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遊人現代忍者、王国ニ舞ウ  作者: 樫屋 Issa
怪盗 王国ニ舞ウ
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第八話 これからのクラリースお嬢様

本作は冒険活劇?主体なので内政パートはカットします。

使用人達に見つからないようにクラリース・ダンドレジー嬢を部屋に運んで一息、装備外して素顔も晒してリラックスモードだが正直問題は山積みだ。

元々此処を拠点に不正貴族を追い出し&乗っ取りでラノベから得た知識と現代科学・忍術を駆使して領地運営で資金調達の地固めをする予定だったのに、単なる狡辛い不正貴族かと思いきや、帳簿の工作なんぞ氷山の一角で組織的に人攫いしては人体実験を繰り返していたド外道だった。

無論、ダンドレジー男爵だけでそんな事は出来ないから領内に手下を潜ませている事は容易に想像出来る。

俺は偽の紹介状を用意し庭師サブロとして男爵に近付き協力者を調べ上げることにした。

数日後に大体のメンバーは割り出せたがそんな時に男爵の一人娘が帰ってくるとの知らせが入った。彼女もメンバーである可能性はその時点では十分にあったから先ずあの山中で彼女を観察する事にしたのだが、そこでトラブルが起きた。

男爵の娘がゴブリンに襲われたのだ。観察だけに留めるつもりが手助けする羽目になってしまった。これも男爵の差金かと最初は思ったが意外にも想定外の事故であったらしい、俺は無事帰宅したクラリース・ダンドレジー嬢に自分を監視する様にメモを残した。目的は彼女の意思を探る為の揺さぶりと監視、見られていれば逆に監視は容易などと思いつきで試してみたが予想外のイベントを発生させてしまった。

あの夜、書斎に男爵の研究日誌が隠されている事を突き止めた俺は、深夜皆が寝静まった時に探しに出かけた、例え起きている人間が居たとしても殆ど物音を立てていないから気づかれることなんて無いと高を括っていたのが不味かった。

集中してエロ小説を読んでいた彼女は周囲の物音にめちゃくちゃ敏感になっていたのだ。結果目当ての本を見つけたものの尾行されてた事に驚いた俺は本を置いて窓から逃げる羽目になってしまった。

こうして折角の資料が敵かも知れない彼女の手に渡ってしまった。結論から言えば幸か不幸か彼女は何も知らなかった。俺は彼女の部屋に少しずつ眠りガスを流して本を回収、そうして今日の地下室大乱闘へと至ったわけだ。


「わかったかな?」


クラリース・ダンドレジー嬢を椅子に座らせこれまでの経緯を語って聞かせた。未だ頭が混乱しているのか何とも不安気な表情をしている、無理もない、ついさっきあんな目に合ったのだ。


「あの、それで領地はどうなるんですか?お取り潰しとか?」

「流石は政治家の娘か、自分の身よりも領地の心配とはいやはや、男爵殿も見習って欲しかったね」


俺がケラケラ笑うのをただじっと見つめている。


「ふむ、確かにいきなり領主死去では領地の運営に支障が出るからな、そこでコロジョン・ダンドレジー男爵には今しばらく生きていて貰う事にする」

「えっ?でもどうやって?」

「おいおい、さっき地下で見せただろ?あの手を使えば当面は問題無いさ」


農業改革・産業革命・識字率の向上・医療の発展・衛生美化とやりたい事は山ほどあるが


「まずは三日後のゴブリン大討伐と澱みの沼の浄化だな」

「わ、私はどうすれば・・・」

「あ~君、王立学院で政治・経済を学んでたんだよな?」

「はい」

「俺も大物の影武者とかやってたからある程度の知識と経験はあるから是非俺の助手をやって欲しい」

「私はここにいて良いんですか?」

「美人さんは歓迎だよ」


俺は彼女の机の引き出しに手を突っ込んで例のエロ小説を引っ張り出した。彼女、クラリース嬢は顔を真っ赤にして慌てている。


「特にこんなドスケベな女の子ならば尚歓迎だね」

「ちょちょっそれは」


彼女が口をパクパクさせてる間にざっと目を通してみる。


「しっかしエグいっつーか悪趣味つーか、この著者はアレか?多分妄想でコレ書いてるぞ」

「なんでそんな事までわかるんですか!?」

「そりゃお前、この本の通りヤッたら確実に病気になるぞ」

「びょっ病気になっちゃうんですか?」

「そりゃ○○で洗浄もしてないトコロに××とかマズイだろ」

「じゃっじゃあこのページの×××を△△△するのは・・・」

「・・・本当にそんなことやったら死ぬぞ」

「そっそんな・・・」


イカンな、この世界の保健体育は未だ発展途上と見た。これはしっかり教育しておかないと間違いが起こったら大変だ。


「とりあえず実技はナシで座学を割とマジで一から教えるからしっかり学んでね」


俺は素早く服を脱ぎ捨てると女性の姿に変装した。服はこっちの世界で調達したブラウスとスカートだが容姿と声は前の世界での高校時代の教師をモデルにしている。


「・・・本当に誰にでも姿を変えられるんですね」

「流石にあからさまに身長差があると無理よ」

「そんな、声まで変わちゃって」

「私のことはこれからゆっくり教えていくから」

「そうだ、それです。私はまだ貴方の名前すら知りません」

「あれ?そうだったかしら?」


俺は腕組みしてセクシーに足の組み換えもしながら考えてから答えた。クラリース嬢が俺の股間の辺を注視していたがあえてツッコミはしなかった。


「庭師サブロ コロジョン・ダンドレジー男爵 アカネ・ツルタ ユウキ・クラタ メアリ・エルキュリア姫 パロット・エルキュリア王子 怪盗ナイアール等好きに呼んでもらって構わないですが一番最初に名付けられた本当の名前はダンゾウ・エンドウ・・・俺・・・もとい私の故郷ではファミリーネームが先頭に来るから遠藤・段蔵が正しい名前ね」

