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遊人現代忍者、王国ニ舞ウ  作者: 樫屋 Issa
怪盗 王国ニ舞ウ
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第十六話 お留守番組コーナー

色々小話回

現在屋敷の主二名は不在、クラリースは領地の役人数名と共に爵位継承の手続きで王都まで出張中、運営は代官がいるので緊急時以外は問題無し、段蔵も王都で大暴れする為クラリースについて行ってしまい暫く帰ってこない。

そんな少し寂しくなった屋敷の庭で相変わらずアスタルト スプリングそして新しく家族となったミーネが朝の戦闘訓練をしていた。


「そういえば前の襲撃の時かなり離れた場所から敵の位置を把握していたけどどうやったのよ?」


そんなアスタルトの質問にスプリングが自信満々に答える。


「前に言った通り自分は地面関連ならば色々な事が出来るであります。あれは対地レーダーでありますな、敵対勢力が範囲内の地面を踏めば居場所がわかるであります」

「・・・・・対地という事は?・・・・・」

「残念ながら空からの驚異は察知出来無いであります。ですが使用魔力が少ないので燃費が良いであります。今も発動中であります」

「もし魔力無くなったらアンタどうなるの?身体が魔力の塊なんでしょ?」

「魔力が無くなれば一時的に消えてしまうであります」


あまり表情を変えないミーネが不安気な顔になる。


「・・・・・消えてしまうの悲しい・・・・」

「大丈夫であります。マスターとの契約があるので魔力が溜まればまた現れるであります」


それを聞いたミーネが顔を綻ばせるがアスタルトは不機嫌そうな顔になった。


「そうよ!魔力で思い出したけど、アンタ魔力補給と称していつも段蔵とズッコンバッコンやってるわね?私は今まだ0歳児だからってヤらせてもらっていないのに!!アンタも0歳児じゃないの?!」


スプリングが水晶の翅を大きく広げて猛抗議する。


「何を言っているでありますか!!自分は大地の精霊が実体化して大妖精にランクアップした存在であります。単純に年齢で言えば大地が出来た創星の時代にまで遡るでありますよ!この惑星ほしの成り立ちを太古から見てきたであります!!」


ミーネが瞳を輝かせて食いつく。


「・・・・・誰も知らない神話の時代を見てきたの?凄い・・・・・」

「じゃあどんな事があったか教えてよ」

「つい先日自我が芽生えた自分にそんな難しい事聞かれても困るであります・・・」

「・・・・・・ただ単に見てただけで記憶には全く残ってないのね」


そうして訓練再開相変わらずスプリングの作った土人形相手に奮闘しているのだが今回は身長の高い敵を倒す訓練をしていた。


「ところでしれっと参加してるけどミーネも戦えるの?」

「・・・・・大丈夫、倉庫の中にバルディッシュあった」

「うん?ハルバードじゃないの?」

戦斧バトルアックスじゃないでありますか?」

「・・・・・地域で呼び名が違うだけ、みんな案外細かい」


そんなミーネがバルディッシュをひと振りすれば土人形は一気に5・6体は吹き飛んだ。


「お~っ流石は熊獣人、パワーファイターね」


しかしミーネはその場に座り込んでしまった。


「どうしたでありますか?」

「・・・・・疲れたしお腹減った。もう動けない」

「まだ始めたばっかでしょ!」

「パワーがあっても燃費が悪すぎて長期戦向きじゃ無いでありますな」


とりあえず一旦中断して朝ごはんを食べに屋敷内に戻った三人、ユノ ユナ アンリエットによって朝食は出来ていた。


「おお~ピザだわ、ソースがちょっと違うけど良い感じ」

「ダンゾーの置いていったメモを参考に作ってみたの、聞いたこと無い料理だったからちゃんと出来てるか不安だけど」

「このチーズの焼けた香り、刀から得た記憶通り食欲をそそられるであります。お屋敷の大きいかまどならではでありますな」

「アンリエットお姉ちゃん専用のフルーツ盛り合わせも出来たよ」

「タルトお姉ちゃん、オードリーさん呼んできて」

「まだ寝てんの?」

「・・・・・お母様は色気以外取り柄が無い牝犬、許してあげて欲しい」

「実の母親にさらっとヒドイわねアンタ」


オードリーを連れてきて皆揃って朝食を食べる。食事時の会話もこの家の楽しみの一つだ。


「そういえばこの屋敷って変な所に建ってるわね?街中じゃ無いし」

「レディ・クラリースのお話では昔、各村と街を結ぶ中間点に建築したとか・・・」

(オードリーは何で頭にレディを付けてんの?)

