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まっすぐで、サラサラの髪。スタイルのよい体。
キラキラの宝石の似合うキレイな顔立ち。
ブサイクだって、お姫様には憧れるのよ。
小さな身長でも、背が高く見えるように。
厚底の靴を履いて、でも、背筋を曲げることはしないわ。
かわいくない。
ブサイクだってわかっている。
だから、精一杯かわいく見える化粧を覚えたの。
本当は、動き辛くて嫌いなの。
ふわふわのお洋服。
それでも、我慢するのは、いつか私だけの格好いい王子様が現れるのを待っているから。
高校生になった。父の都合で見知らぬ土地の、見知らぬ高校へ通うことになった私は、校則違反にならない程度にオシャレして入学式に出た。
「うわぁ。知らない人ばっかり。……当たり前か……」
私は苦笑する。誰も知らない場所で、お姫様になるためなるって決めたじゃない。一から出直すって。もう、似合わないなんて、誰にも言わせないんだから。私はおしとやかに見えるように、ゆっくり掲示板の前に向かった。
ご入学おめでとうございます。
クラス分けの上に、当たり前のように添えられた言葉。何がおめでたいの?受験に合格して入学できるから?私は、小さく笑う。あっ、いけない。私はお姫様になるんだった。お姫様は素直に感動しないと、ね。




