いざ、キャンパスライフⅠ
自宅に住み始めて1週間。広大な敷地を使って、武力関係のスキルを中心に習熟度を上げる生活をしている。車もキヨタレクサスRCFを10万ドルで購入した。この体のスペックで、アメリカの巨大ハイウェイを突っ走るのはスポーツカーしかない。日本車を信頼しての購入だ。また、用意した資金が目減りしたのでドル建てFX取引を行い、1000万ドル保有資金を追加した。米銀はけち臭く口座維持手数料を取るのでFX業者に預入れしておく。
武力では、剣術スキルとされる縮地を獲得し、投擲は100mの距離で的のど真ん中に当てられる。加速は、女房が「加速した瞬間に見失ってしまう」と言うほどだ。体力強化の効果も著しく、フルマラソンの倍の距離を走ってもほとんど疲れない。魔法では、一部の真空化や大気成分変更、エアカッターを獲得し、水・氷生成、ウォーターカッターも獲得した。
戦闘以外でこそ多くの活用法があると思っている、土魔法の獲得はこれからである。自宅の敷地は十分空きがあるので、土魔法の練習がてらラノベ風に鍛冶が出来る建物を土で作ってみる。土を盛り上げ壁にする。中々壁にならない、南米にあるアリ塚の様に塔になるだけだ。仕方ないので一列に塔を隙間ない様に並べる。その後壁に加工する。
土魔法は鉱石から金属の取り出し、道路、ダム等の造成が出来る便利魔法だ。陶器や磁器等も制作できる。趣味で貴金属や宝石、レアアース探しも楽しそうだ。商業ベースに乗らない鉱山は基本放置されている。土魔法で製錬分離を行いその動作を解析し、科学技術に置換えれば新技術の開発に繋がり、放置されている鉱山も商業ベースに乗るだろう。これも夢のある仕事でレアアース戦争に一石を投じることになる。
女房は、金属板を色々変形させている、錬金術の習熟度を上げるためだ。俺の土魔法の習熟度が上がったら、女房の錬金術と合わせミスリル・オリハルコン等魔法金属作って、早々に核融合発電の実証をしてみるか
今日は夏学期の初日、キャンパスライフの始まりだ。入学オリエンテーションに参加してみたが、コロナ禍の影響で小規模での開催であった。学生課で受講カリキュラム表を提出し学生票を受領する。提出したカリキュラム表を見た職員が「本当にこれでいいの?」と聞いて来る「ええ本当です」と答えると、職員は頭を振り振り「クレィジー」と小声で言ってる。
提出したカリキュラムは、毎日時間の空きなく全分野に渡る学習内容となっているからだ。職員が「あんたはどの方向に行くんだい」とでも思ったんだろうか。ここの学生は殆どが大忙しで活動している。しかしそれは学業半分、社会活動半分というのが多く、我々みたいに時間のほとんどを学業に費やす学生はいない。
我々は既に社会活動を終え、人生をやり直すためキャンパスライフを楽しむために来ているのだ。他の学生とは全てにおいて違う。ただし、キャンパスライフを楽しむためにも学業だけでなく様々なサークルに加入したい。女房には「若い心」を取戻させるため、少なくとも女子の社交クラブである「アイシル」に入れる予定だ。
俺はスポーツ関係のサークルを希望しているが、この身体スペックでは団体競技は難しいか。日本人からすればなんて馬鹿な催しだと思われる、ストリーキングズ行事に参加し馬鹿になったら、俺も「若い心」を取戻せるか。いやいや、性器を晒して周回するなんて何処のあほか、如何に強靭メンタルでも死ねるわ!それよりソフトな演劇で青春か?スポーツどこ行った。
学業については、我々はネット上で自由にアクセスできる論文の全てに目を通し、著者と同等の理解度に達している。なので、効率的に卒業可能単位を取得するようカリキュラムを組む。我々が真に必要としているのは、人生をやり直すために必要となるアイテムとして、ハイーバード大学卒業という実績なのだから。かと言って、キャンパスライフを楽しむこともまた事実である。折角のやり直し人生なのでできる事は全てやり、自重しないし誰にもどんな組織にも邪魔はさせない。
今考えている論文は『非接触状態における通電現象理論』、『新素材による超高温超電導現象の実証と理論解明』、『脳の進化過程における形態保管機能とその刺激による影響の考察』である。女房との共著とする予定。ビッグなものは、核融合発電実証、量子コンピューター構築、物理学者の悲願であるマスター理論、重力制御などだろうか。
魔素という、全てに変化させることができる根源の物があるのだから、魔力の取扱いを熟知し、その存在の有り様を完全にイメージできるなら創れないものはない。理論や数式さえ可能だろう。アカシックレコードもできるか?(これができたら神ってこと?)