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遊人現代忍者、王国ニ舞ウ  作者: 樫屋 Issa
怪盗 王国ニ舞ウ
93/163

第九十三話 嗚呼、夢の異世界生活(夜の部)

長い間お待たせしました。いつもよりちょっち長め&セクシー成分大目でいきます。

~堕ちる精神~


僕は今日も夜の街を彷徨っていた。

忘れもしないあの日、僕の村は見たことも無いような怪物とソレを引き連れた変な盗賊達に襲われて壊滅した。

幸いにも直ぐに領軍が駆けつけたから村人への被害は少なかったけども、それでも何人かの人が殺されたり連れ去られたりした。

今、村は“すたーりーうぃずだむ”?ってところの支援で前より立派になっているけど、それでも攫われた人の一部はまだ行方不明のままだ。

僕の家の隣に住んでたお姉さんも・・・。

僕は色んな場所を探し回った。

そしてとうとう見つけたたんだ。

あの時、村を襲った奴らの生き残りが潜んでる隠れ家を!!


・・・

・・


「俺達を探ってたのはこのガキか?」

「こんなガキに嗅ぎ付けられるなんて、俺達ジム・モロアッチも落ちたもんだぜ」


僕はあっさり捕まってしまった。


「お姉ちゃんは何処だ!!」

「あ?お姉ちゃんだぁ?」

「お前達が村を襲ったって知ってるんだぞ!!」

「村?村?すまねぇな坊主~~村なんて沢山焼いたからどの村の事かおじちゃんわかんね~~んだわ」


悪党達が大笑いする。


「とぼけるな!お前達が変な怪物を連れて村を襲ったんだ!!」

「怪物ってアレか?本部の指示で薬使った時の」

「あん時は領兵の動きが早いわ成果が少ねぇって上からどやされるわ散々だったぜ」

「しかも連れて来た女を愉しむ暇も無く差し出せって持ってかれて・・・そうか、あの村のガキか。嫌な事を思い出させてくれたな」

「こいつはオシオキが必要だな」


悪党達が鉄の扉を開けると得体の知れない獣臭さが漂って来た。


「グルルルル・・・」


扉から現れたのは毛むくじゃらで目が四つもある灰色の怪物だった。間違いない、村を襲った怪物だ。


「上に返さずに一匹手元に置いといて正解だったぜ。さあ、そのガキを八つ裂きにしろ!!」


もうだめだと思ったその時、奇跡が起きた。

驚いた事に怪物は部屋の壁にめり込む勢いで弾き飛ばされたんだ。


「成る程、オーガをベースに強化薬で改造したタイプですか」


僕の前には白い清潔なシャツに同じ色のスカートの栗色の髪の毛のお姉さんが立っていた。


「え?」


振り向いたその顔は間違いない!隣のお姉ちゃん!!


