第二十五話 愛すべきモブ嫁話
モブ嫁とは言ってますが彼女達一人一人にドラマがある立派なヒロインです。他の名前付きヒロインにも負けていません・・・ただ、本筋とは全く関係無いだけです。
「お昼ごはん食べに来たら妻の人数が二倍以上に増えていた。何を言っているか分からないと思うが俺も何が起こったか分からなかった。催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ無ぇ」
「妖術じゃ!」
「ウルセー!バーカ!!」
「ちゃんと彼氏持ちと人妻は除外しておるから安心じゃ、妾は愛し合う二人の仲を引き裂く程悪女では無いぞ」
「ダンゾー様、この方はもしかして」
クラリースの疑問に狸姉さんは決めポーズで答えた。
「妾こそ段蔵の第一の妻、守鶴前ぞ」
「「「わ~~~~~~パチパチパチ」」」
後ろで控えていた女性達が待ってましたと言わんばかりに一斉に拍手をする。
「打ち合わせでもしてたのか!!・・・してたんだろうな~~」
「今まで散々お楽しみだったクセして何を辛気臭い顔をしておる?ああ、奥同士が喧嘩しないか不安か?そりゃあ多少の揉め事はあるじゃろうが、心配御無用この妾、女子を堕とすの得意中の得意、以前ちょっと奥の管理かじった事があるからのう」
「いいから術を解いてお家に返してきなさい!!」
「そりゃ無理じゃ、一度掛けると妾でも解けぬ」
段蔵は頭を抱えた。
「あ゛~~~~~もう、ホントにも~~~~~」
「ダンゾー様、あっちのあの人、おっぱいすごく大きいですね。ジュル」
「クラリース、ヨダレ出てる」
そんな中、役人の女の子が声を掛けてきた。
「ダン様、今日は夕方から紹介も兼ねて領兵達と巡回するのでは?」
「あったな、そんな話。てか領主の夫のお披露目って何だよ」
「領主様の夫は実質領主みたいなモノですから」
武装した女の子が何人か騒ぎ出す。
「それじゃあ私達はダン様と巡回する~」
「・・・・・しゃあ無ぇ、腕に覚えのある奴はついて来い、ミーネ アスタルト スプリングは屋敷の警備、オードリーはいつも通りフーディー領の管理、ジェインは残った女の子に何かご馳走して、残りのメンバーは女の子達に色々教えてあげて」
「妾は段蔵と行くぞ」
「お好きにどうぞ」
そうして段蔵達が出かけてその日の夜。
「お兄ちゃん、お昼より人増えてない?」
「話せば長くなるのだが」
予定では数時間で何事も無く終わる筈だったのだが、偶然にも人攫いの賊達を見つけてしまう。放っておくわけにもいかずついつい大活躍をしてしまった段蔵は救出した女の子や他の目撃者からの好感度が爆発的に上昇、そこへ狸姉さんが調子に乗って術を使ったもんだからまたしても増えてしまったのである。
「“何故か”親御さんもすんなり許可出すし」
「ホント何でじゃろうな~、妾わかんな~い」
狸姉さんが白々しい顔をしている。
「ダンゾー様、見知った顔も結構いますし問題無いのでは?」
「・・・・・多数決、賛成な人挙手!」
段蔵と眠っているイズンを除く全員の手が一斉に挙がる。
「クラリース・・・ああ、やっぱいいや聞かなくても分かる」
クラリースはさっきから女の子達の乳・尻・太股を目で追いかけてる。スプリングも人が多い方が魔力を集め易いから賛成なのだろう。クラリースの親友であるアンリエットも姐さん含む自分の仲間がいる事もあって賛成。
「ユナは何で賛成?」
「こんなにたくさん家族がいたらいっぱいゲームで遊べるから」
実にほんわかした優しい答えだ。段蔵は全面的に支持した。当然ユナが賛成ならばユナを可愛がってるユノも賛成、ジェインの仲間もいるので賛成。
「アスタルトは何で賛成?」
「魔物な私でもみんなちゃんと受け入れてくれたから」
どうやら既に仲良くなったらしい、フーディー母娘は立場的に正妻には逆らえないだろう、仮に段蔵が反対側に来るように指示を出してもたった2人だけなら結果は変わらない、ここに結論が出た。
「得意分野や趣味ごとにグループでも作って管理しやすくするか」
「そうじゃな、ところで話は変わるが子は出来たか?アンリエットとか言ったか妊娠中の娘がおるようじゃが」
「あの娘は・・・・・」
「む、悪いことを聞いたのう」
クラリースが恥ずかしそうに答える。
「あの、私お昼までにたっぷり出してもらったから多分デキてるんじゃないかと」
