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たった一人の魔物使い  作者: 壬黎ハルキ
第二章 サントノ王都
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第二十三話 友達



 話は昼まで遡る――――。

 マキトたちが初クエストに出かけた後、コートニーは父親のマージリィとギルドの片隅にあるテーブルに座って話していた。

 改めて、数年ぶりの再会を喜ぶコートニーであったが、マージリィから打ち明けられた話を聞いて驚いていた。


「え、再婚?」

「あぁ。エルフ族の魔導師でな。二年前から、一緒にパーティを組んでいる」


 コートニーは言葉が出なかった。新しい母親ができる話だなんて、流石に予想外にもほどがあった。しかし、マージリィの真剣な様子から、決して冗談ではないことがよく分かる。

 問いただしたいことは色々あるのに、上手く言葉が出てこない。マージリィもそれを察したのか、フッと小さく笑いながら再び語り始める。


「特別なキッカケがあったわけじゃない。気がついたら自然に、という感じだ。いきなりこんなことを打ち明けて、済まないとは思っている。亡くなった母さんを裏切るようなマネをしているも同然だからな」

「いや、そんなこと……お母さんのことは、ボクも全然覚えてないし……」

「そうか。無理もないな。確かお前は、まだ四歳だったか……十年という時間は、あっという間だな」


 昔を懐かしむように、マージリィは目を細める。さっき見せていた威圧感からは想像もつかない、優しい父親としての表情であった。


「思えばずっと、お前のことを放ったらかしにしてしまった。今更かもしれんが、本当に済まなかったと思っているよ」


 コートニーは俯いたまま、黙って首を横に振る。少なくとも父親を拒否している様子はない。それだけでも本当に良かったと、マージリィは思っていた。

 ここでマージリィは、コートニーに会いに来た目的を告げる。


「お前に新しい母さんを紹介したいと思う。ついてはスフォリア王国まで、一緒に来てほしいんだが……」

「え、一緒に来たんじゃなかったの?」

「そのつもりだったんだが、彼女に急な仕事が入ってしまってな。お前に会えないことを残念そうにしていたよ」

「そうなの?」

「あぁ。何せ彼女も魔導師だからな。同じ魔導師の息子ができると知って喜んでいた。獣人族であることも話したが、そんなことは気にしないとも言っていたよ」


 コートニーの胸の中に、何かが込み上げてきた。それが嬉しさからくるモノなのか、それともとりあえずの安心さなのかは分からなかったが、新しい母親に対する不快感や不安感は、殆どない状態であった。


「まぁそんなわけで、新しい母さんは、お前のことも愛してくれるだろう。そこは安心しても大丈夫だと俺は思う。ちょうど良い機会だから、お前の拠点をスフォリア王国に移すことを考えた。魔導師であるお前にとっても、最適な環境だろうと思ってな」


 確かにスフォリア王国はエルフ族の国だけあって、魔法環境も充実している。他国の出身である魔導師も、自ら望んでスフォリア王国へ移住するケースは、あながち珍しくないのだ。

 そう考えれば、コートニーの移住はむしろ望ましく、むしろもっと早くしていても良かったとすら言えるだろう。

 実際、マージリィも薄々ながら感じており、その後悔もわずかながら上乗せされていたりするのだが、本人が気づいているかどうかは不明である。


「明日の朝にはこの街を出たいところだ。慌ただしくて申し訳ないがな」

「忙しいんだね、やっぱり……」

「あぁ。こうして親子で会う時間を作るのですらひと苦労だ。それだけ頼られているというのは分かるし、嬉しい限りではあるんだがな」


 深いため息をつくマージリィを見て、コートニーは苦笑を浮かべている。

 このような父親の姿を見るのは初めてであり、物珍しさと心地良さ、そして少しばかりの尊敬の念をも抱いていた。

 こんなにも自分の父親は、とても大きくてどっしりとした存在だったのかと。

 できればすぐに頷きたかった。新しいお母さんに会ってみたいと言いたかった。しかしコートニーは、すぐに判断することが出来なかった。


(もしここでお父さんと一緒に行くと決めたら、マキトたちとは……)


