表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遊人現代忍者、王国ニ舞ウ  作者: 樫屋 Issa
怪盗 王国ニ舞ウ
83/163

第八十三話 神話の欠片

ふと懐かしい気配を感じて目を覚ます。

青白い魔力漂う月の大地に建てられた白き宮殿に住まう紅きドラゴンは欠伸を一つ、腕の中には一人のエルフが抱かれていた。


「お目覚めですかアナタ」

「おはよう、マグダレナ。どれだけ寝てた?」

「二年と七十八日よ。その間ハメっぱなしでしたので、そろそろ誰かと交代して欲しいわね」


数多の天女が憩う龍の寝所にてふわりと異形の天女がドラゴンの前に現れ目覚めの挨拶を述べる。


「お゛はよう゛・・・ござい゛ま゛す」


美しい顔からは想像出来ない程の濁った声で息も絶え絶えに絞り出した異形の天女・・・そう、彼女の姿はあまりにも異質だった。

頭と胴は美しい女性のものだが四肢は真っ黒く爛れゴツゴツと膨らみ皮膚を破って変形した筋や骨が飛び出し、表面は血や膿が固まってテラテラと不気味な光沢を放っている。

元々こんな姿をしていたわけでは無い、彼女・・・月の女神シコラクスは神々の最後の時代に、とある裏切りを行った為に呪いを受け、月に縛られていたのだ。

数万年に及ぶ呪いの束縛は四肢を醜く変質させ、外見こそ無事に見える頭と胴体も内臓は既に汚染されて、かつては美声を誇った喉は荒れ果て、龍皇にいましめを解かれた現在でも一声上げる事すら常人ではショック死しかねない程の激痛を伴う。


「ああ、無理に喋る必要は無いって五千二百四十三年前に言っただろ?言ったっけ?」


シコラクスはコクリと頷き真っ直ぐな瞳を向けテレパシーを送る。


「『何故目覚めたか』か?感じたんだよ。俺と同じ存在の咆哮を、蒼きユグドから」


龍皇は寝所から飛び起き大きく伸びをした。


「まず朝飯と風呂と女だ。今宵は大宴会をするぞ。百年ぶり?二百年ぶりだったか?」

「いえ、アナタが寝てる間に一回行いましたので一年ぶりです」

「何で起こしてくれないの!?」

「(私が動けないから)この部屋で騒いでたのに何故気付かないんですか!?」

「何の記念だよ!?」

「アナタが寝ながら私の中に千発目を出した記念だよ!!」

「いやん、恥ずかしい!!」

「恥ずかしかったのは見世物にされた私だ!!」


大宴会開催の宣言に祭り好きの天女達が活気づき忙しそうに、楽しそうに飛び回る。きっと今夜は文字通りの天上人である自分達でさえも滅多に味わえない、まるで“天女の食べ物”(注:日常では人間と大差無い食生活を送っている)みたいな極上の料理や美酒が並ぶだろうと確信しながら。


~悪魔の古き記憶~


「旦那様もようこそお越し下さいました」

「ようこそ」

「これより語るは私達二人の記憶に残された古い古い巨人の物語」

「あんまり楽しくない」

「うん、まあ、最早他人とは言え、楽しい記憶じゃあないね。でも、過去を学ぶというのは正しい行為だよ」


悪魔二人は居住まいを正し集まった家族に一礼。


「では改めて、私が旦那様より授かりし名はトラソル」

「テオトルだよ」

「皆さんは暴虐の巨人クレーマとモンペーをご存知ですか?ええ、神話に語られる無数の魔法を操るクレーマと山をも持ち上げる怪力魔獣モンペーです」

「神の戦士シャフリと闘った二大巨人」

「私達二人にはその巨人の記憶が残っているのです」

「です」

「さて、世界中に残された文献によると二大巨人は人々や神々を貪り喰らう事に悦びを見出だす外道と記されていますが、半分正解であり半分は間違いなのです」

「仕方ないね」

「そう、仕方ない。確かに人や神の視点から見ればそう思われても仕方ないでしょうし、そうであったなら悦ぶだけの感情があるだけまだマシでした」

「でした」

「二大巨人は・・・いえ、巨人の王である“緑の太陽”以外の巨人は全て旦那様の故郷で言うところのプログラムで動くロボットみたいな物でして感情とは無縁な存在だったのです」

「誰かを食べ殺す事しか出来ない悲しい存在」

「如何にも!何が悲しくて食べたくも無い物を地面ごと貪り喰わねばならないのか・・・まあ、食べたく無いといった感情も無かったんですがね。二大巨人を退治したシャフリとやらには感謝しています」