「だそうじゃが段蔵?」
「解析の結果はデキてないな」
「じゃろうな」
「今までの分も全部ハズレなんだよな、俺が異世界人だからか?」
「その答えでは3割正解じゃな、妾も過去に二度結婚をしたがいずれも子宝に恵まれなかった。何故成功しないと思う?」
「同じ世界の住人でも子が産まれない?オカルト関係の話か?」
「違う違う、もっと科学的な話じゃ」
「科学的・・・精子と卵子の鍵か!」
「どんなに姿が似ていても近縁種で無い以上受精は不可能・・・じゃが可能性は有る!伝承では狐の葛の葉が安倍晴明を産み落としておる。葛の葉がどれだけの天才でどんな術を使ったか知らぬが前例は確かに存在するのじゃ、そこで魔法使いに頼んだらナノマシンに細工をしてくれてのう」
「どんな?」
「一年程掛けてマスターナノマシンを服用した段蔵とコピーナノマシンを服用した娘達の鍵が無理無く合う様に調整しているのじゃ」
「つまり一年後にやっとダンゾー様との子供がデキるんですね?」
「というわけでさっさとコピーナノマシンを全員分作らんか、ハーリーハーリー」
こうして新たな嫁達を迎え入れ大幅に戦力が増強されたエンドー家は皆幸せに暮らしましたとさ。
~以下幸せの一例~
メカクレ少女(犬耳)「今日はお休みもらっちゃいました」
金髪縦ロール女騎士(人間)「メカクレちゃんも休みか?オレも非番だぜ」
ムチムチ熟女神官(エルフ)「あらあら、お二人ともお休みですか?それでしたら一緒にお茶でもいかがですか?」
縦ロール「いただくぜ」
メカクレ「いただきます」
ムチムチ「こうやって色々な方とお茶を楽しめるなんて、集落に住んでいた頃には考えられませんでした」
縦ロール「みんなは何でここに来たんだ?ダン様を慕ってるのは知ってるけど」
メカクレ「私は貧乏農家の五子で養うお金が無く売りに出されたのですがブスでちんちくりんだからお客さんが来なくてずっと雑用係をやってたんです。やがて娼館が服屋さんに変わってクラリース奥様達が来るようになって・・・」
ムチムチ「ダン様に出会ったわけですね」
縦ロール「ダン様カッコイイもんな」
ムチムチ「縦ロール様は?」
縦ロール「俺はヤベーゼ領の端っこにある村の村長の娘なんだが三百年位昔に当時の王様から騎士の称号をもらった家系で俺も兄貴達と一緒に剣の訓練してたんだけど家は兄貴が継いで俺のやる事が特に無かったから腕を買ってくれる所を探していたんだ。そんな時星の智慧社が物資輸送の際の護衛を募集していたから契約を結んだんだ。しばらくは問題無かったけどある日、失敗して山賊達に囲まれてちゃってさ、もうダメかと仲間達と震えていたらダン様やアスタルトに助けられたんだ。あの時のダン様カッコ好かったな~。あの時一緒に仕事していた女兵士達もオレと同じでここに住んでいるんだ」
メカクレ「ムチムチさんはどうしてダン様と知り合ったんですか?」
ムチムチ「私の集落はシントー領の山中にあり女神シェヘラとその双子神ド二アを崇めておりました」
縦ロール「神話に出てくる女神ルブランの姉にあたる姉妹神だな、神の戦士シャフリの妻達であり砂漠の王国では三神を祀る派手な武闘大会が毎年開催されてるとか」
ムチムチ「集落ではそこまで大きな事はしませんよ。ある日、山に巨大な魔物ムーンサルトベアーが現れて集落を襲ったんです。集落の戦士が十人程で戦い私も巫女を引き連れて魔法で援護をしましたが歯が立たず壊滅かと思われた時にダン様とミーネ様が助けてくれたのです。シェヘラの神官は強い戦士を夫とし癒すのが使命、ダン様が星の智慧社の代表と知り純潔の巫女数名と共にこの地に来ました」
縦ロール「そっか~みんなそれぞれ事情があったんだな~・・・・・なあ、正直“アレ”はどうだった?」
メカクレ「ふえ?“アレ”って何ですか?」
縦ロール「ほら・・・その・・・さ、最初の夜の“アレ”だよ」
ムチムチ「ああ、なるほど交合のお話しですね」
メカクレ「こうご・・・・あわわわわわ」
縦ロール「メカクレちゃん、真っ赤になっちゃった」
ムチムチ「これは参考までに聞いてみたいですね」
メカクレ「・・・・・初めての夜どうすれば上手くできるかクラリース奥様に相談したんです。そしたら一緒に見てあげるって奥様に抱っこされて頭をナデナデしてもらいながらそのまま・・・・・」
