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愛を捧げて  作者: 花恋
3/17

3、壊れた愛を

ちがう

ここもちがう

手にした地図に次々と×をつけていく

その時、携帯がなる。

「もしもし、亜弓?

見つかった?」

「目撃者がいたの

旧校舎方面に向かったって」

「わかった、私が行く」

亜弓を巻き込む訳には行かない

「1人で行くなんて危ないよ」

「大丈夫

これは私が解決しなきゃいけない問題だから」

渋々、亜弓はオッケーしてくれた

けれど、近くで待機すると言われた

亜弓の優しさに感謝する。

うちの学園にある旧校舎は普段は使われていないし鍵もかかっていない

そんな旧校舎で唯一鍵をかけれる場所がある

旧体育倉庫だ。

花恋はこれでもかと全力で走る

たどり着いた体育倉庫の中からは物音がする

「聖!

ここを開けなさい!」

きっときこえているのに無視している。

鍵を壊すしかないか…

少し離れて勢いよく走り、倉庫に足蹴をいれる

バンッ

ギィー

鈍い音がして倉庫が開く


「陸!」


男達の円の真ん中にはボロボロな陸がいた

花恋が入って来てもやめない男たち

聖は奥で手をくんで男たちをみている

「やめなさい!」

何を言っても殴る手は止まらない

仕方ない

力ずくでとめるか

拳に力をこめる

ガッ

バシッドンッ

「うっ」

男たちが花恋の拳に次々と倒れていく

円の真ん中にたどり着いた花恋は陸にかけよる

「ごめんなさい…私のせいで」

辛そうな顔をしていた陸が一瞬だけ笑顔をつくる

「はじめて読んでくれたな…陸って」

一言だけつぶやき陸は意識を失った

「バカ…」

自然に目から涙がこぼれる

そんな花恋をみて聖が恐い顔をして近づいてくる

「こんな男のために涙をながす必要ないよ

ねぇ花恋、僕頑張ったよね?」

陸を見る目とちがいまるで子供の様な目を向けてくる聖

そんな聖をみて花恋は歯をくいしばり立ち上がる


パンッ


体育倉庫中に響き渡る音

聖の頬は真っ赤に染まっている

「二度とこんな事しないで

しばらく反省しなさい」

ドアから篤哉と亜弓が入ってくる

「かれん!

よかった怪我がなくて」

目に涙をためながら抱きついてきた亜弓の背中をさする

「うん、心配かけてごめんね

でも今はそれより陸を運ばなきゃ」

引きずれなくもないと思い肩に手をかけようとした時、

「俺が運ぶ

かせ!」

篤哉が陸を運んでいってくれた

後でお礼いわなきゃ

亜弓と篤哉のあふれんばかりの優しさにさらに涙がながれてくる

2人ともありがとう…


保健室に運んだのはいいが放課後で保健医はいない

仕方ない私が手当てするか


陸の服に手をかける

シャツを脱がすと身体はアザだらけ

そのアザ一つ一つに気持ちをこめてシップをはっていく

貼り終えると何もなかったかのようにシャツを着せていく

手足と顔は、いたるところから血がでていてすごく痛そう…

ごめんね

消毒もおわり、ベッドに寝かしていると、顔をのぞきこみたい衝動にかられる

目覚めないだろうと思い顔をのぞきこむと意外な事に気がつく

男らしい顔なのに寝ている時は睫毛がながくかわいくみえる

なんでだろう

キスしたい…

男の顔をみてキスしたいなって思ったのどれくらいぶりだろう

花恋は陸に顔を近づけそっと睫毛をあわせ、瞬きする

パチパチッ

瞬きして目を開けると目の前に陸の目があった

「キャー

いつから起きてたの…」

「今、だけど」

今って事はバレてる?