 別れなければならない。マキトたちはスフォリア王国へ行く前に、ラティの故郷である、ユグラシアの大森林へ向かう予定なのだ。

 つまり目的地が一致しないため、コートニーはどちらかを選ばなければならないということになる。

 数ヶ月前の自分だったら、こんなに迷うことはなかった。しかし今は違う。自分には友達が――初めて本気で長く付き合いたいと思った、かけがえのない友達がいるのだ。

 考えれば考えるほど、コートニーの中に迷いが生じる。マージリィもそれを察しているようであり、目を閉じながら口を開いた。


「しかし、無理にとは言わん。もしお前が自分のことを優先させたいのなら、それはそれで良い」


 マージリィの言葉に、コートニーは目を見開いた。


「で、でも……折角お父さんが提案してくれているのに……」

「焦らなくていいと言っているんだ。どのみちお前も、スフォリア王国に来る予定ではあるんだろう? 新しい母さんを紹介するのも、正式に拠点を移すのも、その時にすればいいだけのことだ」


 コートニーは頭の中がグルグルと渦鳴いており、何も言えなかった。マージリィはそれも察していながらも、なお話を続ける。


「お前にも大事な仲間ができたのだろう? その者たちを思うのは当然のことだ。俺と共に来るのか、それとも仲間と旅を続けるのか、お前自身が考えて決断しろ。明日の朝にでも、お前の答えを聞かせてくれ」

「…………」


 マージリィはそう言って席を立ち、そのままギルドを後にする。残されたコートニーは、未だに頭の中がゴチャゴチャしていた。

 家族を選ぶか、友達を選ぶか。たったそれだけの簡単そうな問題なのに、まるで答えが出てくる気配がない。むしろ考えれば考えるほど、胸がザワついて苦しくなってくるような気がしていた。


(ボクは……一体どうすれば良いんだろう?)


 結局、マキトたちが初クエストを終えてギルドへ戻ってくるまで、コートニーの頭の中は渦巻いたままであった。



 ◇ ◇ ◇



「ふーん、なるほどねぇ。そんなことがあったのか」


 人気のない広場のベンチにて、マキトはコートニーから事の次第を聞いた。

 確かに家庭の事情が絡んでくる以上、ギルドのような騒がしい場所では、とても話し辛かっただろう。

 実際マキトも、こういう静かな場所で聞いて良かったと思っていた。


「ねぇ、どうしたら良いと思う?」

「どうするもこうするも、コートニーの好きにすりゃあいいだろ? オヤジさんと一緒に行きたいんなら行けばいいし、そうしたくないんなら、そうしなければいいだけのことだろ?」

