第二十四話 炎の結婚式 (生)本番編
新展開に向けての一区切り、新たな敵も登場。
本日は晴天、領内の村や街からは祝いの品が送られてきていた。各地からも有力者が多数出席している。
いつもの光術師やクラリースの恩師の学院教授にデリシャ・アジオ侯爵、ペレンナ伯爵家の夫人とその娘のオデットさん、ジメマ卿や仕立て屋の姐さん達にジェインのレストランのスタッフ達、星の智慧社の社員や領地の役人そしてアイリーンとリトの捜査コンビ。
「この料理、さっきまでジェインと新郎がダブルジェインで仕上げた特別仕様だなんて誰も分からないんだろうねぇ」
段蔵はドヤ顔で料理の完成度に満足しているが一方でジェインは悔しそうだ。
「料理の腕には自信あったのですがフォローまで入れる程の余裕を見せられると自信を無くしそうです」
「俺がここまで先読み出来るのもジェインが真剣に研鑽を積んできた証さ、中途半端な奴だとここまで上手く噛合わないからな、誇って良いぞ」
パーティードレス姿のオードリーが段蔵の手を取る。
「ご主人様、今日の主役の一人がいつまでも仕事をなさっていては折角の式が台無しですよ。レディ・クラリースの支度も整いましたしこちらへどうぞ」
案内された部屋には金色の髪と眼鏡の奥に輝くエメラルドの瞳を持つ美少女が純白のドレスを身に纏い微笑んでいる。
「綺麗だ・・・」
天女ってのはこんな感じなのかと段蔵は思ったがふと横を見てみると相変わらずふくれっ面のユナが椅子に座っていた。
「なんだユナ、まだ怒ってるのか?確かにクラリースは強引で加減知らずなところがあるからな、でも見てみろよ。今のお姉ちゃんとても綺麗だろ?いつまでもふくれっ面だとお姉ちゃんみたいに綺麗になれないぞ」
「お兄ちゃんがそう言うなら・・・・・うん、わかった」
「よし、それじゃあお姉ちゃんと仲直りだ」
ユナはクラリースの元に近づいて抱擁してクラリースはユナにキスの雨を降らせた。これで漸く解決したかと思われたがあまりにもクラリースのキスが激しい為ユナが暴れ始めた。
(やっぱダメだこりゃ)
クラリースを強引に引き離しその手を取って外に設置された祭壇へと向かう、出席者は主役の登場を笑顔で迎えてくれた。
ルブラン教の婚礼儀式をいつもの光術師さんに行ってもらった。
「いかなる時も互いを愛し真心を尽くすことを女神ルブランに誓いますか?」
「「誓います」」
口づけを交わして術師さんが婚姻の成立を宣言した。ここからは宴の始まりだ。
クラリース以外との婚姻に関しては非公式なのでとりあえずユナ ユノ姉妹はクラリースの家族として、フーディー母娘は星の智慧社の幹部として普通のドレスで出席してもらっている。アンリエットとジェインと領内の有志で宴の準備と運営を行ってもらいアスタルト スプリングは有事の際の護衛として隠れて活動している。あとイズンは寝てる。
「ほう、星の智慧社では砂糖の採れる植物の栽培研究をしておるのか?成功したらアジオ領にも欲しいのう」
「星の智慧社が開発した農具の御蔭で農作業が随分楽になりましたわい」
「今度領主様は子供たちの為の学校を建てるのだとか」
「たいちょ~、そろそろご馳走食べるっスよ~」
「まだダンドレジー家への疑いが晴れたわけではありませんわ、どんな事でも細心の注意を・・・って何先に食べてますの!?私の分も残しなさい!」
段蔵が出席者の女性の一人に目を向けた。
「あの娘確か、ペレンナ伯爵家のオデットさんだったっけ?」
「ええ、今期(50年周期)の極星を輩出したペレンナ家のご令嬢ですね。うう、私子供の頃に翼が短くて空を飛べないオデットを揶揄った事があって何年か経ってお兄さんが極星になったと聞いて報復を恐れた時期がありました」
「・・・・・どんな時でも安易に相手を見下すなよ、命取りになるぜ」
「反省しています。それでオデットがどうかしましたか?」
「首飾り、綺麗だなと思ってね」
「次の獲物ですか?」
「ああ、それに“アレ”との勝負は中々楽しめそうだ」
