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12 衝突

◇◆◇◆◇◆◇

朝起きて、身支度を整え家を出た。

今日は朝食を抜いてきた。時間もギリギリだったのもあったが、どうせ少し早めに昼食を摂るだろうと思ったからだ。

駅まで佳奈を迎えに行った。今日のデートは佳奈がリードしたいと昨日言ってきたので、佳奈に素直に任せることにした。


ほどなくして駅に着いた。駅の中に入ると、ボーダー柄Tシャツにショートパンツとニーソックスといったとても太ももが強調される服装をしている。佳奈を見つけた。佳奈の周りに人が……また囲まれてる?と心配したが服装を見てすぐに三人の女子と話しているのが分かった。

近づいて行っていいものかと悩んでいると、佳奈から声をかけられた。

「あ、力也君!こっちだよ」

分かってるんだけどさ、近づきにくいんだよ。それに……女子高生の集団って少し怖くない……?

「何してるの?」

「おっす、佳奈、えっと友達?」

「うん、中学時代の友達だよ。顔知ってる子もいるんじゃない?たしか、リコは力也君知ってるよね?」

するとポニーテールの子が驚きの声を出した。

「え!?佳奈まさか、白泉君と付き合ってるの??」

「えへへ、実は少し前から付き合ってるの」

照れ笑いをしながら佳奈は言った。

俺は自然と挨拶をしてしまっていた。

「あ、白泉力也です。えっと、佳奈の彼氏です」

三人は色めいた声を出した。俺はどうもこの空気が苦手だったので佳奈に視線を送ると佳奈は感づいてくれた。

「それじゃ、私行くね。またメールするね」

そう言い三人と別れた。


駅を出て街に向かっている途中俺は気になったことがあったので聞いてみた。

「佳奈って意外と友達多いんだな」

「力也君もしかして喧嘩売ってる?」

「い、いえ……違う違う!なんとなく多いな!って思っただけだって」

「……部活やってたからね、多くはないけどある程度は友達いるよ。力也君よりはね。ふんっ」

「うっ……佳奈俺が悪かった機嫌直してくれ。……あ、そうだクレープ食べないか?奢るぞ」

するとそっぽ向いていた顔が俺の方に向けられる。

すると笑顔で言った。

「食べるっ」

おう、と返事して二人してクレープ屋さんに並びクレープを買った。

佳奈はチョコバナナ味、俺はツナサラダ味を買った。


そして、公園に入りベンチに二人並んで食べることにした。

「クレープ久しぶりに食ったけど美味しいな」

「うん、美味しい。……力也君、一口食べさせてくれない?」

「え?うん、もちろん良いよ。……それじゃ口あけてくれ」

「……え?」

「……え?」

二人して固まった。あれ俺なんか違った?

