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遊人現代忍者、王国ニ舞ウ  作者: 樫屋 Issa
怪盗 王国ニ舞ウ
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第二十七話 怪商人 カーノティ 中編

本当は後編になる筈だったのになんか長くなっちゃいました。

竜巻は今やオデルの制御を離れてどんどん巨大化していく、それと同時にオデル自身の魔力も竜巻の中に吸い取られるかのような感覚がある。

カーノティが連れてきた戦士達はさっさと安全圏に退避してしまった。


「???何だ?一体何が起こっている!?」


ふと、オデルは竜巻の中から声が聞こえてくるのに気が付いた


『なや・・・ここ・・たり・・るべ・・・ゆら・・』


やがて竜巻はオデルの魔力を吸いながら上空の一点に集まり始めやがて竜巻が圧縮された暴風の塊となった時その人物の姿がはっきりと見えた。

そこに居たのはカーノティなどでは無く純白のドレスを着た黒髪ボブカットの少女、そしてその首元には【スービーズの首飾り】が輝いていた。


一・二・三・四(ひ・ふ・み・よ) 五・六・七・八(い・む・な・や) 九・十(ここの・たり) 布留部(ふるべ) 由良由良止(ゆらゆらと) 布留部(ふるべ)


オデルがよく知る少女、オデットはうたうように祓詞はらへことばを唱えながら見たことの無い刃を天に掲げている。


「貴様!何者だ!!」

「お忘れですか?お兄様、妹のオデットでございます」

「そんな・・・そんなバカな話があるかぁぁぁぁぁ~~~~!!」


オデルは再び竜巻を発生させようとするが上空の風の塊から風の弾丸が放たれ止められてしまった。そして風の塊はゆっくりとほどけていき中から子供ほどの身長の美女が姿を現した。

白い肌に流れるような緑の髪、左目は黒く右目には黒い眼帯を着け右手には魔法の紋様が複雑に描かれたタトゥー、素肌に地球の空軍で見られるような背中に風属性のエンブレムが刺繍されたフライトジャケットを着て下は短いジーンズを穿いている、上下ともファスナーは開けっ放しでかなり際どい格好だ。

解析ツールをかざして情報を確認する。


名称:シルフ及びエアリエルに近い大気と風の妖精 正式名称不明


大気に潜む弱小精霊が“叢雲・改”の莫大な霊力の影響で異常進化した神のライオンクラスのパワーを持つ大気を司る大妖精。


「我はエアの精。我を呼びし術者よ、我が力を欲するならば我を名付けよ」

「ならばお前の名前はオータム、今日からお前も俺の伴侶だ!」

「汝を我が主人と認めよう」


その瞬間草原に清き一陣の風が流れた。


「この世をかたどるすべてはくう・・・天をめぐる意思・・・すなわち惑星ほし!我等大妖精とはこの惑星の意思なり」


オータムの右腕のタトゥーが光り輝き掌に暴風で作られた球が膨らんでいく。


「我が汝に与える祝福しゅくふくせいという名の快楽、何人なんぴとたりともあらがえぬ・・・人はただ・・・自らの意思かいらくじゅんずるのみである!!」


オータムから放たれた一撃は大気さえも切り裂きながらオデルを吹き飛ばした。オデルも体勢を整えながら反撃に移るが・・・。


「自身の中に宿る意思という名の快楽にこそ理想・正義・勇気が生まれるのだ。意思の弱きたましいなどちりひとしい」


オータムからは無数の衝撃波ソニックブームが放たれオデルの足を止める。


「総ての意思が惑星ほしにも等しきチカラを創るのだ!!」

「オータム、風と大気を自在に操れるんだったな?振動は?」

「無論」

「ならば指向性音響攻撃130dB、可能か?」

「我が主人の御心のままに」


オータムは眼帯を外し黄金の右目をあらわにしたがそれは今までの激しい攻撃とは一転して何も起こっていない様に見えた。少なくとも観戦している戦士達も何も感じず何も聞こえなかった。当然オデルも何かしらの強大で派手な攻撃が来るものだと予想していたがそれは間違いだった。

最初に感じたのは鎧の妙な振動、その後オデルは大剣を落とし耳を塞ごうともがいた。空気を振動させ狙った方向に音情報を送る為オデル以外には聞こえないのである。130dBだとかなりの苦痛を感じる事だろう。


