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魔導機士は元魔王  作者: 卵の君
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第1話 目覚め

 よろしくお願いします。


 「なんだ、最近見なくなったかと思えばあの夢か」


 ベットから起き上がり背伸びをする。この不自由で軟弱な体にもすっかり慣れた。いや、そんな他人行儀な態度では家族が悲しんでしまう。俺は一ツ橋の家に生まれた真緒という名の男なのだ。

 この世界に来てもう5年もの月日が流れていると考えると、少し感慨深いものである。俺は前世で勇者に負けた元魔王である。しかし、今では人畜無害で可愛らしい人間の5歳児となっている。


 それにこの世界、もといた世界とは全く史実も言語も異なっており、地理にしても星の位置や数にしても異なる。元の世界には月と呼ばれる衛星は存在しなかったのだが、この世界には存在する。


 産まれて数年間は泣いてばかりで相当取り乱していたが、今はどうという事は無い。俺は人間の両親と人間の兄と人間の姉を持つ幸せな星の下に生まれ落ちた一人の男だ。この5年間嫌と言うほどの愛情を注がれた俺がどうしてこの人達に恨みを持てようか。

 それにこの世界、そもそも魔族が存在しないという訳で踏んだり蹴ったりである。だがしかし、人間の安寧を脅かす存在がはびこっているのも確かである。


 世界の境界線を越え、こちらの資源を食いに来る不届きな奴らこそこの世界における人間の天敵、アクマ。


 それに対抗しうる存在として人々が作り上げたものが魔導機と呼ばれる人知の結晶だ。

 

 魔導機の種類は多岐にわたり、手のひらサイズの小さなものから、ビルの様に大きな物まで様々だが、総じて魔力を消費する特性がある。

 魔導機の用途ですら様々で日常品から軍事品、最近では携帯用ゲーム機にまで魔導機に使われる部品が使われている。


 そんな魔導機、特に魔導兵器を中心に開発・生産に携わっているのが一ツ橋グループという訳だ。ちなみに飲食店のチェーン展開もしている大企業だがゲーム産業にまで手を出すとは迷走しているのでは無いだろうか?


 まぁ、それいいんだ。一ツ橋グループは兄に任せ、俺は前世でなしえなかった守りたいものを守る為に、日々鍛錬である。


 もうあんな悔しい思いはしたくない、人間の寿命は長くないと聞くしさっさと力を付けねばなるまい。


 兎にも角にも自室でダラダラとしていては埒が明かない。


 俺はそそくさとパジャマを脱ぎ捨てトレーニングウエアを着ると、日課である元魔王流アクマもビックリ地獄の特訓(笑)を開始するのであった。


 まぁ、すぐに幼稚園の制服を着なければならないのだがな。

  

 「目覚め」と言うより「説明」と題した方が良かったんじゃね?とか思っておりません。

 読んで頂きありがとうございます。

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