2022年船出の準備は整った
2021年暮れ、お盆の帰省を止め年末年始休暇を多めに取った息子達が帰って来た。携帯で情報交換をしていたので、5月の時ほど大騒ぎにならなかったが、デザインアンチエイジングの効果を改めて知ることになる。
俺が「まるで売れっ子モデルの集まりといった処だね」というと次男が「親父とそっくりになっちゃった。元が似てるから仕方ないよね」まるで失敗したかのように言う「お前その姿に不満あるの。世間様にどやされるよ」、「いや、不満なんてないよ。意図しないで似ちゃったなあと思っただけ」
長男は元々かなり美男であったので、顔は殆ど改変しておらず185㎝の高身長足長、次男は俺似なので俺同様の改変をしたようで、その姿は俺と一卵性双生児の様だ。嫁達も170㎝中頃の八頭身美人で、顔は元の面影を無くす程改変していない。皆身体ピークの20歳にしている。今の孫達は、整形手術をした親子間の様に違和感が生じないよう、時間を掛け改変する。今後生まれる孫達はデザインチルドレンとする心算だ。
息子達も今の身体になって、俺達の思惑が身に沁みて解かったようだ。長男が「親父がこの前、別人になりたいといった意味が良く分かったよ」、「そうだろう。別人にならなければ、その年齢その姿が宝の持ちぐされになる」、「そうですよね。なってみてお義父さんの言う意味が良く分かりました」長男嫁が反省したように言う。
次男達も頷く。若々しい見事な姿で堂々と街を歩いてみたい、凄い能力を使って人生をやり直してみたい。この状態でそう思わない人がいるだろうか。心を満たす全能感を抑えるのは大変だったと思う。5月に話をしたトラブルの心配がなければ破綻したかも知れない。
俺は海外渡航準備の進捗状況を説明し、ハッキング魔法、鑑定を獲得したことを報告した。鑑定は習熟不足で使い勝手が悪く、更に知識の集積、習熟度を上げる心算だと話す。皆には獲得方法を説明したが、ハッキング魔法は一人持てばいいので頑張って獲得する必要はなく、その分を他の有益な能力獲得に使ってもらいたいとお願いする。
皆は「司法試験に合格ってすごいよ。外国語もネイティブの様に話せるし」と称賛してくれる。娘が「大学はどこにしたの」と聞く「ハイーバード大学への手続を終えた。後は面接を待つだけだ」更に娘が「お金は大丈夫なの」と心配するので「持っていた資金をFX(為替)で50倍にした」と笑って答える「其れも凄いな」と称賛してくれる。強化された脳と並列思考を使ったFX取引なら、レバレッジ200倍も怖くないので、20億円程度の資金造りなど1日仕事なのだ。
「将来必要となるお前達の資金についても、別に準備するから心配しなくていいよ」皆が溜息を吐く「静以外は、子供がいるので別な人生を始めるのも今の勤務先を辞めことも難しいだろう?いきなり司法試験受かりましたはキャリア上無理があるしな」皆が頷く「静は、人生をやり直すに支障はないが、時間はあるしよく考えてからだな」娘は「1~2年掛け今のままで弁護士になる手もあるかな」という「それも有りだ」と俺。
息子達から武力の獲得は環境的に難しいとの話がでた。次男はマンション住まいなので、部屋が狭く殊更難しい。長男は自宅を持っているが「庭は狭く隣家から丸見えなので変な目で見られる」と心配する。体力強化は問題なく獲得している。ジムに通うにも時間的な余裕がないので無理だという。俺は「お風呂でシャドウピッチングを行えば投擲を獲得できないか」と聞く。次男が「お風呂も狭いし時間がないよ」と反論。家族の為なんだから、休日子供達と遊ぶ時、武力獲得に繋がる遊びを考えるよう促す。
皆は「結局、お父さん達が一番自由に生きれて羨ましいよ」と言うので、俺が「俺達が道を開くからお前たちは楽に後追いできるだろ」と説明するが、納得できない様だ。 俺は、早々に子供達の立場を改善する必要があると思い「俺達が、出来るだけ早く海外に生活拠点を構築する。それから全員を呼び寄せるから、皆で人生のやり直しをするか。孫達も海外なら自重せず能力強化をしても問題ない」と思いついた事を話す。
俺は「海外移住に賛成なら、皆は2年程で移住できるよう準備すること、静はどちらを選択しても構わない」と説明し、皆から同意を得た。問題は、子供達が戸籍上若返った時の孫との関係をどうするかだ。息子達の養子にするか?かなり無理があると思う。ジュニアスクールの仕組みも調べていないので、本人達に対応策を考えさせよう。