「あ・・・がっ・・極星である私が・・・なぜ・・・私の意思が弱いからなの・・・?」

いな!!」


突撃してオデルに肉薄した少女は手にした刃で鎧の留め具部分のみを器用に切り落とした。


貴女あなたもまた強き意思を持つ人なのだから」


分厚い鎧の中から出てきたのは背中に小さな純白の翼を生やした黒髪でボブカットの少女、つまり今段蔵が変装しているオデット嬢であった。

段蔵は彼女の手を取り立ち上がらせる。


まことの思いをもって極星という大きな翼を手に入れた貴女なら知っている筈だ。自分と向き合う事で意思は限りなく成長する。今は少しその事を忘れているだけさ」

「・・・・・はあ、負けました。この身体好きに使ってくださいっ・・・とその前に、それ本物の【スービーズの首飾り】ですよね?いつの間に?」

「むっふっふ~、オデットは決闘に向けて集中してたしその程度の警備なら自分()の庭みたいなもんだ。ここに来る前にささっと頂きました。どう?似合ってる?やっぱりこの首飾りにはこの顔がよく似合う♪」

「いつから私がオデルだと気付きました?」

「最初に会った葬儀の時、この姿に見覚えは?」


段蔵は煙幕と共にメイドに変装した。


「?葬儀?どちらの方の葬儀ですか?」

「そりゃ、このオッサンだよ」


次に段蔵は閃光を放ちコロジョン・ダンドレジー男爵に姿を変えた。


「!?ダンドレジー男爵!!」

「そしてその後に出会ったのがこの姿だな」


段蔵がパチンと指を鳴らせば本来の段蔵の姿へと戻った。


「ダン会長・・・まさかクラリースの夫がナイアールなの!?」

「最初に会った時明らかに他の人とは違う異質な気配を感じた。その後でお前の兄が極星だと聞いてピンと来たんだ。兄なんて居ないんじゃないかってね。手足を応急手当した時に確認させてもらったしな、大方愛娘が余計なトラブルに巻き込まれないようにする為の伯爵の配慮だったんだろうが、肝心の娘がお転婆過ぎたな、嫌いじゃないけど」

「昔から森で遊んでは傷だらけになって帰ってよくお父様に怒られたものだわ。今でもオデルとして活動する度に気が気じゃないみたいだけど」

「それではオデット嬢、私は貴女を妻として迎え入れ、約束通り妻の故郷を全力で支援しよう。手始めに領内に巣食う盗賊の一派を殲滅する!」


後ろに控える女戦士達が一斉に立ち上がる。


「ずっと気になってたけどその人達は?」

「無論俺の大事な妻達さ」

「・・・え?」

「さあ、新しい家族をみんなに紹介しなくちゃな」


星の智慧スターリー・ウィズダム社ペレンナ支部~


「何でありますか!!何でありますか!!この見るからに“ザ・中二病”みたいな奴は」

「無礼者、我をその様な俗な名で呼ぶな!我こそは惑星の意思の具現、世界の調停者!」

「惑星の意思!世界の調停者!笑い過ぎて腹いてーでありますwwww」

「ふえ~~~~~~ん土臭い妖精がいじめる~~~~~~あるじさま~~~~~」


スプリングに笑われたオータムは涙目になって段蔵の背後に隠れてしまった。


「何だ、すごいセリフを沢山言ってたけど違うのか?」

「どんなセリフを言ってたか知らないでありますが・・・まあ、ある意味簡単に想像つくでありますがそこらへんに偶々(たまたま)居て偶々魔法の源に使われてこりゃまた偶々パワーアップ出来た妖精が惑星だの世界だの大いなる意思だの笑っちゃうでありますpgrであります」


そんなやり取りを見ていたオデットががっくりと肩を落とす。


「全部妖精の戯言だったんだ・・・それなのに真面目に聞いて理解しようとしてた私って・・・」

「戯言じゃないもん・・・宇宙の真理だもん」


段蔵はオータムの頭をポンポンと撫でた。


「ああいった場ではノリってものもあるから結構楽しかったぜ、手の紋様が輝いて魔法出したり眼帯取って本気を出したり」

「ぷぷぷ~~~そんな事までしてたでありますか~~~。マスター、そんな事をしなくても妖精は自分の属性に関する魔法ならば魔力消費量の差はあれど自由に使えるであります。むしろ光ったりするような演出は本来より余計に魔力を使うであります」

