僕が大将!?
平成の戦国時代を描いた物語です。
明日あなたが都道府県の代表になったらあなたはどう思いますか?
楽しいでしょうか?それとも面倒でしょうか?
田舎町で天下統一を狙う1人の男性。本当に天下を取れるのか。
TV『こんばんは。ニュースデラックスの時間です。矢部総理大臣による新しいマニフェストを
発表されました。
政治離れをした若い人に関心を持ってもらう為の政策だと公表しております。
新しいマニフェストの内容は都道府県毎に代表を決め、その代表を一国の将とし、
半年毎に他国と国取り合戦、つまり自分《戦》をしなければいけないと言うものです。
《戦》の内容についてはまだ発表されていません。内容が発表され次第速報でお伝えします。』
僕は徳島県と言う小さな田舎町に育った織田直也25歳。
今は普通の会社員をしている。
今の生活は嫌いではないが、面白くないとは思っている。
よく母親が言っていた。「男なら大きな夢を持て。男ならテッペンを取れ。」と。
だが今はごく普通のサラリーマンだし、会社でテッペンを取ろうなんて思ってないし、取れない。
同期は皆んな優秀だし、上司に気に入られてドンドン昇格していくし。
正直めんどうだからこれでいいと思っている。
同僚A「なぁ〜知ってる?矢部総理が出したマニフェスト。」
僕《ん?なんだ?》
同僚B「あー!!知ってる知ってる!なんか戦するんだろ!?意味わかんねーよなぁ。」
同僚A「刀とか持って殺し合いとかすんのかなぁ〜?笑」
同僚B「いや〜それはないだろ〜!!さすがにやりすぎでしょ!笑」
同僚A「それより誰が代表になるんだろーなー。立候補とかできんのかなぁ?」
同僚B「いや〜立候補できたとしてもお前にはならないよ!笑」
同僚A「それもそうだな!笑」
同僚AB「ははははッ!!」
僕《ふッ!くだらね〜。なれる訳ね〜だろ。》
先輩「お疲れー!」
僕「あっお疲れ様です。」
今日も普段と変わらない1日が終わった。
正直今回発表されたマニフェストは僕も興味はある。
こんな面白くない毎日が少しは変わりそうな気がするからだ。
僕「ただいまー。」
母「おかえりー。ご飯は?」
僕「いや、まだいらない。」
TV『こんばんは。ニュースデラックスの時間です。今回発表された新しいマニフェスト《戦》の内容が
ついに公表されました。』
僕「ん?これ今日会社の同僚が話してた。」
母「あ〜これ?昨日の晩からこのニュースでもちきりよ。戦なんて子供じゃーないんだから
もっといいマニフェストにしてもらいたいわね〜」
僕「そうかな。僕は面白いと思うけどなぁ。」
TV『気になる《戦》の内容ですが各都道府県(国)の人口数をポイントととし、半年毎に自国よりポイントの少ない国を一つ制覇できるというものです。そして、最後に残った国の将を大統領とし、日本の法律を一存で決めれるという権限をあたえられます。また、大統領の出身地を日本の首都とすると決定しました。』
コメンテーターA『いや〜大胆な事を始めましたね〜。でもこれじゃー人口数の少ない国は不利なのではないでしょうか?』
コメンテーターB『そうですね〜。東京や大阪にはまず勝てないでしょうね。』
コメンテーターC『そもそもこんな事をすること自体間違ってるし、やる意味はあるのでしょうか。』
僕『面白い!!面白い!!これだよ僕が待っていたのは!!だが徳島県の将にならないと意味がないか、、、。どうせ県知事とかだろーな。』
ー翌朝ー
母「直也ー!!直也ー!!早く起きなさい!!」
僕「は?まだ7時じゃん、、、8時になったらまた起こして。」
母「違うわよー!!あんたに政府から手紙がきてるのよ〜!!」
僕「政府〜?、、、えッ!?政府だって!?まさか、、、」
その瞬間僕は思った。きた、、、と。
母「ほらー早く開けてみなさい!」
僕「分かってるよ、うるせーなー。」