「こんな危ないところに来たらメッでしょ?」

「お姉ちゃん、良かった無事だったんだ」


壁に叩きつけられた怪物が立ち上がる。


「お姉ちゃん怪物が!」

「大丈夫、任せて」


お姉ちゃんの頭に怪物が爪を振り下ろした。風切り音を響かせて迫る爪に僕は最悪の光景を想像したが、驚くべき事にお姉ちゃんは怪物の爪を指一本で受け止めた。


「ちょっと~、危ないでしょ!!」


そのまま腕を取って怪物を持ち上げた。僕だけじゃ無く悪党達も驚いている。

そのまま怪物を悪党達の方へ勢い良く投げつけた。


「ぎゃ~~~来るな!!」

「た・・・助け・・・」


グシャリと音がして怪物も悪党達もまとめて動かなくなってしまった。


「大丈夫?立てる?」


縄を解いてもらい、お姉ちゃんから差し出された手を取って僕は何とか立ち上がった。


「お姉ちゃん、僕ずっと会いたかった。一緒に村に帰ろ?」

「残念だけど私はお仕事があるから村に帰れないの、今は私を助けてくれた人達と一緒に楽しく暮らしてるから心配しないで、私は今すごく幸せだから」


その言葉に僕の胸はズキンと鳴った。だけど何でそうなったのかはこの時は分からなかった。


「あっちに兵隊さんが居るから家まで送ってもらいなさい、もうこんな危ないところに来ちゃダメよ」


なんて、いつか見せてくれた時と同じ笑顔を向けて僕のほっぺにキスしてくれた。街の兵隊さんが隠れ家に入ってきてお姉ちゃんと何かお話している。きっと兵隊さんを呼んだのもお姉ちゃんだったんだろう。

兵隊さんに家まで送ってもらって、お父さんとお母さんは泣きながら僕をしかった。

あの日から僕は兵隊さんになる為の勉強をしている。

多分、もう二度とお姉ちゃんに会うことは無いと思うけど、お姉ちゃんに褒められるような立派な人間になるんだ。


・・・

・・


暗い路地裏を白い服の栗毛の女が歩いている。

女の前方、僅かな明かりが灯された場所に褐色で銀髪、所々に刺青を入れ金銀の装飾を身に着けた黒いショートパンツに黒いヘソ出しの上着を着た遊び人風の女が立っていた。色の違いはあれど二人の顔は瓜二つ。

