不老不死の実現?
老いにくく死ににくくなった人類はいつまでも働き、いつまでも遊び、いつまでも享楽に溺れるようになった。
そして…、
死ににくくなった人類は子どもを産まなくなった。
言い換えれば、子孫を残す必要が無くなった。
加えて、若さが保てるようになったことで、結婚を急ぐ必要がなくなり、晩婚化が一気に加速し始めた。
日本では一時は出生率は0.2人を割り込み、平均初婚年齢は55歳を越えてしまった。
これではいけないと気付いた世界の国々の中には、出生率を上げるため、そして平均寿命を下げるために、“人類の間引き政策”を行う国が出現した。
それは意図的に事故や事件を起こすことで人口の数を調整するだけでなく、“いつ死ぬかわからない世界”であることを認識させることで、子孫を残すことの重大性をもう一度理解させる効果があった。
そして、日本政府もその政策を行うことを決断した。
そのことで、日本の出生率はやっと0.4人を越え、平均初婚年齢もやっと45歳を下回ろうかという水準になったのである。
ただ、国の政策とはいえ、“人口の間引き”をおおっぴらに行う訳にはいかないので、秘密裏に、そしてごく限られた者だけが真相を知るトップシークレットなことを行っているのだ。
ここ数十年かで起こった事故や事件、そして、新種のウイルスによる病死まで、ほとんどの死に関することは国の政策によって引き起こされたものなのである。




