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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「ワンパン」って、なんだ?

作者: ナハァト

どうも。こんにちは。ナハァトです。

思いつきの勢いそのままに書きました。

楽しんでいただければ幸いです。

 成人となる十五歳になれば、教会で神に祈ると一つのスキルをもらえる。


 スキルとは、一種の大きな力。

 たとえば、「剣術」というスキルを得られれば、剣の扱いが一般よりも上手くなる。

 たとえば、「運搬」というスキルを得られれば、物の運び方が一般よりも上手くなる。


 戦闘系や補助系など、スキルも色々と分類分けされているが、中でも職業スキルと呼ばれるスキルは様々なスキルを内包している複合タイプで、他のとは一線を画している。


 孤児である俺の狙いは、それだ。


 一般的に、職業スキルを得る事が出来れば、今後の生活に困るような事はない。

 下手をすれば国が囲いにくるようなレベルだ。


 俺は、それが欲しい。

 そのスキルで……小さな頃からこれまで過ごしてきた孤児院の運営をよくしたいのだ。


 そして、十五歳になった俺は教会で神に祈りを捧げる。

 場合によっては神の声が聞こえ、そういう場合は職業スキルや希少なスキルなことが多い。


(……あなたにスキルを授けましょう)


 声が俺自身に直接語りかけてくるような感覚。

 まさか! これが神の声なのか!

 女性のようだし、女神様だろうか?

 しかし、今はそんなことを気にしている場合じゃない。


 神の声が聞こえたということは……。

 これはやった! と、内心で小躍りする。


(あなたに授けるスキルは……)


 ス、スキルは……。


(「ワンパン」です)


 ………………ん? ワンパン?


(聞き慣れないスキルで驚いているでしょうから、特別に説明しましょう)


 お、おぉ! 教えてくれるのは助かります。


(スキル「ワンパン」とは『すみませ~ん! 天使急便で~す! お届け物で~す!』キャー! 遂に届いたわっ! 幻の神酒「聖酔」がっ!)


 え? あの、女神様?


(あっ、どうも~『どうも。それじゃ、こちらに判子を』はいはい。わかって)


 そこで何かがブツッと切れたような感覚。

 なんというか、こう……繋がりが。


 あ、あの~……女神様?

 ………………。

 ………………。

 返事がない。ただの気のせいだったようだ。


 そんな訳ないが。


 一つだけ確かなのは、俺はスキルを得たということ。

 これで、俺の新たな生活が始まる。


 ……ところで、「ワンパン」って、なんだ?


     ―――


 教会でスキルを得てから、五年が経った。

 その間、俺は様々な仕事を経ていた。

 どのような職種でもある程度までは出来るのだが、やはりその仕事に対応するようなスキル持ちが現れると、あっという間に俺を抜き、俺は要らなくなって解雇されてしまうのだ。


