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16 古城佳奈

学校に着くと真っ先に佳奈の教室へと向かった。

「佳奈!」

大声で佳奈を呼んだ。するとすぐに佳奈を見つけることができた。

「っ!」

佳奈は立ち上がり、走り去って行った。俺は即座に追いかけた。

校舎の三階……色々と思い出すこの場所へとやってきた。そこで佳奈は立ち止まった。

「佳奈!……言いたい事がある。いいか?」

「……聞きたくないよ。力也君。私、別れるなんて嫌……」

「佳奈……俺は」

「それ以上言わないで!!」

空気が震えた。俺はそれでも言い続けた。


「俺は、古城佳奈の事が世界で一番好きだ!だから!もし良かったら俺と付き合ってくれませんか!!」

佳奈の顔を見ると、何を言ったか理解できていない様子だった。

「佳奈、俺は最低な奴だと自分でも思う。自分から別れようって言ったのに……でも無理だった。佳奈の隣に俺じゃない男がいるなんて想像しただけでも……いやだった。佳奈の隣は俺だけのもんだ。って思ったんだ。だから、佳奈……俺にもう一度だけチャンスをくれないか?」

佳奈の顔が次第に泣き崩れていく。

「……ズルイよ。そんなの。……それでも私は嬉しかったよ」

「佳奈……ごめん」

「はい、こんな私で良ければ付き合ってください」

佳奈は涙を零しなおも笑みを崩さずに俺に言った。

「佳奈、ありがとう、次こそは絶対に幸せにする」

「その言葉忘れないでね?これが最後のチャンスだからね……?」

「あぁ、約束する。この約束は一生守る」

佳奈は安心したような顔をし、涙で濡れた顔を俺の胸に押し付けた。

「安心するね。ここ。力也君、さっきの告白恥ずかしくなかった?」

……思い出すだけで顔が真っ赤になる。間違いなく黒歴史もんだろう。

「っう……佳奈さんそれ聞きますか……思い出すだけでもかなり恥ずかしいけど、言って後悔はしていないと思います」

「そっか。良かった。……力也君久しぶりに……」

佳奈を顔を見えないが、恥ずかしいそうにしているのが分かった。

「ん?どうした?佳奈」

「久しぶりに……き、き、キス!……してみない?」

佳奈は俺の胸から顔を離し上目遣いに聞いてくる。そんなの男ならもちろん断れる訳がないじゃないか。

「佳奈って前から思ってたけど、かなり大胆だよな」

「っ!そ、そんな事ないよ!」

「はは、良いよ佳奈。俺もしたい」

「……うー……なんかイヤラシイ……」

そんな佳奈を見て俺は自分から、自分の唇を佳奈の唇へと近づけた。

そして……自分から佳奈の唇へと自分の唇を押し付けた。


何分ぐらいそうしていたのだろう。もしかしたら数秒だったかもしれない。それくらい長く感じられた。そして『世界で一番幸せなキス』をしたと言える自信のあるキスをした。


その後も佳奈は中々泣き止まなかった。だが、その涙は悲しい涙ではなく嬉しい涙だと分かっていたので俺は無理に泣き止ませなかった。














神様って奴がいるならさ、なんで時を巻き戻してくれないんだろうな。って言ったことがあるけどさ。やっと答えが分かったよ。……今この時を巻き戻してほしくないと願っている人達がいる。それが答えだ。今の俺は巻き戻されたら間違いなく壊れるよ。この世界からドロップアウトしたくなるほどにな。神様……俺はあんたがいるって信じるよ。じゃあな、神様。俺と佳奈の事はもう心配しないでくれ。……神様に代わって俺が佳奈を幸せにしてみせるから。



「佳奈聞いてくれ」

「どうしたの?力也君」


俺は照れくさくなったり、佳奈の顔を見ると安心したりと、この何ヶ月かで随分と変わった。これからだってもっと変わっていくだろう。その変化を期待しつつ俺は佳奈に『誓い』を告げたのだった。

この話でこの作品は一応完結です。インフルにかかった時に書いちゃったのも良い思いでとなるでしょう。

僕自身初の小説!ということで書いたのですがとても楽しく書けたうえ、お気に入りに登録して頂いた方もいらっしゃって本当に嬉しく思いました。110ポイントも入っており本当に感謝感激です。

一応完結ということにしておきました。またコメントなどで「この先が気になる」と言ってくださる方が出てきた場合などはアフターストーリーとして新たに書いてみたいと思っております。書けるならば次は、もっと文法の約束を守り、描写をいっぱい書きたいな。と思っております。


もし、よろしければ「Happy dreamへダイブ!」の方も見てやってくださると嬉しい限りです。


はい! 最後になりましたが、ここまで読んでくださった皆様……本当に本当にありがとうございました! 感謝感激でございます!!


ではまた機会があれば!

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