「?」
段蔵が次の標的を定めた時、段蔵達にスプリングからの念話が聞こえて来た。
『皆様、妙に派手で悪趣味な馬車が近づいているであります。恐らく招かれざる客であります』
スプリングの言う通り下品な金ピカ馬車が到着すると中からこりゃまたガラの悪そうな取り巻きを連れた貴族のボンボン(エルフ)が姿を現した。
「クラリース、このザハーク公爵家のグリド・ザハーク様を差し置いて誰と結婚しようとしてるんだ?」
突然の闖入者にまずアジオ侯爵が不快感を示した。
「なんじゃザハークの小倅が、貴様の様な下品な男なんぞお呼びでないわ、疾く去ね」
「これはこれは、娼婦如きに負けたというアジオ侯爵様ではありませんか?こんな見窄らしい集会に参加されるとは益々名が落ちますな」
「あのお方は貴様みたいなクソ餓鬼如きが馬鹿に出来るお方では無いわ!!」
グリド・ザハークとアジオ侯爵が言い争っている間に段蔵はクラリースに質問する。
(クラリース、あいつは?)
(ザハーク公爵家のグリド・ザハークですね、学院時代に少しだけ意気投合した事があって)
(結婚の約束でもしたの?)
(してません!!あっちが勝手に言ってるだけです!!)
その時“ガシャン”と食器が落ちる音がした。見ればアンリエットが真っ青な顔をしてグリド・ザハークを見ている。
「ふん、この家は使用人の教育すらロクに出来ないのか?やはりクラリースは我がザハーク家に置く方が相応しいな」
俺とクラリースでアンリエットを支え一旦屋敷内に入った。
「アンリエット、首を縦か横にふってくれればいい。“アイツ”がそうなんだな?」
アンリエットは首を縦に振って肯定した。
「ダンゾー様、まさかグリドがアンリエットを!?」
「決めた。ザハーク公爵家は徹底的に潰す!!奪えるモノは奪い壊せるモノは壊す!!」
そう言うと段蔵は再び会場に向かった。
「貴族気取りがボクをどうするつもりだ?お前なんか公爵家の力でどうとでもなるんだぞ」
「ぬわんですってええぇぇぇ~~~~このグリ公がぁぁぁぁぁ~~~!!」
今度はアイリーン隊長も巻き込んでの騒動に発展したらしい。段蔵は間に割って入りグリド・ザハークと対峙した。
「これはこれはザハーク公爵家のご子息さまですね?お話は伺っていますよ、ですが変ですねぇ?招待状はお送りしていない筈ですが?」
「招待状など必要無い、ボクはグリド・ザハークだぞ!貴様の様な小汚い商人上がりの新興貴族とは違うんだ!」
グリド・ザハークがさっと手を振ると取り巻きの4人の大男が段蔵に襲い掛かった。
(向こうから襲ってくれるなんてラッキー)
段蔵は先頭の棍棒を持った大男の腕に絡みつくと逆に棍棒を奪い鳩尾に一撃を叩き込んだ。
その光景を見たアジオ侯爵が感嘆の声を漏らした。
「ほう?中々キレのいい動きをする若者じゃな、じゃがあの動き最近どこかで見たような?」
残り3人が段蔵を囲むように移動するがその中の一人の人中に棍棒を叩き込んでやった。残り2人は屋根の上に陣取っていたアスタルトのしびれ薬付きの吹き矢を受けて動くこともままならなくなっていた。
アイリーンが屋根の上に目を向けるがそこにはもう誰も居なかった。
「おやおや、お連れの方々はどうやらお疲れみたいですね?そろそろお帰りになられては?」
「貴様ぁ~~」
グリドが一歩踏み出すと地面が滑って盛大にスッ転んだ。
「くそ、この、どうなってるんだ。全然立ち上がれない」
勿論スプリングが地面に魔法をかけているのだが、他の出席者はそんなグリドの姿を見てクスクス笑っていた。
「おや、ご自身では立てないみたいですねぇ、では手伝って差し上げます」
段蔵はスプリングに合図を送るとグリド達は地面から馬車の方に吹っ飛んで行った。これもスプリングの魔法の一種である。
その光景にアイリーンが不審の目を向けるが段蔵は知らんぷりをした。
「畜生、出直しだ。いつか後悔するぞ!!」
(貴様こそ俺の女を傷つけた事をいずれ後悔させてやる!!)
