05 交渉 - エルフ少女のパンツパワー58.5のパンツ
ディバイン・セイバー完結記念、クリスマスプレゼント企画!
短期集中連載でお送りしております。
本日、2話目となります。まだ前話をお読みでない方は、そちらからどうぞ。
突然現れた人間の少年に妹の話をされて、言葉を失うアエリエ。
自分の名前を呼ばれた事に驚く間もなく、気付けば背を押されて奥のテーブルに着いていた。
自分で注いだ水をアエリエの前に置くと、少年はアエリエをじっと見つめた。
「お前は、何者だ?」
アエリエもまた、突然現れた怪しい少年をじっと見返す。
疑念を込めた瞳に気おされることなく、少年はにやりと笑うと告げた。
「妹を見つけられず朝日の中で憔悴したエルフに声をかけた、変わり者の犬ですよ」
「……はぁ?」
犬と言えば、先ほどまで自分と一緒に街中を走っていた、茶色い犬のことだろうか。
そんなことを考えるアエリエの目の前、テーブルに少年が置いたのは、先ほどの茶色い犬がつけていたと思しき黒い首輪だった。
少年は、自分が犬である、と言った。
つまり――
「つまり、貴様が!
世界で一番尊い美少女エルフ妹イナリナの、当時60、現在パンツパワー58.5のパンツに顔を突っ込んでずっとくんかくんか嗅いでいたということか!?」
「ちょっと待てぇぇぇっ!?」
パンツパワーは1時間で1.5くらい減るらしい。
いや、今大事なのはそこではない。パンツパワーの計算式はどうでもいい。
「匂いで捜索するためには探す相手の衣類が必要なんだから仕方ないじゃないか、あとアエリエがパンツしか持ってなかったのが悪い!」
「何を言う!
このアエリエ、イナリナの衣類なら全て一式肌身離さず身に着けているぞ!」
「じゃあ最初からパンツ以外出せよぉぉぉ!」
「あ、えっと。料理、置いておきますので……」
間が悪いことに、ちょうど料理を運んできた店長が隣のテーブルに料理を置いてそそくさと逃げ去った。
会話を聞かれたことに少年が顔を手で覆い天を仰ぐ。
いや、仕事の話だ、仕事の。だから店長は情報を漏らしたりしない、信じてる! なぜか敬語だったけれど大丈夫!
出来るだけ店長の事は考えないようにして、少年は目の前でパンツを握りしめて匂いを嗅いでいるエルフに
「いやあんた、いつの間にそれを取り出したんだこの変態」
「ああ香しいイナリナの香りに獣臭さが混じってしまっているイナリナが野良犬如きに穢されたおのれ許さん死ねまずは死ねそして死ね!」
「うおわっ、ほんとあんたちょっと落ち着け、落ち着け!
妹助けたいんだろ!?」
抜いた剣を振り下ろそうとする腕は、いつの間にか現れた店長にぴたりと止められていたが。
それでもなお暴れようとするアエリエが、少年の言葉で動きを止める。
「――助けられるのか?」
「そのための情報共有であり、作戦会議だ。
ぼくもお腹すいたし、料理を食べながら話すとしよう」
ゲーム開始時点で死んでいるモブキャラが、独特のノリで死に掛けたり死んだりいちゃいちゃしたりと次々に大活躍!
だいたい100万PVの大人気御礼、遂に第一部完結しました!
ディバイン・セイバー ~ゲーム開始時点で既に死んでいる盗賊Aだけど、ヒロイン達だけは不幸にさせない~
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