白い清楚な女が黒い派手な女の前に立つと黒い女は白い女の肩に手を置いた。するとどうだろう、白い女は煙を噴出して人形ヒトガタに切り抜いた紙になってしまった。

黒い女の背後から声が響く。


「あの少年、お主の知り合いか?」

「同じ村で家が隣同士でした」

「だから妾が教えた式神を使って助けたか?お主自身が助けても良かったのではないか?」

「復讐の為にこの姿になった私を見たら、あの子はきっと幻滅するでしょう。これで良かったんです」

「あの少年はお主を好いておるみたいじゃったな」

「ええ、知ってました。ですが私にはどうしても弟くらいにしか思えなかったし、その時には既に恋人が居ましたから。まあ、その恋人も連中に殺されたんですが」

「・・・・・」

「残党は始末しました。湿っぽい話はここまでにしましょ、今夜の担当は私ですから楽しみです♥」


そのまま、黒い女は闇夜の街に溶けて消えてしまった。

後には何も残らない、ただ乾いた風が一陣吹いただけだった。


~レイドボス登場~


ある日、遠藤家ダンジョンの十階層が変異した。

ワンフロア丸々開けた闘技場みたいになっている。

その中央には異様な闘気を放つロリタヌキが一匹、祭りの時間である。


『挑戦状 妾の尻尾の一つ“小悪魔勇者マメたん”を打ち破って見せよ。見事勝利したなら妾秘蔵のお宝をくれてやろう。 報酬:5000万エロリン&魔性のピアス』


★小悪魔勇者マメたん

守鶴前の尻尾の一本、物理攻撃特化型で妖術は使用しない。

茶髪のツインテールでスク水形の濃い日焼け跡にV字極小水着アーマーという超ドスケベ衣装で登場。

あたま:E【ヒラヒラクソデカピンクリボン】幼女度+100

からだ:E【ドスケベV字ピンクアーマー】防御能力の無い本当にただのスケベ水着 セクシー度+100

たて :E【ハートシールド】ハート型の盾 防+100

あし :E【ピンクのレッグアーマー】速+100

ぶき :E【ハートブレード】鍔部分がハート型の大剣 攻撃力+100&愛属性?追加

おへそ:E【魔性のピアス】金細工で小さな宝石を無数にちりばめたへそピアス 幻惑無効・魅力増加・魔力増加・テクニック向上


「あはははは、見てよこのツルツルスベスベボディ。オリジナルのBBAなんかとは違うのよ!!」

『愚か者め、所詮お主は妾の分身に過ぎぬ。妾をBBA呼ばわりすると言う事は自身もBBAであるという事を忘れるな』

「それこそBBAの負け惜しみね」

『妾の妖力が増大した所為で分身の我も強くなってしもうたか、妾の天才大妖怪っぷりも考え物じゃな』

「黙ってて私、早速お客様よ」


足音は二つ、方や暴風を纏った白翼の姫騎士、方や水竜の化身たる賢姫。


「この世界最強のタッグって訳ね、面白いわ」

「これが第一夫人の力・・・その1/9だって?」

「ウチよりちんちくりんのクセしてごっつい気迫やな」


マメたんは大剣を地面に突き刺すと一礼した。


「私主催のパーティーにようこそおいでくださいました。十階層まで来るのも結構大変だったんじゃない?」

「ああ、ルミナスのバカが変な欲出して進むから大変だった」

「オデットはんがバカ正直に突っ込んで行くから大変やった」

「そんな仲悪くて私に勝てるの?ナメてない?」


マメたんの闘気が物理的な衝撃波となって二人に吹き抜ける。それを合図に二人はアイコンタクトで走り出した。

最初はオデットのカマイタチ三連、手加減無しで、まともに受ければ人体なんて真っ二つになる威力が籠っているが・・・。


「ふん」


マメたんが地面に刺した大剣を取ってカマイタチに向かって一振りすればオデットのものより巨大な衝撃波が発生してカマイタチを飲み込んだ。

続いてルミナスがフィールドそのものを押しつぶす水の壁を発生させてマメたんに放つが、これもマメたんが剣を縦に一閃するだけでモーゼの十戒みたいに中央で割れてしまった。

魔力のブーストで身体強化してるとは言え腕力のみでここまでの事をやって退けたマメたんに二人は背筋が凍った。


「次はこっちの番ね、いっくぞ~~~♪」


・・・

・・


既に挑戦チームは二桁を超えたが、未だ彼女からダウンを奪う者は現れていない。


「人間も獣人もエルフも魔物娘も妖精も、みんな弱すぎ~~~。そんなんで段蔵の激しいプレイに耐えれるの?」


死屍累々とはこの事か、負けた女の子達がフロアの一角に用意された牢屋に放り込まれていた。


『ふん、その体術だって妾の戦闘経験から来てるモノじゃ、言わば年の功ってヤツじゃよ』

「うっさい私、挑戦者が居ないなら今回はもうお開きにして罰ゲームタイムを・・・」


その瞬間、マメたんは自分に迫る微かな気配を感じ取った。


「っ!?」


キンと振るった大剣に金属が当たる手応え。


「手裏剣!?私に気配を感じさせないなんて!!」

「チッ、見切られたわ」

「まあ、当然でありますな」

「・・・・・ん、長期戦は想定内」


現れたのはアスタルト、ミーネ、スプリングの三名、既にマメたんを囲む配置に着いている。


「このメンバーは覚えてる。最初にこの世界に来た時に遊んであげた三人ね」

「あの時の尻尾は三本、今は一本、それなら」

「あの時は勝てたであります」

「・・・今回だって勝機はある!」


一度勝ってる相手故に意気軒昂な三人に対して小生意気な笑みを浮かべるマメたん。


「かわいそうなおバカさん達、私はあの時よりぱわーあっぷしてるし~、あの時勝てたのだって偶然じゃな~い」

「パワーアップはこっちも同じよ!!」


タルトが飛び上がって手裏剣を投げつける。


「戦法まであの時と同じ?それじゃあ・・・ん!?」


マメたんはタルトの手裏剣を全て見切ったハズだった。だが、予想外の角度から一本余計に手裏剣が飛んできた。

対処出来ない攻撃では無い、無いのだが微妙に調子を狂わされてイライラする。

次はミーネのハルバード攻撃。


「だから芸が無・・・!?」


ハルバードの衝撃波に混ぜ込むように爆薬が破裂する。彼女のハルバードは確かに様々な魔法が付与された高性能な武器だが爆発能力は無かったと記憶している。他二人が爆弾を投げる動きはしていない。