 俺も居づらくなるので、仕方ないと思っている。


 そうして今は、冒険者として働いていた。

 冒険者を簡単に言えば、依頼を受けて、達成すればそれに見合う報酬を得ることが出来る仕事だ。

 といっても、俺に出来るような依頼は限られている。


 何しろ、俺がこの五年で得た力は、大したことがないのだ。

 後天的に誰でも得ようと思えば得られるスキルの「身体能力向上」や「生活魔法」など、冒険者として活動出来る最低限のスキルしか持っていない。


 それでも一般人よりかは強いのだが、冒険者としては成り立ての一つ上程度だ。

 そんな俺とパーティを組もうなんて人は居なかった。


 なので、最低限の力しか持たない俺はソロでしか動けず、ランクは最底辺の「F」から未だ脱却出来ていない。

 どれだけ遅くても半年程度で上がるはずのランクで、一年ほどくすぶっている。


 そんな状態でも冒険者をやめないのには理由があった。


「それじゃ、これ。余分に取れた薬草なんで、上手く活用してください。それと、今日は鳥が狩れたので、みんなで分けてください」

「いつもすまないね」


 孤児院の院長先生に、余分に取ってきた薬草と、仕掛けた罠にかかった鳥を渡す。


 俺は成人したと同時に孤児院は出て、安宿暮らしをしている。

 それでもこうして日々取れる余分な薬草と、偶に取れる鳥などを渡していた。

 未だカツカツである孤児院の運営を少しでも軽減させるために。


 これが今も冒険者を続けている理由。

 冒険者の最大のメリットは、この町の外にある森や山に入れることだ。


 何しろ、森や山には魔物と呼ばれる危険な存在が居るので、一般の人は基本森や山に入ることを禁止されている。


 自由に入れるのは、冒険者や騎士や兵士と、魔物相手でも戦えるだけの力を有している者たちだけ。


 ただ、俺は例外だ。

 俺に魔物と戦えるだけの力はない。

 一般人よりも、多少は戦える程度でしかなかった。


 なので、魔物の姿が見えると逃げている。

 受けるというか、受けられる依頼も討伐系ではなく採取系だけ。

 だから俺は、他の冒険者から「失格冒険者」と陰で馬鹿にされている。


「今日も頑張ってくださいね!」

「別に応援してもらうような依頼だと思わないんですけど?」

「そんなことはありませんよ! こういう小さな依頼の積み重ねが、世界を平和に導くことだってあるんですから! それに、薬師ギルドの方々は安定供給に喜んでいますよ!」

「そうだと嬉しいです。それじゃ、行ってきますね」


 冒険者が依頼を受ける場所。「冒険者ギルド」。

 その冒険者ギルドに勤める可愛い受付嬢さんは、なんか優しいけど。


 まあ、こういうのでやる気って変わるもんだから、きっとみんなに優しいんだろう。

 俺だけだと勘違いしちゃいけない。


 それに、そもそも他の冒険者から、どう言われていようが関係ない。

 俺は成人するまで育ててくれた孤児院に恩を返せれば、それだけでいいのだ。


     ―――


 更に半年が過ぎた。

 でも、俺の状況は特にかわっていない。


 いや、やることは一つ増えている。

 それは、未だ謎であるスキル「ワンパン」が、どういったスキルなのかを調べることだ。


 これまでの仕事の中で、冒険者が最長になって慣れてきたということもあり、色々と心に余裕が出来たから、調べようと思ったのかもしれない。


 教会でもう一度祈ってみたが、何も起こらなかった。

 女神様も忙しいんだろう。

 いや、そう気軽に聞こえてくる訳がないか。


 早々に見切りをつけ、まずは孤児院の院長に聞いてみる。


「『ワンパン』ですか? ……さあ、知りませんね」

「そうですよね」


 次に、冒険者ギルドの可愛い受付嬢さんにも。


「『ワンパン』ですか? ……う~ん。これまで聞いたこともないスキルなので、ちょっとわからないですね」

「やっぱり、そうですよね」


 駄目か。乏しい人間関係では限界がある。

 そう思っていると、可愛い受付嬢さんから、冒険者ギルド内にある図書室で調べてみればどうかと言われた。


 なんでも、数多くのスキルが掲載されている本があるそうだ。

 冒険者であれば無料で利用出来るそうなので、早速利用して調べてみる。


 ………………。

 ………………。

 駄目だった。「ワンパン」なんてスキル、載っていない。


 こうなってくると、あとは自分で調べるしかない。

 さすがに町中で検証は出来ないので、森や山に出向いた時に行う。

 周囲に誰も居ないし、何も起こらなくても恥ずかしくない。


 まずは叫んでみた。


「『ワンパン』」


 ……何も起こらない。

 いや、声量が足りなかったのかもしれない。

 なので、全力で叫ぶ。


「『ワンパン』ッ!」


 ……何も起こらない。

 声に出して発動するスキルではないということはわかった。

 これで一歩前進だ。


 ただ、スキルの中には、発動する時に具体的なイメージを必要とするのもあると聞く。

 スキル「ワンパン」もそうかもしれない。

 けれど、その場合はどういうイメージを持てばいいのかが問題だ。


 ………………。

 ………………待てよ。


「ワンパン」の「パン」の部分が、食品の「パン」を示しているとしたら、「ワン」の部分は……そうか! 犬の鳴き声!

 つまり、「ワンパン」とは、犬のパン!


 ……犬のパン?

 犬型のパンなのか、犬用のパンなのか……どっちでも取れるな。

 どちらが正解なのかは、試してみればわかることだ。


 まずは、犬型のパンをイメージしてみる。


「『ワンパン』」


 何も起こらない。

 次は犬用のパンをイメージしてみる。


「『ワンパン』」


 何も起こらない。

 どちらも不正解だったようだ。


 ……残念。

 これで犬型のパンが生成出来ていたら、食べ物に困らなくなるし、孤児院の子たちにも喜んでもらえたのに。


 でもこれで、声に出すだけでも無理で、名前から浮かぶイメージでも駄目だということがわかった。

 次は行動を加えてみよう。


「『ワンパン』」


 そう叫びながら、俺が唯一身に着けている短剣を木に向かって振る。

 ガッ! と数ミリ食い込んだだけでとまった。

 あとは特に変化なし。


 これは違うということだけはわかる。

 他にも、蹴りながら言ってみたり、その場でジャンプしながら言ってみたりもしたのだが、特に何も起こらなかった。


 ……こうなってくると、ちょっと方向性を変えた方がいいかもしれない。


 たとえば、攻撃系じゃなく、防御系とか?