『馬車はレーダーの圏外に移動したであります。おととい来やがれであります』
◇ ◇ ◇
~屋敷から離れた街道~
グリド一味が馬車を停めて悔しがっているとその近くにもう一台馬車が停まった。
馬車から出て来たフードを被った女にグリドは見覚えがあった。
「あ?誰かと思えば・・・そうか、アンタも出席してたんだな。親父から話は聞いているぜ」
「・・・・・・・・・」
「何?・・・アンタがボクに協力するって?・・・確かアンタは親父とも取引してたよな」
「・・・・・・・・・」
「クッ・・・ククククク、良いぜその話に乗ってやる。ボクが親父を超えればクラリースも気が変わるだろうさ」
グリドは自分が偉大な神にでもなった気分に浸っていたがそれは悪魔との契約だった事に最後まで気付かなかった。その光景に女伯爵はフードの中で邪悪な笑みを浮かべていた。
◇ ◇ ◇
~宴が終わったダンドレジー家~
出席者は帰宅し大体の片付けも済ませた。実はこれからが彼らの本当の結婚式であった。
クラリースはネグリジェに着替え他の皆は以前注文したウェディングドレスに着替えている。ジェインの物は用意できなかった為クラリースの物を着てもらった。
「色々あったけどやっと落ち着いたな」
段蔵は皆にに口づけをしながら装飾品を付けてあげた。
ユノにはムーンストーンを飾ったブレスレットを付ける。
「ここに飾られている石は永遠の愛と柔和な感受性を高めてくれると言われている。今よりもっと良い女になれよ」
「うん、ありがとう」
ユナにはラピスラズリのネックレスを贈った。
「この石には洞察力を高め成功と幸運を引き寄せると言われている。ユナならきっと俺よりも強くなれるからこれからもっと色んなゲームで遊ぼうな」
「うん、絶対お兄ちゃんに勝ってみせる」
アンリエットにはアメジストの指輪を。
「心を落ち着かせると言われている石だ。大丈夫、俺が全部片付けてやるさ」
「今日は本当にありがとう、アタシはダンゾーの事大好きだから」
アスタルトにはシトリンクォーツのペンダントを。
「太陽の象徴、明るさと力強さで希望をもたらしてくれる石はアスタルトに良く似合う」
「ふふん、当然ね」
スプリングにはターコイズの原石を送る。するとスプリングは石を体内に吸収した。
「危険から身を守るとされ人から贈られる事で強い力を発揮するとも言われている」
「すごい愛情を感じるであります。この石は自分の一番大事なところにしまっておくであります」
イズンにはルビーのヘッドドレスを。
「情熱と高揚、寝てばっかりで手が出し辛いからもっと俺を誘惑して欲しいかな~なんてね」
「むしろ旦那様がオラに熱い燃料を注いでくれたらオラもその気になっちゃうべさ、抱く時は金貨と宝石のベッドが興奮するべな~」
「はは、善処するよ」
ジェインにはサファイアのブローチを。
「強い意志と物事の成功、高潔を意味する石でもある。まだ日は浅いから今すぐ愛してくれとは言わないがそれでも君の成功を願っている事は偽りの無い真実だ」
「大丈夫よ、私の向かう道はこれからも貴方と同じだから」
さて、フーディーの母娘だがこの二人は他の8人とは立場が違うので同列には扱えない
「お前達母娘には特別な贈り物を用意している」
オードリーに贈られたのは神鉄で作られた青いダイヤモンドを無数にちりばめ黄金の鎖が付いた手枷だった。
「そのダイヤの一粒一粒に服従と快楽の呪いが込められ手枷そのものに家族以外には触れる事すら出来なくなる強固な守りの呪文が刻まれている」