「……それは確かにそうかもしれないけど……」


 そう簡単に決められないから、こうして悩みに悩んでいるのだと、コートニーは言いたかった。

 しかし残念ながら、マキトも魔物たちも首を傾げるばかりであった。そこまで悩むほどのモノなのかと言いたそうに。

 それを察したコートニーが、苛立ち気味に何かを言おうと口を開こうとしたその時、マキトが苦笑気味に言葉を切り出した。


「まぁでも、理解あるオヤジさんってのは確かなんだろうな」

「……どういうこと?」

「そのまんまの意味さ。こうして選択の余地を与えてくれてるわけだし、結局どっちを選んだとしても、結果はそんなに変わんないだろ?」

「それは……まぁ確かに……」


 マキトの紛れもない正論に、コートニーは頷くしかなかった。迷いに戸惑いがプラスされてゆく中、マキトの言葉はまだまだ続いている。


「新しい母親にも会ってみたいんだろ? なら迷うことなんてないじゃないか。俺たちは俺たちで、また会うこともできるんだからさ」

「確かにわたしたちも、スフォリア王国へは行くつもりですからね」


 ラティの意見に、マキトは笑顔を浮かべる。


「だろ? そこで再会したら、また一緒に冒険すればいいと思うんだけどな」


 それだけの話だろ、と言わんばかりの口調。マキトの言葉に、ラティも実に納得なのですと深く頷いていた。

 ロップルやスラキチは、無言のままコートニーを見上げていた。まるで、マスターはこう言ってるけど実際どう思うの、と聞かれているような気分であった。

 コートニーはとりあえず、今の気持ちをマキトたちに話してみることに。


「そうだね。確かにマキトやラティの言うとおりだとは思う。けどボクは、どうしても迷ってしまうんだ。マキトたちと……初めてできた友達と離れるのがイヤなんだよ」

「まぁ、コートニーの気持ちは分からんでもないような気はするけど、そう言われてもなぁってのが、正直なところだな」


 思い切って自分の思いをぶつけるコートニーに対し、マキトは平然と答える。

 またしてもバッサリ言われてしまい、コートニーは更に項垂れてしまう。

 その項垂れている理由も、マキトは分からないままであったが、なにか落ち込ませるようなことを自分が言ったのかぐらいは思っていた。

 少し気まずそうに頬をポリポリと掻きまがら、マキトは言う。


「そりゃまぁ、離れるとなったら、俺だって寂しいとは思うけどな。コートニーが行きたそうにしてたら、流石に無理強いもできないってもんだろ」

「えっ?ボク……行きたそうにしてた?」


 目を見開くコートニーを見て、マキトは呆けた表情を浮かべる。


「なんだよ、違ったのか? オヤジさんや新しい母親のことを話してる時、とてもワクワクしてるような感じだったぞ?」

「そ、そんなに……楽しそうに話してた……かな?」

「うん」


 即答するマキトに、コートニーは狼狽える。全く自覚がなかったのだ。

 どうやら自分でも気づかぬ間に、早く新しい母親となる人物に会ってみたいと、強く思っていたようだ。そんなことはないと思えば思うほど、それこそ違うよという声が響いてくる。

 マージリィに言う答えが決まったような気がした。

 しかし、本当にそれで後悔しないのかと、再び足を後ろに引かせてしまう。どうしてここまで往生際が悪いんだと、コートニーは自分を叱りたくなっていた。

 そんな彼の様子に、マキトは苦笑いしながら、明るい口調で告げる。


「とりあえず、先にスフォリア王国で待っててくれよ。ラティの故郷へ行ったら、その後で絶対に行くからさ」

「マスターの意見に賛成なのです。確かに寂しいですけど、やっぱり家族との時間を大切にしてほしいのですよ」

「それに離れてるからって、別に友達であることは変わらないだろ? 俺もコートニーとは……ずっと友達でいたいからさ」

「マキト……」


 若干照れくさそうに言うマキトに対し、コートニーは目を潤ませる。途端にマキトは苦笑しつつ、頬をポリポリ掻き出した。


「まぁ、ぶっちゃけ俺も、どういう接し方するのが『友達』なのかってのは、未だによく分からないんだけどな」


 それを聞いたコートニーの表情は、マキトに釣られるかのように苦笑していた。


「ボクも同じだよ。友達がどうのこうのなんて、意識すらしてこなかったかもね」

「あ、それ俺もだわ。なんか楽しいから別に良いかなーって感じでさ」

「だよね♪ やっぱりそうだよね♪」


 コートニーはふと、自分が笑っていることに気がついた。

 さっきまでの苦しかった気持ちは、一体どこへ行ってしまったのだろうか。それ以前に、どうしてこんなに悩んでいたんだろうとすら思えてくる。


(そっか……あんまり難しく考えなくても、良いのかもしれないな……)


