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3: 帝国軍との接触

この物語はSFカテゴリーにて投稿中の『光と陰-織りなす夢の形-』のプロローグ(下巻)です。主人公”ヒデ”の視点でソフィアとジュリアのBLANC TWINSが描かれている日記をお楽しみください。


 《あらすじ》

1980年代のある夏の暑い日に偶然上野公園で1人の金髪美女に出会う。まるでアニメフィギュアのような容姿のソフィアにノックアウトされてしまった。生まれて初めて情熱を感じるようになった理屈っぽい性格の大学生のヒデ。そして今までろくに1人で国内旅行もしたこともない彼だが、それがきっかけで夢を探すヨーロッパへの一人旅が始まった。ヨーロッパの国々で過ごすとともに異文化や価値観の違い、また真のライフスタイルというものを実感する事になる。しかし、その先には予想もしていなかったことが起こるのであった。さて異文化の果てとは一体どんなことろなのであろうか?


日本での価値観しか知らないヒデは、スイス・フランス・イギリスと放浪しつつその国のカルチャーや価値観の違いを体感し少しずつ異文化を理解し吸収していく。

そしてその異文化の果てには・・・


その先には驚くべきパラレルワールドがあったのだ。ソフィアとジュリアの謎の双子美人姉妹 Blanc Twins との関係が深まり吸い込まれるようにSF体験をしていくのだが…


モラトリアム期間にいる思春期のヒデは『いったい自分の夢のかたちとはなんなのか?』という問いかけに悩みながら自分なりの将来を模索していく。


荒廃したパラレルワールドを舞台に水陸両用の移動ヴィークルであるホバージェットでヒデと一緒に旅をする美人姉妹の妹ジュリア。彼女と一緒に行く先々で戦いに巻き込まれながら“剣姫ジュリア”に惹かれていく。

そして2人はお互い同じ価値観を持っている事に気が付き愛が芽生えていくのだが…


本編も宜しくお願いいたします!

陸地の方角から無数の小型プロペラが回るような機械音が聞こえてきた。「ドローンだ!」とガルシアが叫んだ。僕は緊張しながら艇のシールドを張りレーザー砲で撃てるように構えていた。森の上空から5機の1人乗りドローンが低空飛行で向かってくるのを目視できた。やはり帝国軍である。僕らの2艇を確認するといきなりレーザーが発射されて艇に当たった。が、しかし、すでにシールドを張っていたのと、ドローンが搭載するレーザーは小型のためダメージはなかった。まず、イメルダがすかさずレーザーを撃って1機に命中しそのライダーが落下した。低い位置を飛んでいたため人型ロボットなので損傷はなく入江に着陸した。僕も飛行している物体に狙いを定めてレーザーを撃った。『やった! 命中した!』 また同じように落下したが、そのロボットも無傷で着陸したのだった。そしてジュリアがアローを引いている。あの地雷爆弾の矢だ。思いっきり引いた矢がドローン目掛けて飛んでいった。残り3機の真ん中のロボットに命中して爆音が響き渡たり空中で粉々に壊れたパーツが落ちていった。あと2機も同じようにレーザーで落とされたのだが、着地したロボット4体がこちらに走って向かってきていた。するとまず手前に停めてあったイメルダの艇からガルシアが槍を持って迎え撃つべく走って行った。指示通りにその間僕とイメルダは艇を動かし一旦海上に出て行った。そしてガルシアを追うようにしてジュリアとガリオンも走っていった。


ロボット4機のうち2機をガルシアが相手をしている。槍を振り回し、まずは距離をとりながら威嚇をしているようだ。人型ロボット達はサーベルを持って応戦しているが間を詰められないでいる。そこに海上に出ていたイメルダからレーザー射撃があり、右側のロボットに直撃し静止した。それにすかさずガルシアが槍の先端を思いっきり差し込んだ。そして胸部の奥深く刺さり貫通した。その瞬間機械がショートし火花が散って頭部が垂れ下がった。ガルシアの相手は残り1体となった。ジュリア達の方は、まず僕が海上の艇からレーザーの照準を定めて1発放った。ロボット2体の間を抜けて残念ながら命中しなかった。ジュリアが接近する前に喰らわせたかったのであるが、すぐにガリオンが突撃してそのロボット1体を押し倒していた。ロボットはサーベルを持っていたが、ガリオンの頑丈な前足でその腕が押さえ付けられており抵抗ができないようである。残り1体とジュリアは剣を交えている。何度か剣が軽くぶつかる金属音がしてお互い離れた。そこで、ジュリアはまずロングソードを右側からロボットに向けて振り下ろし、それを剣で防いだロボットは左によろけた。その瞬間にすでに彼女はソードを腹部前に構えロボット目掛けて突き刺し貫通した。そして、それを抜き再度ロングソードを振り下ろして首を切断したのだった。これもまたいつものように一瞬の出来事であった。その頃ガリオンはロボットの首から頭部にかけて食らいつき引きちぎっていたので2体とも破壊完了となった。一方のガルシアも交戦していたロボット1体の胸部に槍を突き立てて貫通していたので、これで5体全て破壊完了となった。さらに追加部隊が来ないことを確認し2艇はまた浜に戻り、ガルシアとジュリア・ガリオンが搭乗するや否や沖を目指して全速前進ですっ飛んで行ったのだった。どうやら今回はこの5機の偵察隊だけで済んだようで幸運であった。追手に補足されないように、念のために僕らはステルスモードで可能な限り陸地から離れて沖に出て行った。


