第十二話 因縁に決着を
「アステシア様、お兄ちゃん、勝てるかな?」
何度も後ろを振り返りながら、ルージュは言った。
これまでの旅で神々を瞬殺してきたジークを彼女は知らないのだ。
アルトノヴァは復活したようだが、電撃は使っていなかった。武神ラディンギルを倒した兄とはいえ、天威の加護なしで神に勝てるとは思えない。
だが、当のアステシアはけろりとした顔で、
「さぁ、どうかしら?」
「え!?」
そう言って肩を竦めた女神に、ルージュは弾かれたように顔を上げた。
「か、勝てるって分かってるから任せたんじゃないの!?」
「ヴェヌリスは強いわ」
アステシアは淡々と語る。
「彼が司る煉獄は冥界の中でも異質なの」
冥界の機能は二つある。
一つは死した魂を《魂の泉》に集め、楽園へ旅立つ手伝いをすることだ。
恐らく、多くの人間が思っている冥界の姿がこれだろう。
だが冥界にはもう一つの『魂の浄化装置』としての機能がある。
『太陽の船』という概念で冥界に運ばれた魂は死の神オルクトヴィアスの審判を受ける。運ばれてきた魂が善なるものであれば楽園へ。そして罪を犯したものであれば魂を浄化される。
そのための領域が煉獄である。
生前に犯した罪によって神罰が執行され、場合によっては魂が消失したり、無限に近いときを苦しむことになる。煉獄の神ヴェヌリスは浄化する魂たちを戦わせて遊興としていた戦闘狂だ。
「純粋な戦闘力でいえば、神々の中でもラディンギルに並ぶでしょうね」
「……!」
ルージュは目を見開いた。
天界でジークがラディンギルと戦ったと聞いた話は記憶に新しい。
あの武神と一対一で勝ったという話もさることながら、彼がそんな無茶をすることになったのをルージュは怒ったものだ。トニトルス小隊の一部では神々に不信感を抱いているものは少なくない。とはいえ、彼の婚約者であるアステシアなら話は別で。
「だ、ダメじゃん! アステシア様、引き返そ? 今なら、お兄ちゃんの援護に」
そう言ってアステシアの手を引いたルージュだったが、
「何言ってるの? だからいいんじゃない」
「え」
ルージュは絶句する。
おそるおそる振り向くと、そこには恍惚とした笑みを浮かべるアステシアが居た。
恋人の危機にも関わらずーー否、だからこそ、彼女は笑うのだ。
「ヴェヌリスは強い。今のジークでも勝てるか分からない。
だからこそ彼の魂は光輝く……今のあの子がどれだけの高みにいるのか。気にならない?」
叡智の女神は英雄の逆境を歓迎する。
契りを結んだジークを愛しているからこそ、危機を享受する。
「それに、私は信じているのよ。ジークなら必ず勝てるってね」
「……」
ルージュはきゅっと唇を結んだ。
自分とてそれは同じだ。ジークという兄を絶対的に信じている。
けれど、アステシアのように強敵を歓迎するようなことは出来なかった。
(あたしは……お兄ちゃんに無事でいてほしい。傷ついてほしくない)
ただ彼がそこに居てくれるだけで、自分は幸せだから。
特別な力なんてなくても、例え英雄じゃなくなっても、自分はジークを愛するだろう。
きっとそれはアステシアも同じでーー少しだけ違う。
だからこそ、彼女の異質な『愛』を受け入れることは出来なかった。
「……やっぱり、アステシア様をお姉ちゃんって呼ぶのは難しいかな……」
「え、なんで!?」
「なんでも、だよ」
例えどれだけジークが受け入れても、アステシアは女神なのだ。
ルージュはすぐに兄の援護に向かおうとしたが、アステシアは掴んで離さない。
こうなったら力づくでも、と決意を固めたその時だ。
ーードンッ!!
