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旭日の名の下に   作者: エアラ
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プロローグ

私は確か、とある会社のしがないサラリーマンで、

社会のため、会社のため、家族のため・・・ いや、どちらかと言うと、出世のため だったか。

そんな思いで従順な社会の歯車をしていた はずだった気がする


会社のルールに従い給料分の仕事をこなす ただそれだけ

なんの取り柄もなく、ほめられもせず、道具同然の扱いを受けていた

だが、それで良かった 

自分の感情の赴くままに行動し、他人や会社に迷惑をかける無能に成り下がらなくていいのだから


そんな無能にリストラの宣告をした帰り道

殴られた 何か硬いものを私の頭部に打ち付けた あの無能だ まるでゴミを見るような目で私を睨んできた

ソイツは吐き捨てるように「そこで寝てろ」と言い放った 

視界が真っ赤に染まったのと同時に、意識が遠くなっていくのを感じた・・・





「・・・い 聞いているのか、少尉!」

目が覚めた、目の間には無精髭を生やした中年男性 軍服を身にまとい何かを話している コスプレ?

「少尉 貴官率いる第十一航空隊は真珠湾にある米軍基地を叩いてもらう」

何言ってんだこいつ 一番最初に出てきた言葉はそれ

「はっ、了解しました」まぁ、こう言っておけばこのコスプレおじさんの夢から覚めるだろう・・・






夢じゃなかった

時は1941年(昭和16)11月20日 私の第二の誕生日だ

はぁ、どうしてこうなった?

私は「乾 拓海 海軍少尉」として生まれ変わったらしい 

全くもって迷惑な話だ 


おまけにWW2(第二次世界大戦)と来たもんだ 堪ったものではない

「負ける」と分かってる戦に、なぜ私が軍人として参加せねばならない

「お国のために死ぬ?」そんな理不尽な

この時代の日本人はどこか狂ってる 人権が軽視されすぎている 

サラリーマンだった頃よりひどい職場だ ブラックどころではない


なんとしても生き延びるためにはこの負け戦に勝たなければいけない

なんの恨みのないアメリカ人を敵に回さなければいけないのだ

幸い、私はWW2の情報も少なからず知っている どこまでが「真実」なのか定かではないが


この戦いで日本が負けた原因は3つ

まず、ミッドウェー海戦 米軍によって空母を4隻沈められたこと しかも国民には虚偽のニュース

2つ目は真珠湾攻撃 これによって日本はアメリカを怒らせ、爆弾と焼夷弾の雨を浴びることになった

最後は大艦巨砲主義 これが一番の致命傷だろう 航空戦力の恐ろしさを知った上で戦艦を作り続けるという愚行を犯したのだから

実際、かの有名な戦艦大和も、作られてからしばらく経ってからの出撃 「大和ホテル」とも言われたほどだ

その後も大和の姉妹艦武蔵を作り、その国民の税金たちは南の海に沈められた


上に立つ軍人様は税金の使いみちが下手すぎます もう少し柔軟な考え方はできないのでしょうか? こう言ってやりたいものだ


私が命じられた作戦まで時間がある こうなったら意見具申するしかあるまい


まずは真珠湾攻撃の日時変更 歴史上は同年12月8日だが、これを2~4日ずらす

史実では、日本が攻撃した時には戦艦ばかりが停泊しており、空母を叩くことができなかった

この残された空母から発艦された米戦闘機の群れが、ミッドウェーの惨劇を引き起こした 


だが、この2,3日後にはミッドウェーにはたくさんの空母が補給のため停泊予定だったそうだ

これを叩く これで惨劇を叩く


「・・・以上であります 山本五十六司令長官」 意見具申した 「・・・そうか」

納得してもらえたようだ これで死ぬのを回避できる 


この人は、かの有名な山本五十六連合艦隊司令長官 海軍のトップだ 

お目にかかれるとは何たる光栄 歴史マニアの血が騒ぐ


「ところで君、戦争は好きかね・・・」 はぁ?

戦争なんてもの、嫌いの一文字に尽きる やったところでメリットのかけらもない

”技術の向上” とか言ってる奴ら よく聞け それはただの副産物だ

戦後の世界はその副産物で成り立っている PCだってインターネットだって全部戦争の副産物でしかない

その副産物を欲しさに人類は血で血を洗う愚行をやってきた これからもそうなるに違いない 


「嫌いです それを止めるためにここにいます」私はそう言った すると長官は、

「君は私と似ているな」といった


「よし、君の意見を参考にしよう 仕事に戻り給え」

「はっ! 失礼しました」 


・・・ ここから、「生きる」ための戦争の幕が上がった


初投稿です 感想はツイッターまで @Eara4005

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