子毒村
――月の明かりすらもない、真っ暗な真夜中。とある小学校の体育館に一人の老人と一人の少女がいた。
血だまりの前で跪いた老人が「どうしてこうなったのじゃ……」と消え入るような声で呟いた。
目の前に広がる光景はまさに地獄。夥しい数の死体。それだけにはとどまらず、どの死体も形容しがたい姿に成り果てており、人間とは思えない異形の姿に変化していた。
◇ ◇ ◇
この村は、山に囲まれた集落。人口は300人ほどのとても小規模な物じゃ。
このような場所にあるものだから若者は都会に移ってしまって俗にいう限界集落になっておる。
しかし、こんな村にも小学校がある。そこでわしは代理教師をしている。
3年ほど前に教師を定年で退職した爺が今教師もどきをしておるのにもちゃんと理由がある。この学校で教師をしている旧友の息子が最近病にかかり倒れたというのだ。容体はかなり悪いみたいでかれこれ二週間ほど寝込んでいるらしい。
そこで昔教職をしていた隠居中のわしがピンチヒッターとしてきたわけじゃ。
あまりにも小さな村であるため子供の数も少なく、当然じゃが生徒数も少ない。
一クラス15人で、クラスは二クラスしかなく、低学年クラスと高学年クラスの二つに分かれておる。
その中でもわしは低学年クラスを教えておる。
今は授業中でわしが昨日作ってきた計算問題を解いている最中だ。
もちろん学年ごとに問題を作っているためみんな同じ問題というわけではない。
「おじいちゃんせんせーできたよー!!」
大きな声で今私を呼んだのは、この村の村長の娘である藤原千尋ちゃんだ。
おじいちゃん先生というのは子供たちにつけられたあだ名で、わしのことをみんなそう呼ぶ。命名理由は話し方がすごくおじいさんみたいだからだそうじゃ。
「どれみてやろう……すごいの満点じゃよくやったの」
「やったー!!昨日頑張って予習してきたんだ~!」
「今回の問題は結構難しくしたつもりだったんじゃがすごいのう」
などと言っていると他の子達もできた!と僕も私もと手を上げ始めた。
昨日家で問題を作っていてこれはちょっと難しいかもしれんのうと悩んでいたのは杞憂だったようじゃな。ここの子供たちは優秀じゃ。教師として教えがいがあっていいのう。
わしは順番に手を挙げている子達のもとへ行く。全問正解という子はあまりいないが全体的に皆よくできている。
「それじゃあ次はこの問題を――」
言葉の最中に授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
「む……終わってしもうたか……それじゃあ今日の授業は終了じゃ」
「みんな気をつけて帰るのじゃぞ」
しんと教室が静まり返る。
しかし、いっこうに子供たちは教室から出ていこうとする気配がない。
なにかこれから予定でもあるのかのう?