 マキトと笑い合いながら、コートニーは心の中でそっと呟いた。同時に決めかねていた答えが定まり、マキトたちにそれを告げる。

 聞いた瞬間は目を見開いたマキトと魔物たちであったが、笑顔でそれを受け入れる。そして、明日に備えて早く休もうと立ち上がった。

 その後はすぐに宿屋へ戻り、マキトたちはぐっすりと深い眠りにつく。コートニーの荷物は、すぐに旅立てるようにまとまっていた。



 ◇ ◇ ◇



「そうか。一緒に来ることに決めたのか」


 翌朝コートニーはマージリィの元へ訪れ、一緒にスフォリア王国まで行くと返事をした。荷物も既にまとまっており、いつでも旅立てる状態であった。

 一日の始まりを告げる鐘が鳴り響く中、マージリィは嬉しそうな表情を一瞬だけ浮かべたが、すぐにやや疲れたかのような表情を浮かべ、コートニーに告げる。


「あわただしくて済まんが、すぐにでも王都を出発したい。このまま、馬車に乗ってしまってくれ」

「えっ、もう行くの?」

「向こうから直々に連絡役が来たんだよ。頼むから早く戻ってきてくれとな」


 マージリィの後ろでは、確かに一台の馬車が準備されていた。

 申し訳なさそうに苦笑いを浮かべながら、一人のエルフ族の青年が、何度も頭をペコペコと下げているのが見える。その隣では、いかにも屈強と言われているかのような獣人族の戦士が、黙って小さくお辞儀をしていた。

 恐らくエルフ族の青年が連絡役で、獣人族の戦士がここまでの護衛を務めてきたのだろう。

 コートニーがそう思っていると、マージリィがブツブツと文句を垂れてきた。


「おちおち朝メシすら食えないとはな。宿の女将に軽食を用意してはもらったが、随分と無理を言ってしまった。今度改めて礼を言いに来なければなるまい」

「律儀だね、お父さん」

「何を言っている。このくらいは当然のことだろう」


 ハッキリと言うその姿に、コートニーはお父さんらしいやと苦笑する。そして親子は馬車へと乗り込み、街門に向かって勢いよく走り始めた。

 まだ朝も早く、殆ど人が歩いていない街中を馬車が駆け抜ける。朝の冷たくて澄んだ空気を味わいながらも、コートニーはマキトたちのことを考えていた。

 もしかしたら返事を言いに行った足で、そのまま出発してしまうかもしれない。そんな予感がしたコートニーは、昨夜寝る前に別れは告げていた。マキトたちもそれを受け取り、スフォリア王国で絶対に会おうと改めて約束した。