カルナックの外側で巨大なマグマが噴き上がった。
「お兄ちゃん!?」
ルージュが重力を操作し、アステシアごと宙に浮かび上がる。
見れば、カルナックの外側には巨大なマグマに覆われた球体があった。
近付くもの全てを燃やし尽くす、それは神代の処刑装置。
「あれはヴェヌリスの煉獄の領域……そう、権能を発動したのね」
「どういうこと?」
「アレに入るのは不可能という事よ、試しにやってみなさい」
言われずともそのつもりだ。ルージュは重力弾を放った。
だが、黒い塊はマグマに触れた瞬間に弾けてしまう。
「……っ」
「やってくれたわね、ヴェヌリス。ここからじゃよく見えないわ」
アステシアが不満げに呟いた。
どこかズレた言葉。兄の勝利を信じ、彼の身を案じてはいるが、女神が望むのはそれだけではない。
ーーやっぱり、この人は女神なんだ……あたしたちとは、違う。
その事実を噛みしめながら、ルージュは再びマグマの塊を見た。
「お兄ちゃん……!」
おのれの無力を嘆く妹は、ただ愛する兄の勝利を祈る……。
◆
焔と氷がぶつかり合っている。
弾け飛ぶ水滴が雨となり、ジークの身体を打ち付けた。
氷塊が飛んでくる。切り刻む。
それでも、氷の礫は飛んでくる。
どんなに小さくなっても、まるで糸でつながっているかのように。
その小さな粒一つ一つが、弾丸の如き速さと硬度を持っていた。
「この……ッ!」
身体に命中する弾丸を陽力で弾きながら、ジークは口の中に溜まった血を吐き捨てた。
雨あられと吹きすさぶ氷の弾丸は斬っても斬ってもなくならない。
しかも、身体に纏わりつく熱ーー焔が、舐めるように肌を這っている。
どこまでも無限に続く痛みーーこれが煉獄の領域か。
「第二神罰執行『禊ぎ清めよ、魂の髄まで』」
ヴェヌリスが嗤いながら言った。
「この領域の中じゃ、オレの攻撃は必中だ」
「……!」
「キヒッ! さぁさぁ、ジーク! どう戦う!? これじゃ終わらねぇだろ!?」
マグマの中から飛び出してきたヴェヌリスの拳がジークを襲う。
触れれば火傷では済まない攻撃を、ジークは身を翻して回避した。
続いてコマのように回転した刃をヴェヌリスに叩きつける。弾かれた。さらに回転。
間合いが足りない。残り一歩。ならば。
「ーーフっ!」
「キヒッ!」
魔剣アルトノヴァが、伸びる。
主の意思に応えた魔剣は形を変え、長剣から槍となる。
叩きつけるように槍を振り抜くと、ヴェヌリスが決河のごとく吹き飛んだ。
「へェ……そんな事も出来るのか!」
だが、とヴェヌリスは笑って、
「強くなったのはお前だけじゃねぇぜ?」
後ろから声が聞こえた。
ジークは目を見開く。吹き飛んだ先のヴェヌリスが、溶けた。
(分身……!? でも、気配は確かに……!)
「アルッ!」
「キュォオオ!」
槍の石突きが形を変え、神獣となる。
魔剣の吐き出した光線がヴェヌリスをかすめ、彼はマグマの噴水に逃れた。
「やっぱ楽しいなぁ……おい、お前もそう思うだろ、ジーク?」
「僕はお前とは違う。戦いを楽しいと思った事なんて……ちょっとしかないよ」
「そうか? 楽しまなきゃ損だろ。オレも、お前も、戦いの中でしか生きられねぇ」
ヴェヌリスは両手を広げた。
その身体からは、狂い神の証である、七色の燐光が舞っている。
「この煉獄を見ろ! オレの意のままになる絶対領域、罪ある魂の行き着く果てだ!