(クラリース様が爵位持ちになったからでありますな、没落したとはいえオードリー様も元貴族夫人でありますからその辺の礼節は身に着いているみたいであります)

「このチーズも酪農やってる村から市場に出てるのね」

「段蔵がその辺の改革やってたからしばらくしたらもっと大規模になるかもね、乳牛や肉用牛をメジャーにすれば食の幅が広がるかも」

「タルトお姉ちゃん、羊じゃなくて牛なの?」

「ええ、今は羊が主流かもしれないけど牛も美味しいわよ」

「そういえばお二人共アスタルト様をお姉ちゃんと呼んでいるでありますな?お二人の方が年上なのでは?」

「「う~ん?色々知ってるし強いからなんとなく」」


エルフ姉妹の声が見事にハモって微笑ましい、アンリエット オードリー ミーネ スプリング アスタルトはそんな光景にメロメロだ。

食後はカードゲームに興じる一同、しかしこの家の現在のカードゲームは他とは少し違っていた。


「ルールはいつも通りイカサマ有りです。バレたら一発負けです」


可愛い顔して恐ろしい事を言ってのけるユナに先程の癒し系の面影は無く幼いながらも勝負師の表情かおに変化する。このルールは段蔵が相手のトリックを見破る為の、また自分のトリックを見破られない為のトレーニングとして行っていることだが、彼女達も楽しくなってきたのかイカサマ合戦を繰り広げていた。


ユナ「1番アガリです!!」

ユノ「ユナ、やるわね2位いただき」

アスタルト「二人に乗ってよかったわ、御無礼!!アガリよ」

ミーネ「・・・・・二人に乗ったのはタルトだけじゃない、私もアガった」

アンリエット「ショボイ役しか出なかったけど何とか最下位は免れたか」

スプリング「これは何かの間違いであります!!背中が煤けているであります」

オードリー「さっきからビリ以外になってないんですが・・・・・」


ゲームを熱心に研究しているのが意外にも普段大人しいユナだった。勝つ為にあらゆる手を尽くし流れを掴めば一気に勝負に出る豪胆さは段蔵からも注目されている。やがて彼女は“ナイアールに勝った女”として国営カジノの管理を任され不敗伝説を打ち立てて行くがそれはまた別のお話。


「四極星って、どんな奴らなの?」

「凄い魔法使いって聞いた事があります」


ここで珍しくオードリーが自信満々に説明してくれた。


「四つの属性で現在最強とされる方々ですね、自由人が多くて中々お会い出来ないそうですが、火の極星はどこかで自分の国を造って武闘大会を開いたりしているそうです」


アンリエットも説明に加わる。


「水の極星はその力で船団を率いて大規模な貿易をしながら各国を巡っているらしいわ」

「土の極星は我が父上ロック・ダグザでありますな」

「出身はエルキュリア王国らしいけど今は各地を旅しているらしいわ。前の事件では偶々帰って来ていたみたいね」

「最後に風の極星ですが、エルキュリア王家に恩があるとかで極星の中ではただ一人王国所属の貴族らしいですよ?確か、ペレンナ伯爵の御子息のオデル様が現在の風の極星だそうです」


そんな感じで勉強・運動・家事・遊びで一日が過ぎて夜、ある意味この家での一番大切な時間とも言える。屋敷は広いので各々が好きな部屋で一緒に過ごすのだが今回は、アンリエットがオードリー&ミーネ母娘を調教中、スプリングは屋敷内を徘徊、アスタルト ユナ ユノが集まって何やら妖しげな事を行っていた。


「これがあの時の薬なのユノちゃん?」

「ええ、ダンゾーが常に鍵を掛けているけどお願いしたら分けてもらえたわ」


そこには桃色の液体が入った小さなガラス瓶が置かれていた。


「私達まだ子供かもしれないけどいつかクラリースお姉ちゃんやアンリエットお姉ちゃん達みたいにお兄ちゃんに“よとぎ”をしてもらうんだよね」

「やり方は・・・毎日勉強はしているわ」

「ダンゾーは無理しちゃダメだって言ってたわ、でも無理をしない範囲なら女の子同士でならやってても良いって」


三人は恐る恐る瓶の中の液体を自分のコップのジュースと混ぜて飲んだ。心なしか吐き出した息が熱を持っている気がする。そのまま三人はベッドに寝転がってお互いを優しくくすぐり続けた。


「この部屋から今までに無いエロ魔力を感じるであります」


スプリングの乱入もあったがこの日から三人の結束は更に固くなったという、その後屋敷内の女性同士の親愛の印として行われる遊びの一つとなった。

次回もお楽しみに

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