「みなさんと会えて嬉しいです」

「そうですね、私達をこうして受け入れてくれた皆様には感謝してもしきれません」


そこでタヌキ姉さんが手を挙げた。


「太古の巨人に関して実に興味深い話じゃった。ならば“澱みの沼”とは何なのじゃ?」

「それがサッパリ解らないんですよ。何故なら二大巨人が存在した時にはあんな物は何処にも無かったのですから」

「でも、何となく予想はつく」

「そう!あんな質の悪い物は絶対“緑の太陽”が関わっているに決まっている。今は緑の太陽の気配は完全に消えているけど、きっと消える前に何かやらかしたんだ」

「神々の敵対者である緑の太陽とは何じゃ?その目的とは?」

「目的はすごくシンプル」

「早い話が世界征服、この惑星を自分だけの物にしようとしていたのさ。そして緑の太陽とは・・・外宇宙からやって来た高魔力高エネルギー知性体である」

「「「なっ・・・なんだって~!!!」」」

「現れた時に太陽を緑色に変えちゃったからそう呼ばれたんだと思うよ」

「正式な名前は巨人達も知らない、あるいは名前なんて無かったのかも知れない」

「神話によれば神々は緑の太陽との決戦の為、大地を管理する女神ルブランと冥界を管理する女神アレスタを残し天へと昇りこれを討ち果たした。そして神々は地上に戻る事は無く天上に住まうようになる。太陽父神アラン、天空母神ランホ、月の女神シコラクス等じゃな」

「こうして神々が天と地を見守る事で人々に平穏が訪れましたとさ」

「めでたしめでたし」

「・・・(この神話にはまだ裏がありそうな気がする。崇める神の違いから対立する事もあれど、どの宗派でも地母神に相当するルブランを主神と認めているのは何故じゃ?何故、緑の太陽を倒し太陽神の座を手に入れたアランや神々の母であるランホを差し置いて澱みの沼を放置している大地の女神が主神として認められている?)」


二人の悪魔は段蔵にナデナデされている。どうやら今夜の相手が決まったらしい。

機械的だったと言う巨人族からこれ以上情報は引き出せないだろう。ならば、落ち着いたら旅行がてら世界中のモノリスを巡るかと考えるタヌキ姉さんであった。


~あけてびっくり・・・~


部屋半分が温水で満たされた亀姫と乙姫姉妹の部屋で激しく愛し合った三人は水に浸かりゆったりとした時間を過ごしていた。


「あれ?お姉ちゃん、この箱何だろう?」

「ん?どれどれ?」


部屋の隅にちょこんと置かれた黒塗りで金の模様が入った小さな和風の箱だ。


「これも魔道具ってやつかな?」

「初めて見るタイプね」


魔道具の発生に関しては不明な点が多い、魔物が生息する場所でいつの間にか発生しているのが魔道具だ。魔物娘であっても自在には作れず、気がついたら部屋に転がってるなんて事が結構ある。今回もその類なのだろう。


「そうだ、日頃の感謝の気持ちを籠めてこの箱をあげるわ」

「お・・・おい、旦那にけったいな物押し付けるなよ」

「私達の部屋にあった物が変な物のワケ無いでしょJK」


こうして段蔵は姉妹から綺麗な玉手箱を貰い自室へと帰って行った。


「とは言え何なんだろうな?」


振ってみても特に何かが入っている様子は無い、意を決して明けてみればふんわりとしたアロマの香り。


「きつ過ぎず結構良いな」


誰か女の子を誘って寝ようかとも思ったが、今日くらいはこの柔らかな香りに包まれて眠るのも悪く無いかも知れない。


「乙姫は水泳で鍛えた腰使いが・・・亀姫はスッポンみたいに咥え込んで放さない・・・ぐぅ・・・」


・・・

・・


朝、段蔵を起こす役目をくじ引きで引き当てたメカクレ(二十五話)、シアン(二十七話)、メラルダ(四十九話)の三人は朝一番の元気なところで可愛がって貰おうとワクワクウキウキしながら寝室のドアを開けた。