疑問に思っていると唐突に二人の男子生徒と女子生徒が立ち上がり教卓に立つわしの前に来た。
この二人はクラス委員の井上大地と菊野歩美じゃ。
「どうしたのじゃ?みんな帰らんのか?」
二人は顔を合わせて声をあわせてせーのッと掛け声を言った。
「「「「「おじいちゃんせんせーお誕生日おめでとう!!!」」」」」
突然の出来事でわしは困惑しながらも理解した。
そういえば今日はわしの65歳の誕生日じゃったか。この歳になって誕生日を祝われるなんて夢にも思ってなかった。
不思議と目頭が熱くなってきた。教え始めてまだ2週間ほどしかたっていないが誰かに祝ってもらえるというのはそれだけで嬉しいものだのう。
「おじいちゃんせんせー泣いてるの?」
「おじいちゃんせんせー大丈夫?」
クラスの子達が心配して声をかけてくれる。
ここまで純粋にうれしい気持ちを感じるのはいつぶりだろうかのう。
おっと、いかんいかん。子供たちを心配させてままにしてはおれんな。
「大丈夫じゃ、みんなの気持ちがすごく嬉しくてついの、みんな本当にありがとう、わしもこんなにうれしいのは久しぶりじゃ」
「おじいちゃんせんせー、まだプレゼン――むぐ……」
何かを言い出そうとした大地の口をクラスメートが塞ぎ止める。
「大地君まだ言っちゃダメだよ!これもみんなで言う予定なんだから!!」
「へへへ、ごめんごめん」
大地がクラスメートに謝る。ほとんど言ってしまっていたので流石のわしも気づいておるが微笑ましい光景なので気づいていないことにしてニコニコしながら子供たちを見つめる。
「なにかあるのかのう?」
気づいていないふりをして尋ねた。
クラスの子達と顔を合わせ頷いた千尋がわしの前に来る。
「あのね!クラスのみんなで押し花で栞を作ったの!!おじいちゃんせんせーいつも本読んでるからよかったら使ってね!」
クラスのみんなを代表して千尋が手作りの栞を渡してきた。
どうやらこの押し花で作った栞は子供たちが山に入って取ってきたもので作られているらしい。
本当に嬉しいのう、おっと、また涙腺が緩んできた……
子供たちがまた心配そうな顔でこちらの顔を見ている。ここはぐっとこらえないとダメじゃの。
「みんなわしのためにありがとう、こんなに嬉しいのは何年ぶりかわからんくらいじゃ」
わしの言葉に子供たちがパァっと笑顔になる。
それから、日が暮れそうな時間になるまでクラスのみんなと話しその日は解散になった。
学校からの帰り。
わしは自分の家の方向とは別の方向に向かっていた。
子供たちの担任の教師、菊池先生に手紙を持っていって欲しいとクラスみんなからの手紙を預かっている。
子供たちもついてきたそうにしていたが、今日はもう遅いのでわし一人で行くことになった。
流石に二週間も学校を休んでいればみんな菊池先生のことをとても心配そうにしておった。本当に思いやりがあるいい子たちだのう。
学校から徒歩10分ほどの場所に建っている菊池先生の家に着いた。
ピンポーン
チャイムを鳴らしたが、誰もいないのか家のチャイムをならしても反応がない。
「誰もいないのかのう?」
鍵は開いているようでドアは開いた。
寝るにしても早すぎる時間帯だ。誰かいてもおかしくないはずなのに。
病人がいる家を留守にするなんて不用心すぎやしないか?と思い家の中に入る。
一階を見て回ったが誰もいないようじゃ。
「うーむ、不気味じゃな」
全身に汗が流れるような何とも言えない不気味さを感じ思わず呟く。
そんな不気味さを払拭しながらわしはまだ確認していない二階へ上がる。
「う……なんじゃこの臭い」
二階では何かが腐っているのか嗅ぐだけで不快になるような異臭が漂っていた。
異臭に耐えながらも二階を探索していく。
子供部屋にトイレ、パソコン部屋と特に何もなく調べていった。
そうして最後に、一番異臭がする部屋の前に立つ。
寝室じゃ。恐る恐る寝室のドアノブに手をかける。
ガチャッ
ドアを開けた瞬間先ほどとは比べ物にならない異臭に思わず鼻を摘み顔をしかめる。
