食堂1(僕はあれを食べたいんです)
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一人住まいの独身男子である。十年前に就職で、東京に出てきた。いつまでも若いと勘違いしているおかげか、病気ひとつせず何とか元気に暮らしている。住まいも職場も変わることなく、波瀾万丈とは縁遠い比較的平らな道をずっと歩いてきた。しいて変化を挙げるとすれば食生活であろうか。上京当初は毎日自炊をして食事を楽しんでいたはずなのであるが、年数がたつにつれて外食がだんだんと多くなっていった。自分で料理を作ることと片づけることが、しだいに億劫になってきたのである。幸い年々給与を上げてもらえて、少しずつではあるが経済的余裕が出てきたことと、自宅の最寄駅近辺には飲食店が多いといった地理的環境も影響してのことだろう、いつしか七件の行きつけの店ができ、曜日によるローテーションを組んで通うようになった。優柔不断な自分にとっては毎日の店選びに頭を悩ませる必要がないので、我ながらよいアイディアだと思う。が、自分が選んだお気に入りの店々を揃えているとはいっても、永年同じ店に通っていると、味つけに飽きがくることもあった。たまには別の店の料理を味わってみたいという気持ちが湧くのである。そんなときは、行きつけの店には内緒でよその店を探して入った。気に入った店と出会えれば、七件の店から一つを削り、新たなローテーションを組むことになる
店内を、暖簾の隙間から覗いてみた。入店前に必ずする僕の儀式である。四人席のテーブルが左右に三つずつ並んでいる。真ん中を通る通路の突き当りが厨房になっているようだ。先客三人はすべて一人客らしく、別々のテーブルでそれぞれが食事をしている。
「いい雰囲気だ、気に入った」
僕は、店の入口を入ると、すぐ左にあるテーブルに壁を背にして座った。すぐに二十代半ばと見える男性店員が水グラスを持って僕の方へとやってきた。ここでは青年と呼ぶことにしよう。青年はテーブルにグラスを置くと僕に声をかけた。
「いらっしゃいませ。ご注文の品が決まりましたら、どうぞ声をかけてください」
「わかりました」
僕は店内の、自分から見て向かい側の壁に貼られている横長のメニューを右からひととおり眺めた。さて何を注文しようかと一分ほど悩んだ末、いちばん右に書かれた、レバニラ定食を注文することに決めた。僕は青年に向けて合図の手を挙げ、
「注文が決まりました」
と声をかけた。
気付いた青年がこちらに来る。
「はい、何に致しましょう」
「レバニラ定食をお願いします」
「かしこまりました」
注文を取った青年は、振り返り、
「レバニラ一丁」
と元気に厨房に向かって声をかけた。
店の中の様子をなんとはなしに眺めながら待つこと五分、レバニラ定食がお盆に乗せられて運ばれてきた。
「お待たせしました、レバニラです」
「ありがとう、いただきます」
割り箸を割りながらレバニラの盛られた皿を見ると、湯気の中でレバーがきれいにテカっている。レバーを一度油で揚げて、臭みを取ってくれてから、改めて野菜と一緒に炒めているようだ。手間を惜しまない、いい仕事をしている。僕はレバーを箸にとり、フーフーと冷ましながら、口に運んだ。
「美味い」
僕は、正解だね、この店に入ってよかったと思いながらバクバクとレバニラ定食に食らいつき、十分ほどで完食した。食事を終えた僕はうれしくて、すぐさま青年に声をかけた。
「いやー、レバニラ、実においしかったです」
「そうですかー、うれしいなー」
「大・満・足。ぜひまた寄らせてもらいます」
「ありがとうございます」
料理を褒められたのが、さぞかし嬉しかったのであろう。精算を済ませた僕を、青年と、厨房の中から顔を出したオヤジさんがそろって笑顔で見送ってくれた。僕としては、お世辞ではなく、本心からおいしいと感じたのであるから、言葉通り僕は次の週、その次の週と、その店に行き、