「「「おはようございますダンゾー・・・様?」」」


ベッドでぐっすり寝ていたのは幼い少年だった。

少年は三人の声に起こされゆっくりとベッドから降りる。


「むにゃむにゃ、お姉ちゃん達誰?僕そんな変な名前じゃ無いよ」

「「「!?!?!?」」」


地下に緊急招集のコールが響き渡った。

女性達が段蔵の寝室に集まる中、謎の少年は警戒して部屋の隅で縮こまっていた。


「ボク~、そんなところに居ないでこっちおいで~」

「ヤダ!!お前達もあいつらの仲間だろ!?」

「あいつら?」

「僕をあんな変な名前で呼ぶのはあいつらしかいないんだ!」

「これはまさか・・・」


集まった女性達をかき分けクラリースと守鶴前が少年の前までやって来る。目線を少年に合わせ怯える少年を落ち着かせるように優しく頭を撫でながら語りかけた。


「赤城竜二君だよね?大丈夫だよ。ここに居るお姉さんはみんな竜二君と仲良くなりたいだけだから」

「お主を攫った悪い奴らはもう居ないんじゃよ」

「本当ですよ。もうお腹空いたでしょう?好きな物作ってあげますからみんなで朝ご飯にしましょう、ね?」

「・・・・・うん」


クラリースに連れられる少年を見送りながら女性達は今の会話から得られた情報を整理する。


「アカギリュージって確か・・・」

「ダン様の本当の名前・・・だったかな?」

「そうだ思い出した。あの子、段蔵様の夢の中に居た過去の段蔵様だ」

「そっか、初期メンバーの戦闘職の娘はダンゾー様の夢の中に入った事があったんだわね」

「段蔵様は暗殺集団に家族を殺され自身も暗殺者に仕立て上げられそうになってたんだ」

「でも機転を利かせて逆に暗殺集団を壊滅させたとか」

「ふ~ん、あの子の正体がダン様だってのは分かったけど、何で子供になってんだい?」

「え?さあ?」


竜二少年の前にはミンチステーキ(ハンバーグ)と目玉焼きが乗せられた大盛カレーライスと玉子スープが用意され、最初は遠慮がちに食べていたがその美味しさにスプーンの進みが早くなり、あっという間にカレーの山はペロリと攻略されてしまった。


「いい食べっぷり、中々見所ある子供ケロ」


話し掛けたのは黄色いカエル娘の通称イエロー、彼女の前には山盛りのカレーライスにカレースープ、カレー風味の野菜炒めにカレーうどんが置かれていた。


「美味しかったケロ?」

「うん、すごく美味しかった・・・ふぇ・・・・ふええええ~~~~ん」


突然泣き始めた少年に食堂の半分は慌てたが、こういった状況に慣れてしまっている女性はあえて大勢で近づく真似はせずタヌキ姉さんとクラリースに任せるように動く。


「緊張の糸が切れちゃったんですね」

「恐らくお面の連中に攫われて間もない頃まで記憶が戻っておるのじゃろう」

「うわああぁぁぁ~ん」


ゆっくり頭を撫でながらタヌキ姉さんが泣き止むまで優しく抱いてなだめた。


「イエローさん、しばらく竜二君を預かってもらえませんか?」

「いいケロか?」

「カエルさん達のお部屋には地球の玩具が沢山あります。私達よりも早く打ち解けられるかもしれません」

「分かったケロ。竜二君をお姉さん達の秘密基地に案内してあげるケロ」


水系魔物娘は地下に存在するケロリン上水路に部屋を持っているが、向かう途中でもエルフ・獣人・魔物娘等、地球では見かけない人々とすれ違ったが、竜二は特に怯える様子は無く、未だ声は小さいものの挨拶はしっかりしていた。


「彼の故郷にはエルフや獣人は存在しないと聞きましたが、怖がる様子は無いですね」

「厳密には存在しないのでは無く妾みたいに上手く隠れているのが正しいのじゃが、竜二の場合は龍の超感覚で地球に居た頃からそういった存在に慣れていたのかも知れんのぅ」

「こんな可愛い子供の家族を奪った奴らを私は許せません、機会があるなら私が・・・」

「・・・既に過ぎた事じゃ、気持ちは分かるがの」


水路からチャポンと二人の美女が顔を出す。


「うえ!?本当に子供になってる」

「だから言ったじゃないか、変な物を旦那に押し付けるなって」


乙姫、亀姫の姉妹が現れた。


「お主達の仕業か~~~~!!」

「それはな・・・ちゃうねん」

「いやいやいや、今明らかに関係しているみたいな事言ってたじゃないですか」

「すまん、実は昨日・・・」


かくかくしかじか・・・。

まるまるうしうし・・・。


「なるほど、玉手箱か・・・」

「何ですか?地球の魔道具ですか?」

「海中に存在すると伝わる龍宮の宝の一つじゃな、有名なトコロでは人間の“時間”が納められているとか鶴に変化する術が掛かっていたとか色々言われておるな。子供に戻るというのは初めて聞いたが」