部屋の中に視線を向ける。グチュグチュとなにかを貪る音が聞こえるが暗くてよく見えない。
壁伝いに移動し部屋の電気をつけた。
「うっ!?なんじゃ……これは……」
そこには変わり果てた姿になったわしの旧友と菊池先生がいた。
二人とも胸に大きな穴が開けて倒れている。
なにかが二人の体を食べている。あれはいったいなんだ……
悪魔のような羽に鋭い8本の爪、蠢く触手で人間を食べている。
「うわああぁぁぁぁぁッ!!!」
あまりのおぞましさにわしは悲鳴をあげ叫びながら走る。
幸いこちらを追いかけて来る様子も無く、菊池先生の家から脱出した。
わしは一心不乱に走り続けた。長年の運動不足が祟って足はパンパンで腰は今にも砕けそうなほど痛む。
しかし、足は止めない。わしは村に唯一、一つだけある駐在所に助けを求め向かう。
ドンドンドン
駐在所にたどり着いたわしは窓が割れるのではないかというほどの力でドアを叩く。
「はぁはぁ……だれか……!!だれかおらんのかッ!!」
中から慌てて駐在さんが扉を開ける。すかさずわしは中に入り事情の説明をする。
「ば、化け物が出たんじゃ!助けてくれ!!」
動揺しすぎて言いたいことをまとめずに話してしまった。
巡査はこのじいさんぼけてんじゃねーの、と言いたげなな胡散臭げな視線をわしに向ける。
「化け物……ですか?それはどこで見ましたか?それとどんな形でした?」
疑いながらも事情を聴き始めてくれた。わしは信じてくれたと勘違いをしそこから矢継ぎ早に話し始める。
「菊池さんの家……小学校の教師をしてる菊池先生が殺されたんじゃ!!あの触手で今も菊池先生を食べているんじゃ!!助けてくれ!わしの力ではどうしようもなくて助けを求めておるんじゃ!!この村の危機なのじゃ!!」
そういってわしは巡査に勢いよく頭を下げる。
「おじいさん怖い夢を見たのかぼけたのかわからないけど冗談でもそういう嘘の通報をするのは困るんですよ」
「ッ!?違うんじゃ!わしはただ本当にこの目で見たんじゃ!ついてきてくれればわかるはずじゃ!」
必死なわしは巡査の腕をつかみ引っ張って連れて行こうとするが、巡査はわしの手を払ってわしにこう告げた。
「いい加減にしないと公務執行妨害であなたを逮捕しますよ?」
冷めた声と視線でわしを突き放すように見る巡査。
わしが口を開こうとしたその時駐在所の扉が吹き飛んだ。横なぎに払われた蠢くなにかに駐在所の扉を吹き飛ばされたように見えた。
ここでわしはさっきも感じた体中に汗が流れるような不快感を感じる。
煙が立ち込める中さっき菊池先生の家で見た化け物のシルエットが見える。
「奴じゃ……奴が化け物じゃ!!」
わしの責めるような叫びに顔をしかめた巡査はゆっくりと腰に装備した拳銃を抜き構え恐る恐るシルエットに近づいて行った。
次の瞬間駐在所の電球が破壊されあたりは闇に包まれた。こちらにあの触手が向かってきたと思ったわしは恐怖で腰が抜けてその場にへたり込んだ。
パンッ!パンッ!と発砲音が聞こえた後にビュンという轟音が駐在所に響く。
「ギャアアアァーッ!!」
大きな断末魔が聞こえた。うっすらと触手に貫かれている巡査のようなものが見えたため、おそらく巡査はやられてしまったのじゃろう。
腰が抜けて動けないわしはもはや恰好の的でしかないだろう。
人生の走馬燈のようなものを見たが、なぜか奴は攻撃を仕掛けてくる様子がない。
しばらくの沈黙ののちバサッっという羽音と共にどこかへ行ってしまった。
「……助かった……のか?」
なぜか助かったわしは腰が抜けて立てないため簡単な杖をがわりに掃除用具入れから箒を取り出しヨロヨロと立ち上がる。
「このままではこの村はお終いじゃ」
わしはすべてを諦めてしまいそうになっていた。
あの化け物からどう逃げろというのだ。走り去ろうにも機動力は翼があるあちらが圧倒的に有利じゃし、一定距離まで近づかれてしまえば触手やあの鋭い爪で八つ裂きにされてしまうじゃろう……。
