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須佐妖戦帖 第5章「幕末逢魔乱」  作者: 蚰蜒(ゲジゲジ)
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其の22 決戦

「我らは人喰い鬼ぞ。一人残らず喰ってやる!」


と、云いながらムシャムシャと喰うわ、人間を引き裂いてバラバラにしていた。


「ガトリングガン、アームストロング砲を持て!」


早々に用意すると陸地から鬼、目掛けてガトリングガンを構えた。アームストロング砲で数発撃ち放った。

しかし、弾は鬼が平手で叩き砕いた。


ドカーーーーン!


忽ち火達磨である。


鬼に嵐のようなガトリングガンの弾が跳ね返り四方に飛んだが、其の弾で艦上の船員や海に逃げた船員たちが撃ち殺された。


「ぐ、ぐう・・・・」


英仏米蘭伊普の6カ国公使の側近、数人が此処に居た。彼らは怒り、叫んだ。

「将軍を!将軍を呼びなさい!」

慶喜と6カ国公使が居城する大阪城に早馬が飛んだ。


港の土中から餓鬼がモコモコと出て来た。其れに此の世の物で無い生き物も出て来た。顔が悪鬼の如きで胴が蛇の物、一つの虎の様な物、などなど。およそ此の世のものでは無いものが数千は出て来た。


空には暗雲が立ちこめ、其の中からぬえ蝙蝠こうもりの化け物、四つ頭の龍、視た事も無い鳥らしき化け物が出て来た。其れ等が一斉に襲いだした。

「百鬼や魍魎共だ!」

あまりの至近距離に砲も使えない。兵たちは槍と刀で対抗したが・・・空から頭を千切られる兵、餓鬼に喰われる兵。忽ち陸も血まみれになった。

地上に居る人間は只の餌だ。


「む、無理だ。此のままでは皆殺しだ。民を、民を逃がせ!至急だ!誰か!行け!」


神戸の民達は既に逃げ出していた。

「勝海舟め。神戸の土地が値上がりするからと云うから買い占めれば、なんてこった!此処は化け物の巣窟じゃねえか!逃げろ!皆、逃げろーーー!幕府なんぞ、糞食らえだ!」




近くに既に須佐たちと陰陽師たちが待機していた。

「どうなっているんだ?!此れは!」


すると、くうに1人の男が浮いていた。

「我は天若日子あめのわかひこなり。我が軍に於いて、今日こそ一気にカタをつける」


武角は気づいた。「あの軍団を視ろ。平安時代から京に現れた妖怪、鬼共だ。其れが若日子の手下ぞ。今、わかった。桓武かんむ天皇の悩みの種は、早良さわら親王の怨霊の祟りとされたが・・・若日子だ。奴が探っていたんだ。怨霊の祟りなどは嘘っぱちだ」


「なぜ?そんなややこしいことを?」

「恐怖だ。恐怖を植え付けさせたかったんだ。魑魅魍魎の出現、祟り・・・都と云うより異世界、死の世界をもたらした。飢饉が続き、餓死者が増え、道が死体だらけになった・・・皆、奴のせいだ。恐怖の逃げ道は・・・鬼門封じ、風水・・・時の桓武天皇は我らを呼ばなかった。早良親王の祟りは自分の責任だと思っていたのだろう」