内容《矢部総理大臣の新しいマニフェストで各都道府県毎に代表を決める事を決定いたしました。その選考内容はランダムです。そして今回徳島国代表で織田直也様が当選いたしましたのでご連絡を致します。詳しい内容につきましては徳島県知事にお聞きするようお願い致します。現在在職中の方や学生に関しましては自動的に本日で退職又は、退学とさせて頂きます。代表拒否はございませんのでご了承くださいませ。》
僕「これ、、、本当か?」
母「本当じゃないの?印鑑だってついてあるし。こんな手の込んだイタズラ誰もしないわよ。」
僕「そッそうだよね!?とりあえず徳島県知事のところに行ってくるよ!!」
母「そうよね!いってらっしゃい!!ちゃんと職場にも挨拶に行くのよ!!」
僕「うん!!」
始めは信じられなかった。まさか本当にこの僕が徳島県の代表になるなんて。
でもこれで退屈な毎日とはおさらばできると思えば足取りが軽かった。
まだ詳しい内容は分からないがすごく大きな事をしなくてはならないと言う事は僕にでも分かった。
僕「ついに着いちゃった。」ゴクッ、、、
僕「すッすみません。知事はいらっしゃいますか?」
女性「知事ですか?どちら様でいらっしゃいますか?」
僕「僕、僕はこんな手紙が届きまして、、、織田といいます。」
女性「織田様ですね。少々お待ちください。」
僕「・・・・。」
池田「あッ初めまして!織田様!」
僕「初めまして!」
池田「私が徳島県知事の池田と申します。これからは織田様の右腕としてお支えさせて頂きます。」
僕「えッ!!知事が僕の右腕!?」
※池田恒明 49歳 男性。
元徳島県知事で頭のキレる男。今では僕の1番の右腕として支えてくれる存在。
池田「ははははッ!そんなにビックリする事でもないでしょう。これからはあなたが徳島の大将なん
ですから!ですがこれからはかなり白熱した戦になりますから私が右腕として手助けを致します。」
僕「あっありがとうございます!!」
池田「それでは、まず他国との戦についての説明をさせて頂きます。」
《各都道府県の人口数がその国のポイントになります。例えば徳島県のただいまの人口数が785,491人。
ですので徳島国の持ちポイントは785,491ポイントとなります。ちなみに今一位が東京国の13,159,388人。
今の徳島国は圧倒的に不利な状況からのスタートとなる。戦は半年に1回行われ、専用ホームページで
吸収したい国を選択し、その国が自国よりもポイントが少ない場合、その国を獲得できます。出陣する
場合は他国に自国のポイントをいくら使うかが重要となる。例えば10ポイント持っていて、4ポイントの
国に攻めに行く時、5ポイントのみを使って攻めに行き、残りの5ポイントは自国に置いていくと言う事。
自国にポイントを残さず全ポイントで攻めた場合、他国に隙を突かれ気ずいた時には自国がなくなって
いると言うことも有り得るのだ。但し、同盟を組んでいる国が防衛に参加し、攻めてきた国にポイントが上回った場合は防衛成功となり、自国を取られる事はない。戦略には、同盟・降伏がある。戦で破れた場合
は自動的に降伏となり、自国としての権限を失い、ポイントは勝利した国に吸収される。同盟を組んだ
場合はポイントを合算する事も分け合える事もできる。》
池田「とまぁこんな感じです。」
僕「え?じゃーメチャクチャ不利じゃないですか!?」
池田「はい、、、でも要は戦略です。始めから潰されないよう頑張りましょう!!」
僕「ちなみに四国では徳島は何位なんですか?」
池田「愛媛・香川・徳島・高知ですので順位で言うと3番目です。」
僕「四国でも3番目!?じゃー全国順位では?」
池田「全国順位では下から4番目です、、、」
僕「勝てんのかよ、、、」
池田「まずはお隣の香川と同盟を組みましょう!!ただ、徳島より勢力は上の国ですから了承される