そんな時胸ポケットから一枚の栞が地面に落ちた。
「子供たちを置いてわしだけ先に楽になるなんて許されるわけがないの……」
やれるだけのことをやってあがけるだけあがいてみようとわしは決意した。
「そうと決まれば善は急げじゃ、学校に向かうかの!」
そう言ってわしは重い一歩を踏み出した。
学校に向かう理由は学校の放送器具を使ってこの事態に気づいていない人たちを避難させることだ。あんな化け物相手に避難するといっても、どこに行っても安全ではないじゃろうが、一人や二人でいるよりかは多数の人間が集まっていたほうが安全だと思うのじゃ。
子供たちもできればわしの目の届く範囲に居って欲しい。
いざというときにはこの身を犠牲にしてでも守って見せるのじゃ。
杖代わりの箒をつきながら急ぎ足で歩いていると一人でふらふら歩く女の子の姿が見えた。更にわしは歩行速度をあげて女の子のもとへ行く。
女の子は千尋じゃった。酷く青ざめた顔をしていた。着ている服の一部は血で赤く染まっている。
「大丈夫か!?」
わしは千尋に駆け寄り保護した。
「おじいちゃんせんせー……おじいちゃんせんせー!!ママとパパが……死んじゃった……」
千尋は震えた声で涙を堪えながらそう言った。
「よしよしもう大丈夫じゃわしがついておるからな」
わしがそう言って頭を撫でてやるとついには泣き出してしまった。
泣き止むまで見ていてやりたいところじゃが今は一刻を争う状況じゃ。
急いで学校に向かはなければと杖代わりに持っていた箒を投げ出し泣いている千尋をおぶって歩き始めた。
ずいぶんと時間はかかってしまったがなんとか学校に到着した。
限界ギリギリの体を引きづってわしは放送室へと向かう。
放送室に辿りつき準備を進める。
話す内容は特に考えておらんが緊急事態じゃ。今はこのことを知ってもらうことに意味があるとわしは思うのじゃ。
パニックになるものもいるかもしれんが、いまはそんなことに構ってはいられない。
放送の準備を終わらせ放送のスイッチを入れる。
『村民の皆さん、ただいまより緊急避難放送を始める静かに聞いて欲しいのじゃ』
『今、現在村の中で謎の生物が暴れておる。そやつらは人間を見つけ次第襲い掛かってくるようじゃ』
『死にたくなければ今すぐ避難訓練の時に使用した避難バッグを持って小学校の体育館まで避難してほしいのじゃ、どうかわしの放送を聞いたものは直ちに小学校の体育館まで来てくれ……』
どれくらいの人数がわしの放送で集まってくれるのじゃろうか……
放送をして1時間が経過したころ。
体育館には、100人ほどが集まった。
残りの人間はおそらく殺されたか家に立てこもっているかじゃろうな。それか老人が多い集落だ。逃げ遅れたものも多くいるのじゃろう。
それにしても100人という大人数が集まったのには理由がある。
実際に化け物を見たものや悲鳴を聞いて放送の話は本当だと信じてくれたものが大半であった。
幸いわしのクラスの子供たちは全員生きていた。わしの放送を聞いてすぐに家族を説得して来てくれたようじゃ。
これからの方針を集まった大人たちと話していると突然電気が消えた。
「なになに??」
「どうしちゃったの?」
「停電??」
みな口々に原因を話し始めるがおそらくブレーカーが落ちたのだと思われる。
「おそらくブレーカーが落ちたのじゃろう」
「誰かわしと一緒にブレーカーを見に行ってくれるものはおらんか?」
「誰もおらんか……、ではわし一人で行ってくるぞ」
「まって!おじいちゃんせんせー!私も行く!!」
千尋が一人で行こうとするわしを引き留めて自分も行くと言い始めた。
先ほどまで立候補をしなかった大人たちが、口々にここ以外は危ないよと言って千尋を止めようとする。わしとしても子供にこんな役をやらしたくないため止める。
「おじいちゃんせんせーと一緒じゃないほうがこわい!」
千尋のこの言葉でみな黙り込んでしまった。好かれておるのは嬉しいんじゃが今は緊急事態だから困るのじゃが……。
