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須佐妖戦帖 第5章「幕末逢魔乱」  作者: 蚰蜒(ゲジゲジ)
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其の11 若日子の罠

「僧侶たちを助けろ!」武角が命を出すが・・・須佐は全部で6人しか居ない。


兎に角、餓鬼を刀で斬り始めた。此れでは一気に滅せない。須佐の剣で斬ると餓鬼は消滅した。

「数が多すぎます!」

大技で一気に消滅させたいが、僧侶まで巻き添えにしてしまう。

「対処出来ん・・・・」

「町に出すな!」

「む、無理です。此の数では・・・」


空から白狐がやって来た。数千の軍団だ。


「須佐殿!」

白狐たちは雷砲を餓鬼に射った。餓鬼は粉々に散った。

白狐は降り立つと餓鬼を噛み砕いた。

「若日子 (わかひこ)は、数で圧倒し、人間を楯に、我々に大技をさせない気だ」

餓鬼は既に数万に及んでいた。

くうの穴から小鬼も出て来た。間に合わない。


うぎゃあ、うぎゃ


「みんな、集まれ。穴を塞ぐ。くい止める。援護しろ」

須佐たちは武角を囲んで円形を組んだ。次々と餓鬼や小鬼が襲って来る。武角を守るように彼らは切り刻んだ。

其の時、武角の剣が青白く光ると電撃波が発射された。


ぐわあああああああーーーーーー!!!!!!!!


穴に向かって威射された。


ピシャアアアアアアーーーー!


「ギャアア、ピイイーーーーー」


ドドドッドオオ。


穴が塞がれた。


「佐助!奴らは山を下りて町に出るぞ!山麓で皆殺しにしろ!砲炎は使うな」

「はい!」佐助は両手で人差し指を立て、片方の人差し指を握った。例の忍者が忍術する時の仕草である。

むしよ、い出よ!」

土の中から数十万と云う蟲が這い出て来た。

「餓鬼と小鬼を滅せよ!」

走り回る餓鬼と小鬼に蟲が襲いかかった。


身体全体が蟲でいっぱいだ。餓鬼と小鬼は其の場に倒れ、蟲たちに喰われた。

人間は妖怪に喰われ、妖怪は蟲に喰われた。

其れでも数百匹の妖怪は逃れて町へ走り去った。

「まずい・・・・・」


佐助は麓に若日子が居るのが視得た。だが、すぐにどこかに去って行った。

「奴は何処に行く気だ?武角さま、若日子が・・・」

「若日子が?くそ・・・・陰陽師殿!」武角は精神感応で陰陽師を呼んだ。

「何事です。武角殿?」

「魔物が御所に向かう!守ってほしい」

「な、なんと?!わかりました」


「武角さま、二条城は?」

「若日子は天皇か将軍を襲う!」


わーーーーーーーーー!


市街地から千の兵が飛んで来た。

「あれは、新撰組と会津兵、幕府の兵も居るぞ」

「な、なんだ?ありゃ?人間じゃないぞ!」兵たちは口々に云った。

「幕兵たち殿!刀や槍、砲では奴らは死にませんぞ!」佐助が大声で叫んだ。

「なんじゃあ?お前等?忍びじゃねえか」


近藤勇こんどういさみが静止した。

「お待ちください!彼らは御門みかどの客人です」

「御門の客人だと?」

武角が叫んだ。「火だ!有効なのは火だ!」

「あんたが族長の武角殿か?」

「あなたが組長・近藤勇殿?」

「話はとしから聞いている。どうすれば善い?」

「火だ!火矢、松明などで焼き払うことです。奴らの武器は歯です。人を喰らうしか脳が無い」

「わかった」

「視ろ!狐の集団が戦っているぞ・・・」幕兵たちはあっけに取られた。


「若日子は何処に?」

「京都で先ず、倒した方が善いのは?」

「徳川・・・・・」

「そうだ。奴は二条城へ行くぞ。くそ!此処を動けない・・・」


二条城の門番が妖しい人影が此方にやって来るのを視た。

「何だ?あいつは?乞食か?まて!何処へ行く?」

「中だ」

巫山戯ふざけたことを云うな!」

若日子が通っただけで門番が破裂した。


「何だ?!」

中に居た武士たちが刀で斬り掛かったが、全く歯が立たない。

「たった一人で徳川の要塞城に乗り込むとは・・・・何だ?あいつは?」

大鳥圭介は身を隠しながら事を見送った。


侍たちが次々と若日子に斬り掛かるが、何もせぬ内に弾け飛んだ。城内は肉片で血まみれだ。


「慶喜公ーーーーーー!」


若日子は将軍部屋の前に来た。

ふすまを開いた。


ずさーーーー!


其処には慶喜以下、家老たちが刀を構えて待ち構えていた。


須佐たちは何とか其の場を凌いで白狐たちに後を託し、二条城に飛んだ。

「随分、手間取った。間に合うか?」

二条城に着くと門前には粉々に飛び散った門番の死体、城内は刀を構えた武士たちのバラバラの死体が山になっていた。

中は何処も死体と飛び散った血や肉片だらけだ。

「此れは酷い・・・何人殺した?」

「人間の形すら、していませんね」


武角が考え込んでいた。

「武角さま・・・どうしました?」

「佐助、中の事も気になるが、怪訝おかしいと思わないか?」

「何がです?」

「奴は俺たちが動き始めたので間髪入れずに襲って来たと思った・・・.何故、餓鬼と子鬼などの下っ端しか寄越さない?」「・・・・・」

「此れは見せかけだぞ」

「見せかけって・・・二条城を襲い、此れだけ人を殺してですか?京は大混乱ですよ」

「俺たちは若日子の罠に掛かっているのかもしれない・・・」

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