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11 進路

佳奈からの一言で、俺は完全に忘れていた進路というものを思い出した。……俺、全然決めてないじゃん。やっぱ就職か……?佳奈と早く一緒になりたいし・・・。


「佳奈はどーすんの?」

「私は進路用紙に、力也君のお嫁さんって書いたよ」

笑みを浮かべて俺に言った。

「えぇ!?まじで?え、なんか照れるなぁ」

バカップルぷりはまだ直らない。いやこれからもこの調子だろう。本人達に自覚がないのが痛い……。

「はは、うそだよ、ごめんね」

佳奈は笑いながら言った。

「あ、でもお嫁さんになりたいってのは本当だからね?私は栄養士の資格を取って将来美味しいご飯を力也君に作ってあげたいから調理師学校に行こうと思ってるの」

「ってことは、専門学校?ってか嬉しいなそれ、でも佳奈のやりたいと思ったことすれば良いんだぞ?」

佳奈はキョトンとした顔で言った。

「うん、専門学校だよ。え?私がやりたいことは今は力也君といつまでも幸せな生活を送れるようにすることだから、これ以外には考えてないよ」

「ははっ、そっか」

俺は笑いながら佳奈の頭を優しく撫でた。


「で、力也君はどうするの?」

ははっ、返ってきた。決めてないって言うと怒るんだろうなぁ……。

「俺は~……まだ恥ずかしいから内緒」

これならごまかせはず!と思ったのも三秒間ほどだった。

「力也君うそついてるでしょ。私が見抜けないとでも思った?」

「ごめんなさい。実はまだ決めてないです」

「はぁ~……そんなことだろうと思ってたけど、どうするの?これじゃ私達一緒にいられなくなっちゃうよ?私嫌だよ?力也君と離れるの」

「だよな、俺も佳奈と離れるのは嫌だ。早く進路決めて色々と話さなきゃいけないもんな。時間ないよな」

そっか、この学校にいられるのもあと一年もないのか。この佳奈と出合った学校…………。時間は待ってくれない。俺は改めてそう思った。



佳奈に、「早く決めてね。いつでも相談に乗るから!」と言われ。お互いの教室に向かった。


朝練を終えて帰ってきた大輔に聞いてみた。

「なぁ、大輔って就職だったよな?」

「うん、そうだけど?どうした?」

「いや、俺まだ進路決めてないからさ、なんとなく聞いてみただけだ、進路決まってないのまさか俺だけか?」

大輔は真顔で言った。

「間違いなく力也だけだろ、もう一学期終わるんだぞ。真剣に考えたほうがいいぞ、古城さんと一緒にいたいんだろ」

すると、綾瀬さんも話に加わってきた。

「そうだよ、力也は佳奈を幸せにしてあげなさいよね。あの子本気なんだから」

「うん、分かってる。そういえば、綾瀬さんは進路どうすんの?」

「へ?私?決めてないよ?だって女の子だったらお嫁さんって書いておけば問題ないんじゃないの?」

あぁ、ここにもバカがいた。あぁ、これが本当のバカップルってやつなのかもな。大輔の毒に犯されたか。……ん、進路、お前も決めていないって?いやいやいやいやいや、一緒にすんな!

大輔がへ?って言い、二秒ほど固まった。その後言った。

「咲!何言ってんの?お前まじで?!」

よし、大輔そうだ怒ってやれ。大輔は続けて言った。

「俺のお嫁さん!?まじで?!」

へ?いやいや、違うって綾瀬さん進路決めてないようなもんだぞ?いいのか?ってか綾瀬さんまだ書いてないからな。大輔。

「え、誰が大輔のお嫁さんって言ったのよ!未来の旦那のお嫁さんよ!」

大輔が「えぇぇぇぇ……!」と悲痛な声を漏らしていたが俺は聞こえないふりをした。……だめだこいつ等の会話に入ると俺までバカになっていく。佳奈。これからは二人で昼食を食べような。と思っていると担任が教室に入ってきた。……あれなんで俺の席の前にくんの?え?

「進路決まっていないバカ二人が仲良くいてくれて助かった。お前達、放課後職員室まで来い」

「ははっ、お前等本当、仲良いよな。二人して職員室に呼ばれてやんの」

俺は笑って言った。

「ははは、白泉お前と、綾瀬の二人のことだよ」

この担任なんて事言いやがる、綾瀬さんはともかくとして俺がバカ?っふ……佳奈なんとか言ってやってえくれ……泣けてきた……。




担任に呼び出し宣告を受けてから、四時間ほど経ちやっと、昼食となった。

先ほど、佳奈と二人だけで食べようと思っていたのだが、バカップル二人がそれを許してはくれなかった。

「二人共怒られて当然だよ、ちゃんと放課後行ってね?力也君」

大輔に笑われながら佳奈に今朝のことを暴露された。

「はい……」

綾瀬さんはため息をついていたが、そこまで深刻そうに考えていなかった。本当にどうでも良いんだろう。……どうでも良いのか……?

「それより、佳奈さGWとかも一緒に遊べなかったしさ、週末デートでも行かない?」

「それより、じゃないよ。…………うん、そうだね。私も力也君とデートしたい!デート行こう」

佳奈は怒っていたが、少し笑ってくれた。よし、イチャラブなデートが久々にできる!

「あ、それなら!Wデートやつしてみない!?私と大輔と、そこのバカップルで!」

Wデート?まぁ、それでも問題ないか、と思い佳奈に視線を送った。佳奈も頷いてくれた。……だが言っておかなければいけない。だよな、佳奈。

『バカップルはあんた等だ!』

佳奈と声を合わせ言った。

そして俺は言った。

「まぁ、俺と佳奈は別にWデートでも全然良いよ。大輔は?」

綾瀬さんが気が付き、あ……と声をもらした。

「大輔!一日くらい部活休みなさい!息抜きも必要だよ!」

大輔は憤慨しながら言った。

「行けるわけないだろ!!もう最後の大会近いんだよ!力也!お前空気読めよ!今じゃなくても良いだろ?!」

「それじゃ仕方ないな。綾瀬さん俺と佳奈二人でデートするよ。Wデートはまた今後ってことで……」

綾瀬さんは「えー……」と不満そうにしてたがすぐに諦めてくれた。佳奈は隣で苦笑していた。







そして、待ちに待った週末がやってきた。





今年一年……いやもう一年もない。本当に色々あった学校生活も残るところあと八ヶ月ほど、いや実際に学校に行くのはあと五ヶ月もないだろう。俺は八ヶ月後にはどうしているだろう?無事に進路が決まり自分のやりたい事が見つかっただろうか?いや、それよりも佳奈と一緒にいられているのだろうか?……そんな事は分からない。ただ願うしかない。この時この瞬間の幸せがいつまでも続きますようにと……。









次は久しぶりに佳奈とのデートが書けます!背中がむず痒くなるようなのが書ければ良いなと思っております。


話しは変わりますが、こんな作品に評価して頂いた方本当にありがとうございます。作者自身本当に助けになっております。



最後にここまで読んでくださった皆様本当にありがとうございました!!


追伸 GW明けからテスト前一週間なので……多少投稿が遅れますがご了承してくださると嬉しい限りです。テスト終わり次第また毎日投稿させて頂きたいと思います。

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