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近未来ショートストーリー  作者: 横小路櫻
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素晴らしい未来

僕は今仕事中だ。

正確に言うと任務遂行中である。


僕の職業は殺し屋だ。


殺し屋というと、非合法で反社会的な勢力との関わりをとりざたされるが、僕にはそんな人達と付き合いはないし、どうしたらそんなコネクションを持てるのかわからない。

何をかくそう、僕を雇ってるのは国である。


ここまで聞いて驚かれた人も多いだろう。コイツ何言ってんだって思った人もいるだろう。

僕が今いる世界について少し説明が要るようだ。


僕が今いる時代は22世紀である。この時代では21世紀に発見されたIPS細胞の研究が進み、人間のあらゆるパーツが複製出来るようになっている。

例えば、胃ガンになった場合、髪の毛1本から約1週間で胃が複製出来るようになっている。移植に際しても、元々自分の細胞から複製されたものなので、移植後の拒否反応などもほとんどない。22世紀ではガンでの死亡率は限りなく0%に近くなっている。

これだけではない。IPS複製治療と呼ばれる治療のすごいところは、生きていれば必ず訪れる老いも無力化出来る。

例えば、老眼になったかなと感じたなら、あらかじめ複製しておいた眼と取り替えたり、脚の筋力が衰えたと感じたなら、脚の筋肉はおろか、脚そのものを交換することが可能になっている。しかも、研究が進み、技術が格段に進歩したおかげで治療のコストが下がり、健康保険内での治療が可能になった。今IPS複製治療は一般の診療所でも気軽に受けられるようになっている。

この結果、人は老いと無縁になった。

今、世界最高齢は158歳の女性だが、見た目はどこから見ても20代後半である。

今夏に行われたオリンピックの水泳競技では78歳の選手が金メダルを獲得した。


死ににくく老いにくい。素晴らしい世の中になったものだ。


と、みんなが思ったかも知れないが、このことは別の大きな問題を引き起こしているのだ。





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