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理不尽な神様と勇者な親友  作者: 廉志
第一章 -外伝- 勇者来る
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第十三話 出発の時

一人称を『俺』から『僕』に改訂しました。



「ふむ……近衛騎士団から暗殺者が……」


王様が自分の髭を弄りながらつぶやく。

僕がアークに襲われた旨を王様に伝えたところ、苦虫をかみつぶしたような表情で黙ってしまった。


「勇者が街に出向いておった事を知るのは極わずかなはずなのだが……一体どこから情報が漏れたのか……」

「やはり近衛騎士団にいる誰か、もしくはそれを動かせる人物が怪しいですね」

「……どうであろうな、近衛を動かせるのは我かサテレスしかおらん。しかも、不審な経歴を持っていては近衛に入れぬようサテレスにも徹底させている」


暗に「サテレスが怪しい」と言ったつもりだったのだが、王様は全くサテレスを疑っていないようだ。

そもそも、アークを僕の護衛として宛がったのはサテレスなのだから怪しまない方がおかしい。だが、見る限り王様はサテレスのことを信用しきっている。

確かシルフィが言うには……王様は騎士派(Odonterism)でサテレスは王党派(Royalist)で対立していたはずだ。信用しきっているというのも問題じゃないのか?


「ともかく……この件に関してはこちらでも調べを進めておこう。勇者の友人とやらも残念だな、もし一緒に戦ってくれたなら良い戦力になってくれていたであろうに……」

「そうですね。私も彼がいたらとても心強かったでしょう。でも…………彼は面倒臭がるでしょうね」


雄一は必ず面倒臭がる。確信を持ってそう言える。

それでも頼み込んで行けば必ず助けてくれるのは分かっているのだが、基本的に面倒臭がりだからなぁ……


「はっはっは! 面倒臭いか……勇者もその友人のことを信用しているというか、見下しているというか……よくわからないな」

「い、いえ……見下してはいませんよ。信用もしていますけど……ただ彼のことを知っているだけです」


そうだ。僕は雄一のことを知っている。

年数で言えば大したことは無いかもしれないが、それでも同じ家に住み、同じ食事を摂り、勉強やトレーニングで体を鍛えてきた。

それに、彼は僕を救ってくれた。両親からの虐待や俺自身の思い込みから救ってくれたんだ。

信用……というよりは信頼するのはそれだけで十分だ。


「ふっ……そうか」


王様が優しくほほ笑む。

本当に……この王様は公務の時と比べると別人のようだ。先ほどまでの張りつめた雰囲気が一瞬で……




「陛下ぁーーーー!!!」




和まなかった。

ゆるみかけた雰囲気に水を指すようにサテレスをはじめとした大臣たちが王様の寝室に突入してきた。


「ようやく見つけましたぞ! さあ! 次の仕事を始めて下さい!!」


サテレスの指示で王様があっという間に大臣たちに羽交い絞めにされた。そしてそのまま言い訳も聞いてもらえず「お助けーー!!」という叫びとともに部屋の外に引きずられていった。


「ふー……陛下にも困ったものだ」


サテレスが頭を押さえながらつぶやいた。しかも額には大量の汗が流れている。王様を探すためにあちこち走り回ったのだろう……ご苦労様です。


「……む? 勇者か……なぜここにいる? アークはどうした」


僕が寝室にいたことに気付いたらしいサテレス。


「それはあなたが一番ご存じなのではないですか?」

「……? 何の話だ?」


サテレスはとぼけているようだがはっきり言って、今一番怪しいのはサテレスなのは間違いない。

元々が僕を目の敵のように嫌味を言ってきていうえ、部外者に力を借りることを嫌う王党派(Royalist)の筆頭がサテレスだ。極めつけはアークを僕に宛がったのがサテレスだということ。怪しくない訳が無い。


「貴様が何を言っているのかは分からないが……喜べ。出発の日程が決まったぞ」

「…………それはいつですか?」


僕がそう尋ねると、ものすごく嫌味な笑顔を向けてサテレスはこう言った。




「明日だ」




ああ~……やっと終わった…………

皆様から大変不評だった護ルート。書いている僕自身が全然面白くありませんでした。

ええ、それはもう本当に面白くなかった。アイデアは出ないし文章破たんはするし……

まあ、ともかくようやく終わりました。一応、護ルートの改訂をしようと思っています。

次回はこれまでの主要登場人物の紹介と、護ルートの改訂箇所の説明です。

よろしくお願いします。

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