縦ロール「・・・・・これは予想以上に・・・」
ムチムチ「可愛いじゃありませんか、縦ロール様は?」
縦ロール「俺はミーネや他の仲間と戦闘訓練をしててさ、汗を流す為に風呂に行ったらアンリエットさんとダン様が先に入ってて、それでアンリエットさんがダン様のマッサージは気持ち良いよって勧めてくれて、これがホントに気持ち良くってさ身体がふにゃふにゃになってきてだんだん変な気分になってきて・・・・・真っ最中にアンリエットさんと目が合ってさ、すごく優しい目で汗だくの俺を見てるんだよ、アタマん中がワケわかんなくなっちゃって・・・・・気付いたらアンリエットさんが俺の身体を洗ってくれててやっとアタマがスッキリしたと思ったら今度はダン様とアンリエットさんが・・・・・アンリエットさんお腹が大きくなってきてて大事そうに守ってるみたいでさ、ダン様も優しく撫でてんだよ。なんか神秘的な儀式見てるみたいで目が離せなくなっちゃって」
ムチムチ「アンリエット様は悪漢に狼藉を働かれ望まぬ子を宿し、一度は死を望んだそうですがダン様がお腹の子も含め全てを愛すると宣言してからはお腹の子が誕生するのを心待ちにするようになったと聞いています」
メカクレ「ダン様が領主様に変装していた頃のお話しですね、私もその時お店で見ていました。ここに来てダン様がナイアールだって聞いてすごくビックリしちゃいました」
縦ロール「やっぱスゲーよな、王女様から密命を受けてるんだぜ!」
ムチムチ「澱みの沼の魔物ですらアスタルト様やイズン様のように美しい娘に変化させ、大地の精霊とさえも婚姻を結ぶ、やはり私がここに来たのは正しかった」
メカクレ「ムチムチさんはどうでしたか?」
縦ロール「確かシェヘラ派の女性っていったら性愛の守護者で夜の作法を十年以上掛けて修行するとか交わりながら治癒魔法を使うとか・・・・・ごくり」
ムチムチ「うふふ、それは百年以上昔の風習で今は一部の神官以外は普通の生活をしています。まあ私は神官ですのでかれこれ二十年以上修行をしてきましたが」
縦ロール「それってどんな?」
ムチムチ「最初に神官の純潔は神木という強い光魔法が込められた赤紫色の神器に捧げます。これにより神官は前よりも強い光魔法を使えるようになります」
メカクレ「痛くないんですか?」
ムチムチ「最初は当然痛いですよ、それに力が安定するまでは魔法を使ってはいけませんから大変でした。その後は神木に秘伝の薬を塗り入れたまま落さないように生活を」
縦ロール「大丈夫かそれ?病気にならないのか?」
ムチムチ「いえ、一日の終わりに巫女達が清めてくれますから、それにその頃には強力な癒しの魔法も使えるようになってますので、この修行によって肉体を神聖な魔力で作り替え交わった戦士をより強くするのです。かつて魔獣との戦いで瀕死の重傷を負った神の戦士シャフリをシェヘラとド二アの姉妹神が交合しながら千一夜治療を続けシャフリを以前よりも強い戦士に甦らせた神話に由来する修行なのですよ。それでも強い戦士に出会える機会が無くてそのまま次世代に譲る神官も珍しく無いのですが、私は幸運でした」
メカクレ「それでそれでダン様とはどうだったんですか?」
ムチムチ「殿方とは初めてだったのですが巫女達の見ている前ではしたない声をあげながら翻弄されてばかりで古の物語とは程遠い結果になってしまいました。いつの間にか御前様に見られていて『まるで女児みたいに余裕が無い』と笑われてしまいました。結構自信があっただけにショックでした。その後ダン様と御前様の行為を見学し改めて今度は巫女達を交えお相手をさせていただきました」
縦ロール「人のを聞いたり自分のをしゃべったりするのはやっぱ恥ずかしいなコレ」
メカクレ「そういえば皆さんはどんな仕事したりどんなグループに入ったりしてますか?」
縦ロール「俺は相変わらず星の智慧社で護衛の仕事だな、アスタルトの戦闘訓練グループに入ったりオードリーさんの領地再建を手伝ったりしてるぜ」
ムチムチ「私はイズン様やスプリング様と植物の栽培をしています。クラリース様は計画中の学校に私を教師として迎え入れたいようなのでアンリエット様達と数学を学んだりもしています。後は御前様から房中術なる性技術を学んでいます。メカクレさんは?」