「あの味が忘れられなくてねー、またきちゃいました」
と一言かけて、レバニラ定食を注文した。すると青年はそれに対して、
「かしこまりました」
と返事をくれた。
ところが四回目に行った時からである、青年の応対に少々の変化が現れた。僕が店に入っていくと、青年は、僕に注文を確認することなく、
「オヤジさん、いつものー」
と厨房にいるおやじさんに、料理を発注するようになったのである。気を利かせてくれているのであろう。僕としても、顔を覚えてもらえたことは、常連の一員として認めてもらえたようで、うれしかった。
メニューには、他の料理も載っている。しばらく通ううちに、レバニラがこれだけおいしいのだから、他の料理も期待していいだろう、ぜひ食してみたいと思い始めたが、なかなかこれを実現させるのが難しい。僕が入店すると、間髪をいれずに青年が、笑顔で元気に、「いつものー」とか、「レバニラ一丁ー」と叫ぶので、つい別のメニューにチャレンジする機を逸してしまい、いつも同じものを食べることになった。
他の客が食べているものがおいしそうに見えることもあった。あれはいったいどんな味なんだろう、と興味を持った僕が青年に、
「あちらの方が食べているのはなんですか?」
と問いかけてみるが、青年は、
「あー、あれですか?お客さんはレバニラ一本なんだから、他の料理のことなんか気にしなくていいですよー、ははは」
とあしらわれてしまい、気になる料理の正体を教えてはくれない。お店側には、完全に、僕がレバニラオンリーのお客と受け取られてしまったようだ。
そんなわけで、僕はそのお店に行くたびに、本心では他の料理も味わってみたいと思いつつも、結局はいつものレバニラを食べるという生活が続いた。夏場などは悲惨であった。ほかの客が全員冷やし中華を食べている中で、自分だけが汗だくで、レバニラを食っていたのである。
お店には、ホワイトボードが置かれている。そこには、壁に掲げてある定番メニューとは別に、「本日のおすすめ」が記されていたり、「旬の魚を入荷しました」と書かれていたりする。僕がそれらを食してみたいと思っても頼めない。新メニューが発表されても頼めない。店側が僕の希望を取り上げてくれないのである。ほかの客たちが苦も無く注文しているのだが僕には注文できない。歯がゆさ交じりに「食いてーなー」と思いながらも、同じものを食べる日々が続いた。
僕の顔を覚えてくれた常連客に、
「あんたは本当に強情だなー、たまにはレバニラを休んで、おすすめ定食を頼んでみればー」
と言われたこともあった。これは願ってもない話、渡りに船だ、と船に乗ろうとしたが、青年が、
「こちらのお客さんは、いつも決まったものしか食べないんですよ。頑固者なんですから、ほっといて差し上げてください」
と横からすかさず口をはさむため、やはりおすすめを注文できない。
そんなある日、やっとほかの料理を注文できるチャンスが訪れた。僕が、入店する前の約束事としていつもしているように、暖簾の隙間から店の中の様子を見ると、青年が見当たらない。
「おや?いつもの青年がいないぞ。しめた、願ってもないチャンスだ」
僕は喜んだ。
「やったー今日は青年がお休みのようだ。店主にじかに注文できるぞ、別メニューをオヤジさんに直談判だ。」
ガラッ
「こんにちわー」
入店した僕は、店中に響き渡るような大声で元気に挨拶をした。
すると、間髪をいれずに、トイレの中から声が響いてきた。
「いらっしゃいませー。オヤジさん、レバニラ一丁」
と青年の声である。なんと、青年は休みではなかった。たまたまトイレにはいっていたのであった。
「今日もいたのかー。これだけ休まない人もいまどき珍しいんじゃないのか。」
僕の喜びは束の間の幻におわった。