「ちがうよ、今のは別にキズを見てただけだし」

慌ててる花恋をみて陸はクスクス笑ってる

「嘘ばっかし

まさか、目さましたらキスされてる時とは」

「してないし

いつうちがあんたにキスしたのよ」

陸はさらに笑い出す

「わからないとでも思ってんのか?

バタフライキス」

カアッと花恋の顔が真っ赤に染まる

「おっ案外純情なんだな

でも、する事がロマンチックだよな

バタフライキスとか」

恥ずかしい

まさかあんなタイミングで起きるなんて

自分の行動に後悔する

後悔して、何も話さない花恋を陸はいつの間にかジーッとみつめている

「何みてるのよ?」

少し口調が怒り気味になる

「なぁ

お前は何で誰かを愛さないんだ?」

急にボソッと言われた重い質問

でも慣れっこだ

今までにたくさんの人にきかれてきた事だから

いつもどうりに答えようとしたのに口から出たのは思いがけない言葉だった


「愛せないからよ」

愛したくないからって言おうとしたのに

口から出たのは正直な言葉

今更取り消す事は出来ない

「お前の過去に何があったかは知らないけど


俺を愛せよ


俺が愛を教えてやるよ」


ガラガラッ

反乱しようとした時、保健室のドアがひらく

「調子はどうだ?」

「差し入れだよ〜」

篤哉と亜弓がジュースを片手にやって来る

2人にバレないように陸から離れる

「心配かけてすいませんでした

もう大丈夫です」

篤哉は陸をみてため息をはく

「それはよかったがちょっと厄介な問題だな

か、北原には明日話をきくつもりだ

今日はもう帰れ」

陸は篤哉から直感的に感じた

今、花恋って言おうとしたよな

こいつもセフレか?