オレはな、終末戦争が起こるまでずっとこの空間から出られなかった。ずっと、ずっとだっ!」
煉獄の神ヴェヌリスは六柱の大神と同じく、世界創世より生きている太古の神である。
世界創世の折より、彼は生きとし生けるもの、全ての魂を浄化し、楽園へ送り続けてきた。人が生まれ、煉獄への畏れと信仰が彼の力を強めても、その役割は変わらない。
「ずっと退屈な日々だった……無味乾燥な日々だった。戦いがあったからオレは自由になれた!お前だってそうだろう、ジーク!? 戦いがあるからお前はお前で居られるーーオレと同じだ!」
だからこそヴェヌリスは戦いを歓迎する。
命を削り合い、魂を輝かせ合う、その一瞬の閃きこそ生きる意味なのだと信じて。
「僕は……お前とは違う」
ジークは絞り出すように言った。
「戦いなんてなくても自由を感じるし、嬉しいし、楽しくもある。
出来れば戦いなんてない方がいいと思ってる。だからこそ、」
剣を構え、英雄は叫ぶ。
「あの理不尽の権化を……アゼルクスを、父さんをぶっ倒してッ!
僕が奪われた全てを取り返して、この世界を変える。そのために戦うんだ!」
「あぁ、そうかよ。それでお前は生きていけんのか?」
転瞬、ヴェヌリスの姿が掻き消えた。
霞のように消えた彼の声が上下左右から響き渡り、周囲の環境がうねりだす。
マグマはしぶきを上げ、氷は雹となり、煉獄の地面からゴーストが沸きだした。
「気付いてねぇとは言わせねぇぜ。お前の力が人外を逸脱してるってことをな」
「……」
「神を超えるバケモノじみた力……そんな力、平和な時代で受け居られるはずがねぇだろ?」
鉄の街テルノ・ドゥアンゴを思い出す。
悪魔との戦いを止めたジークを、住民たちは怯えたように見ていた。
半魔と人間という種族の差ではない。隔絶した存在の壁がそこにある。
もしも外なる神アゼルクスを倒して、平和な世界になったとしよう。
神をも超えるジークの力が、果たして世界に受け居られるだろうか?
「ーー断じて、否だ」
ジークの心を読んだかのように、ヴェヌリスは言った。
「お前は拒絶される。例え仲間たちが受け入れても、世界はお前を許さない。
戦乱の世で必要とされる英雄は、平和な世にあって異端なんだよ。オレは何度も見てきた」
歴史の名を残した英雄たちの末路を。
煉獄で焼かれる彼らの魂の叫びを。
「だからこそ、ずっとここで、オレと戦い続けようぜぇ、ジークっ!!」
「ぐ……!」
ヴェヌリスの煉獄はジークを容赦なく痛めつける。
必中の概念が付与された炎と氷の玉は、常人であれば一粒で死ぬ絶死の一撃だ。
六柱の大神の力を得たジークでも、今のままではやられるだろう。
事実、ジークの身体には無数の傷が生まれ始めていた。
(このままじゃ……!)
太陽神の加護で光を放つ。氷が溶けた。
だが、一瞬で加護を切り替える間に、焔の塊が迫っている。
肌に触れた瞬間に激痛。骨が溶ける前に水で消火。火山岩が地面に落ちた。
環境だけではない。
煉獄の神ヴェヌリスが振るう拳は、ラディンギルを彷彿させる鋭さがある。
「第三神罰執行ーー『崇めよ。我こそ煉獄の化身なれば』!」
魔剣アルトノヴァの権能と同じだ。
ヴェヌリスの攻撃はジークを傷つけると同時に魔力を奪っている。
この領域の中で傷つけば傷つくほど煉獄の主の力は増すだろう。
(使徒化を……いや、アスティには頼れない)
大神の力がアゼルクスにどう影響を与えるのか分かったものではない。
万が一、彼女が弱ることでアゼルクスの支配が及ぶのだとすれば、使徒化は不味い。
他の七聖将と違い、ジークの使徒化は彼女の意識を巻き込んでしまう。
(この領域の中でヴェヌリスの攻撃は必中……避ける事は出来ない)
焔や氷の塊を斬っても意味はない。
斬る前と同じ、いや、小さくなった分、貫通力の高い弾丸が襲いかかってくる。
それでいて威力は同じだというのだから、厄介なことこの上ない。
(あいつは環境を支配してる。僕は蜘蛛の巣に囚われた獲物だ)
ヴェヌリスの支配下ではどんな獲物も煉獄に苛まれる亡者と化す。
この領域から抜け出すか、彼の支配に抗わねばジリ貧になってしまう。
(ん……待てよ、支配…………支配?)