ミーネには同じく神鉄製で青いダイヤをちりばめた首輪がはめられた。
「こちらも同じだが、ミーネの首輪は敵対者が居ると無限の持久力が与えられミーネの怪力のサポートをしてくれる反面敵が居なくなるとちょっとした副作用がある。どちらも家族以外には見えない魔法が掛かっている特注品だ」
「ううう」
「・・・・・ひぐっ」
早速呪いの効果が表れたらしい、二人とも頬を染めている。
「古典的な解呪の方法はキスでありますな、ディープなやつなら1日は保つであります」
「ご主人様ぁ~」
「・・・ダンゾ~」
「今日はダメ~、他の人にしてもらいな」
母娘で濃厚なキスシーンを演じる事で治まったらしい。
「クラリース、ヨダレ出てるぞ」
「おっと、ジュル」
最後にクラリースにはその瞳の色と同じくエメラルドが填め込まれた白金のティアラが贈られた。
「知性・結婚・喜び・安定、今宵君の全てを貰い受ける」
「はい」
「皆、悪いが今日だけはクラリースと二人きりにしてくれ」
段蔵がそう言うとクラリースの手を取って寝室に入ってしまった。
オードリー「さあさあ皆さんお菓子も沢山残ってますしこのままお茶会をしましょう」
ジェイン「茶葉とジュースとお酒も用意しておこう」
イズン「オラも手伝うべ」
ミーネ「・・・・・私がイズンから果汁を絞り出す」
アスタルト「ミーネは相変わらずド変態ね」
ユナ「カードゲームも持ってきたよ」
ユノ「ご馳走もまだ残ってるわね」
アンリエット「このドレスも何だかハズカシイねぇ」
スプリング「皆様似合っているでありますよ」
???「しかし、あのクラリースとかいう娘は段蔵のお気に入りみたいじゃがどういった経緯があったのじゃ?」
アスタルト「何でも彼女の親父が人体改造しょうとしてたところを助けたとかなんとか」
???「ああ、それでか。む、中々美味い紅茶じゃな淹れ方も良いぞ」
ジェイン「ありがとうございます」
ユナ「イズンお姉ちゃんお酒飲んで寝ちゃった」
イズン「ZZZ・・・・」
アスタルト「ところで・・・アンタ誰?」
皆(イズン除く)がその人物に気付いた瞬間部屋の床がガラスの様に砕け散り暗黒の中に飲み込まれてしまった。
アスタルトが目を開くとそこは一面の暗闇、しかし不思議と人の姿ははっきりと見えた。
「う~ん、一体何なのよ」
ここに居るのはアスタルト・スプリング・ミーネの3人、目の前には褐色肌・茶髪・ピアス・勾玉のネックレス・派手なネイルアートそして狸の耳と三本の尻尾を持つJKが得意気な顔で立っている。
その姿を見た瞬間アスタルトとスプリングは激しい頭痛に襲われた。
「あぐっ、この黒ギャルJKは・・・」
「間違い無いであります。マスターの第一夫人様」
2人の言葉にミーネが納得する。
「・・・・・ダンゾーが言っていた御前様?」
「如何にも、妾が守鶴前ぞ」
守鶴前がパチンと指を鳴らすと2人の頭痛は治まった。
「それで私達に何の用なの」
「他の皆はどうしたでありますか?」
「他の者達はお茶を楽しんでおるぞ、お主等は武闘派みたいじゃから少し遊んでやろうと思ってな」
気が付けばアスタルトはプリンセスローブを纏いミーネの手にはハルバードが握られていた。
「面白い、やったろうじゃん」
「我らの力を見せるであります」
「・・・・・御前様にいいとこ見せる」
いつの間にか白衣緋袴の巫女装束に姿を変えた守鶴前が両腕を広げ3人を迎える。