佳奈が笑いながら言った。

「力也君、大胆だね。うん、それじゃ食べさせてもらおうかな」

……恥ずかしい。穴があったら俺は迷わずに飛び込んでいたに違いない。

「う……。あぁ、分かったそれじゃ口あけてくれ」

「あ~ん」

「き、緊張するな、なんか」

「あ~やく~」

口を開けながら可愛いらしい講義している。

俺は佳奈の口の中にクレープを持っていって食べさせた。……じっと見ていると佳奈が照れながら顔を逸らした。

「うん、美味しいね。ツナサラダ味も」

「そっか、なら良かった」

「はい、あ~ん」

「え?俺?いや良いよ!」

「あんな恥ずかしい事しておいて、私にはなんにもさせてくれないの?力也君」

目を細められ、じと~とした目で見つめられた。

「佳奈!変な事言うな!周りに人がいたら変な風に見られるぞ、今の会話じゃ!」

「そんな事より、早くあ~んして」

「う……分かったよ。はい、あ~ん」

佳奈は俺と同じようにクレープを食べさせてくれた。

「どう?美味しいでしょ?」

「うん、美味しいよ。恥ずかしかったけど」

「あ、クリーム付いてるよ。力也君」

「え……佳奈、ティッシュ持ってる?」

「ふふ、持ってるけど、今必要ないよ」

「何言ってんだよ、必要だって-」

佳奈は立ち上がり、俺の口元に自分の唇を近づけて、クリームを舐め取った。

俺は顔が真っ赤になった。

「か、佳奈!?何すんの?いきなり!」

「そ、そんなに驚かなくても良いじゃない……まさか嫌だった……?」

「そ、そんな訳ないだろ」

俺は顔を合わせられなくてそっぽを向きながら言った。


クレープも食べ終わったので、佳奈に聞いてみた。

「これからどこ行くんだ?佳奈」

「お昼ご飯は、クレープ食べたから少しの間は大丈夫?」

朝食も抜いてきているので、少し物足りなかったが当分は大丈夫だろうと思い返事を返した。

「あぁ、大丈夫」

「私、力也君とプリクラ撮りたいの。だからゲームセンター行かない?」

「プリクラ?もちろん良いよ」


ビルの四階にあるゲームセンターに着いた。

「ゲームセンターも本当久しぶりに来たなぁ~」

「私も中学生の時以来、来てないかも」

プリクラの機械の所まで行き、佳奈に聞いた。

「佳奈、俺プリクラほとんど撮った事ないんだけど、佳奈分かるか?」

「わ、私も少し自信ないかも」

「それじゃ、少し説明を読んでから中に入ろう」

機械の前に白いボードに説明が書かれていた。目が自然に大きく見える機能やら、化粧をすることができるやら必要性がない気がする機能ばかり付いていた。……もっと普通にプリクラが撮れれば俺としては問題がないんだけど……。佳奈も隣で「目が自然に大きく見える機能?……これ不自然よ……」等漏らしていた。

「よし、一応分かったぞ。普通に撮る事もできるらしいからそんなに心配しなくて良いぞ」

「え?本当?……良かった。あんな不自然じゃなんだか嫌。あ、でもフレームとかは可愛くしたいな」

「おう、フレームとか文字は佳奈に任せるよ」

「力也君も一緒に考えて!二人じゃないと思い出にならないよ」

「んー苦手なんだが……まぁ、そうだよな」

そして、機械の中に入り色々と設定をし、フレームはハートがいっぱいついているやつにして。撮影をした。

その後、文字を書くことができるようになったで、二人で決めた文字を書いた。



この幸せが永遠に続きますように


と上部に書いた。

「ふう、良い感じになったな。プリクラ」

「うん、一生の思い出だよ。あ、ケータイちょっと出して」

佳奈の行動を予測できた、俺は素直にケータイを差し出した。

「佳奈のケータイも少し貸してくれ」

佳奈も察したようですぐにケータイを差し出してくれた。

お互い照れながら、お互いのケータイの裏側にプリクラを貼った。

「なんか、嬉しいね。このケータイは力也君と私の思い出を二つも残してるんだね」

「なんか、変な事言ってる気がするけど、そうだな。なんだか嬉しいな」



その後ゲームセンターでゲームをして過ごした。少し早いが佳奈が少し疲れたように見えたので声をかけた。

「佳奈、今日は帰るか?なんか疲れてそうだし」

「え?私疲れてないよ。それにまだこんな時間だよ。まだ一緒にいたいよ」

佳奈の顔がほんのり赤っぽい。まさかと思い額に手をあてた。……熱い。熱がある。

「佳奈、なんで言わなかった。辛いって熱あるだろ。早く帰るぞ」

「……辛くないって言ってるでしょ!?力也君は私と一緒にいたくないの?」

「佳奈!こんなところで無理してまで俺は一緒にいたくない!言うことを聞いてくれ。佳奈!」

「……嫌だよ。もうすこししか時間がないんだよ?私は一秒でも多く力也君と一緒にいたいよ」

「佳奈、頼む言うことを聞いてくれ。佳奈、高校-」

「……もういい!私一人で帰るから!またね!」

佳奈は走り出してしまった。人混みをすり抜け、エレベーターの中へと入っていった。

俺は叫んだ。

「佳奈!!!待て!!!」

すぐに追いかけた。だが、人混みが邪魔して中々前に進めない。俺は、すみませんと言い強引に人混みを掻き分けた。佳奈はエレベーターの扉を閉めすぐに下に降りてしまった。……くそ……佳奈まだ話しの途中だったろ。ちゃんと話しは最後まで聞いてくれ……。その後階段を使いすぐに追いかけた。









人生という道があるなら決して真っ直ぐな道だけではないと思う。何個もの分岐点がありその分岐点先にも分岐点があるのだと思う。分岐点なんてちょっとした出来事があっただけでできる。だがちょっとしたことで分岐点は減ってしまうこともある。だがゴールは変わらない。先に待っているのは人生の終わりだろう。俺は直線の人生の道を歩きたくないと切に願った。……俺はこの後、分岐点が一気に減ってしまうことになる。……神様、なんで時を巻き戻してはくれないんだ?あんたなら簡単だろ?……なんで戻らねぇんだよ……。







テスト期間に入ってあまり書けなくなってしまう前に、最後に昨日一話分だけ書いたので、掲載しておきたいと思います。


書いてて思うのですが、時間ほど残酷なのはない気がします。全人類があの時に戻れたらなぁ……と思う時があると思います。僕はその時ほど悲しい時間はないと思っています。……自分であとがき書いてて少し意味が分からなくなっちゃいました。すみません。時は決して戻らない。この事を頭の隅に置いてくださるとこの作品を書いてて良かったな。と思います。


最後になりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました!!



追記 感想をくださった方本当にありがとうございました。物凄くこの作品を書いてて良かったな。と思えました。感謝感激です。

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