お前は鬼か。
夜
風呂を上がり、料理をつくる。
「良い匂いする!早く食べたいな。」
君が目を輝かせ、見てくる。
「もう少しで、できるよ。」
「わかった!じゃあTWO-PIECE見てる!」
馴染んでやがる。
料理できました。
その名も[超絶美味ステーキ]
まぁ、ただのステーキなのだが、愛情こもってます。
「美味しそう!いただきます!」
「がっつかないようにね、いただきます。」
君は、美味しそうに食べてくれてる。なんせ、愛情こもってるからな。[平成の料理長]の異名を持つ僕が作る料理だ、美味しいに決まってる。
「ごちそうさまでした、美味しかったよ。」
「それはなにより、お粗末様でした。」
さてネットでレシピの知識を増やすか。
僕は料理が好きだ。
それは、[平成の料理長]と呼ばれ女子から好感持たれてたからだ。それだけだ。
「いろんなのがあるな~」
「これは?エスカルゴ料理」
おい、カタツムリ作れと、僕は見た目的に無理だ。それにどう仕入れればいい。
「エスカルゴ料理食べたいの?」
「ううん、何となく面白いかなって」
だと思った。
「仕入れ大変だし、エスカルゴ見た目が苦手だから却下。」
「じゃあさ、オリジナル料理作ろうよ!」
オリジナル料理か…それは面白そうだな。
「確かに作ってみようか。」
どんなのが良いのだろう。試行錯誤した結果浮かんできたのがこれだった。
[海鮮トンカツ丼]……却下だな…
「まぁ料理はまた今度考えよう。」
「じゃあさ!一緒に本読もう!」
「本は全部読んじゃったよ。」
「えぇじゃあどうする?」
どうする?ってなんだ、まだ眠くないから適当に暇潰すに決まってる。
「だらだらしてるよ。」
二人でだらだらしてる。時々下らない事を言ってくるが。
「ねぇゴリラってね学名ゴリラ ゴリラなんだよ、2回ゴリラって言うの、面白くない?」
「そうなんだ。」
こんな風に。
だからなんだ、ゴリラ ゴリラ?別に興味は無い。僕が興味あるのは霊次の語尾くらいだ。
そろそろ眠くなってきたな。
「僕はそろそろ寝るよ。」
「えぇ寝るの?」
君は、不満そうに言った。
「うん。眠いからね。」
「つまんない!起きてて!朝まで起きてよう!」
お前は鬼か。
ヒグラシの鳴き声が響く夜中。僕は眠たいのに、寝させようとしない君
もう一度言う。
お前は鬼か。