一年がたった。いつまでたっても僕の願いがかないそうもないため、
「諦めて一生レバニラを食べ続けるとしようか」
と、くじけそうにもなったが、
「いや、そんなのは嫌だ。ほかの料理があるのはわかっているんだ、みすみす諦めたくはない」
と僕は自分を奮い立たせた。
「そうだ、チャンスを待っていてもらちが明かない。こちらからアクションを起こそう。このまま泣き寝入りはしないぞ。」
僕は作戦を練った。青年が店にいれば、必ず邪魔をされてしまい、僕の願いがかなえられることはない。レバニラ以外の料理を食せないのである。悪いが、青年にはしばらくの時間、店を留守にしてもらおう。さて、どうやって留守にさせるかだなー。
「頼む、代金は僕が出すから、何も聞かず、出前が届いたらそれを受け取ってくれ。もちろん食べてくれて構わない。注文の電話は僕がするからさ」
僕は店の近所に住む友人宅に行き、そうお願いした。格好悪くて、理由は言えない。僕の立てた作戦には、どうしても共犯者が必要だった。許せ、友よ。
僕は、店から二十メートルほど離れたところにある電信柱の陰に隠れていた。店の入り口が見えるこの場所から、声を変えるために鼻をつまんで、電話をかけた。
「はい、定食の○○です」
幸い電話には、青年が出てくれた。
「もしもし、出前をお願いしたいんですが」
「あー、すみません、うちは出前をやっていないんですよ」
青年の反応から推測すると、どうやらこの電話の正体が自分だとはばれてはいないようだ。まずは第一関門を突破できた。この店が出前をしていないのはもちろん承知の上なので、うろたえることはなく、そのまま強引に作戦を続けた。
「そこを曲げて何とかお願いしますよ。うちは近い場所だからさ」
「お宅はどちらになりますか?」
「コーポ・レインボーです」
「確かに近くですね。うーん、解りました、出前を承りましょう」
「助かります。わがままを言って、すみません」
「いいえ」
青年はしぶしぶ出前を引き受けてくれた。
電話を終えた僕はそのまま待機して、じっと店の様子をうかがっていた。やがて店から男が出てきて、お盆を片手に自転車ででかけていったのを確認すると、
「いまだ!」
僕は急いで店に駆け寄っていき、ドアを開けた。
ガラッ
「いらっしゃいませー」
「あっ」
店の中には青年が立っていた。
「あれっ、君は今、出前に行ったんじゃないの?」
「いえ、出前にはオヤジさんがいきましたよ」
「なんだ、あれは君じゃなかったのか」
「ええ、僕、自転車乗れないんですよ」
「あ、そう」
作戦の練り直しだ。僕は一晩考えた。翌日、僕は、作戦その2を決行すべく、店の前に立った。
「こんなことは許されないよなー、罪悪感を感じるなー、やりたくはないわなー」
そんな躊躇をしている自分を精一杯奮い立たせ、
「でも、これしか方法がないんだ。許せ!」
僕は店の暖簾をはずすと、一目散に駆け出していった。十一秒後、百メートルほど先にある公園にたどり着いた僕は、持ってきた暖簾を放り投げると、急いでお店に電話した。電話口には青年が出た。
「もしもし、お宅の暖簾が、公園に落ちてますよ」
「えっ、そんな馬鹿な」
「ちょっと確認してみてはどうですか」
「はい、すぐ見てみます」
青年は受話機を一旦置いて、店の入口に行き、ドアを開けてみた。
「あっ、本当だ。」
電話口に戻った青年が、
「確かに暖簾がありませんね」
「そうでしょう。」
「でもなんで公園にあるんだろう」
「大方、風にでも飛ばされたんでしょう」
「風なんかあったかなー。まあいいや、すぐいきます。ご親切に教えてくれてどうもありがとうございます」
電話が切れたのを確認すると、僕は裏道を通って店へと急いだ。
やっとこさオヤジさんに直談判できる。今日こそはおまかせ定食を食べてやるぞ。僕はドアを開けて叫んだ。
「オヤジさん、おまかせ定食をください」
