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愛を捧げて  作者: 花恋
9/17

9、堕落の愛を

幸せな日々

しかし、こんなに脆いとは…


「見てみて

全員と解消したよ」

皆に付き合ってると公表して早1週間になる。

特に変化はないけどね

「よかった。

ぶっちゃけちょっと心配だったんだわ」

「大丈夫だよ

ちゃーんと

解消したからさ」

「おぅ」

毎日、笑いあって手をつないで帰る

たったそれだけですごく幸せだった。


「あーもう幸せすぎて、どうにかなっちゃいそう」

陸に家まで送ってもらい今は自室にいる。

もちろんベッドの上で


ブーッブーッブーッ


いきなり鳴ったバイブルに花恋はビクッとなる。

けど、きっと相手は陸と思い、笑顔で携帯をひらく。

そこに表示された名前

それは…

陸ではなかった

祐樹(ゆうき)…」

祐樹は花恋の三人目のセフレでまさに身体だけの関係で、欲求不満な時以外に会うことは今までなかった人だ。


〜このままセフレを解消するなんて納得いかない!

会って話したい〜


祐樹ってこんなタイプだったっけ?

ううん、そんなの関係ない。

きちんと話つけなきゃ

陸との約束が嘘になっちゃうもん


〜いいよ

じゃあ明日の放課後に○×公園で〜


思えばこの時もっと用心すべきだった…


陸には用事という言葉で片付け祐樹の元へといく。

夕方の公園はカップルばかりですぐに後悔した。

三人掛けの椅子に1人で座っている男の子が目にはいる。

普通ならナンパされるだろうが、このばはカップルばかりで相手に困る者はいない。

「祐樹、待った?」

花恋の声に気づいた祐樹はキャラに合わない最高の笑顔を向ける。

まるで愛しの彼女に向けるような笑顔を。

そして…


「会いたかった」


マジ、ハグされる。


カシャッ


「今、何か聞こえなかった?」

「気のせいだよ。」

「ってか離れてよ」

軽く押し返すと予想外に祐樹はあっさり離れた。

えっ

態度が急に変わったような…

「花恋、俺お前との相性が1番いいんだよ。

陸もどうせ遊びだろ?」

「ちがうよ!

陸とはマジで付き合ってるんだもん」

すると、祐樹は口元にうっすら笑みを浮かべる。

「マジ?

そんなのバカらしいって言ってたのお前だろ?」

「私達はちゃんと愛しあってる。」

つい言い合いになり激しく叫ぶように告げると辺りの視線が花恋に集まる。

あっ

やっちゃった…

「ちょっと落ち着けよ。

ほら、飲めよ」

祐樹はいつの間にか自販機でジュースを買っていて花恋に手渡す。

「ごめん…ありがと」


ゴクゴク


何も考えず一気に半分ほど飲み干す。


フラッ


ヤバイ

たってられない


「あついよぉ…」

「バカだな。

薬は沙織の十八番だろ」

朦朧とした意識の中で祐樹がそう呟いた気がした。


目が覚めたら、どこかの部屋だった。

手足が拘束され動かない。

「ん…どこ?」

「起きたか?

ラブホに入る写真だけ撮れたらいいんだけど、俺も溜まっててさ。」

そっか私、薬で眠らされて

ラブホ…

写真?

「写真…って…何?」

まだ薬のせいでうまく話せない。

「あぁ…

まぁ知った所で何も出来ないから教えてやるよ。

沙織からお前への仕返しだよ。

写真ばらまいて別れさせて山川を手にして、お前を絶望に落とすってさ。」

まだ沙織は諦めてないんだ。

「何で…あんたは……協力してる…のよ?」

身体の熱がおさまらない。

身体があつい…

「さっきも言っただろ。

お前との相性がいいんだよ

だからこれからもセフレでいたい」

ある意味告白で、ある意味1番強いつながり。

でも、1度愛を知ると身体だけの関係のむなしさを実感する。

「私は……あんたと……セフレを……続ける気は…ないよ」

「お前がnoでも写真はもう沙織が持ってる。

だったら快楽に溺れた方がいいだろ」

祐樹はいきなり花恋の服を剥ぎ取りはじめる。

拘束された花恋が逃げる事はないので、無理矢理破る気はないみたいだ。

「やめてよ」

下着だけになっても拒み続ける花恋に祐樹は笑い出す。

「何言ってんだ?

あんだけエロい事が好きなお前が、男1人で満足できる身体に簡単に戻れる訳ねぇだろ!」

祐樹の一言が胸に突き刺さる。

陸は私を愛してくれた。

けど私は穢れてるんだ…

彼の手の中に戻れる人間じゃないんだ。

祐樹は花恋の反応も気にせず黙々と下着を脱がしていく。

「私は陸を愛してる。

たとえもう戻れなくても」

いつまでも己の考えを変えない花恋の態度が祐樹の怒りを煽る。

「そんな考え捨てれるほど溺れさしてやるよ。

最後にお前が呼ぶ名前は俺だよ」

祐樹は鞄から性具を取り出し、嫌がる花恋の身体に次々と付けていく。

「ひ……ぁもう……やめ…」

何度イッても祐樹はみてるだけで身体に触れてこない。

「俺の名前を呼べよ。

そしたら許してやるよ」

呼びたくない

呼びたくない

けど快楽に終わりは来ない

「ゆう…き……抱いて」

名前を呼ばれると祐樹は、すぐに立ち上がり花恋の身体に覆い被さる。

「しばらくヤってねぇのか?