 黙って別れたわけではないのだが、なんとなくスッキリもしない。そう思いながら、マキトたちと泊まった宿屋を通り過ぎようとした、まさにその時であった。


「あっ……」


 マキト、ラティ、スラキチ、ロップル。今まで一緒に旅をした仲間たちが、宿の部屋から手を振っていた。

 特にかけ声とかはなく、ただ笑顔で一生懸命、コートニーに手を振っているだけであった。

 しかしそれが、コートニーの中を温かさで満たされていった。

 自然とコートニーも笑顔となり、マキトたちに思いっきり手を振り返す。完全に宿を通り過ぎても、街門に到着するまで、手を振ることを止めようとしなかった。


「皆さんの旅のご無事を、お祈りしております」


 門番に見送られ、馬車は街門を飛び出し、そのまま北を目指して荒野を走る。

 整備されていない道なだけあって、快適な走りとは言い難い。おまけに全速力で走っていることもあって、下を噛まないようにするのに必死であった。


「良い友達を持ったようだな」


 コートニーが見上げると、マージリィが笑みを浮かべながら、頭を撫でてくる。

 とても大きくて暖かい感触であった。幾多の戦いを乗り越えたかのように、その手はかなりゴツゴツしていたが、全く気にならなかった。

 むしろ、全てから守ってくれるような感じがして、とても頼もしいと思えた。


「スフォリア王国まで、まだかなりの距離がある。その間、俺がお前を鍛え上げてやるとしよう。次に彼らと会うまでに、お前も強くなっておかんとな」


 ゆっくりと優しい口調で、マージリィから言葉が投げかけられる。

 急に気持ちが引き締まるような気がした。現実に戻ってきたと言ってもいいかもしれない。

 マキトたちとは、また一緒に冒険することを約束した。

 大きな戦いに遭遇することがあるかもしれない。その際に力がなければ、単なる足手まといでしかなくなってしまう。

 自分だけ置いてけぼりを食らってしまうのは嫌だ。そう思ったコートニーの返事は決まっていた。


「……はい、お願いします!」


 コートニーの力強い返事を受け、マージリィはとても嬉しそうに頷くのだった。



 ◇ ◇ ◇



「なーんか、やっぱり一人足りないなぁって、そんな感じするな……」


 コートニーを見送ったマキトたちは、朝食を終えてギルドへ向かっていた。

 苦笑しながら呟くマキトは、やはり少しばかり寂しいと感じていた。それは魔物たちも同じであり、特にロップルが大きくションボリしていた。山賊から助けてくれた恩人ということもあるのだろう。

 そんな中、ラティが疑問に思っていたことを口に出す。


「コートニーはどうして、あそこまで悩んでたんでしょうね? 決断したらあっという間だったので、驚いてしまったのです」

「どうなんだろうな? 話が一気に飛び込んできた感じっぽいから、それで思わず混乱したとかな。まぁ、実際のところは分かんないけど」


 それを聞いたラティは首を傾げる。


「マスターでも分からないのですか?」

「そりゃそうだよ。俺はコートニーじゃないんだから」

「まぁ、確かにそうですよね」


 そこで会話は途切れてしまい、再びマキトたちに沈黙が訪れる。流石に少し暗いかと思ったマキトは、魔物たちに明るい声を出して言った。


「とりあえずアレだ。俺たちは俺たちで、気を取り直して行こうぜ」

「そうですね。今日は確か、クエストに出かけるんですよね?」

「あぁ。なんか面白そうなのがあると良いけどな」


 ラティがマキトの言葉に同意したことで、スラキチやロップルにも笑顔が戻る。少し安心したところで、目的地であるギルドが見えてきた。

 重々しい扉を開けると、まだ朝の早い時間帯だというのに、既にたくさんの冒険者が集っていた。ここでマキトは、受付嬢が教えてくれた言葉を思い出す。


「朝一番にクエストが張り出されるって言ってたけど……もうこんなにいるのか」

「そういえば、コートニーが言ってましたよね。ギルドが開くのは、基本的に夜明けと同時だって。なんか思いっきり出遅れたって感じがするのです」


 悔しそうに拳を握り締めるラティだったが、今回はもう仕方がないのも事実だった。マキトはラティの頭を撫でながら言う。


「とりあえず掲示板を見ようぜ。なにか残ってるかもしれないし」


 気を取り直しつつ、マキトはスラキチとロップルを頭や肩に乗せる。人がいっぱいいるため、このほうが安全だと思ったのだ。

 その瞬間、歩いてきた四人組の冒険者パーティとぶつかりそうになった。


「あ、すみません」

「いや、こちらこそ失礼した。さ、どうぞ」


 殆ど反射的にマキトが謝ると、腰に剣を携えたエルフ族の青年が、さわやかな笑顔でマキトたちに道を譲る。

 それにマキトたちはやや戸惑いながらも、小さく会釈をしながら「どうも」と返し、掲示板へと向かっていった。

 入れ替わる形で、エルフ族の青年が他三人を引き連れてギルドを出る。

 その際、エルフ族にしては耳が短めのセミロングの少女が、何かを気にするかのようにギルドへと振り返っていた。しかしすぐに視線を戻し、慌てて三人の後を追いかけていくのだった。



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