ジークの脳裏に電撃が奔った。
(そうか……! 支配だ!)
ヴェヌリスが空間を支配するなら、ジークはあらゆる『力』を支配すればいい。
幸いにもノウハウはある。海神デオウルスの儀式権能で身をもって体感していた。
「どうしたどうした、何かやるなら早くしろよ、ジーク!」
「……!」
思考する隙を与えないヴェヌリスの波状攻撃。
世界の全てを焔と氷で染め上げ、ジークの足元が凍り付いた。
「じゃねぇとーー終わるぜ」
ヴェヌリスの拳が目の前にあった。
ジークの頬に拳が直撃する。
殴り返した。
「……!?」
どんッ!と蜘蛛の巣状ひび割れる地面。
強烈な踏み込みと共に放たれた拳が、ヴェヌリスを吹き飛ばす。
地面を二転、三転したヴェヌリスは、血反吐を吐いて起き上がった。
「んだ、今の……まさか」
拳を振り抜いた姿勢のジーク。
凍り付いたはずの彼の足元は元の地面に戻っている。
煉獄の領域ではないーー元の世界の地面にだ。
「簡単な話だった。お前が領域を支配するならーー僕も支配すればいい」
「……!」
ハハ、とヴェヌリスは思わず笑った。
(簡単に言ってくれるぜ……神の領域を、権能を無理やりねじ伏せるなんてよ!)
やろうとして出来る事ではないし、実際にそれを可能とするのはジークだけだ。
ヴェヌリスは誰よりもジークを理解している。彼の強さを知っている。
今、彼は改めて体感していた。
戦いの中で進化する、可能性という怪物の恐ろしさを。
あぁ、でも。
だからこそ。
「楽しくて楽しくて仕方がねぇ……そうだろ、ジーク!?」
「ーーフっ!!」
拳と拳がぶつかり合う。
鮮血が弾け飛び、音高く直撃する拳が大気を震わせた。
「「ぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」
全身で魔力を体感するために、ジークは魔剣を封じた。
ヴェヌリスの力を吸って魔力の流れを乱すアルトノヴァは、この戦いにおいて邪魔だ。
培った剣技もなく、技術もない。
ただ領域世界を支配する主導権を争って、ジークとヴェヌリスは拳をぶつけ合った。
「キヒッ! キヒャヒャヒャヒャヒャ! 楽しいな、楽しいな、ジーク!?」
「うる、さい!」
「認めろよ、お前もオレと同類だーー戦いを楽しむ狂ったバケモノだ!」
ジークは知っている、自分の中にもヴェヌリスと同じ化け物が眠る事を。
ラディンギルとの戦いの中で見せた、本能に従ったおのれの姿を。
だが、だからこそ思うのだ。
そんな自分に打ち勝つためにこそ、自分は鍛えてきたのだと。
「僕はもう、アレには頼らない!!」
打つ。蹴る、避ける。打つ、蹴る、殴る、殴る。避ける。
意識を領域の支配だけに傾け、思考を捨て、反射だけでジークは神に立ち向かった。
真っ向からぶつかり合う英雄と神は死闘を極め、互いの姿が血まみれになるのに時間はかからなかった。
それでも。
「ハァ、ハァ……オレの、勝ちだ」
音高くとらえたヴェヌリスの拳が、ジークを吹き飛ばした。
宙できりもみ打って倒れるジーク。起き上がろうと力を入れる、無理だ。
全身に青あざが出来ている。殴られていないところなどないだろう。