そして遠くに聳えるまるで富士山のようなアバチャ山に別れを告げ最出発したのだった。しかし広域レーダーには北方面に帝国船が数隻映り込むため、このまま帝国領をかすめて北上するのは危険と判断した。逆にほぼ水没してしまっているアルーシャン列島伝いに東に向かい、ひとまずアラスカのアンカレッジに行くことになったのだった。


さっきの戦いも一瞬ではあるが凄まじかった。ロボットは頑丈で力はあるが、やはり鍛えた人間の素早いスピードにはついてこられないのだということがよくわかった。そこをジュリアはもちろん、ガルシアもわかっているのだ。僕は残念ながら外してしまったが、イメルダとガルシアの連携プレーやジュリアとガリオンの超高速連携プレーにはさすがの帝国軍の人型ロボット達もなす術がなかった。


イメルダから通信が入った。「いやー すごかったね! 圧勝!圧勝! ガルシアもやるでしょ!?」、ジュリアは「これ以上来なくて良かったわね!」と冷静だ。そして僕も、「外しちゃってごめんね!」、イメルダが、「海上だと波があるから、命中させるのが結構難しいのよねー ドンマイ、ドンマイ!」とかばってくれたのが有り難かった。そういえば、これまでは地上でしかレーザー射撃をやっていなかったのであった。海上でのレーザー射撃は今後鍛える項目に入れておくことにした。


しかしこのホバージェットは本当に素晴らしい乗り物だと思う。今更言うのも変だが何故僕らの世界にはないのだろうか? なんせ水陸両用で地球上ほぼどこにでも行けてしまうのだ。内部も充実しているしモーターホームのように快適だ。しかも今回のように充分に戦える。

これだったら、キャンプ好きで放浪癖がある僕のような人間ならば家はいらないのではないかとも思える。きっとジュリアも同じ思いなのかもしれないと感じた。特にサイドオーニングが付いてから、天気が良ければ今回の焚き火キャンプのようにまるでオーニング下が自然のリビングダイニング空間のように変化するのだ。ただ1つの難点、中にはシャワーがなかったため前回の旅では身体が洗えずじまいであったのだが今回の装備追加で温水シャワーも装備されたのだ。それで全くと言っていいほど不満はなくなったのだ。こんな生活を送ってみるとジュリアが言っていた南の島での生活も魅力的に思えてきた。そうそう言い忘れたのだが、海水を真水にする画期的な装置も備わったのだった。それにより、太陽光と風力による発電がそもそも可能であったから、水を電気分解してできる水素による水素エンジンが半永久的に動かせるクリーンエネルギー仕様となったのだ。

このホバージェット1台あれば何もいらないと思える素晴らしさは、やはりこういった冒険旅行にでも出かけないと実感がわからないのかもしれない。あとは食料の確保だけで生きていけるのだから。


海上を眺めてみると確かにアリューシャン列島はほぼ沈んでいた。かつて海面から出ていた島々の先端部分だけが今も海からポツリポツリと突き出ている。しかも浅瀬になっているためその列島を境に北と南に海が分かれた地形構造となりシベリアからわざわざ帝国軍の船舶が南下して来るとは考えにくいのである。という状況下で2隻のホバージェットはフルスロットルで海上を飛ばして進んで行ったのだった。


そして ちょうどその頃ショッキングなニュースが入ってきた。なんと睨み合いお互い様子を見ていたユーラシア帝国と自由連合の戦争が再開したのであった。今回も先制攻撃を仕掛けたのは帝国側である。資源が枯渇してきたと言う噂もあるため、僕らが向かう資源を豊富に構えるカナダエリアが侵略をうける第1候補になるようだ。僕らのミッションは無事遂行できるのだろうか?と一抹の不安をがよぎった。


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