「ううううるさいな!あたし・・・じゃなかった・・・我の力は主人との愛によって輝きを増すのだ。貴様が語る事では無い!!」

「愛と来たでありますか、ならば新人歓迎も兼ねて今夜寝所で勝負するであります!」

「望むところ、我が魂の姉妹と共に貴様を肉欲のヘルヘイムへと叩き落してくれる」

(なんか私を見ながら魂の姉妹とか言っちゃってるけどもしかしなくても私の事なんだよね)


そんな中段蔵が帰ってきた事を聞きつけたクラリースも部屋に入ってきた。


「ダンゾー様、極星との勝負は?オデットはどうなりましたか?」

「オデットならここに」


クラリースはオデットに駆け寄って抱きしめた。


「ごめんなさいオデット、私子供の頃貴女を馬鹿にした事をずっと謝りたくて・・・それでも言い出せなくて」

「別にいいよ、私はクラリースのおかげで極星になれたんだからさ」

「えっ?オデットが極星?」

「まあ、その辺の事も含めてゆっくり話そう」


~その夜~


「当家の新人歓迎・・・もとい新妻歓迎会といえばやっぱり“これ”でありますな」

「ねえ、ホントにやるの?」


部屋の中には思い思いの格好で集まった妻達がオータムと寝間着姿のオデットを見つめている。


「ちょっと、そこで物凄い下着着けてる貴女!確か密輸でお取り潰しになった×××家のご令嬢じゃありませんでしたか?貴女が内部告発した事で発覚したとかなんとか」

穴あき下着のマゼンタ「×××家?な・・・何の事かしら?わたくしは何の変哲も無い愛の使者ですのことよ」

「そっちの貴女は確か使用人に非道な仕打ちを繰り返していたという噂のシアン女史では?」

亀甲縛りのシアン「ええ、使用人など高貴な私の言う通りに動いていれば良いのですわ」

「・・・何で縄で縛られた状態で四つん這いになってメイドに踏みつけられてるのよ?」

亀甲縛り「当然高貴な私が命令したからに決まってますわ。私を縛り上げ踏みつけ罵倒し家畜であることを徹底的に身体に刻み付ける事を態々(わざわざ)許可して差し上げたのよ。こんな世界がある事を教えてくれたダン様には私の総てを差し出してもまだ足りないわ!」

「ソウデスカ・・・そちらの貴女は確か献金を着服していたインチキシスター」

裸族のイエロー「私は自身の罪を償う為所持品の一切を売り払い皆様にお仕えすると心に決めたのです。罪深き私の欲に穢れた肉体も愛していただけるなんてなんと慈悲深いお方なのでしょう」

「ああ・・・うん、反省してるならまあいいや」


ネグリジェ姿のクラリースの登場と共に他の妻達が急に水気を帯び始め熱い吐息を漏らす。多少強引ながら積極的に他の妻達を喜んで受け入れるクラリースの姿勢にはファンも多く実際にしとねを重ねた者も段蔵とは別の魅力をクラリースから感じていた。狸姉さんの話では体内の膨大な魔力を無意識に使って耐性の低い女性を魅了しているのではないか?との事だった。


「成程、これが我等との結束を固める為の儀式だな?我が魂の姉妹よ、今宵の宴は我が千の魔法の真価を引き出すため主人の精を浴びるほど飲もうぞ」

「精を浴びるほどって・・・」


扉が開かれ今度は段蔵が入ってきた。妻達は皆雄の登場に目をギラつかせている。


「それでは今日魔法を沢山使って疲れているオータムちゃんからお先にどうぞ、妖精さんは情事を行う事で魔力を得られるんですよね?」

「無論である。この場に溢れる魔力の渦は我の極上の馳走だ・・・しかしその・・・アレだ・・・精神を集中させる為に少し時間を・・・ちょ・・・ちょっとまっ・・・大き・・・ふええぇぇぇ~~~あるじさま~~~~~」

