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うちのばーちゃんは世界一!  作者: 伊元リョウジ
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第一章ー2・アタシとばーちゃんと微かな異常

 始業式も終わり、教室での挨拶を滞りなく(一部髪の毛について突っ込まれたり、それについて(くだん)の特技を使ったりとかのアトラクション染みた一説はあったものの、始業式前の先生と同じような反応だったので割愛)終わらせたアタシは、クラスラインを作ったり、それとは別に女子専用ラインを作ったりなど交遊もそこそこに、今日のところは家に帰ろうという話になった。結構な友達が、家で入学祝パーティなんだってさ!まぁアタシもなんだけどね!!


 勉強も苦ではないし、友達と気も合いそうだしで、順風満帆な出だしを切れたことをばーちゃんに報告しようと考えていた帰り道。

「・・・火事かな?」

 どこからか、何かが燃えるようなそんな臭いが立ち込めていた。花火っぽいような、かんしゃく玉のような、そんな臭い。

 風上は家のほう、もしかして?と思って家に急ぐと、そこにはいつもと変わらない我が家が立っていた。相変わらずでかい我が家。よかった、焼けたおうちなんてなかった。

「ばーちゃんただいまー!」

 いつもだったら笑顔のばーちゃんが出迎えてくれるはずなんだけど、今日に限って返事がない。なんだろ、買い物に出かけたのかな?いやでも玄関あけっぱで買い物しないしなぁ。

「ああ、マコ、お帰り。すまんね、今日はちょっと疲れることがあってね」

 アタシが思考の堂々巡りをしていたところ、ちょっと疲れた顔のばーちゃんが出てきた。珍しい、ばーちゃんでも疲れることあるんだ。

「何かあったの?」

「急にたくさんお客さんが来ちゃってね、その対応に追われてたのさ」

 お客さんかぁ・・・そういえば、たまに海外からいろんな人が訪ねてくることもあったっけ。急な来客が重なっちゃったのか。確かにそれは大変だったんだろうなぁ。

「じゃあ、今日はアタシが家事やるよ!ばーちゃんは休んでてね!」

「それは大丈夫。今日の分は全部終わらせちまったからね」

「じゃあ夕飯は?がんばっちゃうよぉー!」

「マコの好きな煮っころがしに、ちょいと豪勢な刺し身盛りさ!」

おおう、全部終わってる・・・

「すごいなぁばーちゃんは。何でもかんでも全部できちゃうんだから」

「ははは、ばーちゃんにだってできないことくらいあるさ」

「またまた謙遜しちゃってー。どうせあれでしょ?死人生き返らせたり、生き物を殺したり、相手に望まぬ恋をさせたりでしょ?」

「いや?」

「いや!?!?!?!?!?」

 

などと軽口をたたきつつ、我が家の外で起きたちょっとした違和感は消えていくのでした。


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