「その意気や良し、存分に可愛がってくれようぞ」
~幻影のお茶会~
「まあ、そういうわけじゃからあの3人は暫く遊んでおる」
残ったメンバーは一見して先程の居間と変わらないように見える守鶴前の精神世界に集められていた。
「皆それぞれ美しいのは良いが、妾はとっくに30人くらい嫁を集めているものかと思ったが案外少ないのう」
「30って私のレストランの座席数並みですね」
「妾が昔とある大名の側室だった頃・・・」
ユナが元気よく手を挙げた。
「モリヅル様だいみょうって何ですか?」
「領主みたいなもんじゃ、ともかく妾が側室だった頃は50人近い愛妾の教育係を任されておったから女子を愛でる術は熟知しておるぞ」
「50!?それは是非ご教授願いたいねぇ」
「1・2・3・4・・・あれ?ダンゾーから聞いてたより尻尾が少ないけど?」
「ああ、三本は向こうで遊んでおるからのう、こんな事も出来るぞ」
守鶴前が指をパチンと鳴らすと煙が噴き出し6人のメイド服を着た守鶴前に分裂した。よく見れば尻尾がそれぞれ一本ずつになっている。
「さてお嬢様方、何なりとお申し付けください・・・なんてな」
~暗黒舞踏会場~
「ゴーレムを造っても直ぐにバラされるであります」
「手裏剣がすり抜けるみたいで気持ち悪い」
「・・・・・本気で殴ってるのに鋼鉄みたいに硬い」
守鶴前が余裕の表情で3人を煽る。
「若いのにだらしがないのう、千歳超えのおばあちゃん一人倒せぬのか?」
「お前みたいなBBAがいるか!であります」
「所謂、美人すぎるBBAってやつね」
「・・・・・出会ったら3秒で寝たい」
「お主等中々面白い事言うのう、じゃが妾のプレイはちょっとばかりハードじゃぞ?」
~幻影のお茶会~
「しっかし妾の精神世界の中でも気持ちよさそうに寝ているこの娘は何なのじゃ?植物の精みたいじゃが?」
「イズンお姉ちゃんだよ、いつも寝てるの」
「何じゃ?このプルンプルンの乳は?妙にハリが良いのう、大きさだけなら妾も負けてはおらぬと思うが柔らかすぎてどうしても形が崩れ気味になってしまうから羨ましいのう」
「それ、私もです。綺麗なカップを作ってる娘やイズンちゃんが羨ましい・・・ってそんなにイズンちゃんを揉んだら!」
オードリーの注意もむなしくイズンの胸から大量の汁が噴き出し守鶴前の目に直撃した。
「ぎにゃ~~~~~!!目が目があああぁぁぁぁぁぁ!!!」
「今日、何味だったけ?」
「今日のおっぱいはレモンミルクだったかな?」
「え!?何?めっちゃ染みる~~~!!」
その瞬間6人の分身は1人に戻ってしまった。
~暗黒舞踏会場~
「めっちゃ染みる~~~!!」
急に悶えだした守鶴前の様子に好機と見た3人はそれぞれ動き出す。
アスタルトが飛び上がりナイフで斬りかかるが・・・。
「甘いわ!」
手刀で叩き落される。
「む、しまった!!」
守鶴前が叩き落したのは土人形だった。見ればアスタルトと同じサイズの土人形が無数に飛び掛かって来る。その中で本物のアスタルトが手裏剣を大量に投げつける。
「今よ、ミーネ!!」
「・・・・・首輪の魔力開放、御前様覚悟!!」
ミーネが渾身の力でハルバードを叩きつけると、暗黒の世界がぐにゃりと歪んだ。
「あにゃにゃ!?精神世界を維持出来ないのじゃ~~~」
そうして全員(イズンは除く)一斉に目を覚ました。
「戻って来たの?」
「可愛い娘が多いから調子に乗りすぎたのう、妾ちょっと反省」