「山川陸、貴方は私が家まで送るわ

行くよ

ほら、鞄かして」

花恋は半ば無理矢理陸から鞄をとる

そして、1人早々と保健室を出ていった

「待てよ!」

足も痛めてるので簡単には追い付けそうにない

そんな陸に気づき花恋は足をとめて待ってる。

「ごめんね

私のせいで…」

「もういいんだよ

俺に原因があるんだし

俺が堂々とターゲット宣言したから」

花恋はこの時まで忘れていた。

自分がゲームみたいにターゲットにされていた事を

そうだ

彼だけは好きになっちゃいけない

「それは、そうかもしれないけど

貴方に借りとかつくりたくないの

だから、私に出来ることがあったら言って」

借りか…

俺はまだ他人って事か

まだ友達にもなってないのか

「怪我が治るまで色々手伝ってくれたら、それだけでいいし」

「そんな事は当たり前でしょ

他に出来ることはないの?」

「だったらセフレ解消してよ

何人いるかは知らないけど全員」

半分冗談くらいのつもりだったけど花恋は返事をしない


「それは…

無理でしょ」

やっぱりな…

「欲求不満になるから?」

ちょっと女の子にする質問じゃない気もするけど

「それだけじゃないよ

私のセフレの中には悩みを抱えてる人もいるから」

「身体だけの関係じゃないのか?」

「ちがうわ

聖だって悩みを抱えてる1人なの」


花恋と聖が出会ったのは1年前の入学してすぐの事だった

亜弓を待つ間暇だった花恋は図書室で時間潰しをしていた

あんまり目立つ所が嫌いだった花恋は図書室の奥の奥にはいっていった。

そこでうずくっている男の子

いや、男子か…

「体調悪いんですか?」

花恋の声に気づき振り返る男の子

これが、聖と花恋の出会いだった。

「そういう訳じゃないけど何だか寂しくて…」

同情って言われたらそうなのかもしれない

でも、ただ彼を慰めたくて抱きしめた

この日から私たちの関係がはじまった。


「こうやって私達は出会ったの」

さっきから何かききたそうな顔をしている陸

「なぁ、お前ってはじめからセフレつくるつもりだったのか?」

なんだ

そんな事か…

「ちがうよ

私は男とは関わらずに過ごすつもりだった。

けどね、聖の気持ちに気がついた時からセフレをつくろうと思ったの」

気がつくと目の前はもう陸の家の前だった。

「…お前って残酷だな。」

聞こえるか聞こえないかのギリギリの声でつぶやく

「えっ?」

「いや、なんもねぇよ

また明日な」

足を引きずりながら陸は家にはいろうとする。

「怪我が治るまで毎日迎えにくるから」

了解と伝えるように陸は手をヒラヒラとふってくれた。

私に出来ることはこれくらいしかないから…


翌日

「おはよ」

家から出てきた陸に笑顔で声をかける。

「おす」

2人で他愛ない会話をしながら学校へ、向かう

学校に近づくにつれ、生徒達の視線が痛くなってくる。

そんな生徒達を代表して2人の前に三人の男子が立ちはだかる。

「か、花恋さん、おはよう」

下を向きながら緊張を露にする三人

そんな、三人にも花恋は笑顔を向ける。

「おはよっ」

やっと顔をあげた三人はモジモジしながら一番の目的を果たす。

「や、山川くんと付き合ってるんですか?」

まわりの生徒達は三人の勇気に

「おぉっ」

と驚きの声をあげる。

花恋は何も気にせずありのままの真実をどうどうと告げるまでだ。

「ちがうよ。

山川くん怪我してるから手伝ってるだけだよ」

花恋の凛とした声が広がると男子達は

フー

と安心の息をもらした。


下駄箱につくと、辺りは生徒だらけだ。

まず、陸の下駄箱に向かう。

陸は慣れたように、開けてラブレターがこぼれおちる前に手で押さえながら中身を袋に、押し込んでいる。

大丈夫そうなのを確認した花恋は急いで自分の下駄箱に向かう。

いつもどうり、下駄箱をあけた瞬間、たくさんのラブレターが地面に広がる。


「あーぁ」

声のした方をみると、そこにはいつの間にか陸がいた。

「だめじゃん

落ちる前にとめなきゃ

毎日の事なんだから、それぐらいわかってるっしょ?」

普通に笑って返事をすると思っていたが花恋はしばらくちらばったラブレターを見詰めていた。

「えっと、はじめて?」

すると、花恋は何やら複雑な表情をする。

「ラブレターは今まで聖が整理してくれてた。

昼休みのスケジュールまで作ってくれてたんだ。

でも、こうやって溢れてくるって事は聖、学校に来てないんだね」

悲しそうな顔をしながら花恋はラブレターを拾っていく。

そして、下駄箱に手を突っ込み、中のラブレターを掻き出していたその時、


「イタッ」


何かが指にあたり、血がでてくる。

「大丈夫か?」

陸が心配そうな顔をする。

「う、うん」

指を舐めてる花恋の横から陸がそっと手を突っ込む。

しばらくして、陸は1枚の紙を取り出した。

「これみたいだな」

2つ折りにされ、端っこにはご丁寧にカッターの、はが敷き詰めてある。

何て悪意のある物なんだろう…

陸から紙を受け取り中身を目で読む。


〜陸に近づかないで

貴方に陸はふさわしくないのよ〜


「この筆跡…」

横から除き込んでいた陸が独り言のようにボソッと告げる。

「知ってるの?」

「いや、知らない。

俺、用事があるから、また後でな」

そう言って陸は花恋の元を去った。


陸は一人で歩きながら考える。

あの筆跡はたしか…

沙織の字だよな…

沙織は陸の元カノでこの子も花恋のようにモテる女の子だ。

陸は告白して来た沙織と付き合いはじめたが、イマイチ合わず1ヶ月前に別れたとこだった。

まさか…

あいつ、花恋に何かしようとしてるのか?

ちんたらしてらんねぇ

怪我治してききにいかねぇと!

あいつは何をするかわかんねぇ

あの程度の嫌がらせで終わればいいが…


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