「ダンゾーはこの領地で何をする気なの?」

「良いところに気づきましたね、私の第一の目的はこの国で遊び回り女性を沢山侍らせる事ですがその為にこのダンドレジー領地を発展させたいと思います。まずは農業改革が先決でしょう、食べ物はたくさんあってナンボですから」


農具の改良や輪作の改善、農民の待遇改善なんかも調査した結果行わなければならないだろう、農業はやり方さえ間違えなければかなり儲かる業種なのだ。農民の皆さんにはガンガン儲けてもらってモチベをアゲてバリバリ働いてもらうとしよう、作って欲しい作物も沢山あるしね。


「本当に貴方がこの領地を発展させてくれるのですか?」

「信じる信じないは貴女次第ですがそんな貴女自身はあまり選択肢が無いのではなくて?」

「もし協力を拒めば?」

「知り過ぎてしまった人間とはいえこんな美少女を殺してしまうのは惜しいからサクっと軟禁して調教コースだね」

「素直に協力したら?」

「私が手取り足取りその身体に優しく快楽を植え付けてあげるよ」

「同じじゃないですか」

「いいねいいねこの打てば響く感じ、心地いいねぇ。それじゃあ先ほどのここに居て良いかの答えを単刀直入に言います」


俺は真剣に彼女を見つめ、彼女も同じく真剣な表情でこちらを見つめ返す。


「クラリース・ダンドレジー、貴女は私の情婦になりなさい、知らなかった事とは言えダンドレジー家が行った非道の清算は貴女の義務です。拒否権は一切ありません」

「うっ・・・はい・・・」


彼女が頷いたのを見てようやく俺の計画が(多少強引ではあるが)一歩進んだ。


「それでは立派な淑女になる為の勉強をみっちり叩き込んであげるわ。とりあえずゴブリン討伐までの期間はひたすら座学ね」

「座学・・・」


彼女の目があのいかがわしい小説を捉えるが俺はヒョイっと本をしまった。


「だからこれは忘れろ」


こうして俺達は領地経営の合間に保健体育の授業を行って過ごした。


◇ ◇ ◇


ある夜、俺とクラリースは不思議なモヤの中にいた。モヤの向こうからガラガラと何かを台車で運んでくる人影が見えた。


「アイテムはいらんかぇー?レアアイテムが揃ってるよー」


人影の正体は俺の後輩、魔法使い新堂英一だった。


「よっす先輩、しばらくぶりっす」

「いきなり人様の夢に介入して一体何の用だい?」

「いや~俺最近アイテム屋を始めたんっすよ。これが中々好評でちょっと先輩にも見てもらおうかと思って」


クラリースは話が飲み込めずポカンとしている。


「初めましておぜうさん、俺こそは宇宙最強の大々魔法使い、いつもニコニコが売りのエイイチ・シンドーで~すパンパカパーン」


新堂の後ろから花火が上がりド派手なファンファーレが鳴り響く、事態は混乱の極みだ。


「それで?アイテム?どんなのがあるんだ?」

「今日先輩にオススメするのはこれっす」


ジャーンと取り出した物体はコスプレ衣装でよく見かける奴だ。


「本物そっくりに動く獣耳尻尾セットー」

「おおっ」

「犬系・猫系を含む数十種類の哺乳類の耳と尻尾をこのワンセットに全てインプット、色・模様・大きさもココのスイッチ押したら出てくるタッチパネルで自在に変更可能、装着者以外に外せないし繋ぎ目はホログラフィックなカモフラージュで全く見えないっす」

「でもお高いんでしょ?」

「こっちのお金で三百万っす」

「普通に高けぇよ」

「払えるっすよね?」

「払えるけどさ」


今までの変装で使ったなんちゃって獣耳とは出来の違うリアルな逸品にかなり心を動かされた。


「ええいわかった買ったるわ」

「毎度あり~」


一方クラリースはしげしげと台車の中身を調べている。


「おぜうさんも何か買っていくかい?」

「はあ、魔法使いって四極星の方なのですか?」

「四?何?」

「この世界でそれぞれの属性を極めたとかいう四人の事らしいぞ」

「ふ~ん、この世界の人は四大元素思想+光で属性の放出と属性の付与が出来るのは知っているけど他に何が出来るっすか?」

「えっ?他に出来る事ってあるんですか?」

「無いらしいぞ」


それを聞くと新堂は満面の笑みを浮かべた。


「ならば真の最強っていうのがどんなものか見せてあげるっす」


そう言うと新堂は台車から大きめの木箱を取り出した。


「調理セットですか?」


木箱の中には包丁・お玉・泡立て器・フライ返し等が綺麗に並べられていた。


「唯の調理セットにあらずっす。高級ステンレス鋼の表面に先輩の叢雲・改と同様オリハルコン&ナノマシンの複合コーティングを施してある究極の調理セットっす」

「オリハルコンってあの伝説の神鉄ですか?!信じられません」

「効果は使ってみるとわかるっすよ、今日は先輩がポンと大金出してくれたんでサービスで調理セットは差し上げるっす」


そう言うと新堂は来た時同様台車を運んで去って行った。


◇ ◇ ◇


目を覚ますと部屋の机に獣耳セットと調理セットが置かれていた。

新堂君マジチートなので主役にはなり難いキャラです。こっちの世界の一流魔法使いでも束になっても勝てません。次回は対ゴブリン軍団戦と早くも次のヒロイン登場か?

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