再び、煉獄の景色があたりを染め上げる。
領域の支配という戦いにおいて、ヴェヌリスはジークの何枚も上手だった。
「危なかったぜ……前にお前と戦った時のオレなら、ここまで支配力を強める事は出来なかった」
「……」
「キヒッ! だが、これで……」
決着だ。ヴェヌリスはとどめを刺すために足を振り上げた。
その瞬間だった。
「あぁ、やっぱり、使うしかないか」
「……!」
ジークは幽鬼のような足取りで立ちあがった。
全身は血まみれ立っているのもやっとの状態だが、彼の目は死んでいない。
むしろ、何かを狙っているような素振りすらある。
死に瀕した獲物の眼光に、ヴェヌリスは身構えた。
「まだやるってのか。キヒッ! いいぜ、なんでもやってこいや」
アステシアを引っ張り込んだ使徒化か?
あるいは魔剣を身に纏う鎧か?
太陽神、海神、地母神、彼が得た加護を使うのだろうか?
どれでもいい。その全てを歓迎しよう。
全力の彼を打ち負かしてこそ、ここまで待った甲斐があるというものだ。
口元を吊り上げるヴェヌリスに対し、ジークは言った。
「アスティには、止められたんだ。魂への負荷が大きすぎるって。
……でも、ここで死んだらそれまでだし。言ってる場合じゃないよね」
ジークは手を掲げた。
その瞬間、ヴェヌリスは敗北を悟った。
「……マジ、かよ」
煉獄の空に太陽が出来ている。
彼が宙に作り上げたのは水を振動させた海龍剣。
ヴェヌリスの足を縛っているのは土で出来た鎖だ。
彼の魔眼は、ヴェヌリスの一挙一動を観察し、
彼の魔剣は、この世のあらゆるものの因果を断つ力を持っている。
彼の身体は、ヴェヌリスのあらゆる動きについていくだろう。
「六柱の加護の、同時発動だと……!」
世界が変わる前のジークには出来なかった。
二つの加護を同時に発動しようとした瞬間、超えてはいけない境界が見えた。
その線を踏み越えれば、死ぬ境界が。
これは、混沌の時代にある今だからこそ出来る業。
因果を断つ魔剣で領域に亀裂を入れ、ジークは外の世界にある混沌の秩序を受け入れた。
あらゆるものを内包し、無限進化の可能性を秘めた神造兵器。
その行き着く果て。究極に究極を重ねた同時攻撃である。
「さよならだ、ヴェヌリス」
太陽が落ちた。
海神の槍がヴェヌリスの身体を滅多刺しにし、地母神の鎖が彼を掴んで離さない。
未来を視る魔眼は分身を作る暇など与えず、居合いを構えたジークは地面を蹴った。
またたく間に消える彼我の距離。
一瞬で目の前に現れたジークに。
「……あぁ。ここまでか」
死の間際、ヴェヌリスは薄く嗤った。
「やっぱ愉しいなぁ。戦いってのはよ」
ーー抜刀一閃。
真っ向から振り抜いた斬撃が、ヴェヌリスの身体に縦の線を走らせた。
キン、と魔剣を鞘に納めるジーク。
ずしゃぁぁ!と鮮血が弾け、二つに分かれた身体が崩れ落ちる。
「哀れな魂に、光あれ」
世界創世の折から煉獄に在り続け、狂い続けてきた男。
その生を全うした神に、ジークは祈りを捧げた。
こうして。
最終戦争の初戦は、ジークの勝利で幕を閉じるのだった。
 