「さあ、オデットも一緒に楽しみましょう」

「この家どうなってるの~~~~!?」

「最初に来た人は皆それ言うでありますが、そのうち慣れるでありますよ」


◇ ◇ ◇


~ダンドレジー家秘密修練場~


「盗賊達との戦い、そして前回の俺との戦いでの敗北は相手を甘く見た事にある。初撃を確実に当てていればオデットの実力ならば倒せていただろう」


段蔵のこの言葉は紛れもなく事実であった。実際オデットが段蔵の挑発に乗らず余計な脅しをしていなければ段蔵は手も足も出ずに負けていたであろう。


「これから俺たちが戦う敵は油断すれば確実に命に関わる類の相手だ。故に一瞬の判断力を鍛える訓練をしてもらう。スプリング!」

「了解であります」


スプリングは大量の土人形を出した。サイズは様々、人型から獣型あるいは異形型も見られた。


「この人形達の弱点は頭部だ。それ以外には一切の攻撃は効かない、そしてこいつらには常識は通じない、以上を踏まえて訓練開始だ!」


オデットは開幕早々巨大竜巻で目に映る範囲を一掃した。


「ほう、言った事を覚えていて感心感心」

「当然です。私は極星、この程度ならいくらでも戦えます」

「とか言ってすぐ調子に乗る。避けろ、阿呆が」


オデットは何の事を言われたか分からなかったが言われた通り体を動かそうとして、動けなかった。足元を見れば頭と腕だけが地面から生えたような土人形が自分の足を掴んでいる。そして上空からは異形の土人形がすぐそばまで押し寄せて来ていた。


「嘘、土人形が空を飛ぶなんて・・・」

「オータムにも協力してもらってる。これならアスタルト達やロックのオッサンの方が戦闘センスは上だな」


オデットは魔法で対空攻撃を行うが一歩遅かった。四方八方から押し寄せる土人形に押さえ込まれて身動きが取れなくなってしまった。


「今回の場合は土人形は飛べないという先入観からの敗北だな」

「普通土人形は飛びませんよ・・・というか土人形と戦う機会そのものがありませんよ」

「成程、それじゃあ敵相手に首を落とされる瞬間に同じ言い訳をしてみるか?連中はあらゆる卑劣な手段で攻撃してくるぞ、それに対抗するにはこちらもあらゆる事態を想定して動かねばならない、特に俺達は守るべき人が多いからな、情報収集と事前準備と退路の確保を怠ってはならない、次はアスタルトとミーネのコンビと戦闘だ」


ザッっと前に出てきたのはローブを着た緑肌の小鬼ゴブリンの女の子とルーンの刻まれた巨大なハルバードを片手で軽々と扱う最早着ている方が破廉恥に見えるレベルの極小極薄の服?を着た熊獣人の女性の二人。


「よくわかんないけど肌にビリビリ突き刺さるこの感覚が極星の魔力ってヤツ?」

「・・・・・総ての魔法使いの頂点・・・でも関係無い」


アスタルトが手裏剣を投げて牽制しその間にミーネがオデットに肉薄する。しかしオデットは上空に逃れ二人を倒す為の竜巻を起こす。


「パターン1竜巻×3!!」

「・・・・・風が強い・・・木の葉が舞う」


ミーネはハルバードで地面を抉り竜巻に向かってすくい投げる。土は竜巻に当たると土煙となって周囲に飛び散る。何度も何度も避けながらその作業を繰り返している。


「ミーネさんでしたね?フーディー家の。そういえば昔どこかのパーティーでお会いした様な気がします」

「・・・・・興味無い、無駄口叩く暇があるならさっさと来る!」


ならばとオデットは一際巨大な竜巻を地上に発生させたがミーネは満面の笑みでハルバードを構えた。


「・・・・・本気を出すまでも無い」


迫りくる巨大竜巻が最初に出た三つの竜巻も呑み込んでミーネに迫る。しかしミーネのハルバードに刻まれたルーンが光り輝きそのままミーネは竜巻に向かってハルバードを振り下ろした。


「竜巻が壊れた・・・?」


叩き割られた竜巻から風が吹き荒れ大量の砂埃が舞い土煙が大地を覆いつくす。


「ど・・・どうなったの?」


オデットが風で砂埃を払いながら不用意に着地した瞬間土煙の中からミーネが飛び出した。オデットが咄嗟に大剣で受け止めるがハルバードは紫電を走らせ輝きを増す。


「な・め・る・なぁぁぁぁ~~~!!!」


大剣に竜巻を纏わせ押し返しミーネと距離を取った。

そこでオデットは終わってしまった。


「あっ・・・あれ?力が・・・体がムズムズして・・ハァ・・・ハァ・・・んぁ」


オデットの身体は心臓の鼓動が早くなり体温が上昇し汗ばんできた。そして最も特徴的な症状は・・・。


「う・・・嘘、濡れてる。何で?」


吹き飛ばされたミーネがハルバードを担いで近づいてくる。しかしオデットは身体が疼いてまともに動けなくなってしまった。足にも力が入らなくなりへたり込んでしまう。そんなオデットを見下ろしてミーネは一言言った。