スプリングがゴーレムを使役する。その動きは既に一流の武道家と言っても差し支えない。


「それでも力も技も私の勝ちよ!!」


マメたんは武器を置いて圧倒的体格差のあるゴーレムと組み合ってそのまま真上に持ち上げた。


「砕けろ!!」


組んだ手に力を籠めるとミシミシとゴーレムにヒビが入る。


「これで・・・!!?」


握り締めた手に痛みが走る。


「ぐっ・・・そう・・・ふふふ、そう言う事」


崩れるゴーレムの中から現れたのは一振りの名刀、そしてその主は・・・。


「段蔵お兄ちゃん♥感覚を鋭敏にしてる今の私に気付かせずに仕掛けるなんて・・・素敵♥」


大剣と刀が交差するが、いくら魔法使いとドクターに徹底的に魔改造された変態刀と言えど二合も打ち合えば刀そのものは無事でも段蔵の腕が持たない。

交代でミーネが打ち合うも、こちらも秒と持たない。


「ふふふ、お兄ちゃん♥見て♥」


何を思ったかマメたんは大剣を支えに隙だらけのセクシーポーズをとった。


「はう!?」


ズボンにテントが出来上がった。


「やだ~♥お兄ちゃんったらバキバキ~♥」

「ちょっと段蔵!こんな時に何考えてんのよ!!」

「・・・段蔵?私も脱ごうか?今すぐ二人目つくる?」

「いや、ちょっと待つであります」


段蔵はしっかりと地面を踏みしめ自分の頬を叩いて気合を入れた。


「ふん!!」

「ありゃりゃ、性的興奮を戦闘意欲に変換しちゃったか~マメたん失敗失敗♥」

「でもガチガチなままじゃない!!」


憤慨するタルトに段蔵は優しく答えた。


「俺の妻がセクシーポーズしてんだ、ビンビンしない方が失礼だろ?」

「いや、その理屈はおかしいでありま・・・ん?よく考えたら別におかしくなかったであります」

「・・・うん、おかしくない、だから今すぐ子作りしよ?」

「いや、おかしいでしょ!!」

「あはは、素敵よお兄ちゃん♥私のぺったんおムネじゃないと欲情出来ないようなロリコン変態ダメダメお兄ちゃんにしてあげるね♥️」

「そういう誘い方、タヌキ姉さんにそっくりだ」


段蔵が駆ける。


「速いであります!?」


一瞬でマメたんに接近すると勢いそのまま斬り掛かる。

しかし、一合受け止めたマメたんは酷く落胆した。


「う~ん、エッチな心をパワーに変えたまでは良かったけど、興奮状態だから攻撃が雑で読み易い」


その言葉を証明するように二撃目から段蔵の攻撃は全てかわされてしまっている。


「はい、ざ~んね~ん♥️」


見事なカウンターを受けて転がる段蔵を見下ろすマメたんだが、彼女の背に影が射す。

振り返れば巨大なゴーレムが巨大な剣を振りかぶっていた。


「地中から集めたアダマンタイトの剣であります!往生するであります!!」


巨大な剣はあっさりと回避されたが避けられるのもスプリングは織り込み済み、間髪入れずに剣の向きを動かそうとしたが、剣の前にはマメたんが立っていた。


「自分から斬られに来るなんて殊勝な心掛けであります。望み通りに叩き斬って・・・」


だが、マメたんは自分の剣をゴーレムの巨大剣に数回叩きつける。

すると驚くべき事にゴーレムの剣がバラバラに砕けたではないか。