 でもそれは……もし違った場合の被害が大きい可能性がある。


 けれど、確認しておいた方がいいのは間違いない。

 違ったら、違うということがわかるのだから。

 怪我は仕方ない。ただ、最小限でとどめないと危険だ。


 それと、町で試そうとしても、誰も俺の相手をしてくれないだろうし、真面目に受け取ってもくれないだろう。

 その場合、面白半分で余計な怪我も負わされる可能性もある。


 やはり、魔物を相手にするのが一番いいか。

 そう考えて、早速魔物を相手にする。

 ただ、まともに相対して、俺に魔物を無傷で倒せる力はない。

 いつでも離脱出来るように構えておくのが無難だろう。


 丁度、ゴブリンと呼ばれる緑色の肌を持つ小鬼が一体でいるのを見つけた。

 中には錆びた剣や槍を持っているのもいるのだが、見つけたのは木の棒。

 まだマシだろう。


 俺も腰から提げていた安い丸盾を装備して、ゴブリンの前に立つ。

 何やら叫びながらゴブリンが襲いかかってくる。


「『ワンパン』」


 丸盾で受けるが変化なし。


「『ワンパン』」


 思い切って腕で受けてみるが、ただ痛いだけ。


 これで充分だろうと撤退。

 受けとめた腕は痺れているが、目立った怪我はないのでホッと安堵。


 しかし、これでスキル「ワンパン」は、防御系じゃないと考えてもいいかもしれない。

 それに、腕の痺れから推測すると、回復系でもない。


 ん~……これだけ言葉にしても発動しないとなると、あとはパッシブスキルと呼ばれる常時発動型になるが……そうなると、もう手詰まりだ。


 結局、色々考えてやってみたものの、これといった成果は得られず、か。


 ……ほんと、「ワンパン」って、なんだ?


     ―――


 スキルの検証が全く進まないまま、ある日のこと。

 町がお祭りの時のように沸いていた。

 冒険者ギルドに向かうまでの間に聞こえてきた内容を合わせると、どうやらこの町に、希少な職業スキルの中でも更に希少なスキル持ちが来ているらしい。


 しかも、三人も。

 その三人でパーティを組んでいるらしく、その希少な職業スキルというのが、それぞれ「勇者」、「剣聖」、「賢者」のスキル持ちだそうだ。


 職業スキルの中でも最上級と言われているスキルだ。

 未だ謎な俺のスキルからすれば、なんとも羨ましい話である。


 でもまあ、俺からすれば特に関係ない話だ。

 冒険者ギルドで依頼を受けている時に、遠くからその三人を見かけたが全員女性のようだ。

 ただそれだけ。

 これ以上の接点はないだろう。


 なので、いつも通りに、森に向かって薬草採取を行う。

 その途中、少し離れたところから爆発音が響いて衝撃が伝わって驚く。


 一体何が?


 確認だけでもしておこうと様子見に向かう。

 木々を抜けて目に映った光景は、頭から角が生えた筋骨隆々の大男を相手に、三人の女性が戦っているところだった。


 というか、戦っている三人の女性は、あの希少な職業スキル持ちであることに気付く。

 しかも、ぱっと見の、素人意見だが、三人の女性の方が押されているように見える。


 よく見ると、三人の女性の後ろには、他の冒険者たちが居る。

 まるで守っているかのようだ。

 いや、実際に守っているんだろう。


 ただ、そうなると、守られている冒険者たちはどうして逃げない?

 腰でも抜けているんだろうか?


「グハハハハハッ! まさか単独で偵察に出ていたところで勇者に出会うとはな! 後ろの劣等種共を守りながら、魔王四天王が一人『剛腕超筋』の我輩に勝てると思っているのか!」