「祟りなどは無かったんだ。陰陽師たちは?」


「彼らも騙されていたんだ」


「武角さま、では何故、今頃幕府に加担など仕向けたんでしょう?」


「其れは洋寇(ようこう〜洋行より害をなすもの)だ。此れが答えだ」


「し、しかし、幕府の人間をも殺しています」


「めちゃくちゃだ。どうもこうもない。粉砕だ!」


武角が指笛を天に吹いた。


ピーーーーーーーーーーッ。



すると待っていたかのように、空には白狐群数千と大八咫烏がジェット機のような早さで飛んで来た。

海から大猿田彦神と大牛鬼数体が現れた。


須佐たちは背中からヒイイロカネの刀を出した。陰陽師たちの手の中には煌煌と光る炎玉が燃え盛っていた。

佐助が大表てに立つと叫んだ。



「全軍、突撃ーーーー!魔物共を全滅させろ!」



決戦の火ぶたが放たれた。




大阪城で慶喜は其の惨状を聞いた。


「おのれ!若日子!化けの皮を剥ぎおった!」

各国公使たちは「閣下、何を云っているのですか?神戸に魔物の襲来?馬鹿なことを云わないでください。其れは何か、我々に対する交渉の作戦ですか?」

「本当だ!今、神戸港が襲われている。若日子と云う長の化け物集団が、あなた方の艦を破壊しているそうだ。素志て陸地も数千の魍魎が人を襲っている。わしは行くぞ!」

「待ってください。薩摩や長州共の強襲ならまだ、わかる。わたし共も協力します。妖怪の襲撃?そんな与太話に我々は騙されませんよ」

「本当だ。港が、神戸が壊滅されている」

「逃げる気ですか?ビジネス交渉の先延ばしですか?」

「違う!皆殺しになるんだ」

結局、慶喜は大阪城に足止めをくらった。




「若日子め、正体を表したな。次は大阪を狙うぞ」


慶喜は大阪からの遁走を模索しだした。




「須佐ーーーー!」


酒呑童子が叫んだ。


「貴様らが源頼光らいこうらに助言したことぐらい知っとるぞ!」


「随分と昔のことを覚えているんだな」


「何が坊主の助言だ。誰がそんな嘘の伝説をばらまいた?貴様らだろうが!」


御門は京の祟りや悪鬼は、自分達のせいだと思い込んでいた。須佐たちは前には出ず、アドバイザー的な役割で協力していた。


「今度は直接、粉砕してやるわ!」


「ほざけ!須佐があ!」


「皆!左右に拡散しろ!正面は空から白狐軍が波状攻撃を加えるぞ!」




佐助が皆に云った。「どっちにしろ、慶喜公は1つやっかいな問題が解決したな」


「何のことです?」

「欧米列国の支配だよ。奴らは昔から幾度も日の本を狙って来た。元寇。基督キリスト教の布教活動からの支配狙い、秀吉はキリシタン弾圧で此れを粉砕した。今回は商売と偽って武器の輸出からの支配。エゲレス(イギリス)は長州に戦争を仕掛けて勝ったが薩摩に破れた。それが第一の失敗だ。ペルーの開港も幕府は幾度も条件を携えてYESと云わず時間稼ぎをした。そして幕府も従うしか無いと思い、各国が私欲を携えて神戸港に来れば・・・此の有様」

「幕府の計画ですか?」

「まさか!違うさ」

「何故?そうなるのですか?」

「俺にも解らん。が、中国や韓は外交調査をしていなかった。昔、信長の時代でも此の國は先刻承知していた。江戸の鎖国時代でもそうだ。そんな事が日本を守って来たことは確かだ」


白狐軍、陰陽師、須佐たちは次々と波状攻撃を仕掛ける。須佐たちは人数が少ないので分身の術を使いながら戦っていた。

見る間に忍者あっちが数百人に視得て来るのだ。

どどっん!どんどん!


「あれは何だ?WhiteFoxやCrowが魔物と戦いっているぞ!」

「人だ!人も居る。忍者のようだ」

艦隊の乗組員たちが叫んでいる。

幕府側が何度も大阪に伝令を運んで、応援の要請を頼んでいる。


「須佐殿たちが?」

慶喜に知らせが入った。

「空飛ぶ白狐軍?陰陽師?大鴉の大群?・・・大決戦だな」

伝令人の中にイギリスやスペインなどの船員士官たちが居た。流石に外国大使たちも事実だと思うようになった。

「本当の事か?」

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