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4 初○○ト!

俺と佳奈は二人で一緒に帰った。帰ったと言っても佳奈は電車で通学しているので、近くの駅まで送って行ったのだ。

明日はやっと、週末か。今週は本当長かった・・・今週って言っても三日しか行ってないけど……。

俺は家に帰りすぐにパソコンをつけた。そして検索……。

「デートの基本っと」

……こんな事調べる男って……いや!でも普通に男でも見るんじゃないか?これくらいは!

調べていると、男性は相手に合わせて楽しいトークをするとか・・・常にあいての顔色をうかがう

とか……男性が相手をリードしろ……だと?いやいや、基本なのか?これ。あ……初心者用ではないのか。

検索やり直すかな。

「デート初心者っと」

……ほとんど一緒な事書いてあんだけど……初心者レベルで俺からしたらかなりの上級者向けみたいな……。頭を抱えているとケータイが鳴った。

「古城……いや佳奈からかな」

少しにやけてしまった。自分で言うのもあれだが気持ち悪い……。

予想通り佳奈からだった。

『古城佳奈』

「明日、なにか用事でもある?もし良かったら一緒にどこか遊びに行かない?」

んー……感動するなぁこんな日が来るなんて思ってもなかったからなぁ~

たぶん、デートしない?ってところを消して遊びに行かないって書き直したんだろうなぁ~って想像してしまう。

俺はすぐに返信した。

「暇!遊びに行こう!どこ集合が良い?あ、何時ごろ?」

送って数十秒で、返事が返ってきた。

『古城佳奈』

「やった!それじゃあ駅まで来てくれる?そうね……10時頃はどう?」

10時か……いつも俺は休みの日はお昼まで寝ているので……そんな事どうでも良いな、どうせ答えは決まってる。

「了解。それじゃ明日迎えに行く!」

んー……街でぶらぶらするしかないかな。映画とか好きなのかな?初デートだし……緊張する。

するとまたメールが。

『古城佳奈』

「ありがと!楽しみにしてるね!」

ニタァ~と顔がほころんでしまう。……気持ち悪い。


三日前はこんな感情が生まれるなんて思ってもなかったな~。どちらかと言うと苦手なタイプだったし。でも三日前の俺がおかしかったんだ!って思えるようになってきた。良い傾向だと少し思う。


俺はパソコンで検索しても成果はないと判断してパソコンの電源を落とし。風呂に入り、ご飯を食べて寝ることにした。

明日楽しみだけど、緊張の方がでかいなぁ~……。




◇◆◇◆◇◆◇

朝になった。いや……もう昼!?……なんてミスは俺はしない!

よし、寝過ごさなかった!

こんな事で喜んでいて良いものだろうか?と考えたが、初デートで遅刻なんてことはありえない。喜ぶべきなのだろうと判断した。

余裕を持って起きたので準備を入念にし、服装も少しシャレた感じにした。普段はあまり付けないネックレスまで付けた。髪もワックスで少し立たせスプレーで固めた。学校に行く時は寝る時間が一分一秒でも惜しいので、あまりワックスなどを使わない。

変に思われないかな?コイツ何決めてきてんの……引くわー……とか……ないよな!?

そろそろ時間なので自宅を出ることにした。


歩いて十五分くらいで駅に着いた。

駅に向かっている間ずっと緊張しっぱなしだった。

よしっ!楽しむことさえ忘れなければ大丈夫!

と自分に言い聞かせ駅の中に入った。


中に入るとすぐに佳奈を見つけた。……おーさすが俺の彼女……なんか髪の色が明らかにおかしい連中に声をかけられてる。休みの日ってこんな奴等ばっか沸くのかな。と考え恐る恐る近づき声をかけてみた。

「えーっと、おっす佳奈。」

髪の毛が赤いヤンキーAが話しかけてきた。

「あ?何お前?この子の彼氏?」

すると髪の毛が赤と金メッシュのヤンキーBも話しかけてきた。

「今からこの子と一緒に飯食いに行くんだから邪魔すんなよ」

うわ~……思った以上にこえぇぇぇ……。

「佳奈、この人達と飯食いに行くの?」

とりあえず佳奈は大丈夫かと思い声をかけてみた。

「行くわけないじゃない!」

おぉ、さすが俺の彼女全然平気そうだ。ってことは……俺はこいつらを追い払いさえすれば普通にデートができるということか。

「……あ、ヤンキーAs-違、赤のお兄さん、ズボン下がってますよ。パンツ見えちゃってるじゃないですか。公然わいせつ罪ってやつですよ~」

これは殴られるかなと予想したが意外と……効果はあったらしい。

「は?え?あぁ」

ズボンを上げた……んんんん!?何この反応?俺どうすりゃいいの?

「……ははっ」

笑っちまったよ。どうしようもないんだもん……。

佳奈の手を握り、言った。

「すまん!少し走るか!」

うん、と可愛らしく笑いながら頷いてくれた。あぁ、天使のようだ。鬼に囲まれてたのになに、この安らぎ。


走って逃げると、追ってくるとも思っていたのだが、全然追ってこなかった。


公園に入りベンチに座り息を整えることにした。

「はぁはぁ……きっつ……久しぶりにこんなに全力で走った」

佳奈のほうも息を切らしている。

「ふう~……私もこんなに全力で走ったの久しぶりだったよ」

笑いながらもどこか余裕のある顔を見せる。

「佳奈、怖くなかった?ちなみに俺かなりびびってたけど」

「少し怖かったけど、たまにあるからどっちかっていうと慣れてるのかも」

少し照れ笑いのような感じの顔をした。

「そっか、佳奈は美人だしなぁ~……」

少し複雑な気持ちながらも俺はこんな美人の彼女がいるっていう優越感もある。

「て、照れるね。ありがとっ。あ!でも私は力也君以外には興味ないからね!?」

「心配してないよ」

佳奈の焦りながら言うのを見て笑ってしまった。癒される……。

佳奈は俺を見上げ言った。

「今日は一段とカッコイイよ。私なんかのためにオシャレしてきてくれてありがとう」

照れ笑いを浮かべならが言った。

「佳奈もかなり似合ってる。可愛いよ」

佳奈はいつもは長い綺麗な黒髪降ろしているのだが今日はポニーテールにし、全体的に黒が多くみられるファッションだった。てか俺・・・かなり恥ずかしかった・・・これを言えるチャラ男と呼ばれる種類の人はすごいと改めて思った。恥ずかしくないのかなあ……俺はできればもう言いたくないけど……。

佳奈は立ち上がり言った。

「よし、やっとデートが始められるね!あ、デート……で良いんだよね……?」

はにかみながら聞いてくる。俺はすぐに答えた。

「あぁ、もちろん」




そして初デートが始まった。

俺には実は目標がある。それは……今日、佳奈に俺から「好き」と伝えることだ。

これを伝えないと俺は佳奈から信頼されないような気がしたからだ。

昨日みたいにすぐに浮気!って言われるのはちょっと嫌だし……これ以上バカとも言われたくないしな……。大輔すまんな、俺はお前みたいにバカを肯定したくはないんだ。



なんだか、サブタイトルがあれですが気にしないでください。

今回も楽しく書けました!

これで四話目です!


一応皆様には三話か四話までは見てほしいとお願いしたので、ギリギリ読めるレベル!と評価をくださった方にはこれからも読んでくださると嬉しい限りです。もうこれくらいで良いかなと思われた方は次回作を書いた時ぜひぜひ読んでください。


駄目だしお待ちしております!

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