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ブルーノ戦記(惑星ムンド管理官、転生者を監視する。外伝)  作者: 山田村


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ブルーノ戦記 第一話




 俺は今、山賊の元頭と行動を共にしている。逃亡の末にたどり着いたのは、海を渡ったポルトガル王国の王都リスボン。ここに潜伏していたのは五年前からだ。アラゴン王国の廃村を根城にして商人を襲い、全てを奪うことが彼らの仕事だった。同じ民族の中でも勤勉で優秀だと自慢していたが、その日は突然やってきた。


「ブルーノ! 逃げるぞ、お宝全部持ってこい! チキショー、全員やられた!」


 かなりイラついている。今日は説教かな……。金品をまとめて頭の所へ向かった。見た瞬間――


「ウッ!」


 生々しい傷と血。耐性のない俺は吐き気を覚えたが、ここで倒れたら殺されるかもしれない。グッとこらえ、慌てて水と傷薬と布を探し、頭の元へ急いだ。


「別の拠点にすぐ向かう、急げ。」


 簡単な処置をして東の拠点へ移動した。こじんまりしたそこは見張り兼用の使い捨て拠点。そこで本格的に傷の手当と回復の時間をとった。傷口を水で洗い秘薬を振りかけると、悲鳴と同時に傷口が小さくなっていく。奇跡の瞬間を目撃した。何度か見たが、すごい薬だ。この特別な回復薬は毒草から作る秘薬だという。


 数日後、あの深い傷もふさがり、血の量も戻りつつあった。動ける状態になり――


「この国から出るぞ。」


 その言葉で行動することになった。俺は頭のお世話係。そして現在に至る。


◆◇◆◇◆◇◆◇


 もともと神社の仕事をしていた俺が、イレーネ姉さんの件をきっかけに親類の金物店で働くことになったのが始まりだった。ヘルマン伯父さんとは人格が違うから同じようにはならないと思っていたが、両親は違う考えだった。真面目に働いて数ヶ月、おじさんと隣町へ商品を運んでいる時に山賊に襲われた。おじさんは抵抗して槍に刺され、動かなくなった。俺は腰を抜かし、後ろから殴られて気絶した。


 気がつくと俺は裸で、首に鎖を巻かれ固定されていた。


「かしらー、こいつ食っていいか?」――ゲー!食われる!

「あほう、若いし売るからダメだ。」


 奴隷……こいつら、ゲッ!レッドエルフ(別名・劣等エルフ)の嘘つきで、凶暴な連中だ。しかも赤い髪の女が山賊の女親分と噂の「赤蠍」かもしれない。


「ちょっとだけ……かしら、アレ……」

「ちょっとだけ……だぞ。」

「やめれ~~~!」


◆◇◆◇◆◇◆◇


「おめー、大したもんだ。これだけの女を……俺も久しぶりに満足した。」


 俺は山賊のおもちゃ決定だ。かしらが俺を見てニタニタしながら言う。


「お前、アッチ(M)だな。責められて喜んでただろ……どこで覚えた? 俺はドSだし、気に入ったよ。死なずに済んだな。手下には俺のもんだと宣言する。」


 俺はハッとした。イザベルのお陰で死なずに済んだ? たぶん……。



◆◇◆◇◆◇◆◇



 はじまりは、六歳のころ。イザベルが言った。


「ねえ、ブル吉! 女子の大切な所、見たことある? 見たい?」

「……いいよー、見たくな……」

「ほーらー……見て! 見て! ……なによ(怒り)、下むいちゃって!」

「イテ、イテ、イテ……足けらないで、見るから。」(沈黙)

「見たね。」コクリと頭を下げた。

「ブル吉、アンタも見せな(ニタニタ)。早く!(激)」


 俺はイザベルが怖くて、急いで見せた。

「ブル吉……オマタにタケノコ生えてるよ。タケノコ。はっはっは!」


 それがはじまりだった。数日後、その日がきた。俺はおしっこが我慢できなくて林の陰で用を足していたら、後ろからイザベルが俺のあそこを掴んだ……。激しい痛みはその時分からなかったが、あれが大量に出ていた。


 今でもその時の手形がアザとして残る負の思い出。それからイザベルが怖くてそばに寄れないが、寄りたいという複雑な気持ちだった。


 俺は怒られることは平気だ。自分の過ちを指摘されて良い方向に導かれるのはアドバイスだと思っている。だから注意は心地よいと認識していた。だけど、心の中では怒られて気持ちよくなる自分がいた。


 二十歳の時、イザベルが王都に向かう時――


「ああー、もうイザベルは俺のこといじってくれない。寂しい!」


 そう思い、悲しくて涙を流してしまった。


◆◇◆◇◆◇◆◇


「おいブルーノ、逃走して頭呼ばわりはやめな。俺にはクララっていう可愛らしい名前があるんだから、それで呼ぶことを許す。呼び捨てで呼べ。お前の方が三歳年上だしな。分かったか!」


 俺の心が「呼び捨てで呼べ」と叫んでいる。


「おい、クララ!」――こちらを睨みながら。

「あー(怒り)」怒ってる。心臓のあたりがキューッと締め付けられ、幸福な感情を抱いた。

「おめー、自分のためにわざとしたな~。今夜お仕置きだから覚悟しな。」


 俺は変態だ。嬉しい。


 そんな逃走の中で、港からポルト行きに乗り、そこから陸路でリスボンに向かった。そこには頭の伝手があるらしい。俺は自分の性癖を満たしてくれる頭についていくしかない人生を選んだ。


 リスボンに着いて、伝手に直接会わずに手紙のやり取りをして、宿の近くの酒場で会うことになった。変装しているが、レッドエルフの女がやってきた。


「姐さん、ご無沙汰しております。おい、挨拶しないか(怒り)」


 俺は久しぶりの強い酒を堪能していたが、丁寧に挨拶した。

「ふーん。これが例のドワーフか? あたしはロレナよ。東地区で娼館やってる。」


 そう言って俺のあそこを凝視している。

「姐さん、検品は店の方で……」――えっ、売られるの? 俺は急に悲しくなって泣きはじめた。

「なんだ、こいつ変な妄想してんじゃないよ(怒)」……(沈黙)


「面白い子ね~。クララのおもちゃ取り上げたりしないから!」


 俺はその言葉を聞いて、ニコニコしながら泣いてしまった。


「クララから面白い提案があってね。その提案にテストが必要よ。合格したら、これからクララのために稼いでもらう。貴方を今まで食べさせた恩返しをしないとね。分かるよね。」



◆◇◆◇◆◇◆◇




 俺はロレナの後をついていった。周りには左右に二名ずつ、計四名の警護がいて、東地区へと向かう。


 店は大きな店構えで、以前見た商業ギルドほどの大きさがあり、派手な色使いの内装だった。営業前で静かで、不気味な空気の中を進み、奥の左の部屋に入った。


「さあ、検証しましょう。例の三名を呼んできて。」


 俺は覚悟を決め、合格を目指した。


「想像以上ね……人間なの? 獣か?……ちょっと待って……」


 三十分後。


「……分かった。参った。合格よ……やめて……」


 こうして俺は、クララと働くことになった。クララはロレナの警備を務めた。



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