僕の注文を聞いたオヤジさんはびっくりして、
「ガーン」
と一言。ボー然と厨房で立ちすくんだ。手から力が抜けたため、持っていた鍋は支えを失って床に落ち、大きな音をたてた。
グワラーンンンン・・・
思いもよらぬオヤジさんの反応。
「ど、どうかしましたか」
と僕は尋ねた。
「ショックだよお」
「えっ、僕、なんか、ショックを与えるような事を言いましたか?」
「ああ。あんたの口から、おまかせって言葉が出た」
「おまかせって言ったのが、ショックなんですか?」
「レバニラを頼んでくれると思っていたのに。信じていたのに、なのに、あんたはおまかせって言った」
「話がよく見えませんが」
「しらばっくれないでくれ」
「しらばっくれてなんていませんよ」
「うちのレバニラ定食は、もういらないってことなんだろ?まずいっていうんだろ?」
「そんなことないですよ」
「あんたは今まで、美味くもないものを我慢して食っていたんだね」
「違いますよ。いつもうまいと思って食ってますよ」
「気休めはいいよ。この店はもう終わりだ」
「いや、僕はただ、たまには」
オヤジさんは、僕の言葉をみなまで聞かずに、
「俺を傷つけまいと、嘘をついているんだろ。わかっているよ」
「違います、本当です」
「どっちなんだい」
「オヤジさんのレバニラはうまいです、最高です」
「その言葉を信じていいのかい?」
「ええ」
「じゃあ、レバニラを食ってくれるかい?」
「もちろんですとも。喜んでいただきます。レバニラ一丁、大盛りで!」
「ありがとう。本当は信じていたんだけど、疑ったりして悪かったね」
こっちこそ、どっちなんだと言いたかったが、言えなかった。
オヤジさんは、ショックから立ち直ってくれた。僕のレバニラ生活は終わらなかった。
僕には彼女と呼べる人がいた。彼女は休日には、僕のところに遊びに来てくれて、いつも食事を作ってくれた。彼女がレバーを嫌っているということ以外は、気が合っている二人だった。
「この料理美味いよ。うまいうまい」
「あなたは優しいから、その言葉を素直には受け取れないわね。お世辞でしょ」
「そんなことないよ」
「わたしの料理はまだまだ駆け出しよ。もっと勉強しなくちゃ」
「なにいってるの、充分充分」
本当に美味しいのであるが、彼女はほめられても謙遜してしまうタイプなのである。
「ねえ、お願いがあるんだけど」
「なんだい?」
「あなたが食事に行くお店にわたしを連れていってほしいの」
「えっ、なんで?」
僕は例のレバニラの店を思い出し、ドキッとした。
「あなたの気に入っているお店の味を、あたしの料理の参考にしたいのよ」
「その必要はないよ。店は店の味、君は君の味でいいじゃない」
「なによ、わたしにはプロの真似ができるわけがないっていうの?」
「そうじゃないよ」
「でも、そう聞こえるわ」
「料理には、作る人それぞれの持ち味がある。それでいいんじゃないかな。他人の真似をすると、むしろ君の料理は、君らしさを失ってまずくなるんじゃないかな」
例の店に行かせたくはない。白々しさが丸出しになってしまったが、僕なりの必死のいいわけであった。
「そうかしら」
「君の料理が僕にとっては世界一おいしいんだから、ほかの真似をする必要はないってことさ」
「まー、うれしい。あなたのこと大好き!」
「僕もだよ」
僕は彼女が納得してくれたと思ってひと安心した。ところが、その安心はつかの間のことであった。彼女からは穏やかさが消え、いつもとは違ったきつめの口調で、話しはじめたのである。
「でも、はぐらかされないわよ」
「えっ?」
「あなた、世界中の料理を食べたことがあって?」
「いや、全部は食べたことないけど」
「じゃー、世界一って言ったさっきの話はまゆつばよね。さあ、あなたの行きつけのお店にわたしをつれてってよ」
「えっ」
