夕暮れにやける空
またキミと笑いあえるはず、そう思ってみてもキミは来ない、気が付けば雨が降ってきた。私は傘なんて持ってなかった。
雨が降った日の帰り道、キミが走って追いかけてくれたこと、今でも覚えてる。あの嬉しかった日を、初めて握った手、嬉しくて思わずしがみついてしまった腕、また握りたい、雨が降ると余計なことを思いだしてしまう。
もうやめよう、思い出として消化してしまったほうが楽だ、明日からはそうしよう、だから今だけは泣きたい。
雨の日なら泣いてもいいよね?今は1人だから、周りに誰もいないから、私は雨に打たれながらその場にしゃがんだ。
今まで我慢してた感情が一気にこみあげてきた。何度も何度も地面を叩いた。手が痛い、でも今日だけだからと自分に言い聞かせ、地面を叩いた。
やっぱり悔しいよ、ただのわがままだけど、一度くらい会えてもいいじゃんかよ。声を荒げて泣いた。
雨がだんだん強くなってきた。来ていた服はびしょ濡れになり、少しだけ寒さを感じた。このまま眠れば夢を見れる。また、夢の中で会える、そう思えば悪くないと思った。
ドサッと音を立てて崩れ落ちた、私は完全にその場から動けなくなった。力なんて入らない。感覚も徐々に失われつつある。気が付けば周りに人はいなかった。かろうじて意識はあるけれど時間の問題だろう。
「何やってんだよっ」
そんな声が聞こえた気がした。誰かが私の腕をつかんでた。顔を上げれば傘を差し出されて、雨粒が当たらなくなっていた。
「…………」
あれ、声が出ない、さっきまで泣き叫んでいたのに、そもそも何をしゃべろうとしたのだろうか。
どうやらまともに頭も回ってない、声をかけてくれた人は、私を抱きしめて暖めてくれた。それが嬉しくて私はまた、泣き始めた。
「ごめんね、ごめんね」
私が泣きやむまでずっとごめんねを繰り返してた。しばらくすると光が差し込んだ、見上げると空も泣き止んでいた。
「夢じゃ、ないんだね」
「言ったろ、想い続けていれば願いはきっと叶うって」
「なにさ、勝手に格好つけていなくなってさ」
私が文句ばかり言うと、キミは笑いだした。相変わらずだねと言いながら笑い出した。
「それより見てみろよ、夕日が綺麗だね」
気が付けば今日が終わりかけていた。いつの間にそんな時間がたったのだろう、私はやっぱり夢でも見てたのだろうか。一筋の光が私を目覚めさせてくれた。キミが抱きしめてくれた時に感じた温もりは夢では味わえないものだった。
「これからはずっと、そばにいてね」
私が求めていたものはここにあった。信じ続けることは間違いじゃなかった。
信じ続けることが出来たから、隣にキミがいるんだ。私たちは沈む夕日に約束をした
ただ、沈んでく夕日には意味はなんてない、色々と文句言いながら私も、格好を付けたかった。
「泣きながらだとかっこ悪いよねっ」
もうキミを離さないという思いを込めて、ぎゅっとキミの腕を掴んで微笑んだ。
雨が上がってもいつも涙、夕暮れにやける空