「なんですと~~~~~!?!?であります」

「これは地中に埋まってたアダマンタイトを単に集めて無理矢理剣の形にしただけ、鍛造もされて無いんじゃ剣じゃなくて継接つぎはぎの鈍器よ」


マメたんは地面に転がったアダマンタイトの破片を剣で叩くと破片はパカリと割れてしまった。


「継目に合わせて叩いてやればこの通り♪」


スプリングに向かって無造作に大剣を振ると巨大な衝撃波が発生してスプリングを飲み込み、後には何も残らなかった。


「「スプリング!!!」」

「安心して、あの妖精はお兄ちゃんと契約してるからその内また現れるわ。そうでしょお兄ちゃん?」


マメたんの言葉通りスプリングが消滅した瞬間、段蔵の中に彼女の精神が入ってきたのが感じられた。


『不覚であります~~~』


段蔵、タルト、ミーネの三人は三方からの攻撃を仕掛けるが・・・。


「それ♪」


たった一回の大振りで三人とも弾き飛ばされてしまった。


「ぐ・・・」

「今の一撃でまだ意識を保ってるなんて、やっぱりお兄ちゃんは素敵♥」


二人の無事を確認しようと起き上がろうとした段蔵はマメたんに押さえ込まれてしまった。

チュルリと舌をなめずりするマメたんの荒い息遣いが至近距離で聞こえる。「フーフー」と熱くて甘酸っぱい香りの吐息が掛かる度に思考力が蕩けていくみたいだった。


「他の二人なら完全に気絶しちゃったよ。あれなら今日は・・・うんんニ・三日は起きないかもね♪」


マメたんが段蔵のズボンに手を伸ばす。


「このままシたらお兄ちゃんどうなっちゃうんだろ?小さい子にしか欲情出来ない変態さんになっちゃうのかな?怪盗辞めて変態ロリコン性犯罪者になっちゃうのかな?」


ふりふりと尻を振って挑発するマメたんに冷や汗を浮かべた段蔵は、次の瞬間カッと目を見開いた。


「なら試そうぜ」

「え?」


マメたんが言葉の意味を理解する暇も無く、段蔵は彼女の腰を力の限り掴んで自身の上に落とした。


「んおおおぉぉ♥ま・・待ってへぇええ♥まら心の準備・・・があぁ~ん♥️」

「ぐ・・・気配を読み易くする為に身体の感度を上げたのは失敗だったな」

「にゃ・・・にゃにを?」


快感で真っ白になった頭に急に響いた悪寒。

『ザン』という衝撃を背後から受けたマメたんが後ろを振り返れば、自分の背中にハルバードと短剣が深々と刺さっていた。


「あんま私達を・・・」

「・・・舐めるな」

「・・・・・・・」


その瞬間、マメたんの空気が変わった。いや、マメたんという人格を維持出来なくなったのだろう。

彼女は立ち上がりはしたが攻撃する気力は残っていない。


「見事ね、この『妾・・・私を倒しちゃうなんて流石は『段蔵・・・お兄ちゃんのお嫁さんね。あ~あ、今の私なら圧倒出来るって思って『おったのにのう。ククク、残念じゃったな』うっさい私!言っとくけどあんた最初に『妾をBBA呼ばわりすると言う事は自身もBBAであるという事を忘れるな』って言ってたわよね。なら私の負けは『妾の負けという事になるじゃろうな』けど・・・不思議と悔しくは無いわね・・・ああ、これは・・・頼もしい友がここに居るという安心感じゃな』