後思いつくことは、長男に「資金を渡すから住宅借入を数回ほど臨時弁済して移住までに完済しておくこと。あと、出国する際は我が家同様、留守宅管理会社と契約する必要があるから忘れずに手続きすること」と話す。そのこともあり、今後の準備資金として子供三人に、1億円ずつ渡すことにした。
突然の方針説明を終えて、皆でこれまで獲得した能力、できなかった能力、新たに獲得したい能力などについて話し合った。その中で、俺からの提案でラノベ調に能力=スキルと呼称変更することにした。皆から「それって今必要な事?」と呆れられたが押し通す。(だって、鑑定に表示される時にスキルの方が馴染むんじゃない)と心の声。
その鑑定だが進化があった。表示が次のとおりに変わった。
名 前
年 齢
性 別
職 業
状 態
能 力
信頼度
やはり、イメージが鍵の様だ。能力もスキル表示に変わるだろう。そのスキルだが習熟度によってできる事に違いがあるのなら、習熟度をレベルとして表示させれるのではないか。勿論レベルのないスキルはあるだろうが。この調子で進化するなら、将来ラノベにある全ての実現も可能ではないか。寄生体から「これは出来ない」と聞いたことはない。もっとも、彼等は寄生している限り殆ど必要とするスキルはないけれど。
この鑑定だが、俺以外は獲得できなかった。やはり俺は寄生による特別な存在になったのだろう。魔力吸収能力付与もあるし。以前、鑑定では魔力の放射と反射が関係しているのではと推察していたが、この作用を利用して、透過スコープができないか挑戦したところ簡単にできた。透過スコープは物体内部が透けて見え、かつ電子顕微鏡並みに拡大観察できる。今後、体の変調やけが等を治す時に内部を透過できるのは有用だ。
脳強化も進んだ。強化の具体的イメージでなくても効果は発揮する。ただ、1つ問題があった。脳には我々が進化の途上で採っていた形態の情報も保管されていた。その力を強化すると先祖返りが起てしまうので、逆に劣化を掛け相殺する必要があった。今更原人はないだろう(笑)。
今後欲しいのは錬金術とコピー魔法だ。これは、女房が一番適性があると思うので「錬金術とコピー魔法だけど、母さんは器用で粘り強い性格だから比較的容易に獲得できると思っている。挑戦してみてよ」と振ってみる「それじゃあやってみようかな」頑張ってくれそうだ。
これで魔法金属ができたら驚きだ。「母さんが錬金術で魔法金属作ったら、超高温超電導や核融合発電も夢でなくなるかも知れないよ、可能性は無限大だ」長男が「そんなこと考えてるのかよ。ほんとぶっ飛んでるわ」、「いやどんなことでも可能性はあるよ」更に「コピー魔法は、必要なら幾つでも作り出せるという夢の便利魔法だ。是非とも獲得して欲しいよ」、「ほんと夢ね」
一方、防衛力強化も必要だ。皆で海外に移住するとなれば、その危険性は国内の二段・三段上だろう。皆にそのことを話し皆も考える様促す「俺の考えは、事前防止策として認識阻害、拳銃対応のため広範囲の瞬時無力化が必要だ。対策として強化スリープやバインド、雷魔法のスタンも有効と思う」と話すと、娘が「魔法は自重なしに全て獲得したらいいんじゃない」との意見。まるでラノベ世界の様な話をしている。
結果的に「いっそ有名どころのスキルは全て獲得する」との結論になった。長男は自動車会社の開発部門にいることから鍛冶・錬金術に興味があり、次男は警備会社のセキュリティー機器関係にいることから結界魔法に興味を示す。女性軍は、料理、裁縫や清掃などの生活魔法や治癒魔法の獲得を目指すことになった。
俺は、特別な存在になった(と思う)ことから、無謀にも時空間魔法即ちアイテムボックス、空間転移に挑戦する(無理だろうこれ)。他に、事前防止策として相手の嘘や考えが分かる魔法、事後の憂いを取り除くため記憶を抹消か改変する魔法、相手を取込む洗脳、攻撃を反射するリフレクション、瞬時反撃のカウンターがあればさらに安全になると考え挑戦する。自分でも欲張りだと思う。
俺は「少し無謀なものもあるが、寄生体の⦅魔素とは、全てに変化させることができる根源の物⦆という言葉を信じれば、イメージ力と行動の工夫によっては望む全てのスキルを得ることができる」と話した。皆かなりやる気を示す。