「世界中の料理を食べてから、さっきのせりふをはくか、わたしをお店に連れて行くかどちらか好きな方をあなたに選ばせてあげるわ」
「うーん」
「うーん、じゃなくて、うん、となんで言えないの?」
「うーむ」
「なにか、私を連れて行けない理由があるのね」
「ないない」
「その店に女がいるの?」
「いないよ、いないよ。オヤジさんと青年の二人でやっている店だよ」
「言葉ではなく、私に直接確認させてちょうだい」
「はい、解りました」
僕の弱点を突かれてしまった。強引に出られると、相手の言いなりになってしまうのである。
「お連れのお嬢さんは何を召し上がりますか?」
青年が彼女に語りかけた。
彼女は店内のメニューを眺めながら、
「種類がたくさんあるわねー、迷っちゃう。」
とつぶやいた。
「今日はポトフがおすすめです」
と青年。
「じゃー、わたしはそれをいただきますわ」
「かしこまりました」
「あなたは何になさるの?」
と彼女が僕に聞いた。
「じゃー僕も
と僕が言いかけたところで、青年が、
「お客さんの料理はもう作り始めているはずです。ね、オヤジさん」
厨房に振り返りながら、言い放った。
「それって、どういうことかしら」
彼女が青年に疑問を投げかけた。
「注文がいつも決まっているんです。お客さんはレバニラしか食べないんですよ、彼女なのにそんなこともご存じないんですか?」
青年が勝ち誇ったように答えた。
「ええ。存じ上げませんでした」
「覚えておいてあげてください、このお客さんにとってはレバニラが主食のようなものなんですよ」
と言うと青年は、厨房の方へと下がっていった。残された二人に沈黙が訪れた。すごく長く感じた沈黙を破って、話の口火を切ったのは彼女であった。
「ねえ」
ドキッ、と僕。
「は、はい」
「わたしたちが付き合い始めたころのことを思い出してほしいんだけど」
「うん」
「あなたは、レバーが嫌いだとあたしに言ったわよね」
「はい、言いました」
「騙したのね」
「ごめんなさい」
「こんなにたくさんのメニューがある中で、レバニラしか食べないなんて、よっぽどレバーがお好きなのね」
「聞いてくれ。これには理由があって」
「もういい、解ったわ」
「これは、ちょっと」
「最低。私と気持ちは一緒だと思っていたのに、うそつき。信じたわたしがバカだったわ。」
彼女は捨て台詞を残して、店を出て行ってしまった。
「待ってくれ」
僕は急いで彼女の後を追いかけた。
彼女に振られたという報告と、それを慰めてもらうために僕は友人宅に行った。僕は彼に事の成り行きを伝えた。失恋の原因がよりによってレバーである。彼としては、「そのうちいいこともあるさ」と形式的な慰めの言葉を僕にかけるしかなかった。居心地の悪い空気を消し去ろうと、彼は別の話題に切り替えた。
「それはそうと、この前の出前の代金を払ってくれよ」
「うん。そういえば、まだ立て替えてもらったままだったね、ごめん。あの時はありがとう」
僕は彼に代金を払った。
「出前のレバニラうまかったよ」
「そうかい。そりゃよかったね」
「今度、その店に俺を連れて行けよ。一緒にレバニラ食おうぜ」
「俺はレバニラ以外のものを食いたいな」
「あーごめん、レバーはなしか。彼女のことを思い出しちゃうよね」
「理由はそれだけじゃないけど」
「いいよ。好きなものを食えばいいじゃないか」
「それが、そう簡単にはいかなくてね」
「なんだよ、注文すればいいだけの話だろ?」
「俺は他のものが食べたくて、今まで何度もそれを試みてきたんだよ」
「変な話だなー。」
「僕もそう思う」
「じゃー、ここから出前を頼めばいいじゃんか。この前みたいによ」
「あっ」
「あっ、てなによ」
「その手があったか」
さんざん苦労させられた問題が、友人の助言で解決した。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。