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文化祭前日の帰り道

夕暮れが沈みかける教室の中で、私はキミを待ちながら、黄昏ていた

あの日から時は過ぎて、気がつけば文化祭の前日だ

自分のクラスは準備はほぼ終わっていて、後は明日を迎えるだけだ


約束なんてしてない、キミがさりげなく誘ってくれるのを期待してるだけだ


「わっ」


「ひゃぁ」


いきなり肩を叩かれて、驚いた、その時に変な声が出てしまった

おかげで思い切り笑われた、相手がキミだったから怒るわけはない


「もぉなんなのよ」


「いやぁ偶然見かけたから、一緒に帰ろうと思ってさ」


「しょうがないな、そんな寂しいキミと一緒に帰ってあげるよ」


よかった、やっぱり来てくれた、ただの予感だったけどすごく嬉しい

しょうがないとか言っときながらえへへと笑う、こうゆう嬉しい時、なんか手を繋ぎたくなるから不思議だ


私はすっと彼の手に自分の手を伸ばした、それを見たキミは笑ってくれる

否定はされたらものすごく傷つくだろうけどキミはそんなことするはずない


1つ気になったのは文化祭の前日で、キミは興味がないのか、もしくはほかの人と回ることが決まったからなのか、私の前では文化祭の話しはほとんどしない


「夕焼け綺麗だね」


「うん・・・」


「来月はテストだね」


「うん・・・・・・って今それ言う?明日の文化祭、楽しみじゃないの?」

私はキミに問いかけた、少しでも私に割いてくれる時間があるならばそう思った


「うん」


「散々女の子に声かけられてたのに?悔しいけど」


私は徐々に問い詰めていった、その後も質問を重ねていったけど、でもこんな質問ばかりなんて困るよね、別に困らせたいわけじゃない、ただ一緒にいたいだけ、でも今の空気はただただ気まずいだけだ


「いろんな誘いがあったけど断ったよ」


話しを聞く限り、キミはまだ一人のようだ、それでなんか安心した気がする


「じゃあ私と?」


「うん、明日はよろしくね」


たった一言で変わる、人の心を傷つけたり、暖めたり、言葉じゃなくて手から伝わる気持ち、いつもの分かれ道についても私は手を離したくなくて、ずっと握って、立ち止まっていた


「どうしたの?」


何もしなくても明日という時間は、やってきて過ぎ去ってしまう

だから今できることは今しよう、不思議とそう思えてきたんだ


「あ、あのさ、私たち付合わな・・・い?」


ただ、言い終わる前に恥ずかしくなってきてしまった


「まさか、そんな言葉が聞けるとはね、嬉しいね」


そう言いながらキミは私から視線を外して夕焼けを見つめた、でも私が手を離すまでキミはここから動けない


「・・・・・・いいよ」


キミが小さい声でボソッと言った

私は思わず聞き返してしまった


「え?なんて・・・」


「今日から恋人同士だねって」


その一言が聞けて安心した、大事なことは言葉にしなきゃ伝わらない

誰かにこの気持ちを届けたい、今そばにいるなら今じゃないとダメなんだ

遠くへ行ってしまっては届かなくなる、手遅れになるから

明日のことは誰にもわからない、でも今は、幸せな気持ちでいっぱいだ


私はキミに対して1歩踏み出せたんだ、勇気をもって



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