孫も脳強化により、6歳と7歳児について12~13歳相当の能力となっているので、この能力を秘密にすることが如何に大切なことか理解できている。なので、この孫については、自重せずスキルを獲得させ、最年少の4歳児二人は現状のままとする。
俺は、米国への出発前に日本に置土産をしていこうと悪巧みをしていた。それは、今の力を手に入れる前、日頃罵声を吐くだけでいた陸友学園事件についてだ。大倉省コンピューターシステムに侵入する。奴らが廃棄したというメモや改竄前の公文書を探すためだ。国の職員が公務において作成した文書はメモだろうが公文書(判子が付いたもの)だろうが、文書管理法・規程の適応を受ける。
公文書管理法第4条で【行政機関の職員は、法第1条の目的の達成に資するため、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、 又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならない」とされている。
そして作成すべき文書の例示として5種類乗っているが陸友学園の理事長と打合せに関するメモはこの5種類には入っていない。しかし、何にでも例外はあるもので、ここでも5種類以外の事項について、【上記事項その他の事項について、処理に係る事案が軽微なもの(※)である場合を除き、文書の作成義務があります】そして、軽微なものについても【 ※「事案が軽微なもの」とは厳格かつ限定的に解される必要があり、事後に確認が必要とされるものではなく、文書を作成しなくとも職務上支障が生じないもの】と定めている。
つまり、陸友学園事件に関する文書は、作成された公文書3類を中核として職員のメモであろうが全て3類に分類し1つの文書ファイルとして保管・管理する事になる。なので、職員のメモだから廃棄したなどということはあり得ない。つまり彼らは国会の場で堂々と噓の証言をしている。
それは報道を見ている検察幹部でも承知している。更にまた、これら公文書は、必要な保管・管理期間が終了した時、国立公文書館へ移管する義務も負っていて、国立公文書館等に移管をするか、廃棄をするかをあらかじめ定めておく必要があり、その判断は文書の内容をよく知る作成者等に任されている。そして国有地の売却価格問題、土地の評価額は9.6億円で売却価格1.4億円という詐欺の様な価格だ。
大倉省は国有財産の統括部局であるため他省庁の財産についても口煩く干渉して来る。普通財産は全て速やかに財務省に移管しなければならない。その移管は大変だ。書類一つ不備が無い様チェックされる。その財務省が、評価額を減額するために埋設されているかも定かではないゴミの撤去費用を計上している。
こんなのは、ただの公務員レベルで出来る訳がない。そんなことは大倉省職員全員が、いや国家公務員全員が知っている。それをやらせているのは政治家だ。大倉省をお山の大将の如く牛耳っている猿顔の政治家に決まっている。そしてその背後には首相官邸がある。首相官邸はその他にも小悪党らしい悪さをしており、如何に伏魔殿と化しているのか。事件はしがない一公務員の自殺で終わっている。奥さんが夫の無念を晴らそうと戦っている。
俺はその戦いに一石を投じてやるつもりだ。世界相手の仕事が終わったら国内の小悪党を一掃してやるが、今はそこまでの力はない。後日、ネットに【大倉省が隠す陸友学園文書】と銘打った情報が載る。そこには、報道では真っ黒に消された文書が内容が読める文章として載っていた。更に既に廃棄したと国会答弁していた、理事長と大倉省幹部や近江財務局幹部・職員と打ち合わせた時のメモも全て載っていた。首相官邸主導で国民の財産を自己の為に蔑ろにしている姿勢が露わにいなっていた。
そして、投稿者はこう書置きしている「今はまだ、世界を相手の仕事が待っている。小悪党を相手にするのは世界が終わってからだ。力なき一公務員を死に追いやっても痛みも感じてない、日本の政治家、大倉官僚、検察官僚等の小悪党共よ、これから世界がどうなるかよく見て置け。その行く末は、次は自分の身に起こることだと!」国会ではこのネット配信で陸友問題が再燃するのだった。