第百四十三話 英雄モドキに悪の華束を パート1
「諸君、我等は帝国の平和の為に日夜戦い続けた。しかし愚民共は有ろう事か我等を犯罪者として排斥しようとしている。我等は愚民共の為に危険な身体強化に臨んだと言うのにあまりな仕打ちではないか!?」
「その通りです。あなた様はいつだって正しい。あなた様の為に私、リッチー・ボーデン死力を尽くし愚民共を処分致します!」
「そう、我等こそが新たな帝国の、否、世界の支配者となるのだ!」
「・・・」
「もちろんさ、俺達の力なら何でも成せるよ。(このバカ達は、まあバカな方が儲け易いか、精々俺の為に働いてくれや)」
彼等の前にはラブ・キテレッツが作成したナイアール型プロテクターよりも更に重武装なアーマーを身に付けたテロリスト達がズラリと勢揃いしている。
彼等の組織、帝国一の魔道具研究者一族オキシゲンの名を冠する最悪の犯罪集団は今、帝国全土を支配せんと動き出した。
「我等は帝都と各領地へと向かう、貴様達は先ずこの西王領を制圧せよ!」
魔道具超人達は帝国各地へと飛び立ち、追うようにテロリスト達も続く、テロリスト達のターゲットは西王城、進撃を続けたテロリスト共だったが丁度ナイアール一味が建てた逆さ城が見える位置まで来た時、テロリスト共は急に身体が重くなり動けなくなってしまった。
「何故だ!訓練ではこんな事は無かったのに!」
「知らんよ、日頃の行いが常に悪いからじゃないか?」
動けないテロリスト共を囲んでいるのは金髪エルフの優男、西王チェスター・グラーキと彼が率いる西軍だ。
彼はナイアールや娘達からテロリスト共がこの地を通ると聞き布陣していただけである。
何故訓練を受けていた彼等がこうもあっさり捕まったのか?
答えは簡単で組織に潜入したラブ・キテレッツが出撃後に暫くしたら故障する様に細工したからである。
ナイアール型プロテクターが身軽なのは背中に搭載された新型魔導蒸気機関から魔力の供給を受けて飛行魔法の応用で軽くしている為で、緊急時には破損パーツを簡単に分離出来る仕組みなっていたのだが、テロリスト共に提供したアーマーはコストカットを理由に分離装置を排除している。
つまり魔導蒸気機関が不具合を起こせば着脱困難な重いだけの置物になってしまうのである。
「これで少しは父親らしいトコロを見せられたかな?陛下、そして各王の皆様方、ついでに娘達を娶った憎っくきナイアール、御武運を」