マメたんが消える直前、段蔵に微笑んだ。


「私の中どうだった?」

「頭ん中がグチャグチャになるくらい気持ちかった。あれじゃ持たん」

「なら好し♥」


マメたんがフッと消えてタヌキの尻尾がダンジョンから猛スピードで飛んで行った。守鶴前のもとに戻ったのだろう。

その瞬間タルトがマメたんに刺した短剣が支えを失い落下した・・・未だ倒れている段蔵の股の間に。


「ぎゃ!?玉!玉の近くに刃がかすって!!」

「みっともなく出しっぱなしにしてるからよ」

「・・・・・縮んじゃった。残念」

「縮むわ!!」

「はいはい、それにしてもよくあの妖気の中で耐えられたわね。かなり参ってたみたいだったから、さっさとギブアップするかと思ってたんだけど?」

「・・・・・うん、悔しいけどあの魅力には勝てない」

「いや俺もヤバかったっつーか実際秒と持たなかったけど、コイツの御陰で辛うじて意識は保ててた」


段蔵が手を翳すとスプリングが実体化した。


「スプリング復活であります!!」

「思ったより復活が早い?」

「・・・魔力が消滅前とあまり変わってない?」

「ふっふっふ、マスターがマメたん殿に入れた瞬間マスターの精力が一気に膨れ上がったであります。後はソレが漏れる前に出口付近で待ち構えて全部吸収してしまえば自分も復活出来てマスターもマメたん殿に搾り取られる事も無い一石二鳥な作戦であります」

「御陰で股間の感覚がスゲー変なんだが・・・」


雑談してる間に敗者を捕らえてた牢は消え去りフロア自体も霞んで消えてゆく。

段蔵が気付いた時には自室に居た。

机の上には綺麗に包装された賞品が置いてあった。


「ああ、お見通しか」


そもそも段蔵には似合わないアイテムだからプレゼント用だというのは突き合いの・・・もとい付き合いの長い守鶴前でなくてもある程度想像出来ただろう。


「まだ誰に贈るかは決めてないんだが・・・部屋の鍵?」


賞品の横には“副賞”と書かれたキーホルダーの付いた何処かの部屋の鍵とその部屋への地図が置いてあった。


「あっ、察し」


段蔵が部屋に入るとマメたんwith合法幼妻達が待っていた。


「流石に私が本気で相手しちゃうとお兄ちゃんでも大変だから弱体化させられちゃった♥」

「・・・・・お手柔らかにたのんます」


その夜は性癖が捻じ曲がるかと思った段蔵であった。


~アフォの大淫婦~


「というわけで感度三千倍淫紋触手スーツを作って下さい」


クラリースの言葉をドン引きで聞く守鶴前。顔がゲンナリしている。

守鶴前は魔力が常時必要な妖怪変化として情交の必要性は人間以上に理解しているが、それでもクラリースの奇行に思う事が無いワケではない。


「そっか~、お主バカだったんじゃな?バ~カバ~カ」

「いやいや御前様、私だって触手スーツだの淫紋だのが地球でもフィクションだって事くらい知ってますよ」

「知ってて言ってんならなお性質が悪いわ!!あと感度三千倍とか普通に死ぬからな?」

「お願いです~、御前様の魔法知識があれば作れるでしょ~、より段蔵様好みのいやらしいボディーになれるよう自分を磨きたいんです」

「それを自分を磨くのカテゴリーに入れていいのかどうか迷うが分かった!わ~かったから」


こうしてファンタジー系エロマンガに登場するアイテムの研究開発が始まった(第七十五話頃の話)。

魔物娘も交えて連日会議が行われた。


「確かに旦那様とより高度なプレイを愉しみたいってのは理解出来る。でもそれで普通のプレイに満足出来なくなったら意味が無いだろ?」

「ぬう」


時には挫折し・・・。


「やった・・・やったぞ、ラバーの裏にイボイボ触手を植えつける事に成功したぞ」

「術式が完璧に働いて独立稼動している。素晴らしい」


時には新たな発見があった。


「そんなこんなで完成しました」

「淫紋は元々御前様が似た様な術が使えるという事であっさりと完成しましたが、服の裏に動く触手をくっつける作業が難航しましたがテンタクルン娘、キノコ娘、アルラウネ、それからジョゼフィーヌ教授の強化薬のデータが役に立ちました」

「かつて王国を脅かした知識が平和利用?されるというのは感慨深いですね」

「コレを装着する事によって内側のイボイボが全身を刺激、分泌される特殊ローションが身体を保護、使用を続けると慣れるどころかどんどん性的刺激に敏感になっていきます。また、色素が沈殿して変色してしまうアノ部分やソノ部分も綺麗な薄紅色になりますよ」