「治るのですか?」

「それに関しては問題無い、この魔力量ならば精々二・三日で元に戻るじゃろうて」


カエル娘の部屋は剣と魔法の世界から逸脱・・・いや、女性の部屋からかなり逸脱した漫画やフィギュア・プラモが並んだカレー臭漂うオタク部屋だった。


「うわ~、ドラグーンだ。・・・あれ?こんなドラグーンいたっけ?」

「それは劇場版ゼロ・ドラグーンの主人公機スター・ゼロDケロ」

「こっちのはフルフェイスギア?でもこんなの見たこと無い・・・」

「劇場版フルフェイスギア・オールギア大決戦のミーティアファイナルフォームケロ」

「あっ、魔法少女ゼフィランサス・・・あれ?五人いるよ?二人じゃないの?」

「ブロッサムとデンドロビウムとガーベラケロ」

「ペコモンカード?これも知らないペコモンばっかりだ」

「そっちはシャイニング&ダークネスのペコモンをカード化してるケロ」

「すごい。お姉ちゃん達の部屋、知らないオモチャがいっぱいある」


そもそも竜二のアニメ・特撮知識は十五年以上前のものなのでカエル娘達が集めてる最新のフィギュアや漫画は彼の知っている物とは既に別物になっていたのだ。それでも地球産の玩具が存在するというのは心の安定に繋がったらしく徐々に元気が出てきているのが感じ取れた。