するとさきほどまで静かに待っていた他の子供たちまでもが行きたいとぐずり始めた。
そこで仕方なく二人だけ一緒に連れていくことになった。
もちろんじゃんけんで決めている時間などないのでわしが選出した。
千尋と大地だ。
この二人はしっかりとしているしいざという時に賢い判断をしてくれると信じているからだ。
他の大人たちは未だに反対という顔をしていたがわしがすぐに戻ると言って何とか説得した。
真っ暗な校舎の中懐中電灯の光を頼りに真っすぐ職員室を目指す。
ブレーカーは職員室にあるのだ。ここで仮とは言え教師をやっていただけに細かいものの場所などは何となく把握している。
順調に進んで職員室にたどり着いたところまではよかった。しかし、先ほどから今日二度も感じたあの体中に汗が流れるようなそんな不快感を感じ始めた。
おそらく、職員室の中に奴がいる。
他の二人には待機してもらいわし一人で職員室に入った。
しかしさっきの予感とは裏腹に不快感がなくなりここにはいないということがわかった。なぜこんなことがわかるのかは謎じゃが、不思議と確信を持っていないとわかるのは便利でいいと思い深く考えなかった
この段階でわしはとても油断していた。そう、廊下にいる二人の子供たちのことを少しの間忘れるほどに。
ブレーカーの電源を上げわしは廊下で待っといて貰った二人の元へ行く。
廊下に出たわしは、唖然とした。
大地の胸が奴の触手に貫かれる光景がわしの目の前で繰り広げられていた。
大地の隣にいる千尋も何が起こったのか全く分かっていない様子だ。
世界が止まったように今のわしには見えている。
なぜかわしの頭の中で電気をつければこの状況を解決できると感覚がそう言っている気がした。
わしはそのまま廊下の電気をつけた。
すると、電気をつけた瞬間奴は電池が切れたロボットのように動かなくなってしまった。
「死んだの……?」
千尋がそう不安げにわしに尋ねる。
「いや、おそらく死んではいない、また起き上がってくる前に早く逃げるのじゃ」
「おじいちゃんせんせー!大地くんは!?まさか置いていくの!?まだ息してるよ!!」
「その子はもう駄目だ、助からない」
先ほどから直観が鋭くなりすぎていて何がなんやらわからないが、なんとなく失った血液量が多すぎるからもう絶対に助からないということがわかる。
「それに大地を担いでやりたいが今のわしの体力ではおそらく無理じゃ」
と突き放すように俺は千尋に言った。
悔しそう顔をした千尋がわしをキッと睨んで先に歩いて行った。
あんなに大事に思っていた教え子の一人が死んだというのになぜか死んだとしか思わない俺にわしは違和感を覚えることはなかった。
◇ ◇ ◇
体育館。
そこはひどいありさまだった。阿鼻叫喚。地獄絵図とはこのこと。この世の地獄はここにあった。体育館にいた人間はみな死体になっていた。
体育館で待っていた教え子たちも今では物を言わぬ死体となっている。
千尋はあまりの光景に嘔吐していた。
小学生には刺激が強すぎる光景じゃが目隠ししてやることもいまのわしにはままならない。
「どうしてこうなってしまったんじゃ……」
わしはぼそりと呟いた。
次の瞬間、急に俺の頭に割れるような痛みが走った。
あまりの強烈な痛みに俺はうずくまり頭を抱えた。
嘔吐していた千尋が俺の異変に気付き大丈夫?と心配そうな目で見て来る。
頭痛が消えた。
すっと立ち上がった俺は背中から触手を出し、千尋を刺した。
「おじいちゃんせんせー……なんで……?」
「ハハハハハ!!!お前らのおじいちゃんせんせーっていうのはついさっき死んじまったよ!!」
笑いながら俺は千尋を何度も刺し続ける。
「いままではこのくそ爺の頭を浸食するのに手間取って出てこれなかったがやっと表にでてこれるようになっていまは最高の気分だ!!」
「そっか……おじいちゃんせんせーはもう死んじゃったのか……はは……あの世に行ったらまた会えるかな……」