさいましたか?」
貴族が多く通う学園だけあって受付人までも厳しい試験を受けていると聞いている。
「スチュアート様を呼んでくださる?」
「承知しました」
夕方に婚約者から呼び出されるって……。
あまり時間も経たないうちにスチュアート様は出てきてくれた。
「マリエ?どうか」
「エリック様呼んできて」
最後まで言わせてあげてほしい。
「エリックを?」
諦めた顔してるスチュアート様。
基本的には尻に敷かれているようだ。
「えぇ、早めにお願い」
マリエ様はそう言ってスチュアート様を急かす。
なんでこんなことになっているのだろう。
しばらくしてスチュアート様はエリック様を連れて戻ってきた。
「マリエにサラ嬢?サラ嬢無事だったか?」
心配されてびっくりする。
「えっ、はい何にも問題ありません」
「そうかそれは良かった」
無表情だが、気持ち口角が動いた気がする。
「エリック様それで相談があるのですが」
「なんだ?」
「サラ様と明日からディナー、ご一緒したください」
相談というか決定事項みたいに言うマリエ様。
エリック様もこんないきなりのこと断ると思っていた。
「いいぞ」
ほらやっぱり断っ、断ってない。
びっくりした。
いや、むしろこんな迷惑しかかけないこと断ってくれ。
「では、サラ嬢明日のディナーは19時半に食堂で待ち合わせしましょう」
「はい」
「それじゃあ今日は取り敢えず4人で食べましょう」
マリエ様に逆らうことは誰にもできないようだ。
スチュアート様は少し不満そうな顔をしているが、エリック様は相変わらず無表情。
この幼馴染たちどう考えても全ての決定権はマリエ様にある。
そんなことを考えながら食堂に向かっているとなぜかアルフレッド殿下もいた。
殿下の耳にも昼の出来事は入っていたようでスタスタとこちらに向かってきて
「サラ嬢、大丈夫じゃなかったようだな。怪我はないか?あるようなら医者を呼ぼう」
と心配してくださった。
「ご心配していただきありがとうございます。怪我もありません」
私がそう言うと殿下は少し眉を下げる。
安心してくださったようだ。
「アルフレッド殿下、御機嫌よう」
マリエ様はそう言って頭を下げており、他の2人も頭を下げたままだ。
「3人とも顔を上げてくれ。4人でディナーかい?」
気さくに話しかけてきてくれる殿下。
「はい。サラ様とは友人ですから」
満面の笑みで言うマリエ様。
「それはいいな、私もご一緒しても?」
本当に羨ましそうに言ってくるアルフレッド殿下。
断れないだろう。
こうしてその日のディナーは5人で食べることとなった。
殿下は去年までルカと一緒にディナーをいただいてました。




