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夏のヒトトキ  作者: FHU
10/11

言うべき事

あと5日で夏休みも終わりか…


タイムリミットは確実に近づいてきてる。


気付ける筈もなく、時は進む。


夏休みの宿題は終わらせてあり、平凡な日々を繰り返す。


「ねぇ、もう夏休みほとんど無いし海行こうよ」


海か、確かに夏休みといえば海だが、海遠いいしめんどくさいな…


「めんどくさいから家でダラダラしてようよ。」


「やだ、海行こ!思い出作ろうよ」


僕はこの夏休みで君と再会したり、家に地縛霊がいること分かったりして、ある意味かなりの思い出だ。


「交通費かかるし行かなくても良いでしょ、思い出ならいっぱい作ったしこれからも思い出作るんだから。」


君は小さな声で呟いた

「これからも一緒に入れるとは限らないじゃん…」


「ん?何か言った?」


「だから!海行こう!海行くの!」


はぁ、仕方ない海行ってやるか…


「わかったじゃあ海行こう、支度できてる?」


「やった!支度できてる!」


~電車~


久しぶりに和夢市から出たな。

君は嬉しそうに窓を眺めながら目を輝かせている。


海が見えてきた。

辺り一面青く染まっていて太陽が反射しキラキラしている。

もうすぐ夏は終わるのになんでこんなにも綺麗なのだろう。


無事、海に着いた。


君の水着姿を見れるのか…ゴクリ



「気持ちいいね!」


「そうだね。泳がないの?」


君は風になびく髪をかき揚げる。

ふいに振り向いた。

「うんこうやって二人で眺めてたい。」


確かにそうだな…水着は見たいけどこうしてるのも良いかも。


「海来れて良かった?」


「うん!連れてきてくれてありがとう。」


海辺で会話をしてたら辺りは暗くなり赤い太陽がでてきた。

ロマンティックな景色に見とれていると、君はふいにこんな事を言った。


「夏休みが終わったら私は行かないといけない。」


行かないといけない?どこに?


「どういうこと?」


君は少し溜めならがらこう言った


「成仏するの。」


今日始めて君との思い出が幕を閉じる事を知った。

急なことすぎて何も言えずに家へ変える途中、電車の中で君の手を繋ぎ、ビックリしてる君に真剣な眼差しで口を開く。

「僕は君が好きだ、成仏する前に言っときたい大好きだ。」


君は何も返さないただ涙がポロリポロリと流れていた。

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