きっつ…」

「や……いぃ……あ……ん」

そして、花恋は意識を失った。


花恋…


俺、祐樹が花恋と出会ったのは高1の事だった。

あの頃の花恋は男の噂は全くなかった。

モテるのに彼氏をつくらないクール美人として有名だった。

そんな有名な女の子がいきなり俺にセフレになってと言ってきた。

俺は悩まずすぐにオッケーした。

特に深い理由もなく…

花恋とセフレになった俺は自惚れて花恋に聞いたんだ。

「何でセフレを作るんだ?」って

そしたら花恋は

「愛と言う関係を断ち切るため」って言った。

意味はわからなかったけど俺じゃなくてもいいって事だけはわかった。

それでも俺はセフレであり続けた。

彼女をつくっても、セフレには花恋がいる。

それが俺にとっての普通だった。

なのに突然、山川陸が花恋を彼女にして俺はセフレから普通の友達になった。

この時に初めてわかったんだ。

俺は花恋が好きなんだって。

今まで彼女と長続きしなくてもひたすら拒否し続けた気持ちが溢れる。

好きと自覚した俺に沙織は言ったんだ。

「私に協力してくれたら花恋ちゃんが手にはいるよ」って

今考えてもバカだと思う

自分の事しか考えてない群がる男たちと同じだ。

今も隣で寝続ける花恋の髪を指でとく。


「ごめん…

こんなレイプみたいな事…

謝っても許されないよな」


言い切り頭を撫でているといきなり

パチッ

と目が開く。

「うお!

びびった〜」

目を覚ました花恋はジーッと祐樹の顔を見続けている。


「変なの…」

まったく意味が掴めない。

「私より傷ついた顔してる。」

「えっマジで

そんな顔してるか?」

自覚ないのかな…

そんな顔されたら責められないじゃん…

「してるよ。

あのさ、今日はしばらく動けないから泊まろ?

で、全て話してよ」

「あぁ…」

もう全て隠す必要はない

それに話した方が楽だ。

「じゃあ腕枕してね。

ホントは陸にしてもらいたかったけど、今更どうにもならないし」

わざと嫌みを言ってみる

「ホントにごめん…」

会ってすぐの強引さは消えたように優しくなってる。

「祐樹私の事好き?」

唐突すぎる質問に祐樹はそっぽを向く。

しばらくたっても直らない態度に花恋は無理矢理顔を自分の方へ向ける。

今更真っ裸なんて気にならない

「きいてる?」

「好きだよ。

いつからかはわからねぇけど、好きだ。」

今までの花恋ならバカにしてたかもしれない。

けど今は愛する事のすごさ、切なさ、痛さがわかるから…

「そっか…

ありがと

傷つけてごめんね。

でも、今日だけにして

私の為にそんな傷ついた顔するの

私ね祐樹がセフレで嬉しかったよ。

ほらっ

今日だけは私の胸かしたげる」

花恋が泣く場面で

俺が謝る場面なのに

何倍も傷ついてるのに誰かの為に何かをしようとする。

でも花恋のこういう所は大好きだ

祐樹は花恋の胸に包まれ涙を流し続けた。

それを、花恋は優しく見守っていた。


翌日、花恋は祐樹と共にラブホを後にした。

あれからも花恋は祐樹に1度も怒っていない。

反省や後悔はきっと誰よりもしてくれている。

それに怒る必要はないだろう…

祐樹は優しい

だからきっと悔やみ続けてくれる。

それだけで十分だ。


問題はここからだな。

沙織がどういう手を使ってくるか…

バラまくか、それとも陸にみせるか?

「花恋、何があっても俺全てを話すから

守るから」

祐樹はすでに戦う気が満々だ。

「彼女がかわいそうでしょ。

それにレイプしたなんて言ったら祐樹が退学になるかもしれないから

私は貴方も守りたいの

陸の事は私でなんとかする

いいね?」

「あぁ…」

俺は無力だな

好きな女の幸せを心から祈れないちっちゃい男でもある。

なぁ花恋

俺はお前の為に何が出来るんだ?

俺は何をすれば良いんだ?

誰か教えてくれよ…


教室に向かった花恋は驚きを隠せなかった。

花恋のクラスの黒板に貼られた写真。

クラスメイト全員の視線が花恋に集まる。

わかってるハズだった。

でも…

やっぱり耐えれないよ

花恋は1人床に座り込んだ…


そんな花恋を後ろから立たせてくれる。

振り向いた先にいたのは

陸…

「大丈夫か?

どうかしたか?」

まだ、知らないんだ。

今、全てを話せば間にあうかな?

「陸、あのね…」


ドンッ


陸の身体を掴んだ手は離れ再び床に座りこむ形になる。

私を突き飛ばした女は

…沙織だった。

わざとらしくポケットに手を突っ込み写真を取り出す。

この女…

「陸、優しくする必要ないよ!

みて、これ」

陸の前に差し出された写真

しばらく、見つめた後視線が花恋の方へ向く。

「り」

声をかけようとしたが陸は一瞬みただけで、もう一度は花恋を見ようとはしなかった。

沙織は陸の後を追っていく

不気味な笑みを私に向けながら…

やっぱり、良いように考えすぎてた

簡単に誤解を解けるはずがなかったんだ…

もう2度と私にあの笑顔を向けてくれないんだね

クラスメイト全員の冷たい視線より、あなた1人からの冷たい態度の方が胸に突き刺さる…

ねぇ…

もう一度だけ私を愛してよ…


何か見苦しい所がありますがサラッと流して下さい


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