魔法少女あなるまいおにー
さて、今宵申しますのは、物の怪と申したいのでございますが物の怪と呼ぶにはちょいと奇妙な代物でございまして、年の頃にして14から64ばかりの少女とも老婆ともつかぬ5尺6寸ばかりの女子、いわゆる「魔法少女あなるまいおにー」と巷では専ら噂の鳴り物でございます。
「我が名はあなるまいおにー。光あれ。」
かくして我々の星は産声をあげたと古くからの言い伝え、あなるまいおにーの前にあなるなし、あなるまいおにーの後にあなるなし、とはかの有名な芝居、「元禄あなる合戦」の口上でございますが、この度のお噺はかの魔法少女が品川の遊郭にて御乱心遊ばせたとの言い伝えより拝借したものでございます。
「わちきはもう嫌でありんす。あのあなるまいおにーという下女、わちきの客を横取りするわいな、泥棒猫が生かしてはおけんわいな。」
「姐さん、それではわちきにいい考えがありんす。ごにょごにょ。」
「ほほほ、それはよき考えでざんしょ。やるでありんす。」
かくしてあなるまいおにーは品川同心に囚われの身となり、支柱引き回し打ち首獄門になって候。しかしながら、あなるまいおにーの魂は時空を超え、遥かなる異国、メリケンに馳せ参じて候、そこであなるまいおにーの魂は中性子と原子となり、ふぁっとぼーいに化け全人類の頭上に降り注ぐ。全てはあなるとなり、全てはまいおにーの魔力に魅せられる。ああくだらない、もうやめた。