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須佐妖戦帖 第5章「幕末逢魔乱」  作者: 蚰蜒(ゲジゲジ)
24/25

其の24. 戦の果てに

戦いは終わった。


暫くして大阪から慶喜ら幕府一行と外国公使達が神戸にやって来た。

惨状は手の付けられないまま、放置されたままだ。

其処にはバラバラの人間の屍やら、此の世のものでない魔物の屍も混じっていた。

「う、うう!」

諸外国公使たちや慶喜たちは、信じられないと云う顔をしている。

慶喜は空を見上げて須佐たちに感謝した。


神戸港の幕府高官がやって来て慶喜の前でひざまずいた。

「上様、おそれいります!」

「かしこまらなくて善い。よくぞ、神戸を守った。詳細を申せ」

高官は詳細を延べ、公使には通訳が説明した。忍者と白狐、陰陽師が大鬼や魍魎に立ち向かったと。


「将軍閣下!此の國は一体何ですか?!」

「わたしにもよくわかりません」と云ってニヤっとした。

「公使殿たち、此の化け物たちと真っ向から立ち向かった武士軍団が何者か知りたいですか?」慶喜がそう述べると、「そんな法螺話につき合えるか!」と公使達は怒りをあらわにした。


「貴様ら!公使だと気を使っていれば、大公儀殿に向かってなんとほざくか!」

慶喜の側近たちが一斉に刀を抜いた。


「此の野蛮人どもが!」公使たちは「閣下、交渉は決裂ですな」と、のたまわった。

「わしは始めからそんな気は無いわ」慶喜は心の中でそう呟いた。

「法螺がどうか、あなた方の國の船員たちに聞いたら善い。後ろの小屋で生き残った人たちが手当を受けている」


公使達は其の小屋に行き、暫くしたら戻って来た。

「閣下、私どもは別の船で帰国して報告する」

「承知」


視ると向こうから須佐たちが歩いて来た。

「ニンジャだ・・・」公使たちは初めて視る、其の異様な姿に畏れを抱いた。

「須佐殿、ありがとう」慶喜が礼を云った。

武角は頷いて云った。「慶喜公、若日子ももう現れません」

「何が起きたのですか?」

「はっきりとはわかりませんが、思う処はございます」


「何だ?こいつらは?」

「公使殿、此の方達は須佐一族です。尊い武士たちです」慶喜がそう云うと

「此の見窄みすぼらしい奴らが?マナーを知らぬ奴らだな。身分を知らんのか?」


武角は彼等ににらみを効かし、くうから刀を出した。

スラッ!

「ど、どこから出した?!」

素志て、地面に突き刺した。

「むう!」

バキバキバキ!其処から地面がまっ二つに割れた。

「う、うわああーーーーー」

「おい!毛唐!お前等が汚い小細工で此の國を属国化しようなどととは、はなから承知。日の本をなめるな!此の國から出て行け!」英語で捲し立てた。


此れには皆が魂消たまげた。

外国公使たちは、やっと理解した。

「か、閣下、私らは大阪に先に帰り、港から帰路します」

「承知」

一目散に退散した。


「慶喜公、これからどういたします?」武角が聞いた。

「どんな経緯にせよ、武器輸入が断たれたろう。異国人は属国計画も頓挫とんざするでしょうな。須佐殿、我々が思い悩んだまつりごとをあなた方は瞬時に解決してくれた」

「そんなことより志士たちの動向でしょう?彼等はここぞとばかりに大阪を大軍で攻めてくるでしょう。どうしますか?」

「逃げますよ」

「負け戦に立ち向かうより逃げるのも勇者です」

「ありがとう」

大八咫烏が須佐を迎えに来た。

バサバサ!

そして須佐は別れた。


「武角さま、薩摩や長州に直訴しましょう」

「佐助、無理だ。止めようが無い。俺たちの出番は此処までだ。出雲に帰ろう」

「佐助、俺は無力さを痛感したよ」

「・・・・・」

「佐助、お前は俺より頭が善い。此れからは新天皇の側近として生きてくれ」

「御意」


次回完結

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