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9 結末

◇◆◇◆◇◆◇

「ふぁ……はぁ……あまり寝れなかったな……」

どう謝ろうかと考えて全然眠れなかった。緊張してってのもあるんだけどさ……。

一階に降りて毎度おなじみのパンを食べながら言った。

「母さん、佑稀は?また朝練?」

驚いた顔た顔をしている。……いや、まぁそりゃ驚くか。あの事件以来、兄弟の仲が悪くなったことは両親とも知っている。

「佑稀ならいつも通り部活よ。珍しいわね。力が佑稀の事聞くの」

「あぁ、まぁ気になっただけだよ」


パンを食べ終えコーヒーでぐっと飲み干し、支度して家を出た。

歩いていると駅の前で佳奈の姿が見えた。

「おっす。佳奈」

「おはよ、力也君」

……うん、寝てないな。佳奈。

「佳奈さ~ん?目が真っ赤なんですが?」

「昨夜ちょっとipodに音楽を入れててね遅くなっちゃった」

……デジャブってやつ?……うん、俺が言った台詞だよね。

「はぁ……佳奈も緊張して眠れなかったのか」

「っう……や、やっぱり緊張するよ!ねえ、明日にしない?!」

「駄目だっての」

そう言い額を小突いた。

「痛っ……もう……分かってるよ」

まだ緊張した面持ちだったが俺にはどうすることもできない。……俺も緊張してるのにそんな余裕ねぇーよ……。



二人の会話はほとんどなく、ため息ばかりしていると学校に着いた。

「佳奈、俺教室まで付いていくから」

「え?な、なんで!?逃げないように見張りのつもり!?なんで分かったの!?まさかこれが愛の力!?」

いつもの佳奈じゃない……何この変なテンション。てか、逃げるつもりだったの?!ここまできて!?

「……うん、愛の力だよ。んで分かったか?」

「う……うん」

力なく頷いた。


佳奈は鞄を置いたあとこちらに戻ってきた。

「ふう、よし!行くぞ」

佳奈も隣で深呼吸を繰り返してる。

「よし、行こう」


俺は佳奈に三階で待っててくれと言い残し教室に向かった。

すぐに教室に行き、鞄を置いて綾瀬の机の前に立った。

「綾瀬さん、ちょっと来てくれ」

少し複雑な顔で言った。

「ん、何?昨日のこと?それならもう気にしてないよ!」

「それじゃ、俺が納得いかない。ちゃんと謝らせてくれ」

「本当にもう良いんだけどな~……」

早くしてくれ。……佳奈が緊張で逃げ出してしまう……。

「綾瀬さん、俺についてきてくれ」

あ、これじゃまるで……

「えー!それじゃまるで告は-」

急いで口を塞いだ。

「んー!んんー!分かた!分かったから。付いてけば良いんでしょ!」



色々と思い出深い人気のない三階にやってきた。

綾瀬さんはすぐに佳奈に気が付いた。

「古城さん……」

「綾瀬、今日は言いたいことがあるの」

綾瀬さんは黙っている。

「私、力也君と付き合ってるの」

「知ってるよ?そんな事。おめでとう!」

え……なんで笑ってんだ。綾瀬さんは予想外の反応を見せた。

「え、綾瀬さん……」

「綾瀬……?」

ふうっと息を吐き綾瀬さんは言った。

「もう力也君の事は吹っ切れた!そして、古城さんあなたとはもうライバルでもなんでもない!私は今大事な人ができたからね!だから-……許す!って……私もあの時は悪かったんだけど……ごめんね」

佳奈はポカーンとしていた。そして、俺もポカーンとしていた。

「え、うん、私のほうこそ本当にごめんなさい。今ではやりすぎたと反省してる」

「だからもう気にしてないって!これからは仲良くしていこ!たぶんこれからまた付き合い長いと思うし!」

?何言ってるんだ綾瀬さんは……。

綾瀬さんは振り向き俺に言った。

「それと力也!あなたは私の初恋相手『だった』んだから責任取ってよね」

責任……?

「責任って……?」

真顔で言ってきた。

「顔面一発で許してあげる」

……へ?あぁ、デジャブってやつね。

「……分-」

バコッっ!!

「っつぅぅ……あぁ、綾瀬さんってグーで殴るだね。俺、平手だと思ってたよ」

無茶苦茶痛い。昨日に続き今日も殴られるって俺ヤンキー漫画の登場人物みたい……。

綾瀬さんは笑顔で言った。

「それじゃ、二人ともまたね!」

去っていった。


佳奈と二人きりになった。

「俺……ヤンキーじゃなくて本当に良かったよ。たぶん、三日で死ぬよ」

「はは、あんな過激な事は漫画の中だけだよ」

笑いながら言った。……俺の頭の骨は結構ガチで持っていかれそうだったけどね。

「でも、釈然としないよね。なんか呆気なかったっていうか……」

「そうだね、でも綾瀬本当に振り切れた顔をしてたよ。本当に大事な人を見つけたんだね。私みたいに……」

佳奈は今ではもうすっかり第一印象とは違う。クールな子だと思ってたけどそうでもなく。本当に一途で可愛い……。最初会った時はこんな顔するなんて想像もできなかった。

「なんか、失礼な事考えてる?……私からも一発お見舞いされたいの……?」

怖い怖い怖い怖い。久しぶりに真顔で言われた。

「なんも考えてない!」

俺は即答して教室へ戻った。







そして、午前中の授業も終わり昼休みになった。

教科書を片付けている大輔に声をかけた。

「大輔、佳奈のところ行ってくるな」

すると大輔は慌てて言った。

「あー駄目駄目!、今日はこの教室で食え。古城さんも呼んで」

あ、もしかして……ふと声がかけられた。

「大輔、ちゃんと誘った?」

「あぁ、今誘ったとこ」

この二人もしかして……。

「お前等二人もしかして……?」

二人顔を合わせて口を揃えて言った。


『付き合ってる』


……言葉を無くした。

「大輔お前本当に告白したんだな」

照れくさそうに言った。

「あぁ、長い長い片思いが実ったよ」

横から声が飛んできた。

「大輔!恥ずかしい言い方すんな!力也、あなたに振られたから大輔に乗り換えた訳じゃないよ?!どちらかというと-」

大輔が口を塞いだ。

「バカヤロー!彼氏の前で昔好きだった男の事言うな!!」



その後少しだけ大輔の告白話を聞いた。話す機会があれば話そうと思う。うん。佳奈とかに話せるといいな。

「それじゃ、佳奈呼んでくるよ」

「おう、早く呼んでこい」

「私も久しぶりにいっぱい話したいし早く呼んできて~!」

俺は笑いながら佳奈を迎えに行った。







甘酸っぱい青春。俺はこの一年を絶対に忘れない。忘れるはずがない。楽しくて、恥ずかしくて、嬉しいことがいっぱいある青春時代の事を……あ……あと痛かったことも忘れないだろう。

ここまで読んでくださってありがとうございます!!


佳奈と力也のイチャイチャ話を書きたい(苦笑



指摘、アドバイスくださる方いつでも募集中です!誤字脱字、感想等もいつでも募集中です!

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