かどうか分かりませんが、、、」
僕「香川の大将ってどんな人なんですか?」
池田「噂には織田様と同年齢くらいの女性だと聞いております。」
僕「女性かぁ、、、話のわかる人だといいなぁ。」
池田「それでは早急に面会して頂く様連絡を取ってみます。」
僕「よろしくお願いします!ではまた明日も来ますので。」
池田「分かりました。それまでには面会の許可を頂いておきます。」
僕『はぁ〜とんでもない事になったなぁ。て言うか面会すらしてくれないんじゃないかなぁ、、、」
ー香川国ー
?「はぁー?私にできる訳ないじゃな〜い!!」
香川県知事「と、言われましてもあなたは香川のトップになられたのですよ!!自覚を持って下さい!」
?「やーだ!大将なんてやめる!別の人がすればいいじゃない!」
香川県知事「一度選ばれたら辞める事はできません!!私もお手伝いしますので頑張って下さいよ〜泣」
?「じゃー大将の権限であなたに全て任せますぅ!!!」
香川県知事「こっ困ります!!お願いしますよー、、、はぁ、、、」
Tel
スタッフ「ハイ、え!?ハイ、ハイ。」
香川県知事「?」
スタッフ「知事!!徳島県知事の池田様からお電話です!」
香川県知事「なに!?池田から?用は?」
スタッフ「なにやら面会をしたいとの事でございます!」
香川県知事「分かった、つないでくれ。」
《ピッ、、、》
池田「もしもし、お久しぶりです。池田です。」
香川県知事「お久しぶりです。御用は何でしょう。」
池田「うちの大将、織田様が是非一度香川代表と面会したいとの事でして。」
香川県知事「それは無理な話しですねー。まずうちの大将は面会なんてできる状況ではない!」
池田「そうですか。なら別を当たってみましょう。残念ですが。」
香川県知事『待てよ、、、今の大将は戦しても必ず敗北するだろう。ならば同盟を組んでおくのも一つの
手か、、、そしてキリのいいところで徳島も潰す!!』
香川県知事「ちょっと待って下さい。面会お受けしましょう。」
池田「急な心変わりですねー。分かりました。それではまた。」
《ガチャ。》
?「なんの電話だったのー?」
香川県知事「徳島の大将と知事が後日面会にいらしゃいます。私がお話いたしますのでご安心下さい。」
?「わかった!よろしくね☆かんべぇちゃん!」
官兵衛「ハイ。お任せ下さい。」
※白田 官兵衛52歳 男性
元香川県知事。今は香川代表の右腕として頑張っている。正直知事の中では最高にキレ者の軍師だろう。
ー数日後ー
いつも歩いているこの道がいつもと違って見える。
日常が変化したからだろう。
あの手紙一つでここまで人生感が変わるとは思わなかった。
TV『こんにちは!ニュースラインの時間です!!先日徳島の代表、大将が決定致しました!!気になる
代表はなんとランダムで選ばれたそうです!お名前は織田直也様25歳男性です!!徳島県民にインタビューしてまいりました!!』
42歳主婦「ん〜本当にあんな若い子にできるのか心配ですね〜。」
35歳会社員「徳島も終わりましたね〜。歳も若すぎますし噂ではできの悪い元会社員ですよね?」
28歳フリーター「僕だったら確実に天下統一できたと思います。」
TV『様々なご意見がありましたが私は頑張って頂きたいと思います。」
僕『はぁ〜僕言われ放題だな。本当にやっていけんのかな。』
僕「あッもう池田さんとこ行かないと!!」
今日は香川代表と面会の日だ。
どんな人達なのかドキドキワクワクしていたが
この僕が同盟の申し出とか交渉とかうまくいくのか不安でいっぱいだった。
僕「こんにちは!」
池田「きましたね!それでは行きましょうか!!」
僕「はッハイ!!よろしくお願いします!!」
僕『・・・ついに僕の戦が始まったか!!』
回を重ねるごとに面白くなってくる物語ですので
飽きずにお読みください☆