「でもカエルのお姉ちゃん、大人なのにオモチャこんなに持ってて変なの」

「フッ、野菜屑とて集めれば立派な福神漬になるケロ。どんなに小さく下らない事でも極めれば財産になるケロ」

「おお!よくわかんないけど何かすごい」

「やっぱり君は見所あるケロ、今日はこの部屋で沢山遊んで行くといいケロ」

「でも僕・・・お家に帰らないと・・・」

「残念だけど竜二君のお家は悪い奴らに壊されたケロ、だからここが君の家ケロよ」

「わかった僕、もう泣かないよ」

「竜二君は強い子ケロね。そんな竜二君に素敵なプレゼントがあるケロ」

「プレゼント!?」

「このお屋敷(再建完了)全部と、ここに住んでいる女の人がみんな君のお嫁さんになってあげるケロ♪」

「お嫁さん!?僕とお姉ちゃん結婚するの?」

「私だけじゃないケロよ。それに覚えていないかも知れないけどもう結婚して赤ちゃんもいるケロ」

「赤ちゃん!?僕の!?結婚って大人じゃないとダメなんじゃないの?」

「竜二君は大変な目に遭って、それでも頑張ったから特別にご褒美ケロ」


イエローは愛情の証に唇に軽くキスをした。イエローの唇はプルンとしていてレモンの香りのトロトロ粘液が付着し触れた部分はピリピリと香辛料の刺激が僅かに残っている。


「ふわ!」

「ここの女の人はみんな竜二君が大大大好きだから、ちゅーもいっぱいしてあげるケロ」


しかし、ここはイエローだけの部屋ではない。


「さっきから見ていればイチャイチャケロケロと、リーダーたるこのグリーンを差し置いてファーストちゅーとはどんな了見ケロ!」

「オレはお前をリーダーとは認めてないケロ」

「お姉さん×ショータローいいケロ」

「おんなじくらいの身長ケロ、メメちゃんやタルトちゃん達と一緒に遊ぶケロ」


その日はカエル娘達に揉みくちゃにされながら過ごした。

次の日、訓練場で遊ぶ小さな一団があった。


「あっはっはっは、私のゴブリン・ハチノコ連合は無敵よ♪」

「姫!」

「どうしたのナイト?」

「あっちのチームにご主人様がいるからあっちチームに行って良いですか?」

「速攻寝返り宣言!?良いわけ無くない?」


全員で追いかけっこ等で遊んでいる。その様子を危険が無いように大人達が見ていた。


「今夜は“誕生会”だけど旦那様があんな状態ですが大丈夫ですか?」

「御前様曰く予定に変更は無いそうだよ。楽しみにしていたもいるからね」

「“黄金の朝焼け”の皆さんがダン・・・竜二君の衣装を頑張って仕立てています。夕方には間に合う予定ですよ」


そして夕方。

話は変わるが王国法での結婚可能年齢は××歳と・・・そういう事だ。地球じゃ無いから合法である。何度も言うが合法である。ギリ二桁なのがまだ良心的だよね。

そして今日は今月××歳を既に迎えた女の子達の合同お誕生会兼結婚式が行われるのだ。


「みんな~、おめでとう♪」


今回は三人がめでたく花嫁となった。


「私も早く結婚式したいな~、ね?ユノちゃん」

「スケベな事されるわよユナ?」

「夫婦なら当たり前だよ?」

「そ・・・そっか、当たり前なのよ・・・ね」

「今なら私達の方がお姉ちゃんだから色々教えてあげられるね」

「色々・・・あの子に?ゴクリ」


最初は純白のタキシードを着せられ面食らっていた竜二も美味しい料理が並べば喜んで女の子達と食べさせっこを始めた。

綺麗なお姉さん達との食べさせっこはオママゴトの延長みたいで誰もが楽しい時間を過ごす、やがて竜二が満腹になるとパーティーはお開きムードになり一人また一人と部屋へ帰って行く。

だが、新しく誕生した夫婦にとってはこれからが本番である。

お腹いっぱいで少しぼんやりしている竜二を上手く誘導してベッドに寝かせる。


「?・・・お姉ちゃん?」


花嫁はスルスルとドレスを脱いでゆっくりと竜二に迫る。

その刺激的な光景に眠気が迫っていた竜二が一気に覚醒した。


「えっ!?お姉ちゃん達何で服脱いでるの?」


質問の答えの代わりと言わんばかりに艶やかな笑みを浮かべた彼女達は日頃の勉強の成果をようやく実践出来る事に歓喜し、幼い竜二にゆっくりと覆い被さった。


・・・

・・


「良かったべか?ある意味で一番手を譲ってしまって」

「私はそこまで狭量じゃ無いわよ。竜二君の初めてを受け取るべきは幸運にもこの日この時を迎えた彼女達であるべきです」

「・・・」

「・・・ヒャッハ~!我慢出来ません。私も混ぜて♥️」

「やっぱりだべか!」


クラリースが部屋に突入すると花嫁三人は疲れてスヤスヤ眠っていたが、竜二の姿は無くテラスへの戸が開いてカーテンを揺らしていた。

テラスでは竜二が月を眺めながら何かを呟いている。


「うん・・・うん・・・結婚したんだ・・・うん、みんな大好きだよ・・・僕は大丈夫だから・・・うん」

「竜二君?」


振り向いた竜二の瞳が一瞬真紅の輝きを放っていた様に見えたのはクラリースの錯覚だろうか、次の瞬間には黒目に戻っていた。


「クラリースお姉ちゃん?」

「竜二君、何故こんなところに?」

「え?あれ?僕、いつの間に?」

「そろそろ寒いですから早く中に入りましょう」

「うん」


そしてクラリースを加えた五人が一緒にベッドに入れば遊び疲れていたのか竜二は直ぐに眠ってしまった。


・・・

・・


「ウボワ~~~!恥ずかし~~~!!」

「あら、段蔵様おはようございます。元に戻ったんですね」

「くそっ、何故大人から子供になると記憶が消えるのに子供から大人に戻る時は記憶が残っているのか!!」

「昨日までの事を覚えているんですか?なら昨夜テラスでの事は・・・」

「え?テラス?そこの?昨日は出て無いと思うが?」

「・・・・・いえ、私の気のせいですね。忘れてください」

「???」


数日後。


段蔵が起きると視界が広くなり全身が敏感になって眼球が増え体中から無数の×××が生えていた。


「ぬわんじゃこりゃ~~~!?!?!?」


そしてバンと勢いよく開かれる扉と現れるクラリースを筆頭とした妻達。


「大成功!この前の玉手箱に私達の愛欲エネルギーを詰め込んで段蔵様をヌルヌル絶倫触手モンスターに変身させちゃいました」

「あっ!あれか!!」

「と言うか何故また無警戒に開けるんですか?まあ、私達を理解してくれている証拠なので嬉しいですが・・・」


妻達の目が一斉に輝く。


「ちょ・・・まっ・・・!」

「いただきま~す♥️」


それからも時々は子供や卑猥モンスターにされる段蔵なのであった。

神の戦士シャフリの名前再登場。

前回登場は25話なので実に2年ぶりの(名前だけ)登場です。

今回語られた戦いで重傷を負ったシャフリをシェヘラとド二アの姉妹神が治療したというのが25話で語られた神話でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