「・・・・・うあぅぅぅぅぅ!?」
突然ミーネが呻き声を上げた。皆何事かとミーネの様子を見ると、顔は紅潮して涙目で下腹部を押さえてもじもじしている。
「あっ!そうか、さっき段蔵が言っていた首輪の力の副作用ね」
「ミーネ、だいじょ・・・むぐ・・ちゅ・・ちゅぱっ」
近寄ったオードリーに突然口づけをする。何が何だか分からない状況だ。
「・・・ちゅぱ・・・ダメ、さっきと違って治まらない」
「なるほどなるほど、ミーネと言ったか?これも半分は妾の遊びが原因みたいじゃから妾が鎮めてやろう」
「・・・うん」
守鶴前はミーネを連れて別の部屋に行ってしまった。見ればお茶もお菓子も綺麗に片付いていた。
「私達もお休みしましょう」
「何か色々あった一日だったわね。結婚か、なんか自覚無いな~」
「おやすみ~」
「おやすみなさい」
「今夜はすごい魔力が得られそうであります」
◇ ◇ ◇
~翌日、昼~
「お兄ちゃんとクラリースお姉ちゃんがまだ起きてこないんだけど」
「あの、それがですね一回起こしに行ったんですが・・・その・・・お二人ともギンギンに起きていらっしゃって・・・と言いますか、真っ最中でして」
「ハアッ?まだ終わってなかったの?あいつら何回戦ヤルつもりよ!?」
守鶴前が昼食に手を伸ばす。今日はジェインの店も休業で全員屋敷に居る状態だ。
「話を聞く限りクラリースという娘は段蔵と境遇が似ておるからな、肉体の相性もバッチリなんじゃろう」
「・・・・・御前様、私もダンゾーとバッチリになりたい」
「こればっかりはどうにもならんのう。じゃが一回でも多く楽しめる様に己を鍛える事は出来るぞ」
「あ、自分も鍛えて欲しいであります」
そんなやり取りの中ドアノッカーを叩く音がする。スプリングは少し訝しんだが敵意は感じられない事を伝えた。
「それじゃあアタシ達が見てくるよ」
そう言ってアンリエットとジェインが玄関に向かうと意外な人達がそこにいた。
「え?姐さん達?何で?」
「貴女達、今日はどうしたの?」
そこにはアンリエットとジェインの仲間である姐さんや両方のお店の従業員の女の子達や役人・星の智慧社の社員の女の子も居た。
「アンリエットが前に言ってたろ、『十人二十人増えても食うには困らない』って折角だからお世話になる事にしたんだよ」
「ジェインお姉さまだけズルいです。自分だけ玉の輿に乗るなんて、私達も仲間に入れてください」
「クラリース様と旦那様の幸せを応援に来ました~」
「ダン会長~~私も抱いて~~~」
あまりの出来事に二人とも状況が呑み込めないでいる。
「これはどういう状況なんだい!?」
「何で急にこんな話しに!?」
すると奥から守鶴前もやってきた。
「おっと!忘れておったわい、屋敷に来る途中の街で脈のありそうな娘に面白い術を掛けてみたんじゃった」
「「アンタの仕業か~~~~~~!!」」
未だ寝室で燃え上がっている2人がこの事実を知るのはあと1時間程後の事でした。
グリド・ザハークの由来は強欲と悪王ザッハークから付けました。
次回から量産型3Dカスタムメイド嫁が屋敷内に出現します。身長は美少女から美熟女まで種族も自由自在、肌の濃さもスライダーで調整可能、エディットパーツは(お読みいただいている皆様の脳内に)一億パーツ以上(追加も自由に可能)声の出演も一千人以上(脳内で)起用。
次回はこちらでエディットしたサンプルキャラクターのミニシナリオを書く予定ですのでお楽しみに。