縦ロール「メカクレちゃんならユナちゃんのゲーム研究グループとか姐さんの服屋とかじゃない?」
ムチムチ「ユノ様の芸術鑑賞グループかジェイン様の料理研究グループかもしれませんよ」
メカクレ「えっとですね~ミーネ様の×××グループです」
縦ロール&ムチムチ「「・・・・・・え?」」
メカクレ「この後ミーネ様達と遊びに出掛けるのでもう行きますね、ごちそうさまでした」
縦ロール「・・・・・なあ、ミーネのグループって確か」
ムチムチ「“妻としてより下の地位を目指す”を指針に特殊な趣味の方々が集まるグループですね。事情があってまだ妻になれないミーネ様とオードリー様が最も尊敬されているのだとか」
縦ロール「かなり変態的な行為を好むグループらしいけど」
ムチムチ「人は見掛けによりませんね」
これは今後の物語には特に関係の無い、それでいて愛すべき妻達の自由な生活の一コマである。
◇ ◇ ◇
~ダンドレジー屋敷 クラリースの私室~
ここでクラリースは自分を含む妻達の行為を詳細に記録し文書に纏めていた。段蔵に言われて始めた事だが今では趣味の一つとなっている。
「ふふふ、お部屋で親友に見られながらダンゾー様と交わったお話し、面白かったわよ」
部屋には椅子に座るクラリースと顔を真っ赤にして自身の体験談を語るドレス姿の少女、クラリースの聞いた話ではどこぞの没落貴族の娘だという。
「後は、そうね・・・。今からその現場を再現してみない?ここのベッドでゆっくりと・・・今度は私と二人きりで、ねえ?」
クラリースが少女のドレスのリボンに手を伸ばした時に天井から勢いよく黒い影が落ちてきた。あまりの出来事に少女が涙目になっている。
「ダンゾー様、折角好い感じに堕とせそうだったのに、台無しじゃないですか!!」
「ごめんなさい・・・って何で俺が怒られてんだよ!コノコノ」
段蔵はクラリースのほっぺたをグニグニと引っ張った。
「欲求不満ならいつでも相手になるのに女遊びばっかりしやがって、お仕置きじゃ~」
「ふぉめんなひゃい、ふぉめんなひゃい」
ようやく解放されたクラリースは真っ赤になったほっぺたをさすっている。
「結構な目撃証言を聞いたけど何人に手を出したんだ?」
「・・・・・十人くらい・・・かな?」
「二十五人だよ!しかもたった六日で、何で俺の2倍以上に手を出してんだよ。ビックリするわ!」
「ほら、お互い自己紹介が必要だから」
「ほ~~~~~、それじゃあ俺の大好きなクラリース奥様は初対面の女性をベッドに引きずり込んで全身を弄った挙句キスして▽▲の味を確認した後□□□□□を××して○○させるのが自己紹介だってんだな!?」
「ま・・・膜は残してあるし・・・」
「そういう問題じゃねーからコレ、前もユナちゃんに嫌われたばっかりだろ、俺が相手になるから少しは我慢しなさい」
「夫婦の営みと女遊びは別なんです~~~~!!」
「普通はそれ男の言うセリフだぞ・・・ったく、これじゃあ次の新婚旅行が思いやられるぜ・・・」
クラリースは新しい単語に飛びついた。
「どこ?どこか旅行に連れて行ってくれるんですか?」
「ああ、行先は“ペレンナ伯爵領”だ!!」
ドレスの少女はそっと退室しようとしていたが、しかしクラリースからは逃げられない。
「詳しいお話はこの娘を可愛がりながらゆっくりお聞きします」
「ベッドの中で・・・だな」
◇ ◇ ◇
~十数年後、アンリエットの娘ソニアのインタビュー記録より~
「養父様はお母様とお母様の連れ子だった私を含め数多くの女性を妻としています。ですが決して見境の無い人間ではありません。養父様は彼なりのルールに沿って女性を愛しています。むしろ女癖が悪いのはクラリースお母様の方でして・・・、養父様は決して横恋慕はしないのですがクラリースお母様は以前人妻に手を出そうとして怒られていました・・・ええ、養父様では無くクラリースお母様が、です。まったく、少しは自重しないとまたユナ姉様に・・・いえ、こっちの話です」
モブ嫁達の存在は本編とは無関係ですが会話の内容は微妙に伏線だったり裏設定だったり。
23話までは古くなったボロボロの眼鏡で書いていて毎日の様に頭痛に苦しめられていましたが眼鏡を買い替えてからは頭痛が無くなりました。ABC殺人事件でポワロさんが言っていた通り眼鏡は自分に合った物を着けるべきですね。