「他にも装着後は快食・快便・快眠・疲労回復と嬉しい効果盛り沢山です」


クラリースは拍手で完成を称えた。


「素晴らしいです。よくぞここまで・・・では開発チームのAさん(仮名)早速装着して下さい」

「え゛・・・私がですか?」

「は・や・く♪」

「・・・・・・・はい」


二十四秒後・・・。


「おひょひょひょ~~~♥無理!む~~~り~~~♥んおおおぉぉぉ♥」

「これよこれ!この反応が見たかったの!!」

「ええい、このおバカ娘が!そんなに見たきゃ自分で着ぬか!!」

「もちろんそのつもりです。ではいざ!」


十分後・・・。


「おおおおおぉぉぉぉぉ。ジャン、お母さんは頑張ってるわよ!!」

「すげー、アレに耐えてる」

「ジャン君もこんな事でお母さんには頑張って欲しくないでしょうに」

「やっぱアフォじゃな、あヤツは」


◇ ◇ ◇

~おまけ~


守鶴前九分身


★守鶴前(ベーシック)

基本的な守鶴前、能力こそ1/9だが性格は普段通り。各分身の司令塔。

★マメたん

豆狸、ロリ、守鶴前の本能的・野生的な部分の表れ。飯・喧嘩・SEX・睡眠が基本的な行動理念。

泥舟でいしゅう

金髪・長身・ポニーテールの白人女性、何故かバニーガールの衣装を着ている。ひのきの棒から戦闘機まであらゆる武器を使いこなすプロ。地球ではこの姿で某国の対テロチームに参加していた。コードネームは【ファイヤー・ラクーン】犯罪者達からは一度狙われると必ず破滅する事から【マッド・シップ】あるいは銃器を操作する音から【click(カチ)click(カチ)】と呼ばれていた。守鶴前は進化を『道具を使う事』と『高度な計算を行う事』だと考えていて、それが泥舟の成熟した大人の女性というイメージに表れている。一方で本能的・野生的なマメたんは知的生命体として未熟な存在と考えている為に幼い姿になっている。高度な計算によって戦闘を行うが、一度計算が狂うと一気にポンコツ化する。

★マミ

影を帯びた黒髪の美女、最初の夫を救えなかった悲しみから生まれた存在。悲しみから逃避する為、年下の段蔵に手を出してハマってしまったダメなお姉さん。病んではいないが若干メンヘラ気味の自覚症状があり自己嫌悪に陥っては段蔵に慰めてもらってまた依存するのループに入ってる。戦闘力は皆無。

あや

図書館で静かに読書したり手紙を書いたりするのが好きな黒髪色白爆乳な眼鏡美女。文章にまつわる術や御札を使用した術を得意としている。

袖子そでこ

三つ編み眼鏡おでこセーラー服のマジメ系委員長、夢魔モルガンと違いHには寛容だが、彼女は衛生管理や育児に厳しく的確な指導をする。人が生き難かった時代を駆け抜け、多くの若者が命を落としたのを見続けた末に得た健康に生きる為の知識の具現。

狸囃子たぬきばやし

化け妖怪としての側面、日本に伝わる様々な妖怪に化けて出会った人に勝負を仕掛ける。勝負の内容や難易度は子供だましのリドルから真剣勝負まで様々、勝てた者には景品を与え、負けた者にはHなイタズラを仕掛ける。

刑部ぎょうぶ

日本・天竺・欧羅巴で学んだ神道・陰陽道・仏門・西洋魔術を使いこなす形態。容姿はベーシックとそれほど変わらないが使う術によってコスプレが変化する。

分福ぶんぶく

戦国大名である二番目の夫に仕えていた猛者達を再現する形態。第六十三話で登場。

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