「・・・・・スケベ女」


その言葉を聞いた瞬間オデットは涙を流して・・・失禁してしまった。


「うわ~~~~~~~ん!違うのこ・・・これはちがうの~~~~~そんな・・・そんなんじゃ・・わた私、やだ~~~~~止まって~~~~!!」


土煙の中からアスタルトも姿を現した。


「あちゃ~~~、ちっと媚薬ガスが濃かったかな?」

「・・・・・タルト酷い、ド外道」

「この作戦言い出したのアンタでしょ!!何で私に全責任押しつけてんのよ」

「・・・・・だって私囮役しかしてないし」

「トドメはどう考えてもアンタでしょうが!!」


見物していた段蔵や妖精二人もやってきた。


「あ~~あ、泣かしちゃったか~。俺とミーネで休憩小屋まで運ぶからアスタルトは替えの下着とタオル取ってきて」

「・・・・・ご休憩♪ご休憩♪」



~お昼、ダンドレジー家食堂~


「それでオデットと申したか?朝っぱらからご休憩とは傑作じゃったのう♪」


朝の話は既に他の妻達の話題となっていた。別にこれはオデットに限った話ではなく家中のみんなが性技術を競い高める為狸姉さんが体験談をお互いに聞かせ合う事を推奨しているのである。

新妻にして極星エア・オデットの話はミーネ達の口から一気に広まってしまった。曰く“訓練中に発情した期待の三回戦新妻”として戦闘職の妻達の尊敬の眼差しを一身に受ける事となってしまったのだ。


「違うんです。そんなんじゃないんです」

「まったく、人数が増えたから順番が遅れ気味の娘も居るというのに、何が不満なのやら」

「実は、今日中に課題を攻略しないと私を盗賊退治のメンバーから外すと言われました」

「?良いではないか?妾ならばやってくれると言うなら喜んで任せるがのう」

「生まれ育った領地の危機すら救えなくて何が極星ですか!!」

「そんな事よりジェインはまた腕を上げたのう、どんな食材でも調理できるのではないか?」


今日は休日だったのかジェインものんびりとお茶を飲んでいる。


「買いかぶりすぎです姉さん、知らない食材は調理出来ませんし、そもそも何を知らないかすら私はまだ知りませんから」

「それではジェインよ、見た事も無い食材を調理せよと言われたら時お主ならどうする?ちなみに拒否権は無しじゃ」

「ええ~~?・・・やっぱり自分が知ってる調理法で何とかするしかないんじゃないですか?」

「成程な、それではオデットよ。お主なら自分の中に眠る風の魔力をどうやって調理する?」


それはオデットにとって衝撃的な難問だった。彼女は今まで自分の力を空を飛ぶ・放出する・属性を付与するといった具合に使ってきたがしかし料理とは同じ“焼く”であっても強火と弱火では結果が違う、前回のナイアールとの戦いで見た様に同じ風の力を持ちながらオデットと段蔵の力の使い方は全く違ったのである。ここでオデットは初めて自分の中の強大な力を自分自身がよく考えずに使っていた事に気づいたのだ。

そこからオデットの行動は早かった。


「ありがとうございます。何か分かった気がします」

「おう、がんばれよ若人わこうど


オデットは外に出て早速自分の力について確認する。


(といっても今から新しい事をしていたのでは間に合わない、ここはジェインの言ってた通り今持っている技で何とかするしかない!)

「まず、足を掴まれたから空を飛んで足元に竜巻を発生させる・・・空からも襲われたから上にも必要ね・・・そうそうガスでもやられちゃったから・・・」


~ダンドレジー家秘密修練場~


「来たか、この短時間で中々良い顔になったな」

「私は私に出来る事をやるだけです」


その後ジェインの見せた技は見物に来ていた人達を驚かすのに十分だった。

厨二の妖精の設定はかなり最初から考えていました。その頃はここまでヒロインが増えるとは思ってませんでした。

今回の登場人物のモデルは言わずと知れたバレエ音楽の白鳥の湖です。オデット(白鳥)=オディール(黒鳥)なのも同じバレリーナが踊り分けるところからきています。

関係無いですがジェ○シックガ○ガイ○ーの背中も黒鳥がモデルだそうです。

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