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①~腹の問題~

「...もう無理」

俺は腹を抱えこみ地面に倒れこんだ。

なんで俺がこんな状況にあるかと言うと全部母さんのせいだ。

200ハーツしかくれなかった母さんが憎くてしょうがない。

王都は大分近づいてきたが、まだ家からミシディアの王都まで

中間地点といったところか...


ここまで来る途中に2つほどの小さな町を通り過ぎたのだが、

最初の町で分厚いベーコンと目玉焼きセットを(137ハーツ)平らげ、

次の町で黒がかった硬いパン(48ハーツ)を平らげた。

...

残り15ハーツしか残っていない...。

「ここまで来ると胃の中に入るなら何でもいいと思えてくるぜ...」

そう嘆いていると後ろから何やら馬の走ってくる音が聞こえる。

「...幻聴か?」

...馬車が近くまでやってくると、幻聴でないことにようやく気づいた俺は

後ろに乗っていた女の子に物乞いを試みた。

「あぁ、あのう.....」

少女は馬車を止めこちらを見ている。

きっとこの子は俺の事を軽蔑してるに違いない。

そんな事を考えながらさらに...

「後ろに積んであるリンゴを15ハーツで売ってくれないか?」

たった15ハーツでリンゴを売ってくれる人なんていないだろう。

しかし少女は、パチン、と指を鳴らしこう言った。

「フフン♪今日はたくさん買ってきたからね~。」

「特別だよぉ~♪」

そういうと彼女は馬車から真っ赤に染まったリンゴを俺に差し伸べてきた。


挿絵(By みてみん)


「本当に!?」

俺はリンゴと少女を交互に見た後、そう答えた。

「それじゃあ、私行くからね。」

そういうと少女は、せかせかと馬車へ乗り、

俺の方を向いて手を振った後、しばらくして少女は見えなくなった...。

...


しまった...あの子の名前聞き忘れた...。

小さいながらもずっしりとした重さ。一口かじると蜜が大量に詰まっていて、

香りが一気に広がった。


俺はリンゴをちびちびかじりながら再び歩き始めた。

何がともあれ、無事に王都へ着きそうだ。



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