第二十二話 追加説明
いくつか単語のご指摘をいただきましたので修正いたしました。
譲ちゃん=嬢ちゃん
孤児院=児童養護施設または施設
これ以外にもおかしな点がありましたらどんどんご指導お願いします。
「し、死ぬかと思った……」
空間術とやらを試した後、空腹でぶっ倒れてしまいアズラさんに頼み、料理を食べさせてもらった。
「しかし……よく食うねぇ~。坊やこんなに大食いだったかい?」
アズラさんが言うように本当によく食べた。
横に積まれた皿の量を見る限り二十人前ぐらいは食べたかもしれない。つか、そんな量の物質がどうやって俺の体に収まったのか見当がつかない。
「いえ……これはさっきの術のせいでして……」
テネブラエを睨みつける。
『はっはっは。ま、急にぶっ倒れるっつうでかい反動は初めだけだ。試しにもう一度呪文を唱えてみろ』
疑いの目を向けつつ、テーブルに手をかざし呪文を唱える。
先ほどと同じようにドーム状の煙が浮かび上がるが、さっきのような立ちくらみが起きることはなかった。
「ほぉ~たいしたもんだねぇ」
「すごいですユーイチ様!!」
フランとアズラさんが感心している。
ほめてもらうのはなかなか気持ちのよいものだ。
『慣れてくれば念じるだけで出せるようになるぞ? 体力の消耗も少なくなるし、効果範囲も広がる』
「へぇ~……で、これって何に使えるんだ?」
『収納とか色々便利になる』
「………………」
『………………』
は?
「それだけ? 戦いとかに使えねぇの?」
『あ? 空間をどうやって戦いに使うんだよ』
…………だ、ダメだこいつ。早く何とかしないと……
「戦いに使えなくてどうすりゃいいんだよ! 冒険者だぞ俺は!!」
収納便利って……確かに便利かもしれないが、冒険者である俺にとってはそれほど必要ないんじゃないか?
『ま、待て! 落ち着け! 他にも使い道はある! 空間内でちょっとした居住もできるし、ある程度の距離なら空間を通って転移も可能だ!』
俺の剣幕に圧されたのか、テネブラエがあわてて言い訳をする。
転移? それならある程度は使えそうか……
「はぁ……まあ、せっかく使えるんだ。何か使い方を考えないとなぁ……」
まったく……無い頭を使わせるなよ。
ひとつため息をつくと、呪文を呟き漂っていた煙を消す。
だが、今回も座標指定とやらを間違えたらしくテーブルに大きな穴が開いてしまい、再びアズラさんに怒られることになった。