 筋骨隆々の大男が、そんなことを言いながら三人の女性に襲いかかっていた。

 状況はよくわからないが、魔王四天王と名乗る者と戦っていることはわかる。


 魔王……そんな存在が居るとか聞いていたけど、俺とは一切関係ないと思っていた。


「くっ! 二人はそっちの人たちを抱えて逃げて! 私がどうにか抑え込むから!」

「そんな訳にはいきません! 魔法が通じにくいですが、どうにかします!」

「この場で倒してしまえばいいだけだ!」


 あとわかることは、希少な職業スキル持ちの三人でも、あの筋骨隆々の大男は倒せないかもしれない、ということだ。


 俺が行ってもどうしようもないけど、何か出来ることはないだろうかと考える。

 注意を引いて、その隙に……と考え始めた時、一気に状況が動く。


 一人が殴り飛ばされ、追い打ちをかけられそうなところを残る二人が庇い、同じように殴り飛ばされたのだ。

 三人共が立ち上がることが出来ず、かなりのダメージを負ったことが見てわかる。


 足は、自然と動いていた。

 駆ける。駆ける。


 間に合うかなんてわからない。

 自分があそこに行って、何か出来るなんて思ってもいない。

 ただ死ぬだけだろう。


 でも、足はとめない。

 この世界に希望を残すために。


「グハハハハハッ! 死ねぃ! 勇者共っ!」


 筋骨隆々の大男が大きく腕を振り上げ、握った拳を振り下ろす。


 俺は、ギリギリ間に合った。


 狙われていた女性を抱き抱えて、振り下ろされた拳を回避する。

 起き上がると同時に、腰を抜かしている冒険者たちに向けて声を飛ばした。


「立て! この人たちを抱えて逃げろ! じゃなきゃ死ぬぞ!」


 三人の女性はあまり動けないようだし、腰を抜かした冒険者たちに頼るしかない。

 そう思ってのことだが、実際、冒険者たちは動いてくれた。

 きっと、俺のことを知っていて、「失格冒険者」に言われたことで意地が働いたんだろう。


 でも、それでいい。

 一刻も早くここから逃げてくれればいいのだ。

 三人の女性が何か言っているが、聞いている余裕はない。


「劣等種に邪魔されるとはな。だが、無意味な行動と知れ」


 筋骨隆々の大男が殴りかかってくる。

 避けようとするが、先ほどは不意を突いただけ。

 元々大したことない俺がまともに対峙すれば避けられる訳もなく、ただやられるしかなかった。


「ぐはっ!」


 丸盾で防げる訳もなく、短剣が刺さる訳もなく、たった一発食らっただけで吹き飛び、もう瀕死だ。


「さて、勇者共が成長すると厄介だ。このままあとを追って殺さなければな」


 そう言って、筋骨隆々の大男が三人の女性を追うとする。

 俺にとどめを刺すつもりは……ないんだろう。

 放置しても勝手に死ぬだろうし。


 でも、あとを追わせる訳にはいかない。

 行かせる訳にはいかない。


 何故なら、恐らく逃げた先は町だ。

 今から逃げる準備をしても、間に合わない。

 大きな被害が出るのは確実だ。


 その中には、多分孤児院も含まれている。

 大抵……後回しにされるしな。


 でも、それはさせない。

 たとえ僅かな時間だけでも、逃げる時間を稼いでみせる。


 それに――。


「はぁ……はぁ……はあああああっ!」


 筋骨隆々の大男に向けて駆ける。


「死に急いだな! 劣等種!」


 筋骨隆々の大男が俺を殺すために殴りかかってくる。


 それに――俺にだって、意地がある。


 せめて一発殴って――。


     ―――


 気が付いたら、木目調の天井が見えた。

 周囲の様子を窺うと、ここがどこかの室内だということがわかる。

 それと、室内にはいくつもベッドが並んでいて、どうやらその内の一つに俺は寝ているようだ。


 状況がわからず、ベッドに腰かけていると、冒険者ギルドの可愛い受付嬢さんが入ってきた。


「目が覚めだんでずね~!」


 泣きながら抱き着かれた。

 更に意味がわからない。


 受付嬢さんが落ち着いた頃に、色々と教えられる。


 まず、俺は三日ほど寝ていたそうだ。

 その原因となった筋骨隆々の大男だが、既に倒されていた。


 ……一体誰が?


 それで、どうして俺が生き残っているのかだが、あの場から逃げた冒険者たちは一目散に冒険者ギルドに駆け込み、三人の女性の口添えもあって、高ランクの冒険者による部隊が作られ、偵察に向かった。


 そこで発見したのが、倒れていたがギリギリ生き残っていた俺と……上半身が爆発したかのようになくなっている下半身だけが残っていたそうだ。


 状況はわからないが、高ランク冒険者部隊の中に相当な腕前の回復魔法の使い手が居たので、俺はこうして生きているとのこと。

 その人に感謝だな。


「それで、その下半身が魔王四天王の一人だというのは、勇者様たちの証言でわかったのですが……誰が倒したのかわからないんです。見ていませんか?」

「……いや、見ていないな。そもそも、最後の方は記憶が曖昧でハッキリしない」


 孤児院を守ることしか考えていなかったし、実際無事だったのだから、その辺りはどうでもよかった。

 あんな筋骨隆々の大男を倒すなんて、凄い人が居るもんだ、という感想しか出てこない。


 翌日。三人の女性が来て、感謝の言葉を伝えられる。

 成り行きだから、気にしないで欲しい。

 それに、冒険者は基本自己責任だ。


 俺が勝手にした行動なので、ほんと気にしなくて構わない。


 三人の女性は、これから筋骨隆々の大男を倒した人物を捜しに旅立つそうだ。

 その人物を見かけていないか問われたが、答えは昨日と変わらない。

 役に立てず、すまない。


 その翌日から、冒険者稼業を再開した。

 いつまでも休んでいると体が鈍るし、孤児院のためにもならない。

 日常に戻ろう。


 それにしても、結局わからないままだな。


 ……「ワンパン」って、なんだ?


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